Archive for the ‘レポート:PC(USB)/ネットワーク系’ Category

marantz SACD 30n and MODEL 30 (postscript)

月曜日, 10月 12th, 2020

新しいラインナップとなるmarantz 30シリーズ、3連載の最終編です。
新製品をカップル(つがい)で聴いた時のまとめを簡潔にレポートさせていただきます。

【相性は良好、お互いのウィークポイントを補完し合える関係。】
(…とはいえ、ウィークポイント(弱点・欠点)と言うほど双方レベル・クオリティが低いことはないので、あくまで見出し的な表現ということでご理解ください。)

個別のレポートを読んでいただけると分かるかと思いますが「MODEL 30は鳴りっぷりが良いけれどやや低重心」「SACD 30nは少し穏やかだけれど高音~低音まできれいな伸び」といった感じであり、2機種を対で繋ぐことでブレンドされ、よりナチュラルなサウンド傾向としてアウトプットされます。

MODEL 30は(ドライとは言いませんが)やや(良い意味で)カラッとした傾向なのでSACD 30nのウェットさで上手く調和されています。高域のレンジ感もSACD 30nはきれいに伸びており程よく補完されている印象です。

SACD 30nは上質できれいな鳴りですが、その分音が前に向かって来ず、少し穏やかで落ち着いた音調なのでMODEL 30でドライブすると音にメリハリが付いて躍動感が付随します。やや平面的だった音場(サウンドステージ)も立体的になる印象で良いフィット感だと思います。

…と、音調・傾向的には上記のようなマッチング・フィット感となり、黒江的には好印象のペアだと考察しております。

なお、SACD 30nが多彩なデジタル入力・デジタルソースに対応しており、デジタルステーションとしての活躍が見込めるため、この『SACD 30n と MODEL 30』にお気に入りのスピーカーを組み合わせるだけでシステムがほぼ完結するので非常にシンプルで高音質・高機能なオーディオを構築することができる点もお勧めしやすいポイントとなっております。
(リモコンも1つでプレーヤー・アンプ両方の操作が出来るので扱いやすく便利です。)

ぜひセットでのご検討もよろしくお願いいたします。

P.S.
こちらの製品はショッピングサイトではご購入いただけませんので下記メールアドレスまたはお電話などで直接お問い合わせください。
manager@digitalside.net

marantz SACD 30n and MODEL 30の動画はこちら↓
https://www.youtube.com/watch?v=2GKrInNqJrw

marantz SACD 30n

木曜日, 10月 8th, 2020

今回はmarantzからの新製品をご紹介させていただきます。

【家庭円満をもたらすかも?ポリバレントな優等生キャラ。】

この度、30シリーズとして装い(フェース)も新たに(デザインはレガシーモデルを踏襲しているそうですが)したラインナップが登場することになりました。
サウンドやデザイン・フォルムに関しては“最新鋭でありつつも原点回帰”といった方向性を奥底に持っているようですが、はたしてどのようなサウンドを聴かせてくれるのでしょうか。期待を胸に試聴させていただきました。

■marantz [SACD 30n]
●ファーストインプレッションとして「よい意味で無難な傾向かな…」といった印象を持ちます。基本的音質性能であるS/N感・解像感・レンジ感などなどがすべて納得のいくレベルであり、音質面に於いて一切の疑問を感じさせません。
●音色面での癖が少なく、素直なサウンドをベースに少しウェットで少し落ち着き・穏やかさのある仕上げになっています。
●派手さ、煌びやかさなどを感じさせる傾向には無いですが、(だからと言って)無機質であったり硬質な音調ということもなく、極めてニュートラルな音の部類に属します。
●同様に、抜群のキレ、スピードとはならないものの、音像感・音場感はしっかりとしていて安定型です。全帯域で音の緩み、余計な余韻などがなくすっきりとした見通しです。
●音の傾向からしてもオールラウンドタイプと言え、ジャンルを選ばずに良く鳴らしてくれますが、どちらかと言えばアグレッシブサウンドよりはソフトなサウンドの方が(より)得意に思えました。
○個人的にはもう少し硬さやシャープさが欲しかったかな…と思います。→その点だけでスピードやキレも向上しそうです。
黒江的好み度:A

…と、いわゆるオールラウンド系ですので「無難で何かに突出していないサウンド」ということで問題は無く、むしろ歓迎されるべきことと捉えておりますが、歓迎したい大きな理由としてこの「SACD30n」の持つ特徴が挙げられます。
それはSACD30nには『非常に豊富な入出力機能』が備わっている点です。CDプレーヤーとしては当然のこと、他には主なものでUSB(DAC)・有線LAN・無線LAN(Wi-Fi)・Bluetooth・同軸デジタル・光デジタルに対応しています。

仮に(仮説として)このSACD 30nを『リビングに設置して家族で共有できるオーディオシステムの中核』とした場合、テレビやBDプレーヤー(レコーダー)や各種ゲーム機を同軸や光デジタルで繋ぎ、PC/MacとはUSB DACまたはBluetoothで接続、インターネットラジオ程度ならWiFiで、NASがあればネットワークのハイレゾ音源も全てSACD 30n経由でオーディオシステムで鳴らすことが可能になります。
また、普段はスマホ・タブレットで音楽を楽しまれている方も、AirPlay 2やBluetoothですぐにオーディオに接続できるので「その音の良さに喜んでくれるかもしれません」が、ロックやポップスも“無難に、安定的にこなせる”ので誰の音源(ソース)でもWelcomeではないかと思います。

あらゆる機器(人間関係)の間に入って上手く橋渡し、仲を取り持ってくれる。そんな出来る子がファミリーに1人(1台)あると素敵なのかもしれません。
まだまだ家でコンテンツを楽しむ時期が続くことと思います。ぜひこの機会に新しいファミリーを迎えていただければと存じます。

P.S.
こちらの製品はショッピングサイトではご購入いただけませんので下記メールアドレスまたはお電話などで直接お問い合わせください。
manager@digitalside.net

marantz SACD 30n and MODEL 30の動画はこちら↓
https://www.youtube.com/watch?v=2GKrInNqJrw

AIRPULSE A80

土曜日, 9月 12th, 2020

今回は(非常に良好なサウンドの本格派オーディオに於いては)比較的お求めやすいオールインワンシステムをご紹介させていただきます。

【機能・サウンド・サイズの三拍子を揃えた新世代アクティブモニター。】

前回のTRANSPARENT SOUND [TRANSPARENT SPEAKER] [SMALL TRANSPARENT SPEAKER]に続いてのオールインワン系となりますが、一筐体に総てが収められていたワンボックスタイプのTRANSPARENT SPEAKERとは異なり、AIRPULSE A80は左右のスピーカーが独立したセパレートタイプになっております。
右チャンネル側のスピーカーにアンプ等がすべて収められており、右チャンネルに電源ケーブルを接続し、右チャンネルと左チャンネルを(左チャンネルの音声信号で)1本のケーブルで接続するだけでシステムは完成です。

今回は(動画配信同様)オーディオ専用のCDプレーヤーを用いず、パソコンとAIRPULSE A80をBluetoothまたはUSB接続で音源(CD・ファイル・Youtube等)を再生していますが、LINE入力(RCA)で専用CDプレーヤーを接続することも可能なため音質の伸びしろはまだ残しています。

■AIRPULSE [A80]
●スピード感に優れ、音の切れ、立ち上がりなどコンパクトモニターの長所が活かされた、総じて(価格帯を超えた)ハイクオリティなサウンドとなっております。
●クリアでシャープなところからもハイスピード系に分類され、端正で鮮烈さを感じさせる印象が強く、癖の少ないモニター調の傾向に位置付けられます。
●低音の量感はサイズ的にもやや抑え気味ではありますがタイトで緩みが無く明瞭です。無理のない帯域バランスとなっており、高域~低域の位相特性(高音~低音までずれなく聴こえる)も優秀です。
●全体的なサウンドの印象は、やや硬質傾向でやや明るめで、しっとりとした音色を出してくる傾向ではありません。
○コンパクトモニターのウィークポイントでもありますが、サウンドのスケール感はあまり無く部屋いっぱいに音場が広がるような鳴り方はできません。
○サイズ的に低音の量感はどうしても控えめになりますが、ウーファー出力を搭載しているので低音の強化を図ることができます。

…という感じですが、サイズやプライスを考えると『極めてCPに優れたクオリティ』と言え、久しぶりに驚きのサウンドです。
RCA・USB・Bluetooth・光デジタルと入力も豊富であり、リビングでもデスクトップでも使いやすく、(本格的なオーディオをはじめる)最初の1台としても、すでにシステムをお持ちの方のサブとしてもお勧めしやすいプロダクトです。
(最初の1台として購入後に、しっかりとしたシステムを構築し、後にサブに回す。という流れでも使い回しが効きやすいかと思います。)

マイナスポイントを挙げるとすれば、操作系統や入力端子が(マスターの)右チャンネルの背面に集約されているので右chの背面へのアクセスがしやすい環境にしたい点があります。(左右chを入れ替えられるとより便利になりそうですが、そういった機能はありません。)
また、左右のスピーカーを繋ぐケーブルが結構な太さなので、なかなかの存在感&(見た目と質量ともに)重量感があるのも少し残念なポイントです。

とは言え、『ちゃんとした音』(→黒江的にはこのクオリティくらいからが本当にいい音と言える出発点)が出るオーディオとしては最小単位である『左右のスピーカーだけ』でシステムが成立しますので、ビギナーさんにとにかくお勧めしたいです。
『スマホ・タブレット・パソコンで聴く音も決して悪くはないですが、もうちょっといい音で聴いてみようかな』と思った方はぜひご検討されてみてください。

LUXMAN D-10X

月曜日, 5月 18th, 2020

今回は、先日のD-03Xに続いて登場したフラグシップCDプレーヤーをご紹介させていただきます。
(結果的にの、結果的にCDプレーヤー4連投となってしまいました…。こんなことってあるのですね。)

【禍根を断ち、晴天をもたらすサウンドに王冠を捧ぐ。】

(意味深な見出しになっておりますが、色々な思いを巡らせつつ…。)
まず先に述べてしまいますが、黒江にとってはこの数年来ではもっとも好評となる“素晴らしい”の一言に尽きるサウンドでございました。
これで先日の『SOULNOTE S-3』と対を成す、最高峰のCDプレーヤーが並び揃ったと言えます。
もちろん、S-3とはサウンド傾向(キャラクター・持ち味・個性)が異なっておりますので、その点も踏まえつつレポートしたいと思います。

■LUXMAN [D-10X]
●傾向としてはクリア系の頂点とも言えるような高いS/N感をベースに錬成されたハイスピードサウンドを基調としています。
●1音1音は非常に高い分解能によって、細密・緻密・繊細に分解されており、別格の域を誇ります。この稀に見る分解感によって雑味や歪みが皆無となり、サウンドが硬質傾向でありつつも刺激的になり過ぎずに(耳の中で)溶けてゆくような上質さを持っています。
●上下(天地)左右のサウンドステージは広大ではありませんが(黒江的には丁度良い広がりで)、奥行き(前後)の空間表現に優れており、上下左右前後の高いセパレーションと空間の静寂感が相まって“無音空間に音が現れる”理想的な(1音1音の)展開が印象的です。
●帯域バランスも上々で、低音域はタイトであり解像感・解像度も非常に優秀です。(ソースによってはやや低音の量感が多く感じられることも…。)
●音のエッジは繊細且つしっかりとした描写となりますが、(音の実像感や輪郭を強調してくる)強いエッジ感を感じさせないシルエットとなります。
●音の立ち上がり、切れも良く、余韻は過不足もなく自然体です。立ち上がり・キレ・余韻・エッジ感などなど全てに於いて“高分解”要素が効いていて繊細でありながら鮮烈なサウンドです。
○黒江個人としては“やや低音の量感が多い”かな…と。(もう少し抑えられていれば↓好み度はS+~初のS++が出たかも?笑)
黒江的好み度:S

…ということで、(2020年5月時点では)アグレッシブ系の最高峰SOULNOTE S-3に対して、ハイスピード系の最高峰LUXMAN D-10Xということになりました。
(※黒江自身がアグレッシブ系よりも少しだけハイスピード系が好きなので、好み度の差はその点だけです。どちらも所有したい…。)

ちなみに、S-3・D-10X共通で低音の量感に言及しておりますが、黒江がコンパクトモニターを好むこと、元来やや薄めの低域が好きであることなどで「自分の方が少数派」であることは自覚しております。
(少なくとも、もう少し大きいスピーカーがリファレンスであればこの量感でちょうどよいのかもしれません。)
…が、(コンパクトモニターに最適化された)もう少しだけ抑えたサウンドを聴けたらな…と思わずにはいられない結果となりました。

とにかく高いS/Nに拠る背景ノイズも1音1音もノイズレスに加えて、びっくりするほどの高分解サウンドが爽快です。
特にシンバル系・シャウト・ディストーション、単音も和音も明晰な表現など“音の粒子感”が必要な要素は極めてハイレベルです。

…と、S-3よりも少しだけ力説してしまいました。(高額ではありますが、価格相応の実力機だと思います!)

SOULNOTE S-3

火曜日, 4月 14th, 2020

今回は昨年末に登場した、SOULNOTE社の渾身作SACDプレーヤーをレポートさせていただきます。

【Class Aタイプの最高峰に君臨する威風堂々サウンド。】

まず、見出しに「Class A」と入れておりますが、CDプレーヤーですのでアンプのようにクラスでの分類(純A級・AB級・D級など)はありません。
あくまでもサウンドやサウンドを形成する回路設計・設計思想から(アンプで言えば)“Class A”(A級)タイプの傾向であると分類させていただきました。

同社の製品は以前にフラグシップDACのD-2や、ハイエンドアンプのA-2、エントリーモデルのA-0を高く評価(黒江の好みで)させていただいておりますので一読いただけると幸いです。
D-2
http://www.digitalside.net/?p=1056
A-2
http://www.digitalside.net/?p=1076
A-0
http://www.digitalside.net/?p=1019

本作もやはり↑この2機種同様に基本は“ぶっ放してくる傾向”のアグレッシブサウンドです。
…が、さすがの(100万円超え)価格帯であるからには「一度聴いたら黙らせるだけの説得力」がもう一声欲しいところではありますが、その実力やいかに…。

■SOULNOTE [S-3]
●まず先に1つ踏まえておきたいのは、フラグシップDAC[D-2]のノウハウがふんだんに盛り込まれて(ベースになって?)いることです。大きな共通点としてDACチップ『ES9038PRO』を左右で2基ずつ、合計4基搭載しておりサウンドの中核を形成しています。
●その上でD-2を念頭に入れながら述べていきますと、D-2では一聴して高い情報量が印象に残っておりましたが、S-3では情報量もさることながら高いS/N感が印象に残ります。
●サウンドはやはりアグレッシブ系の基調であり、激しくも整然とした1音1音のラッシュが、無音時には(時が静止したかのように)ピタッと止まり、一瞬の静寂感をもたらしてくれます。
●S/N感や情報量に加えて、基本的音質を司る帯域のレンジ感、ダイナミックレンジ、1音1音の雑味の少なさ、音像定位、音場の解像感などなど、サウンド全体において不安を抱く要素は見つかりません。
●躍動感があり、能動的、しっかりとしたエッジ感で音・音楽に存在感がありながらも、雑にならず、上品さも感じられ、派手にふるまうような傾向にもない非常に絶妙なポイントを点いているようなイメージです。
●ハイパワー系にありがちな歪みっぽさもなく、とても研ぎ澄まされています。
○強いて言えば少し低域の量感が強めであり、ソースによってはほんの少し大味(良く言えば大らか)に感じる面も。
○押し込みの強いサウンドのため、広大な奥行き・ストロークを描く傾向ではありません。
黒江的好み度:S-

…ということで、(価格的にも)さすがといいましょうか、「納得」の一言でした。
黒江個人としてはスネアの音が抜群であり「スネアだけでもずっと聴いていられる(笑)」と思ったり、ギターの鳴らし分け(レスポール・ストラト・テレキャス・フライングV・シェクター・ジャクソン・その他、各PUサウンドも)が鮮明に感じます。
シャウト系も良好なのでゴリゴリのメタルから、80’s系メタル・ハードロックなどはもちろんですが、(スネアやギター筆頭に)全体的に1音1音の音色がハイレベルにあるので、意外にも歌物やアコースティックも得意だったりとなかなかの縦横無尽ぶりも魅力ではないかと思いました。
どうしても硬めのモニター系サウンドだと音に神経質になったり、聴いていて少し緊張感があったり…としますが、ビシッとしたサウンドなのに“楽しく音楽が聴ける”と感じたのは久しぶりの出来事だったので妙に嬉しいことでした。

当ブログでも述べている通り、CDプレーヤーはもはや絶滅危惧種(候補)のはずなのですが何故かヒットが続いております。CDが「まだ僕を見捨てないで」と訴えかけているのかも?しれません。^-^;
なお、USBや同軸入力も装備し、DACとしての使用もできますので永く使っていただけることと存じます。

P.S.
DISCのローディング時間が遅めですのでご使用の際はご容赦ください。

LUXMAN D-03X

木曜日, 3月 5th, 2020

今回はLUXMANからの新製品、今となっては希少なリリースとなるディスクプレーヤーD-03Xをレポートさせていただきます。

ちなみに、ディスクプレーヤーのリリースが希少である理由は(言うまでもありませんが)昨今に於けるディスクメディアからファイルメディア(データメディア)への転換・移行による需要減が主なところでありますが、そんな最中においてこのような力作を世に送り出してくれただけでも一定の賞賛を送りたいと思っております。

【スタンダードリスナーに於けるウェルバランス型の最有力。】

先に述べておきますとこのD-03Xは黒江個人(≒ザ・ステレオ屋サウンド)的にはやや低音の量感が豊富に感じるサウンドであり、(何度も何度も述べておりますが、当方は『やや痩せ型且つタイトで引き締まっており、その分スピード感やキレのある硬質傾向の低音が好み(ファーストチョイス)』なので)もっとも好きなタイプの低音域(の表現)ではありません。
…かと言って、このD-03Xはブーミーだったり、緩々だったりするわけではなく、(バキバキの硬質低音ではないものの)解像感が高く、見通しの良い低音域ですので(黒江的には)数ある低音域(の表現)の中ではセカンドチョイスには入ってくる傾向であると考察しております。

■LUXMAN [D-03X]
●高い解像度を基調に(拡がり過ぎていない)やや広めの音場感を描き、高いS/N感によって無音の空間にサウンドが瞬きます。
●中音域~高音域の分解能、定位感は(これまで聴いてきた中でも)トップクラスであり、俊敏・鮮明・デリケートに1音1音を描く印象です。
●やや広めの音場性ながらも音像が肥大することなく、高いセパレーションで各パートを配置させています。
●(中音域~高音域は)適度な余韻がありながらも、立ち上がりが早く、スッと立ち消えていき、一切の雑味を感じさせません。
●(特に中音域~高音域は)切れやスピード感も良好であり、『パッと現れては消える』淀みの無い爽快なサウンドを展開してくれます。
●レンジ感も良好であり、特に(きれいに伸びきってくれる)高音の伸びが秀逸です。低音もしっかりと最低域まで再生できており不足はありません。
●音傾向は少しだけ寒色傾向、高い音場性でありながら音像性(定位)も損なわないのは稀有な存在であるかと思います。
○強いて言えば少し低音の量感が大きいように思う場面があります。
○また、量感は好み次第として、中高域(やや寒色で硬質傾向)と低域(ほんの少しだけ音の先端が丸く、ほんのり暖色に思えることもある)のタッチ感が聴いているジャンルに拠ってはミスマッチに感じられることがありました。
黒江的好み度:A

…といったところになりますが、総じてはかなりの実力機であると断定できる完成度となっております。
低音の量感に関しては(くどいようですが黒江が痩せ気味を好むので)、「このくらいで丁度いい」と思われる方も少なくないかと思われます。
なお、基本的には主にCD再生(16bit/44.1Hz)での考察でありますが、メタル・ロック・ポップス・アコースティック・歌物などなど、あらゆるジャンルで隙の無い再生を得られ、いわゆる“オールジャンル向き”と言えるタイプに分類します。

CD・SACD再生に加え、USB DAC機能・バランス出力搭載、さらにMQA再生への対応と機能面でも隙の無いモデルです。
希少なCDプレーヤーの選択肢にぜひ名を連ねていただければ幸いです。

DELA N1A/3-H30-J N1A/3-S20-J

水曜日, 12月 4th, 2019

今回はすっかり浸透したオーディオ用NASの王道をゆくDELAのNewシリーズをレポートさせていただきます。

【換われば、変わるのは自然なことと思えるか否か。】

まず先に述べておきますと、今回のレポートは当初の予定には無いものでした。
…と言いますのは、事前情報によると「今回のモデルチェンジはドライブの大容量化と内部OSのバージョンアップのみ」なので「MK2モデルとの音的な差は出ない」と聞かされていたからです。

しかしながら、(同じなら同じとはっきり言えるので)『実際に聴き比べてみないと分からない』が口癖の性分です。
旧モデルとなったこれまでのリファレンス機HA-N1AH40/2を基準にして、3TBのHDDモデルN1A/3-H30-Jに加えて、2TBのSSDモデルN1A/3-S20-Jをすべて同じ音源にて聴き比べてみることにいたしました。
(ご覧の通り、型番もリニューアルしているのでご注意ください。)

基準とした旧モデルのレポートは↓こちらです。
http://www.digitalside.net/?p=940
http://www.digitalside.net/?p=958

ご察しの通りですが、(レポートさせていただくことにしたわけですので)まったく同じ音には感じられませんでした。
基本的なサウンドのベース・基調は旧モデルと同じでよいかと思います。
普通のNASに比べると“やはりオーディオ用”を謳うだけのことはある、S/N感の良さや、情報量、サウンドの解像感などなど、いわゆるオーディオに於ける基本的音質に関してはDELAが頭一つリードします。

レポートにあるように旧MK2モデルのHA-N1AH40/2の時でさえ(初代モデルよりも)見通しが良くなったと述べさせていただいているのですが、今回のNewモデルN1A/3-H30-J(BLACKモデルはN1A/3-H30B-J)はさらに見通しが良好になっていると感じられます。
ただし、初代モデルからMK2モデルに変わったときほどの“全体的な”向上という感じではなく、あくまでも見通しと、それに伴う音の抜け感、音場のすっきり感などの小幅な向上ではないかといった印象です。
つまり、情報量やレンジ感、S/N感、ダイナミックレンジなどの基本的音質での変化はありません。

ですので、“激変”“大進化”なんて文言にはほど遠いのかと思いますが、黒江個人的には前回で「もう上限かな」と思っていた“音の見通し”がさらに向上したことはとても大きく、(全体的には小幅な変化ながら)個人的な評価はかなり上がったと言えます。

…と、冒頭に戻りますが、
「今回のモデルチェンジはドライブの大容量化と内部OSのバージョンアップのみ」なので「MK2モデルとの音的な差は出ない」
というのが、元々の情報でありましたので、このレポートの真偽を裏付けることはできません。(これ以外のレポートもですが。^-^;)

ただ、少なくとも前回の2TBと(2TBモデルと同じHDDを2機搭載した)4TBから、今回は3TBと(3TBモデルと同じHDDを2機搭載した)6TBと変更するにあたり、HDDの換装は間違いなく行われているはずです。
HDDのメーカーが変わっているかもしれないし、HDDのメーカーが同じでも別のドライブに変わっているはずですので、事前情報の通り「HDD以外はすべてが同じ」でも、サウンドにわずかな変化が生まれることに(僕は)何ら疑問・不思議は持ちません。
ですので、あくまでも聴き比べてみた結果はMK2よりもMK3の方がさらにすっきり、見通しがよくなったように感じられた…とだけ書かせていただきます。

ちなみに、SSDモデルのN1A/3-S20-JはHDDモデルよりも情報量・S/N感は高く感じられますが、少し低重心で滑らかな印象でありました。(黒江の好みがHDDであることは書くまでも無く…。笑)
HDDの3TBモデルと6TBモデル(N1A/3-H60-J)については明確な違いは無く、せいぜい個体差程度ではないかと思われます。

お勧めしやすいモデルとしては、容量は上がっているものの(旧モデルレポート下段のように)NASとしての存在意義や安定性・堅実性を取ればやはり6TBではないかと思いますが、音源データのバックアップを他のストレージなどで出来ている場合や、そこまでたくさんのファイルを管理されていない方であれば3TBになるかと思われます。
より高い情報量を望まれる方、滑らかな再生音を好まれる方はSSDモデルをご検討ください。

TEAC UD-505 and NT-505

月曜日, 7月 1st, 2019

今回はTEACのNewラインナップをご紹介させていただきます。

【近くで聴くか、遠くで聴くか。】

『UD-505』はヘッドフォンアンプ重視のD/Aコンバーター、『NT-505』はネットワーク対応のD/Aコンバーターといった位置づけで、DAC部分はほぼ共通となっています。

■TEAC [UD-505] and [NT-505]
●双方共通の第一印象は“TEACらしいサウンド”で、いわゆるアグレッシブ系でありつつも上々のスピード感を併せ持っています。(かなりのハイスピード~超ハイスピードではありませんが。)
●音の粒が向かって飛んできつつも面で押し込んでくる“圧”があり、たたみ掛けてくるタイプですが、粒が粗目(粗暴)になることなく解像感や分解能もしっかりと感じられます。
●帯域バランスが良く“低音が目立つ”“高域がうるさい”といった特徴的な鳴り方の少ない「モニター系」アンプの位置づけです。
●S/N感(1音1音や音場のクリアさ)も上々ではありますが、キャラクター的には『高精細&クリア系』ではなく、『アグレッシブ&ドライブ系』といった印象です。
●ヘッドフォンアンプ重視のUD-505はバランス型のヘッドホンにも対応し、名に恥じない高音質のヘッドフォン出力を搭載しております。
○UD-505はNTよりもやや低重心で、NTよりも1音1音の質量感が重め(強め)に感じられます。
○アタック音もUDの方がNTよりも「ガッ」と強めに立ち上がる感じで、NTは「スッ」ともう少しソフトに立ち上がってきます。
○NT-505はUDよりも軽い感じになりますが、「軽快・すっきり」とも捉えることができるので好み次第ではNTの方が魅力的に感じられることも。
○煌びやかさ、開放感、高い音の抜け感などはあまり感じられず、しっかり鳴る傾向のサウンドです。
(※いずれもDACやDACプリとして試聴した場合のレポートとなります。)

…といった感じですが、いわゆるアグレッシブサウンドということでロック・メタルとの相性は良好に思えました。
モニター調でガツンとくるのに決して雑にならないのはTEACサウンドの大きな魅力の1つではないかと再認識しております。

なお、2機は共通部分(部品)が多いため、ほぼ兄弟機(双子機?)と言え、非常に似たサウンドとなっておりますが、ヘッドフォンもよく使う方『近くでも聴く方』にはUDを、ネットワーク機能が欲しい方『遠くの音源(NAS)も聴く方』やUDよりも少し軽やかなサウンドが欲しい方にはNTをお勧めしたいと思います。
(NTにも簡易タイプではありますがヘッドフォン出力が搭載されています。)

MERIDIAN 218

木曜日, 1月 31st, 2019

今回は英国の老舗ブランドMERIDIANからの新製品をレポートいたします。

【プレーンなサウンド、モダンなスタイル。】

(まるでFAやトレードを繰り返すように)MERIDIANというブランドはその所属を転々としておりますが、英国のオーディオブランドとしては息が長く、その昔からデジタル系にも長けたメーカーです。
その時代時代に於いて最先端なプロダクトを投入してきている同社から、今回もお得意の新製品が登場しました。

なお、本機は「Zone Controller」と名付けられており、位置付けとしてはプリアンプということのようですが今回は単体DACとして使用した際の検証となっております。

MERIDIAN [218]
●基本的音質であるS/N感・解像度・レンジ感などは、いずれも上々でCP面に於いても申し分のない音質となっています。
●当店が呼ぶところの「ハイスピード・アグレッシブ」には属しませんが、鈍足ではなく、マイルド調でもなく、中速(~ややハイスピード寄り)で高精細なサウンド傾向にあります。
●全体的に「バランスが良い」「ニュートラル」「少しウェット」といった印象があり、モニター調ではないけれど“オーディオオーディオとした音作り”にも非ず、黒江的には“プレーン”というキーワードで述べさせていただくことにいたしました。
●音への“化粧感”をあまり感じさせず、癖の少ない傾向ではありますが、ストレート・スタンダードといった表現とはちょっと異なるイメージで、“素材の味がよく活かされている(味付けをしていないとは言っていない)”サウンドとなります。(なので、チョコ味でもストロベリー味でもなく、プレーン味だと。)
○広がりのあるサウンドではありますが、少し平面的であり奥行き感はあまり高くありません。
○(エッジ感・ソリッド感が無いため)全体的にやや穏やかに感じられる音調ではあります。

…といった感じですが、音に癖を付けたくないけれど、鮮明なエッジ感や、音の切れ、(聴いていて疲れるような)シャープさが強いのはちょっと…と思われる方にはかなりベストな選択肢になりそうです。

なお、本機は基本的にアプリ操作を前提に作られており、本体にはボタン等を設けず(見た目もプレーン)に旧来のオーディオとは一線を画します。
余計なものは付けずに、その分コンパクトに設計された思想には新たなユーザーへのメッセージが込められているような(…気がする)良プロダクトだと思います。

MQA再生も好印象であり、リップシンク機能やroonへの対応、他種のデジタル入力と“デジタル・マルチ・プラットフォーム”と言える多機能デバイスです。
音質面・機能面を総合したCPはかなりの高評価となる1台となっておりますので、ぜひご検討の1つに加えていただければと思います。

Nmode X-DP7

火曜日, 11月 13th, 2018

今回はNmodeからの新製品DACをレポートさせていただきます。

【テクニック?マジック?まさかの異次元変化!?】

結論から述べますと(今年最後の?)個人的には「大ヒット」のサウンドでありました。 …が、黒江の好むサウンドについては“ある条件付き”となっておりますので総括で述べたいと思います。

■Nmode [X-DP7]
●(価格が価格だけに)S/N感・情報量・解像度などの基本的音質はおおむね良好であり、高い定位感やバランスの取れたサウンドで安定感を感じさせる仕上がりとなっています。
●アタック感と音の切れが良く、当店の形容で言うとアグレッシブ系に属しますが、上々のスピード感も持ち合わせています。
●鳴りっぷりの良い傾向であり「バキッとした・ガツッとした」というマッシブな印象ですが、(太さのある)大きなマッチョ感ではなく、痩せマッチョ感でもなく、中肉中背のマッシブさなので強い癖や個性を押し付けてくる感じではありません。
●余計な付帯音が無く、モニター調で堅牢・堅実感を感じさせるサウンドです。(悪く言えば無難とも言えますが、アグレッシブ感があるので素っ気ないサウンドではありません。)
●バスドラのアタック感、巻き弦のゴリゴリ、シャウトは喉奥の擦れ、ブレの無いベースサウンドとしっかりとまとまったサウンドステージを描いてくれます。
●通り抜けるような音抜けではありませんが、1音1音の収束が早いので、もたつきや音同士の重なりやぶつかりの無いクリアな見通しとなっています。
○強いて言えばやや高域方向が抑えられている印象であり、(金物などの)音の輝度がやや低めでその分重心の低いサウンドとなっております。(そのため派手さはありません。)
黒江的好み度:A+ (~A)

…ということで、久しぶりにDACの良作に出会えたと思っております。 …が!↑前述の通り、“ある条件付き”となるのですが…
上記のレポートは総て(当店にしては珍しく?初?の)『DSDモード』でのものになっております。

黒江の好みですと、アップサンプリング・アップコンバートなどは大抵オフ設定の方が好みでもあるし、音質の評価も高いのですが、本機に関しては今までの真逆の結果となりました。
(尚且つ、CDプレーヤーからの変換ということで「PCM→DSD」とD/A変換の方式まで変わったサウンドに惹かれるなんて…。ちょっと意外です。)
しかしながら、「すべては出音で判断すべき」というポリシーもあり、このようにまとめさせていただきました。

アップサンプリングOFFのサウンドはアグレッシブさなどが無くなって印象はかなり異なります。
アップサンプリングのON/OFFでこれだけ音が変わってしまうのも、どうなのかな?(構造が)どうなっているのかな?と思えるところもありますが、逆に言えば2つのサウンドを1台で楽しめるとも言えるので決して悪いことでもないと思います。
試聴の際は、ぜひON/OFFで試聴していただければと思います。