DELA HA-N1AH40/2 & HA-N1AH20/2

今回はDELAのNewモデルをご紹介させていただきます。
(※今回の内容はある程度オーディオやDELAについて分かっている方向けですので予めご了承ください。)

【静かなる正統進化。】

DELAは一言でいえば「高級NAS」と称される製品です。その「NAS」とは何であるかと言うと“Network Attached Storage”(ネットワークに所属(加入)しているストレージ(記憶装置))ということになり、簡潔に言うなら(USBとかではなく)「ネットワークで接続されている外付けHDD」といったものであります。

NASは(主な用途との関係で)大容量を求められる傾向なので記憶装置には(より大容量なものが揃っている)ハードディスク(HDD)を搭載したものが多く、上位モデル(高価)には(より書き込み読み込み速度の速い)SSDを搭載しているモデルに分かれます。
この「外付けHDD/SSD(的なもの)」にネットワーク部を加えることでNASが成立しているのですが、実はNASにはCPU(的なもの)も搭載されており、更に言うとOSが入っています。
一般的な外付けHDDなどはファイルの読み書きの際に単純にファイルのみがやり取りされているので、管理は繋がっているパソコンにすべて委ねられているのですが、NASではファイルの種類や保管されたフォルダ(部屋)などが生成されていて、NAS自身がファイル(フォルダ)の管理の一部を担っています。

パソコンからの指示で家(ディスク)や部屋(フォルダ)に入るのが外付けHDD、玄関先で名前(ファイルの種類)や住所(フォルダ)を訪問記録などに書き込んでから入るのがNAS…といった感じです。(分かっている方向けなのでこんな説明は不要かとは思いますが…。)

…と、DELAの話に戻りますが、DELAはこのようなNASの高級バージョンとは言うものの、最先端のCPUを搭載しているとか、ハイパフォーマンスのグラフィック用チップが搭載されている…といった高性能さはありません。(むしろ軽快に動作するのが大前提で、必要最小限のCPUやチップにした方が発熱なども少ないのでオーバースペックにならないパーツを使うのが正解です。)

では、その高価な分はどのようなところにあてがわれているのかというと…

1.まずは一目見て分かるボディ部。(高級そうに見える…というのは冗談ですが、堅牢なボディとすることで振動対策やノイズ対策に繋げています。)
2.徹底的な内部のノイズ対策。(NASは結果的に“ちょっとしたパソコン”であるため、CPUやメモリー、ディスプレイ部などからのノイズ成分がHDD/SSDやデータの入出力部に影響を及ぼします。これらを内部の部屋を分けたり、シールドすることでノイズの干渉を抑えています。)
3.電源部・端子部などの高級化。(メイン基盤をはじめに、電源部や端子に良質なパーツを採用して高音質化を図っています。)
4.HDDやSSDの吟味。(HDDやSSDにも様々なモデルがあるため、より高音質(に感じられた)なものを採用しています。)

…とメーカーカタログみたいなことを書き出してしまいましたが(笑)、要は普通のNASをオーディオ用のNASにするために細かいところまで精査している…ということに間違いはありません。

肝心の音質ですが、まずは普通のNASと旧DELA(HA-N1AH20)を比較試聴してみると…
●S/N感が1ヴェール上がる。(1音1音のノイズ感には大きな差は出ませんが、いわゆるサウンドステージのノイズフロアが低減して全体のすっきり感が上がります。)
●情報量が上がる。(全体的に音の量感が上がり、しっかりとした音になります。)
…(双方ともにまったく同じデータであることからも)超激変!という結果ではありませんが、音質の向上は確かだと思います。(理由は分かりません…。^-^;)

次に、新DELA(HA-N1AH20/2)と旧DALA[/2の有無]の比較試聴です。
■DELA [HA-N1AH40/2][HA-N1AH20/2]
●旧DELAと比べて新DELAは更にS/N感が1ヴェール向上し、見通しが良くなっています。
●見通しが良くなった相乗効果で、抜け感や音の切れ、スピード感が向上しています。
●全体のセパレーションも良くなり、各パートの分離感が向上しています。
●情報量がより上がり、微小音(弱音)の再現性が高まっています。

…と、普通のNASと旧DELAの比較と同じように、「激変!」「全然違う!」とはならないものの、1つ1つはわずかながらも全体的に基本的な音質が向上しております。
なお、旧DELAの情報量の向上は「少し濃くなった」ような(黒江的にはあまり好ましくない)印象も受けましたが、新DELAの情報量の向上は「高域や中域の音数(分解能)」の向上であり、音の濃さは少しさっぱりしたしたように感じられましたので新DELAは癖が皆無に近い印象です。

また、DELAの高い利便性として、(ネットワークでの使用をしなくても)USB DACへのSEND(センド)機能があります。
これはDELAの(HDD/SSD)中に入っているデータを手持ちのUSB DACへ(USB)出力してくれるものであり、USB DACをパソコンに繋いで得られる音質よりも格段に良い音質を得ることができます。
この機能によってネットワークプレーヤー(ネットワーク機能)は無いけれどお気に入りのDACを所有している方もNASの利便さにあやかることができ、且つ音質の良さもあって(ネットワーク接続できるけど)あえてUSB接続で使用するということも可能になるため、製品の使い勝手はとても良いものとなっています。

…ということで、期待通りの新製品となりました。ご興味あります方はぜひお問い合わせいただければと思います。

Comments are closed.