Archive for the ‘レポート:アンプ’ Category

LUXMAN L-550AXII

火曜日, 4月 12th, 2016

今回は間もなくの登場となるLUXMANのA級プリメインアンプをレポートさせていただきます。

【けたたましいドライブ感と突き破るスピード感。】

遂にこの日がやってきた(やってきてしまったとも…)という(少し複雑な)心境ですが、LUXMAN製品を当店のリファレンスと謳わせていただくときが訪れました。
まずはいつもの通り、分析・解析レポートを述べさせていただきます。

比較対象機はPioneer A-70(無印:1つ前の型番)で両者には妙な共通点があったのは必然か偶然か…。(笑)

■LUXMAN [L-550AXII]
●(決してお安くはない価格帯ということもあって)さすがのS/N感とレンジ感、ダイナミクスと基本的音質は十二分の性能です。
●純A級動作ということもあって1音1音を押し出す力、音場を張り出す力、音の粒を弾き飛ばす力…と高いドライブ感(パワー感)を感じさせるサウンドであり、主音(強音)はより前に、弱音はそれなりに…と各パートの音像を描きわけながらも(主音を)グッと前に押し出してくれる高い定位感が魅力的です。
●硬質よりのサウンドであり、やや寒色傾向ですが、前述のドライブ感を伴っているためキンキン・カンカン・コチコチといった印象にはならず、適度な厚みと重みも感じさせてくれます。
(硬質度はA-70を10段階中7~8とすると、L-550AXIIは6程度と考察します。「硬質度0で硬くも軟らかくもないという意です。」)
(寒色度もA-70よりは少し穏やかですが、決して暖色傾向とは言えないテイストだと思われます。)
●これもまた純A級の恩恵か、出音を抑えつけるような印象が皆無であり(ハイスピードにしてやろうといった音作りではなく)、結果的に自然なハイスピードサウンドとなったようなネイティブなスピード特性です。
●高域の分解能も良好、帯域バランスも良好(※)、低域の深さと解像感も良好、低域(バスドラやベース弦)の輪郭はぼやけることなくタイト(※)、強いて言えば中域がややウェットでシャウトボーカルの絶望的なザラつき感が少しだけ艶っぽく聴こえてしまうのが(黒江的には)惜しいところでした。
●ディストーションギターはガリガリのエッジ感などはA-70も魅力的ですが、L-550AXIIは芯やコシ、弦のバウンド感が良く、こちらはこちらで正解(正確)なギターサウンドではないかと思われます。
●他にもスネアの皮の張り具合、アタック(インパクト)音、立ち上がり、切れ…と隙のないクオリティは(値段も値段ですが)さすがの一言です。
黒江的好み度:S- (> A+)
(完全な“S”まではほんのわずかに届かずといった程度なので、ほぼ“S”と思っていただいて結構です。)

…とこのような分析結果となりましたが、1つ大事なことを追記させていただきますと
『↑上記のレポートはすべてアンプの低音(BASS)を2目盛り(時計の針10分程度)を下げたサウンド』
であるということです。
(試聴の際は[LINE STRAIGHT]をオフにしてから、お使いのスピーカーやお好みで1目盛り~3目盛りと気持ちよく聴ける位置を探っていただければと思います。)

(そうです。笑)長らく当店のリファレンスだったA-70(無印:生産完了)と奇しくも同じ使い方をすることで「(黒江的には)高い評価に繋がるものとなった」という結果でありました。

(条件付きながら)アンプでは久々の個人的ヒットなので多くの方にお勧めはしたいのですが、価格の高さはどうしようもなく…(高く評価させていただきつつも)少々恐縮しております。
とは言え、(実勢売価でも30万円を超えてしまう製品ですので「これしかない」といった選択肢には致しませんが)メタルをはじめ、ロック・ポップス愛聴のユーザーさんにはぜひ一聴していただきたいと思える製品となっていますので、機会がありましたら(低音下げて)聴いてみてもらえればと思います。

P.S.
もう少し お安いアンプ ないかしら

Pioneer A-50DA (A-70A / A-70DA)

金曜日, 11月 20th, 2015

Pioneerの新製品アンプ群をすべて比較試聴いたしましたので、(これまたちょっと遅くなりましたが)レポートさせていただきたいと思います。

基本的にはすべてA-70(無印)を基調のリファレンスとし、A-50DA vs A-70A vs A-70DAと比較検証しています。

【自分の子より、弟の子供の方が自分に似てる気がする…(みたいなお話)。】
(自分の子も弟もいないので、あくまで例えですが。^-^;)

結論から述べますと、この数年でもっとも黒江がイチオシ、激オシだった「A-70」の後継として登場したA-70A・A-70DAは「明らかにキャラクターの変化が(大きく)感じられ」(黒江の観点・視点からだと)A-70の代わりにお勧めできるようなサウンドではありませんでした。
(いつかも似たようなことを述べた記憶がありますが)A-70を入手し損なってA-70A・A-70DAで似たような音だと思い込み購入されるのは、まったくもっての見当違いとなりますのでご注意ください。

その代り?と言ってはなんですが、A-50DAはクラス下でありながら上々の出来であると思いますので、踏まえてレポートさせていただきます。
(もちろん、A-70A・A-70DAは黒江の求める音・好みの音からは程遠いということなので絶対的な評価ではありません。ですので、黒江的サウンドを求める方にはお勧めできないというだけですので誤解の無きようにお願い申し上げます。A-70A・A-70DAについてはレポートいたしませんが、黒江的には低音域の力強さに“行き過ぎ”感を感じざるを得なかった点、その他数点です。)

…ということで、(↑のように)今回はちょっと変わった見出しとなりましたが、A-50DAをレポートしたいと思います。

■Pioneer [A-50DA]
●(基本的にすべてA-70との比較検証によるポイントです。)スピード・切れ・クリア感は(定価ベースでも1ランク上の)A-70に軍配ですが、A-50DAはスピード感とアグレッシブさを兼ね備えているタイプのサウンド傾向になっています。
●やはりA-70の分解能(音の細かさ)には及びませんが、A-50DAは1粒1粒の音に力強さがあり、インパクト感のある(A-70よりは)重めの音になっています。
●それでも上々のスピード感があり、音と音が充満して見通しが悪くなるようなこともなく、十分な抜けや透明度を保ったサウンドステージを描きます。
●低音もタイトで緩さを感じる傾向ではありません。
●帯域バランスも良好(ただし、A-70同様にベースを少し落とす)で高音~低音の質感も揃っていて、癖のある音作りではありません。
○下位モデルと言うこともあって、全体的に少々粗っぽさが感じられる場面も。
○S/N感・解像度などの基本的音質面は(価格には十分見合った)上々のスコアを付けられるものの、クラス上のアンプ群と比べるとわずかに見劣りする点があります。
黒江的好み度:A

まとめると「シャープでスピーディで、非常に細かい粒子の硬質(寒色)系だった(旧)A-70」に対して、「もう少し1つ1つの粒子感が大きくなるも、その分パワー感(アグレッシブさ)は増し、キレとスピード感はわずかに低下するも(音が自分にめがけて)前に飛んでくるA-50DA」といった感じでしょうか。(一時のTEACやPRIMAREをもう少し硬質にしたような傾向で、なかなか絶妙なポジションにあると思います。METALには合いますよ!)
メタルやロック、J-POPというジャンルで高く評価したいという点では(型番通りのA-70A・A-70DAではなく)明らかにA-70のDNAを引き継いでいると言えるので、気になった方にはぜひ試聴をお勧めしたいところです。

なお、このA-50DAも以前のA-70と同様にBASSを少し落として(時計の10時~11時くらい)聴いていただくのが黒江的なおすすめポイントですのでご注意ください。

A-70のレポートは↓こちらです。
http://www.digitalside.net/?p=727
http://www.digitalside.net/?p=736

お値段や試聴等、気軽にお問い合わせください。

ANTHONY GALLO A’DIVA SE with A-70

月曜日, 12月 9th, 2013

前回のエントリーの通り、少し間が空いてしまいましたが今回はANTHONY GALLO (ACOUSTICS)の新作“鉄球”こと『A’DIVA SE』をレポートしたいと思います。

【ピッチャーとキャッチャー?ボケとツッコミ?…相方次第では最強のサウンド!?】

いつもの通り…なのでちょっと端折って大きさ(サイズ)の話題から入りたいと思います。
(…といっても寸法・数値の話ではなく、)A’DIVA SEは「ちょっと小ぶりの真ん丸メロン」くらいの大きさでボーリングの球よりは遥かに小さく、水球のボールくらい?ではないかと思います。
弟分のMICRO SEはおそらくソフトボールくらいの大きさで、A’DIVA SEと比べると2まわりか3まわり小さい感じです。

次にラインナップの確認ですが「A’DIVA SE」は「A’DIVA Ti」というチタンコーン(チタンを用いた振動面)モデルの後継機種にあたり、これらとは別に普通(ペーパーコーン?)の「A’DIVA(無印)」が存在しています。
“鉄球”という呼び名(あだ名)は前モデルの「A’DIVA Ti」の頃から、その真ん丸さと外装がすべて金属製であることを踏まえて付けたのですが、SEモデルはネット(スピーカーに被せる網)に繊維質が使用されていることに加え、以前はドーム型だった形状もフラットの面取りを施されてしまったので、いささか“鉄球”からは遠ざかってしまいました…。

前置きが長くなりましたが、(その形状はイロモノながら)「A’DIVA Ti」は当店のスタッフが個人で購入するほどの『ザ・ステレオ屋的サウンド』だったので新作にも高い期待を抱いての試聴となりました。
まずはいつものようにザっと書き出してみます。

■ANTHONY GALLO (ACOUSTICS) [A’DIVA SE]
●もっとも大きな特徴であり、個性であり、(好みが合えば)長所でもあるのが1音1音の明瞭感とエッジ感です。エッジ(感)は「太いマジックで強調したような輪郭線ではなく」「あくまでシャープでありつつも立体的でキレのある輪郭」であり、個人的には最高峰の輪郭感ではないかと評価しています。
●スピード感はまぎれもなくハイスピードの部類であり、(前述の通り)キレもありますが、エグってくるようなアグレッシブ系のスピード感も持ち合わせており、こちらもまたかなり高い評価となっております。
●1音1音の分解能も極めて高いのですが、少し繊細さには欠けるので悪く言えば荒々しい(粗い)、刺々しい印象です。
●極めて硬質な傾向のサウンドですので温かみのある音や声などの生々しい感じを引き出すのは少し苦手ですが、痛々しいくらいにビシビシと切り裂くようなサウンドとライブやスタジオの直接音のようなピーキーな(音の)立ち上がりは、その愛らしくユニークなルックスからは想像していなかった“ドSサウンド”とでも呼べるような攻めの(責めの)サウンドです。

…と、この上ないくらいに(黒江的には)褒めているように見えると思いますが、1つ大きな欠点があります。
(真ん丸なので置くのに困る…というのもありますが、専用の置台があります)実はこのA’DIVA SEは低音が非常に乏しいスピーカーなのです。
よって、↑前述のサウンドはすべて“アンプによって低音を少し持ち上げている状態”のレポートであり、低音を下げると(その資質は十分に感じられますが)これらの魅力は引き出されません。

この低音の乏しさは、一聴してすぐに気が付けるレベルであり、(決して低音が豊かではない)Vienna acoustics [Haydn Grand Symphony Edition]と比べても明らかに量感がなく、前[A’DIVA Ti]と比べても瞭然です。

そこで表題の通り(気が付いていただいている方もいらっしゃると思いますが)、Pioneer [A-70]の登場となります。
こちらのアンプは(黒江的には)低音の量感が少しありすぎるため、普段から低音をやや下げて使用していますのでこちらの低音を通常の位置に戻して(DIRECTにして)聴いてみると…「笑っちゃうくらい好みのサウンドじゃん!」ということで、先ほどのようなレポートの結果となりました。

ですので、ANTHONY GALLO [A’DIVA SE]を使用される場合は「低音を調整できるアンプ」と組み合わせていただけると幸いです。

黒江的好み度:B- (ノーマル時)
黒江的好み度:S (A-70低音調整時)
黒江的好み度:S+ (曲により)
(久しぶりのスピーカーでの個人的大ヒットでした!)

P.S.
弟分のblogを見ると10月の中旬に試聴しているようですが、この後すぐに“BURRN!”のお話が入ってきたので同様の内容で同誌にて紹介させていただいております。
こちらのブログの方が(字数の関係もあって)より詳細にレポートしていますので、メタルファンのみなさんには特にチェックしていただけると嬉しいです。
なお、同じメタルでもlamb of godのような重厚系より、A7Xや初期BFMVのようなメタリックサウンドのほうがよりフィットしていると思いますので、試聴の際はその辺も気にしていただければと思います。

BURRN! 2014年1月号

水曜日, 12月 4th, 2013

11月の更新ができないまま2013年最後の月を迎えてしましましたが、更新ができなかった1つの理由にもなったのが(久しぶりー!の)以前に連載を持っていた音楽情報誌(ハードロック・へヴィメタル)『BURRN!』誌にて特別企画を書かせていただいたことです。
…ということで、(毎月5日発売なので)12月5日発売の『BURRN! 2014年1月号』に登場します!

今回のコンセプトは「PCオーディオとアナログ(レコード)とオーディオの親和性」と(勝手に)銘打ち、オーディオ全般の流れからはじまって、PCオーディオ(ネットワークオーディオ)やアナログまで幅広く、オーディオの楽しみ方や魅力を網羅しています。
もちろん、内容はいつもの通りビギナー層にもできるだけ分かりやすい表現や文章を心がけていますし、ロックやメタルを聴かない方にも十分に伝わるような内容となっていることと思いますので色々な方に読んでいただけたら嬉しいです。

早いところでは今日から棚に並んでいますので、ぜひお近くの書店やコンビニ等でチェックお願いいたします!

P.S.
(反響が多ければ多いほど、次回の登場時期も早まると思いますので)できたら買っていただけると幸いです。

McIntosh MA5200 vs MA6700

火曜日, 9月 10th, 2013

少し間が空きましたが、この度久しぶりに元祖の輸入元エレクトリに復帰し、新作を発表した名門中の名門オーディオ(主にアンプ)ブランド『McIntosh (マッキントッシュ)』からインテグレーテッドアンプの兄弟機をレポートいたします。
(名門ブランドだけに当ブログにしては高級なものになってしまって恐縮ですが、憧れのブランドの一つになれば幸いです。)

【NewGeneration McIn Sound !?】

まず先に(お得意の)脱線したお話からになりますが、“マッキントッシュ”と言われるともう一つのビッグネームを思い浮かべる方も多くいらっしゃるのではないかと思いますが、(そうです!)正に今現在、このメーカーをご存じない方はいないであろうApple社のコンピューター名と同じ“マッキントッシュ”というメーカー・ブランド名なのです。

ただし、同じ名前でもちょっとした相違点がありますのでザザッと箇条してみます。
★オーディオの“マッキントッシュ”はメーカー・ブランド名、コンピューター(類)の“マッキントッシュ”は商品名(TOYOTAのCROWNとか、Fenderのストラト[キャスター]とか、Gibsonのレスポールとか、HERMESのバーキンとかと同じ)です。
★スペル・綴りが違っていて、オーディオは“McIntosh”、コンピューターは“Macintosh”です。※オーディオは「a」が無く、「I」は大文字なのが正式なので覚えてもらえると嬉しいです。
ちなみに、Appleの“Macintosh”は最近のモデルでは一切使われておらず、略称の“Mac(iMac/MacBook等)”になっています。

おまけで、(僕は最近はじめて知った)アパレルの“MACKINTOSH PHILOSOPHY”は全部大文字で「K」入りです。(たぶん。)
すべて正しく書き分けられるとちょっと素敵(…な気がします)。
(歴史と言いますか、いち早くマッキントッシュを名乗ったのはこのオーディオブランドなので、Appleファンのみなさんにはちょっとリスペクトしてもらいたいような気もします…ね。)

…と、早々に脱線いたしましたが、新モデルのレポートの前に歴史ある“マッキンサウンド”の特徴をご案内したいと思います。

●とにかく、『パワー・エネルギー・情報量・密度感・濃厚感』という表現の似合う雄々しいサウンドが特徴です。
(繊細さ、クリアさなどが感じられないわけではないのですが、まずはパワフルさを感じる傾向です。)
●スタイルでは漆黒のガラスパネルに“ブルーアイズ”と呼ばれる青く灯るメーターが最大の特徴であり、遠くから見ても、誰が見ても一目瞭然のマッキンスタイルは(僕自身をはじめ)多くのファンを長年に渡って虜にしています。(これが“キュンキュンする”って言うんでしょうか。^-^;)
●多くのモデルに“マッキントランス”と呼称されるオートフォーマーという出力トランスを搭載しており、これが“マッキンサウンド”の源流とも言われています。
(まだまだ書きたいことはありますが、長くなるので簡潔に。)

…これらを踏まえて、この度の新製品MA5200とMA6700を「vs レポート」してみたいと思います。

■McIntosh [MA5200]
●同メーカーの中では、いわゆるエントリーモデルであり前述の“マッキントランス”を省略したモデルです。
(かなり前に同様の省略モデル「MA6500」が生産されており、黒江的にはもっともサウンドが気に入っていたモデルの一つだったので期待大でした!…が。)
●低域が強めで、パワーで押しこんでくる、いわゆる“マッキンサウンド”を強く感じられるサウンドです。
●暖色・低域寄り(極端に言えば低域[3]:中域[2]:高域[1]くらい)・高い押し出し感・パワフルなドライブ力を持っていますので、大型のフロア型スピーカーなどもガンガン鳴らしてくれそうです。
(当店では小型スピーカーしか鳴らせなかったので十分な魅力を引き出せなかったのかもしれませんが…)
○全体的に暗めであり、少し見通しが良くない印象もあります。
(情報量が多すぎて当店の小さな試聴室では部屋が音で充満してしまった感があるので広めのお部屋の方が向くようにも感じられました。)
○(マッキンは総じてですが)スピード感はやや遅め、音場感もやや狭いように感じられました。
(しつこいようですが、部屋との相性も考えられます。)
○少しサウンドは先丸、音の線は太め、エッジ感もビシッとした明瞭なタイプではありません。

■McIntosh [MA6700]
●こちらは“マッキントランス”搭載のプリメインアンプですが、MA5200に“マッキントランス”を載せた(またはMA5200がMA6700から“マッキントランス”を抜いた)設計ということではないようです。
(前述の通り、以前は“マッキントランス”レスが好きだったので、こちらはあまり期待しないでの試聴となります…。が!)
●基本的にはやはり“マッキンサウンド”です。…が、かなり洗練されたような、モヤモヤ・モワモワとしていたものが晴れたような、1レベルも2レベルも高い“マッキンサウンド”が感じられるサウンドだと思います。
●基本的にはやはり低域寄りだとは思いますが、こちらは中低域寄り([2]:中域[2]:高域[1.5]くらい)という表現の方が的確で、明らかな低域過多に感じられることはありませんでした。
●暖色傾向もさほど強くは無く、寒色・暖色のちょうど中間~ほんのり暖色といった音色傾向で、音像やエッジ感もしっかりしています。(少し先丸ではあります。)
●何より評価したい点が、スピーカーが「こんなに楽に鳴らしてもらっていいのかな」(←もちろん幻聴です。)と言っているように聞こえるくらい軽々と鳴っている点です。このアンプならどんなスピーカーでも駆動力不足に悩むことはなさそうです。
(“This is ドライブ力・トルク・駆動力”と言えるような、アンプの王道・王様とも言えるような何とも表現に苦しむセールスポイントです。)
●スピード感はやはりありませんが、抜けや見通しは上々であり、音場感も(とても広大とは言えませんが)十分な広がりを持っています。
●不得手なサウンドはあるものの、ベースのうねりやバスドラの(深い)沈み込み、オーバードライブの油っこい歪み感、男性ボーカルのうっとおしさ、肉厚の金属音、ビーターのインパクト音などなど“マッキンサウンド”でしか感じられないサウンドもまた魅力的だと思いました。
○PioneerのA-70と同様にイコライザーでハイ(高域)を少し上げて聴いていただきたいです。

…と、(個人的な主観&当店のセッティングでは)結果的にはMA6700の圧勝となりました。
とは言え、MA5200が劣っていたというよりは、MA6700の完成度が非常に高かったのだと感じています。

結論として…MA5200でさえとても高額でありMA6700は更に高額ではあるのですが、MA5200をご検討されているかたはもう一声がんばっていただいてMA6700まで何とか手を届かせていただけたら…と思いました。

P.S.
“ブルーアイズ”かっこいいな…。
部屋を暗くしてマッキン眺めてるだけでもすごい満足しちゃうんですよね…。
配色なのか、無機質と有機質が同居したようなデザインなのか、“McIntosh”のロゴが緑なのもポイントなんでしょうか…。

NuForce STA-100 with Essensio Plus

火曜日, 7月 9th, 2013

今回は久しぶりに上々の(黒江的)ヒットになった期待の新製品レポートです。

【小柄でヤンチャな爆走ボーイ。】

輸入元(本国原文の和訳?)によると『エレガントで控えめなサイズの筐体』ということなので、“体は音を表す”のではないかと(黒江にしては珍しく)妙な先入観を持っての試聴となりましたが、いい意味で期待を裏切ってくれました。

いつものようにまずはザッと書き出してみたいと思います。

■NuForce [STA-100]
●(価格の割には)情報量が高く、1音1音が(薄っぺらくなくて)しっかりしていて、且つハイスピード。力強いサウンドなのに高いスピード感を誇るのは大変魅力的です。(まず、もっとも注目した点でした。)
●帯域バランスはやや低音寄り、…というよりは少し高音が控えめといった感じです。
●輪郭・エッジは鋭すぎず、硬すぎず、強調の無い範囲での明瞭系です。低域もビシッとタイトで緩さは感じられません。
●(前述のエッジ感も含め)シャープ・抜け・キレ・クリアといった“ハイスピード・クリア系”ではなく、(小粒ではあるものの)音のつぶてを投げつけられるような“アグレッシブ・ドライブ系”の傾向です。
●音のトーン(質感・温度感)はキンキンの硬質・寒色・クールといった傾向ではなく、比較的中庸なポジションに感じられ、(軟らかく・暖色な)ウォームには程遠いですが、少し熱さを感じるホット(パッション)なエッセンスを少しだけ感じるサウンドの印象です。
●1音1音の分解能(シンバルやディストーション、シャウトの成分・粒子感が細かく分解されているか)も上々です。
○強いてウィークポイントを挙げるならば「S/N感」で、前述に挙げた分解は上々であるものの、各パート間、楽器の位置関係に於ける距離感である“分離感”には少し物足りなさを感じ、ややガシャガシャとした落ち着きのない感じが見受けられました。(これがちょっとヤンチャに感じるポイントです。)
○音場の見通し、奥行きも(これらを評価している機種に比べると)少し見劣りする点があります。

黒江的好み度:A+

…と、いうことで黒江的には「お値段以上○○○」な1台ではないかといった結論に至りました。
(特にこの数年、アンプ・パワーアンプには個人的アタリが全然出ていなかったので…。)

なお、ザ・ステレオ屋では、north star design [Essensio Plus]というプリアンプとコンビを組ませていますが、このコンビとPioneer [A-70]は非常にいい勝負をしていると思います。
加えるならばCP(コストパフォーマンス「コスパ」)では圧倒的にA-70ですが、north star design [Essensio Plus]はUSB DACとしても秀逸なのでPC/Macなどとの絡みの優先順位でもチョイスは変わってきそうです。
(以前のレポートでA-70のUSB DACサウンドはあまり好みでないと書いていますが、調べてみると奇しくも前回に出てきたESS社製のDACチップだったようです。)

いずれも“高発熱”“高消費電力”ではありませんので、“節電の暑い夏”でも差支えないと思います。
気になった方はぜひ一度聴いてみてください!

Pioneer A-70 [postscript]

水曜日, 11月 21st, 2012

(採用にあたり条件付きながらも)数年ぶりに『ザ・ステレオ屋リファレンスアンプ』の座を射止めた「Pioneer A-70」ですが、当店のユーザーさんからも一様に好評をいただいておりますが、ぽつぽつと購入された方、ほぼ購入決定の方も増えてまいりましたので前回に書ききれなかったことを幾つか追伸させていただきます。

●USB接続やデジタル入力でのサウンド
原則的には前回のレポートの通り、「ハイスピード・クリア系・硬質傾向・エッジ感・キレ」といった“アンプのベーシックなサウンド”を感じさせますが、DACを経由するためかややサウンドに変化(エッセンス・スパイス)が乗っているようです。
USBやデジタル接続時のサウンドは(ライン入力時に比べ)「ややおとなしく、平面的」といった印象で、きれいではあるのですが少し棘が取れて丸くなる傾向なのでUSB接続などをメインに検討されている方はご注意ください。(スピードやキレも少し落ちます。)

●BASSの絞り加減
前回は“9時半~10時”と書かせていただきましたが、少し大げさでした。(ごめんなさい。)
(黒江的)ベストは“10時~10時半”あたりで、繋げるスピーカーの元々の低音量によって9時半や11時あたりをお好みでお使いいただければと思います。
(BASSのデフォルトはセンターの12時ですが、11時あたりで一気に低音が減衰するので試聴の際は「大体○時で」などと適当にせず、ぜひ微調整をしていただければと思います。)

●A-50との違い
「A-70とA-50の主要な部分は共通」とのことですが、実際に同時比較試聴を行った結果、(少なくとも黒江には)「とても同じようなサウンドには聴こえなかった」ので、「A-70のレポートや評価を見聞きしてA-50を購入するのは(A-50が良い悪いではなく違ったものなので)回避していただくのが賢明と思います」ということを今一度、明言させていただきたいと思います。
(「A-50とA-70は似たような音だけどA-50の方が安い分、やっぱり少し粗いかな…とか、解像度やS/N感に劣るかも」程度の差であれば、そう書かせていただきますので…。)
…ですので、(予算的に)A-50を検討されている方は必ず試聴していただければ幸いです。(できたらA-70との比較試聴もしてみてください!)

●サウンドの捕捉
(前回は特筆し忘れてましたが)S/Nが非常に高いのもポイントの1つで、何も再生していない状態の“無音時”に於ける(スピーカーから「スッー」と小さくノイズが聴こえてくる)残留ノイズもほぼ皆無であり、(音が出ている間は)その無音の空間に(次から次へと)ポッと音が浮かび上がってくるのが目に見えるよう、手に取れるような高い音像感も持ち合わせています。
逆に「1音1音の芯や肉付きはやや華奢な傾向」であるため、TEAC AG-H600や(旧機種の)PRIMAREのような“エグってくる感”はあまり持ち合わせておらず、“鋭利感”はあるけど“暴力的”ではないといった「無骨なマッシブさ、マッチョさ」は求め辛いかもしれません。(低音を上げれば少しカバーできますが…。)
とは言え、女々しいサウンドのアンプではありませんので、アグレッシブなジャンルをお好きな方も安心してお求めいただけると思います。(これで聴くSliPKnoTがめちゃくちゃ気持ちいんです…。)

…と、とにもかくにも(いい加減しつこいのはわかっていますが!笑)、条件付きであれば“黒江的サウンド”の間違いない今年(ここ数年)のベストアンプです。
しばらくは『ザ・ステレオ屋リファレンスアンプ』として長めの付き合いになりそうなので、ぜひ皆さんにもご検討いただければ幸いです。

Pioneer A-70

木曜日, 11月 1st, 2012

新製品時期ということで立て続けになりますが、ようやく巡り会えた『ザ・ステレオ屋NEWリファレンスアンプ』を今回はレポートさせていただきます。
(2つ前のエントリーではモニターの黒江的ヒット「DB1 Gold」をレポートしています。)

訳あってちょっとしたストーリー仕立て&毒舌の応酬となっておりますが、最後まで暖かい目で読んでやっていただけると幸いです。(Pioneerさん、気を悪くさせてしまったら申し訳ございません…。)

【その豹変ぶりは、まるで“みにくいあひるのこ”?!】

「はじめまして」…と開封された新しいアンプを見て、無意識の内に「半端なくカッコ悪いな」…と、口をついてしまったくらい(個人的には)最低クラスのデザインであり、その第一印象は最悪のまま試聴に入ります。

いつものようにチャチャッと繋いで、パパッといつもの曲を聴いた直後、(外観と同様に)無意識の内に口をついていました。
『なんなの?この低音域の狂ったようなバランスは』…と、そのくらい低音が耳につくバランスの悪さです。(もっとひどいものもありますが、N-50の“とっても好きだった”テイストを期待していたあまりにそのガッカリ感が半端なかったのです…。)

ふと、(Pioneerさん社内でのテストか、雑誌社さんか、他店さんなどで聴かれていたのかもしれないと思い、)「ひょっとしてイコライザーいじった状態になってない?」…と、(アンプのそばに居た)弟分にたずねます。

「いえ、つまみ位置はセンターですし、(EQなどをバイパスする)ダイレクトがオンになっています…。」
「えー、マジかよ。これが(このアンプの音作りをした人が思う、周波数帯域が)フラットなのか。」…と、首をかしげながら様々な考えを巡らせます。
「待てよ?これがまだ試作機で、このトーンコントロール(イコライザー)が間に合わせの物とかかもしれないよ?」…と、今度はPioneerさんに念のための確認をお願いします。

数分の電話の後、「今ここにあるのは、ほぼ量産品とイコールで間違いないようです…」とのこと。
「うわー、デザインも野暮ったいけど、音も野暮ったいなぁ。デザインにも音にもセンスが感じられないよ…。」なんてボロカスに言いたい放題のわたくしです。(陳謝)

…と、ここまでわずか数分。まだパッとしか聴いていませんでしたので(特徴をしっかりと把握するために)今一度の試聴です。(もちろん、すでに半分“心ここに非ず”の状態で。)
やはり低音が気になります。…が、(低音にばかり気を取られるくらい)気になる低音を一旦(耳の中で)削除して聴き始めたとき、(推理物を解決するときのような)閃きを覚えたのです。
『これ、低域以外はかなりいいセン行ってるかも…。』
…となれば試すことは1つです。

『ちょっとイコライザー(EQ)でBASSを絞ってみて!』
…当然と言えば当然なのですが、EQ特性がおかしいと思ったのなら、EQで調整してあげればよいのではないかと。
(ただ、僕自身も然りですが、オーディオユーザーの多くはこの“EQをいじる前提でアンプを選ぶ”ことを好ましく思わない傾向にありますので、やや抵抗感のある方法ではあるのですが。)

…ということで、ここからはいつものレポートです。ただし、BASSを絞った状態でのレポートとなりますのでご注意ください。

■Pioneer [A-70]
●いわゆる“ハイスピード系”であり、S/N感・分解能が高く、音の立ち上がりがスピーディで明瞭、1音1音のエッジも明確でキレのあるサウンドです。
●(黒江の好む)ピークを丸めないストレートなサウンドであり、ディストーションのガリガリした刺々しさ、シンバルのジャリジャリとした硬質感などがしっかりと再現されています。
●サウンドは寒色系、硬質系ですので「聴き疲れる」「キンキンする」「耳鳴りがする」など、好ましく思われない方も多くいらっしゃる傾向ですのでご注意ください。
●ディストーションギターやベースの巻き弦をピッキングする際の(ピッキング)アタック音、スネア・バスの(特に皮をピンと張った)アタック音なども得意分野であり、ステレオ感も(押し付けがましいセパレーションではなく)高いので、ディストーション&フランジャーサウンドなども絶品です。
●上下左右の音場・サウンドステージに広がりのあるタイプではありません。前後の奥行感は良好で(先日のDB1 Gold同様に)眼前に迫りくるというタイプではありませんが、しっかりと明瞭に前方に定位するサウンドです。
●ボーカルはやや無機的ではありますが、音像(口もと)がやはり明瞭で、シャウト系ボイスの歪みは抜群です。(低音デスボイスやグロウルはやや軽い感じになる印象です。)
黒江的好み度:S (BASS DOWN)
黒江的好み度:C- (DIRECT)

…と、久しぶりに黒江的には『ほぼ完璧なサウンド』のアンプが登場してくれました。
(ここまで高く評価したのは1つ前が「ONKYO A-7VL (ただし同軸デジタル接続時のサウンドのみ)」だったので、奇しくも「条件付き」の推奨ではありますが。)
振り返ると条件無しに(ここまで強く)オススメしていたのがもう5年くらい前の「TEAC AG-H600 (すでに生産完了)」でしたので、本当に待望のアンプとなりました。
アンプで悩まれている方はぜひご検討いただければと思います。(ルックスとEQをいじるのが許せるなら!笑)

ちなみに、BASSは通常(DIRECT)が時計の短針の12時ですが、黒江の推奨値は時計の短針が9時半~10時くらいのポジションです。(10時半~11時とお好みのポジションを探してください。)
当店以外で試聴される方も、ぜひBASSを調整して(DIRECTをオフにして、BASSのみを下げて)聴かせてもらってください。(他店さん、ご協力お願いします。)
なお、DIRECTをオンにするとS/N感や解像度が一段向上するものが多いですが、(幸いにして?)A-70はそこまでの変化を感じられなかったので、BASSを下げての常用でのデメリットは皆無であるとお考えいただいて結構です。

P.S.
BASSを絞って聴き始めた瞬間、さっきまでの悪態が一変「スゲーよ、このアンプ。めちゃくちゃいいじゃん!」と歓喜の連続だったことはご想像の通りです。(Pioneerさん、許してください。)
あらためて見るとルックスも無骨でなかなかいいんじゃ?
(デザインそのものはそこまで嫌いじゃないので)黒江的にはブラックモデルだったら全然ありなんですけどね。
Pioneerさん、デフォルトでBASSを下げて、ブラックボディ(インシュレーターもブラック)の“ザ・ステレオ屋Ver.”を出しませんか?!

最後に…弟機のA-50は「A-70とは印象の異なるサウンド」でしたので、「クラス下だから大体似たような音が出るだろう」という推測ではご購入されないようにご注意いただきたいと思います。

Pioneer A-30 & PD-30

水曜日, 8月 29th, 2012

少し間が空きましたが、久しぶりにレポートを書きましたので更新いたします。
(宣言していた“アナログ系レポート”ではないので恐縮ですが…。)

【ビギナーにオススメしたい、ちょっと無骨な入門機!】

N-50のヒット(当店的には音的にフィット)で波に乗りそうなPioneerさんから(エントリークラスとはいえ)オーディオ機が立て続けに登場していますが、パイオニア関係者曰く「N-50の音決め(軟らかい傾向・シャープな傾向など、サウンドの傾向を決めること)を担当した者が今回のアンプやプレーヤーも音決めしています。」とのことなのでそこそこの期待を持ちつつの試聴となりましたが、感想は(見出しと下記のような)こんな感じになりました。

先に結論から申し上げると、以前にご紹介した
■[Aura vivid & vita]
http://www.digitalside.net/?p=667
と同様にセットで組み合わせて使用していただくことをお勧めします。

理由は「vivid & vita」の時と同様に帯域バランスなどが(上下セットで)程よくなるためなのですが、以下にそれぞれの特徴を挙げていきたいと思います。

■A-30 (アンプ)
●全体的にやや抜けが悪く、低域がやや強め(盛りめ)なので少しゴワッとした印象を持ちます。
●いわゆるパワー系であり、音の噴き出しは良好でドライブ感の高いパワフルな感じの(逆に言えばキレキレの、シャープ系なハイスピードではない)“やや”ハイスピードサウンドといったところです。
●1音1音はタイトで低音も輪郭はまずまずの明瞭さを持っていますが、(価格的に仕方のないことですが)総じてS/N感の不足や全体的にヴェール感や混濁感を少し感じ、これが「ゴワッとした印象」などにも繋がっているようです。
●全体的に音場の見通しが悪く、お世辞にも“スッキリとしたクリアなサウンド”とは言えないという印象です。
●ダイレクトモード(左右のバランスやイコライザーをバイパスする機能)は必須で、よほどの理由がない限りはダイレクトモードをオンにして使用していただければと思います。

■PD-30 (CDプレーヤー)
●S/N感はまずまずであり、価格を考慮すると大健闘しているレベルだと思います。
●アンプとは対極的にこちらはクリア系でありますが、慎重に丁寧にサウンドを精錬しているせいか、スピードが遅めであることが「すごく惜しい」といった印象です。
●加えて、こちらは低音が薄く、黒江的にはギリギリ我慢できるか?というくらい明らかにベースやバスが引っ込んでしまう傾向にあります。
●ちょっと気になったのは高域に歪み?破綻?と思わせるような“音割れ”を感じることです。かなりの高音域まで出せるような女性ボーカルや金物系、ピアノなどの高音域(の中でも更に高音部)がクリーンに鳴る場面などでは気になることがあるかもしれません。
●(今話題の?)DSD再生は(サンプルにお借りしたデモ曲が)分析できるジャンルのものでもなく、元々録音の良さそうな曲ばかりの収録でしたので今一つ説得力に欠けると思いますが「SACDとCDを比べた時の感じに近くて、余韻や微弱音の再現性が高く、S/N感と実像感が高い」といった印象を持ちました。

…と、黒江的には『かなり評価は高い』のですが、少し気になる点もちらりほらりと見え隠れする結果となりました。
…が、それでも価格的には『十分に満足できるサウンド』であると思えたのでレポートを書かせていただこうと思った次第です。
それぞれ実売が4万円前後ですので、はじめてのオーディオ入門にぜひご検討ください。

P.S.
ちなみに、見出しの「ちょっと無骨な」の意味ですが…デザインと言いますか、その風体のことです。
(特にビギナーの方には「ちょっと大きすぎるかなぁ…」と思ったり、思わなかったり。)
Pioneerさん、もうちょっとスタイリッシュでスリムなものも出してください!(笑)

Aura vivid & vita

火曜日, 1月 24th, 2012

2012年の1発目は新しいの年のはじまりらしく、タイトルの通りAuraの新製品[Newcomer]からです!

【比翼連理】

こんな四字熟語をご存じでしょうか。

※参考:Wikipedia
語源は中国の漢詩、長恨歌(ちょうごんか)という古い長編の漢詩に登場する一節のようで、原文は『在天願作比翼鳥 在地願爲連理枝』となります。
『天にあっては願わくは比翼の鳥となり、地にあっては願わくは連理の枝となりましょう』…という訳になるそうですが、要は『2つで一対とか、片時も離れずとか、(そのことからも)主に夫婦が仲睦まじい(または「そうなりましょうね)』という意味です。

これを「天にあっては比翼の鳥のように」「地にあっては連理の枝のように」のように短文とし、「比翼の鳥・連理の枝」と簡略されたものを更に略して『比翼連理』となったそうです。
(ちなみに「比翼の鳥」は雌雄が左右それぞれ一翼ずつの鳥で、“雌雄一対”でしか飛ぶことができない鳥です。)

…ということで、もうお分かりいただけた気がしますが(笑)、このvividとvitaは黒江にしては“かなり珍しく”「セットでの購入を強く推奨したいモデル」となりました。
(逆に言えば、単体での購入はちょっとオススメしたくないかもです。)

いつものようにサウンドの傾向をレポートしていきます。
(比較対象はいつもの通り、[Aura neo & TEAC AG-H600]のザ・ステレオ屋リファレンスです。)
なお、まずは[Aura vivid & vita]をセットで組み合わせた際のサウンドについてです。

■[Aura vivid & vita]
●さすがに[neo & AG-H600]にはわずかに劣るものの、上々なハイスピードサウンドです。
●音にキレがあり、シンバルやディストーションの粒立ちもきめ細かく、アタック音も鮮明で明瞭なサウンドです。
●[neo]のようなクールさはさほど感じられず、[neo]よりもやや熱っぽさのある(アグレッシブな)サウンドです。もちろん、暖色・ウォームといった言葉には無縁でそれでもクール系の部類であると思います。
(特にシャウト[ボーカル]はかなり激熱な感じであり、ここ数年の中ではベストかも知れません。)
●[neo & AG-H600]と比べるとややS/N感や解像度が落ちます。(ただし、価格的には申し分ないです。)
●奥行感や上下の高さ、左右の広がりなど、広大なサウンドステージを描く傾向ではありません。
●(矛盾したことを書きますが、)「アグレッシブでありつつもクール」であったり、「やや粗っぽさが感じられるけど繊細」といった両面性を持っている印象があります。(考察は後述いたします。)

…ということで、強いて言えば“クリアネスと(音の)抜け”があと少し欲しい気がしますが、それが備わってしまうと「驚異のCPです!」なんて書かなくてはいけないかもしれないので、価格的には十分(以上)な資質であると思います。

その上でCDプレーヤー[vivid]とアンプ[vita]をそれぞれ単体で聴いたケースのサウンドをレポートいたしますと…

■[Aura vivid]
●かなりのハイスピードです。[neo]にも引けを取りません。
●低域が非常に薄いです。低音フェチではない黒江が「低音が全然出てない…」と、こぼすほどです。
●主に高域の輝度が高く、やや艶掛かっています。
●全体的に音の薄い傾向です。音の芯が目立ち、厚みの無い薄っぺらいサウンドとも言えそうです。
●S/N感はとても高い印象です。

■[Aura vita]
●全体的に重々しく、やや抜けの悪い、やや鈍足気味のサウンドです。
●低域過多の印象で、エッジがしっかりしていないのでタイトさに欠け、且つ解像度も決して高くはないのに量感が多いので余計に目立ちます。
●全体的にどっしりとしたサウンドです。“濃厚”とは言いませんが、シャープなサウンドでないのは確かです。
●情報量の豊富な傾向で、(スペック上の数値面ではなく)ドライブ感・駆動力の高いアンプだと思います。

…と、以上が言葉を選ばすに書きだした雑感です。

更に言葉を選ばずに端的に表現すると『低域の無いシャラシャラしたサウンドのvivid』『高域の無いドワドワしたサウンドのvita』とでも言ってしまおうかと思います。
…が!僕が思うにこの2機種は最初から一対・つがいで使うことを前提に音決め・音作りをされているのではないでしょうか。
そのくらい、(各機の個々のレポートをご覧いただければ分かる通り、)[vivid]と[vita]を組み合わせて聴くことで凸と凹が上手くピッタリと合わさり、絶妙なバランスのサウンドになっているのです。
(組み合わせた時に感じる“矛盾した印象が成立してしまう”のはこれらの対極的な個性が上手く「いいとこ取り」されているからではないかと。)

確かに、[neo]のつがいである[groove]も、[neo]がクール系ならややウォームより、[neo]がキレのあるスピード系ならパワーのあるドライブ系でした。
(※[groove]よりも、もっと暖色でマイルドなものが多いので黒江は[groove]を決して“ウォーム系”とは位置づけておりません。)
このことからもAuraのCDプレーヤーとアンプに対する音の作り方には共通しているものがあると思います。
([neo]や[groove]はそれぞれ単体でも成立するサウンドでしたが、このシリーズは互いに少し個性が強すぎかな?と思っております。)

なので、【比翼連理】です。一生忘れることができないであろう2011年の漢字一文字“絆”です。
デザインの統一感も取れますし、ぜひセットでご検討していただきたいと思います。

P.S.
[vivid]はUSB端子がないのが残念でした。
それにしても、同メーカー同士での聴き比べでも[neo]の良さを再確認してしまいます。
USB端子やCDプレーヤーだけの購入の際はぜひ[neo]にもご指名ください!