Archive for 5月, 2015

ASUS Essence One MKII MUSES Edition

水曜日, 5月 20th, 2015

今回は「思わぬ(メーカーから)伏兵が表れた。」…と、一聴した感想から書かせていただきたいほどにイチオシ…いえ、『激オシ』したくなったDACを紹介させていただきます。

【“音楽の女神”が奏でるハイスピードサウンド。】

まず先にメーカーである『ASUS』さんについて述べざるを得ません。
台湾に本社を構えるASUSは(おそらく)PCのマザーボードメーカーとして産声をあげたブランドであり、少なくともつい最近までは音響機器とは(ほぼほぼ)無縁のメーカーであったと思います。
故に(僕がASUSを知ってずいぶんと経ちますが)今日このような形でDACのレポートを書かせていただくことになるとは夢にも思っていませんでしたが、ASUS自体は「Nexusシリーズ」などでこの数年来、非常に有名になっていると思われますので「聞いたこともないメーカーだな…」といった未知な存在ではなく、(僕は)比較的あっさりと受け入れてしまえました。
(なお、台湾のメーカーであり、○国とは全然異なります。当DAC製品も品質管理やパッケージのきれいさなどは非常にしっかりしています。ので、変な拒絶反応はしなくてもよいのではないかな…と個人的には思っております。)
ちなみに、読みは「エイスース」が公式の読み方(呼び方)です。(黒江はエーサスって読んでいました。笑)

…と、前置きはこの辺にして、Xonar Essence One MKII MUSES Editionを聴かせていただいた経緯を(サラッと)述べておきますと、(いつもとは真逆で)スペック(仕様)や使用パーツをリリースで拝見したことがきっかけです。
前述の通り、今まではオーディオと無縁のメーカーさんであったわけですから交流も無く、細部の仕様を確認せずに“先に聴く”ということができません。
…ので、止む無く先にリリースを見ることになったのですが「この仕様(内容)ならどうみてもウチに合ったサウンドが出そうだな…」と、リリースを見てすぐに思いが過ぎり、取扱い先を探してみるも見つからず、その後(どうしても一度聴いて答え合わせ(確認)してみたかったので)色々、諸々を経て実機を聴けることになった…という流れです。

よって、いつもとは逆に「こんな音が出るんだろうな」…と期待し?思いながらの答え合わせでしたが、いつものようにレポートしたいと思います。
(試聴時の比較対象はAura neoの内蔵DACがメインでneoからの同軸デジタル出力をXonar Essence One MKII MUSES Editionに入力しています。)

■ASUS [(Xonar) Essence One MKII MUSES Edition] (EONE MKII MUSES)
●(過去最速?の)neoと比較してもほぼ互角のスピード感で、タイプは(ガツン・ドカンと来る)攻撃的・暴力的なタイプでは“なく”、スッコーン・スッカーンといった突き抜ける系のハイスピードです。(「ほぼ」と付けたのは極々わずかにneoの方が早い印象だった為ですが、曲によってはそのごく僅かな差も感じられず、極めて「=」の(超)ハイスピードサウンドです。)
●1音1音・音像・音場いずれもクリアネスであり、明瞭なサウンドです。(ただし、仕様(測定値?)ではS/N比が120dBとなっていますが、そこまでの印象はありませんでした。…と言っても十分すぎる高S/N感には間違いありません。)
●キレ・立ち上がり・アタック音も非常に良好で、シャープ・タイトで俊敏・鋭敏に音が立ち上がり、スパッと切れよく収束します。
●高音~低音のバランスもフラットで高音が走って(突っ込んで)ジャリついたりすること無く、低音ももたつきや緩みが無く、ボンついたりすることがありません。
●強いて言えば“わずかなウェット感”があり、極々わずかながら(余計なヴェール感ではなく、音の余韻を帯びたような)“エンハンス感”があります。(←このエンハンス感を上手く伝えるのが難しそうなので、全体の文章を読んで察していただけたら…と思います。^-^;)
●よって、ジャリジャリのシャウトがほんの少し生気を帯びていたり、スネアのアタック音に皮の張り感やインパクトの躍動感がよりリアルであったり、ガリッガリのディストーションサウンドを描きつつも音色が失われなかったり…とシャープさを出しつつも高い情報量も感じられるサウンドとなっています。
●エッジ感はしっかりとした線がくっきりと見える(輪郭強調)タイプではなく、エッジ線自体は極々細いがしっかりと輪郭を描いている(シャープで明瞭)タイプです。
黒江的好み度:S

…と言うことで、neoと比較して「極々わずかなエンハンス感(から来るウェット感)」を帯びている印象以外は(neoと)大きな違いを感じない印象で、ザ・ステレオ屋(黒江)的には大ヒットな結果となりました。
(双方黒江が好きなDACチップですが、neoとはDACチップが異なるのに似たような音に聴こえるのが不思議でした…。)

DSD対応ということもあり、最新機種への買い替えにもお勧めしやすいのでぜひぜひご検討いただければと思います!
(個人的にはnorth star design Intensoとどちらにするか悩ましいところですね。)

お値段や試聴等、気軽にお問い合わせください。

P.S.
レポートはすべて「UPSAMPLING」はオフを前提に書いております。(オンの音はエンハンス感が強烈に高まってしまい、あまり評価していません…。←歌モノにはよいと思います。)
紹介しているのは「MUSES Edition」です。MUSESでないモデルとはまったくサウンドが異なりますのでご注意ください。(ザ・ステレオ屋では(少しの差でもありますし)圧倒的に「MUSES Edition」をお勧めしています。)