‘レポート:アンプ’ カテゴリーのアーカイブ

Cambridge Audio azur 650C & azur 650A

2010 年 6 月 15 日 火曜日

今回は、表題のCambridge Audio(ケンブリッジ・オーディオ)社から新たに発売されたazur 650システムを紹介します。

【スタンダードであり、ベーシックであり、ビギナーであり、エントリーなシステム。】

まず、滅多に(特にローコストモデルは)見た目のことから書かないのですが、このazur(アズール)はエントリークラス(は価格を抑えるためにどうしても安い素材、薄い素材を使用しなくてはならない)なのに高級感がすごくあることにびっくりします。

もちろん、採算度外視で高級な材質をふんだんに使用しているわけでもありませんし、特別に有名なデザイナーが設計したとかでもないですし、(他のメーカー同様に)底板にはビスが出ていたりもするので「驚異的な高級感」…というわけではないのですが、「天板の中央手前に同社のロゴをエンボス(風?)加工」していたり、「プラスチック感満載」とか「なんかカチャカチャしてておもちゃっぽい」…といった要素がなく、作りが丁寧で安っぽく感じないのです。

購入時のパッケージ(梱包箱)も段ボールって感じじゃなくて、ノートパソコンとかみたいにツルっとした光沢紙の厚紙にプラスチックの取っ手が付いたような化粧箱タイプ(分かります?)で、「今までのオーディオ」といった感じがありません。
なんか、「これからのオーディオ=次世代のメーカー」とでも言いたげな感じです。(って言いましても、ケンブリッジオーディオは結構歴史あるブランドなんですけどね…。^-^;)

サウンドにも正にそういったプロダクトに対する心意気みたいなものが表れていて…、

●いわゆる「オーディオ・オーディオした(作りこまれた旧態依然)サウンド」ではない。
●良くも悪くも「どんなジャンルでも無難に鳴らせそう」なニュートラルな印象。
●ほんのり艶やか、ちょっとしっとり。
●かっちり、きっちり、切れ・スピード感といった傾向ではない。
●明るく、力強く、パワーで押してくる傾向でもない。
●「明瞭・すっきり」といった透明感(S/Nの高さ)ではなく、「音に淀みがない・ザワつきがない」という透明感(S/Nの高さ)の高さを感じます。
●男女共にボーカルは抜群で、声の質感や(もちろんそれぞれの歌手を目の前の生で聴いたことはないんですが…!^-^;)声のリアリティは同価格帯でも群を抜いている感じです。

音の傾向に関しては前述の通り「ニュートラル」が基調なので、総じて癖の強い音には感じられませんでした。
(そういうヤツほど、「褒めどころが難しい」んですよね…。)

ですが、「この価格でこのサウンドが手に入る」という点では非常に高いCPを持っていて「輸入ブランドは国産ブランドよりCPが悪い」と思われ(言われ)がちですが、(僕は元々そんなこと思っていませんが)同価格帯~1クラス上の10数万円クラスあたりまでとならガチンコで聴き比べても聴き劣りしないと思います!

これからオーディオをはじめられる方、1クラスグレードアップをご検討中の方、J-POPやボーカルものを中心に、CLASSIC・HARD ROCKあたりまでが中心ジャンルの方はぜひazurも選択肢に入れてみてください!

First Watt J2 【静かなる佇まい。】

2010 年 2 月 23 日 火曜日

大型パワーアンプで有名なPASS(Laboratories)の代表者であり設計者であるネルソン・パスが「もっと気軽に家庭で使えるアンプを作ってみたい」と考えたことに端を発する『First Watt』ブランドから、”J2”の試聴をしました。

【さらっと鳴ってる。ただそれだけなんだけど、とても存在感があるサウンド。】

…って、この短いコメントで終わり!にしたいくらい、本当にさらっとしたアンプです。
PASSのように厚みがあるわけでもなく、音に熱気があるわけでもなく、
芯がしっかりしているわけでも、か細い感じでもなく、
すごくエアリーってわけでもなく、どっしりと密度感が高いわけでもなく…と、延々とこんな感じで続いていきそうです。(笑)

でも、ニュートラルとか、フラットとか、そういう感じでもないんです。
繊細で、静かで、限りなく透明。だけど薄っぺくなくて…本当になかなか表現が難しいです。

あいまいなことばかり書いても何ですから、感じたことを具体的に。

●S/N感がとても高いです。
●「とても広大」ではないけれど広がりはある方です。
●スピード感は普通~ちょっと遅め。
●なので、ひゅっと吹き抜けていく感じではないけれど、「心地良い風が(ゆっくり、優しく)吹き抜けていく(頬を撫でる?)」といった印象。
●聴感上も、数値の上でもパワーがありませんので大音量は出せません。
●逆に、小さなボリュームでも(ノイズがとても少ないので)とても澄んで聴こえます。
●癖のある音ではありませんが、少しパステル調になる印象です。
●女性ボーカル(J-POPもR&Bもgood.)・室内楽・ボサノバあたりにフィットすると思います。

何と言いますか、ご自身のPASSもそうですが”俺の音を聴け!”みたいなアンプがミドルレンジ~ハイエンドには多い気がしますが、そういった風潮の真逆で「さりげなく、でもミドルレンジの高音質」という逆の主張?をしているようにも感じられました。
「PASSらしさ」みたいなものはあまり感じず(強いて言えば小音量時の粘りくらいで)、開発意図の通り「家庭で気軽に(きっとBGM的に)音楽を楽しんでもらいたい。」そんなアンプだと思います。

少量生産のわりにオーダーが続いているそうなので、お早めにお問い合わせください。

http://www.electori.co.jp/firstwatt.html

商品のお問い合わせ/ご注文/その他は黒江直通メールにてお願いします。
manager@digitalside.net

DUSSUN T6 【そのアンプ、凶暴につき】

2010 年 2 月 9 日 火曜日

久しぶりにアンプのヒットです!

中国に本拠地を構えるDUSSUN(ダッサン)の創業者でもある設計者は、オーディオアンプの設計者としてはあまりにも有名なMarkLevinson(マーク・レビンソン)が展開していたRED ROSE MUSIC(レッド・ローズ・ミュージック)のアンプの設計や製造などをしていたそうで、つまり「MarkLevinsonのお弟子さん」という感じだそうです。
(音を聴いた上で言われれば、なるほど確かに通ずる点があるように思えます。)

【バキバキの鋭さ、剛速球的なハイスピード。】

「鋭利なナイフ」といった鋭さ・切れ味ではなく、「チェーンソーやのこぎり」的とでも言いましょうか、そこら中を切り刻むような、なぎ倒すような感じの鋭さで、音のエッジがしっかりしているんだけど線がシャープではなく、音に骨(芯)と肉がしっかりとついているんだけど「贅肉的な感じの無い」タイトなサウンドです。

スピード感もスパッと抜けていくような、シャッと切れていくような快速球的ではなく、手元で球が伸びるような、ドライブ感の非常に高いハイスピードで、バスドラにビーターがヒットした瞬間・スネアの皮の張り・ギターバッキングの激しいピッキング音・ラウンド弦ベースの歪み…などなど、弾け飛ぶような音、アタック音などが非常にいい感じです。

ちょっと回りくどくなりましたが、簡潔に言うと…
●癖のないストレートなサウンドが基調。
●上記の通り強調が激しいわけではないが、パワフルでドライブ感の高い傾向。
●やや低音より。
●低音の解像度が非常に秀逸。(しっかりと出し、緩みがなく、芯も肉付きもある。)
●サウンドステージも広すぎず、狭すぎず、しっかりと描き出す。
●やや高域に不足感があり、華やかなサウンドではありません。
…と、こんな感じでしょうか。

黒江的には、このえぐる様な、ビシビシ・グングンと来る感じがとても気に入りました。
(このアンプを聴くと、TEAC AG-H600がまだ全然鮮やかな方だな…と。少し訂正レポート書くと思います。)
傾向的には「TEAC・PRIMARE」あたりに近く、雄々しいタイプのサウンドです。

出力は8Ωで100Wとありますが、ATCなどの比較的重めのスピーカーでもかなり鳴らせるので、(サウンド傾向とは違う意味で)パワーも十分。
電源オンの際に、(ボリュームが自動的に絞られて)自動ミュートするなど、ちょっとした小技も光る期待のルーキーだと思います!

ザ・ステレオ屋サウンドがお好きなら、絶対に自信を持ってお勧めできるアンプです!
しかも、この価格なので、初中級(ビギナー)ユーザーにも何とか手が届くのではないかと思います。

http://www.audiorefer.com/dussun/t6.html

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NuForce Icon AMP

2010 年 2 月 2 日 火曜日

立て続きだったNuForceの製品紹介もとりあえずラストになるかと思いますが、有終の美を飾るのは一昨年の登場以来ヒットしている小型アンプの「Icon」の兄弟機となる「Icon AMP」です。

製品コンセプトは単純明快で「IconからUSB接続やヘッドホン出力を取り除いてスピーカーの駆動に徹した」というだけです。
…が、Iconだってちゃんとした(スピーカーを駆動できる)小型アンプだったワケですが、わざわざ”AMP”と強調しているところなどを見るとよほど自身があるようですし、まるで「Iconのアンプ(スピーカー駆動)はオマケだった」とでも言いたげな感じもします。

はたして、そのサウンド&クオリティは…

【(僕の思う)NuForceの正統な継承サウンド。】

はじめに断っておきますと、「27,300円のアンプが10万円クラスのアンプを凌駕した!」とか、そんなことではありません。
例えば同社のIA-7などと比べるとレンジも狭いですし、S/N感や音抜け、スピード感、情報量などなど、基本的な音質においてはそのすべてがランク下の感は否めません。

…ですが、何と言うか、その価格とコンパクトさを考えるととてもとても魅力的な製品なのです。

いつものように思いつきで挙げていきます。
●切れっ切れっのシャープ系、パワフルでダイナミックなメリハリ系、”というわけではないのですが”、
 エネルギー感、ドライブ感の高いハイスピードサウンド。
●ストレートな音調で、(そこらのアンプよりもよっぽど)純粋な増幅に徹している印象。
●元気があるというか、活きが良いというか、鮮度感の高いサウンドで、「アグレッシブ」という印象。
●音はクール系ではなく、熱めだけれど、ウォーム(暖色)系ではない。
●スピーカー出力が倍になった。(元祖Iconだとちょっとボリュームを上げたら音割れ(クリップ)していましたが、かなり改善しました。…が、やはり高出力時は音割れします。(音割れを起こすのは結構な音量なので実用範囲は大丈夫かと。))
…と、こんな感じです。

本当に初期のNuForceを聴いているような感覚で、V2~V3のパワー、S付きのプリと変わり続けているNuForceですが、(最後に出た)こいつで原点回帰か!(笑)…と、思ってしまったくらいです。
(スピード感は初期のIA-7 (V1)には劣るけど、IA-7 V3には勝ってるんじゃないかなぁ。)
もちろん、黒江的にはお気に入りの鳴り方です!

その他、前述の通り、ハーフサイズ~フルサイズのアンプには(出力面)とかでも劣りますし、決して「めちゃくちゃ音質が良い!」ってワケではないのですが、音質云々以上に惹かれるものがありますし、このサイズと価格でこのサウンドが手に入るのはとんでもなく魅力的だと思います。
(べた褒めしていないだけで、S/N感なんかはすごく良いですよ!)

パソコンをプレーヤーに見立てたデスクトップオーディオに、ベッドサイドとかのサブシステムに、とりあえず低予算からはじめてみたいビギナーオーディオに、ミニマムに、ミニマルに「Icon AMP」は活躍してくれると思います。
(「とりあえず」で使っておいて、ゆくゆくはサブにするのも良いですよね。)

ちなみに、元祖IconのACアダプターは25W、出力が倍のIcon AMPは15W、強化電源が使えるかは…多分使えます。

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NuForce Stereo8.5 V3

2010 年 1 月 16 日 土曜日

先日の続きです。

第1世代プリの「P-8」より、落ち着いた感のある第2世代プリ「P-8S」でした。
(プリよりも1つ進んでいる)パワーの方はすでに第3世代、第2世代とはどう印象が異なるのでしょうか。

【とにかく、細かい音。淡々と鳴るサウンドは黒江好みの1つ。】

見出しの通りですが、非常に音の細かさ「分解能」が高いと感じました。
逆を言えば、ちょっと細かすぎて音にパンチが無く、スカスカとした薄味の印象とも言えます。
加えて、NuForce全般に言えるS/Nの高さ、1音1音のタイトさ(緩さがないの)は共通・一貫していると言えます。

第2世代の(と言っても第2世代からの登場なので、第1世代は存在しませんが…)「Stereo8.5 V2」は、
●音が広大に広がるタイプではなかった。
●細かさはV3に通ずるものがあったけど、もう少し1粒1粒が大きかった。(V3の粒が小さいとも。)
●ハイスピードと言うよりも、ハイ「スムース」といった印象でした。(スピード感はあるのですが、ヒュンヒュンと(体を突き抜けて)通り抜けていくような感じではなく、スッと(体の表面ギリギリを)すり抜けていくような感じです。)
●疾走感よりは躍動感の方が高く感じられた。
●スピード感はあるものの、どこか丁寧な印象。

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『思えば、このあたりからNuForceのサウンド傾向に変化が出来ていると思います。
 何と言いますか、創世記の「鮮度の高いサウンド」から、
 少しこねくり回したような…?でも、従来のサウンドを土台にされていて、少なくとも
 ねっとり、どっしりしたサウンドではなく、常に「透明で高純度」というベースがあるという感じです。
 …が、(V3の)ここへ来て、(少なくともStereo 8.5は)また鮮度感の方向に来ているような気がするのです。』
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対して「Stereo8.5 V3」は(V2よりも)、
●音に広がりがある。
●十分にハイスピードなんだけど、(音が細かいから)その速度感を体感しづらい。
●体を突き抜けていくタイプではあるものの、音の細かさから(体に当たるような・響くような感触が無く)いつの間にか通り抜けている。
●レンジが広く、高解像度。
●躍動感は(全然とは言わないけど、)あまり感じられず、疾走感の方が(まだ)感じられるサウンドです。
●(V2と同じく)スピード感はあるものの、どこか丁寧な印象。
●(特に低域の)レンジが広くなっています。(NuForceの弱みだった点が解消されてきていますね。)

…うーん。良いと思うし、(P-8Sのようなふわっと感はないので)好きな音なんです。
…けど、あっさりし過ぎていると言いますか、ある意味出来すぎている音なんです。
組み合わせる時は、あえてグンッと力のあるプリを組み合わせるとか、あえて(密度感の高い)ATCのような厚みのあるモニターと組み合わせるなど、そういった取り入れ方も良いのかもしれません。
(JBLの4312Dなんかを鳴らしてみると面白いかもなぁ…と思ったりしつつ。)

【時期がずれながらも、サウンドの傾向は変化し続けている。】

まとめると、P-8からP-8Sになったタイミングの方が早く、遅れてV2がV3となっていることからも
最初にP-8を変化させてP-8Sになったけど、V2と組み合わせたところしっくりこなかったのでV3の開発に踏み切った。
(または、そうすることが元々の予定だった。)…と、推測します。

これは、同社が取っている「トレードイン制度」(差額を払えば常に最新のVer.にしてもらえる。)にも起因している気がします。
ただ、その制度がある安心感で(悪く言えば)音の方向性が定まっていないまま、しばらくはその都度その都度サウンドの傾向を変えてくる可能性もあるのかな…とも思いました。

僕的には(セパレートの組み合わせなら)第1世代の「P-8」と第3世代の「Stereo 8.5 V3」がベストな組み合わせと感じました。
無理にNuForce同士で組み合わせなくても良いと思いますので、それぞれの持ち味を上手く取り入れてあげて頂ければと思います。

http://www.nuforce.jp/products/stereo8_5v3_01.html

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NuForce P-8S

2010 年 1 月 14 日 木曜日

年末年始はさすがに忙しく、数々の原稿などもあってご無沙汰になってしまいました。

まずは「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。」からですね。

新年一発目は昨年からの続編「NuForceの第3世代コンポーネント」です。

まずは…
P-8S
【広大な音の広がりと、エアリーなサウンド。】
正直言うと、(黒江的には)以前のP-8(S無し)の方が好きです。
よりS/N感は上がっているし、解像度も向上しているのですが、なんだか取っても真面目くん・優等生になってしまった気がします。
「個性がどうの」ということではなく、お堅いと言うか、お役所仕事…という印象のサウンドなのです。
それでいて結構作業はあっさりとしていて、かなり「自分の方程式に当てはめてくるタイプ」という感じです。
具体的には…
●音を床からフローティングさせる。(例えばこのプリを入れるだけで、地べたを這うようなサウンドが一変してふわっと浮くような。)
●上下左右&前方に音を広げて聴かせてくる。(P-8にあった奥からスッと抜けてくる感じではないのです。)
●サラサラときめ細かいが、迫力に欠けるとも言える音。(解像度は非常に高いと思いますが…。)
…と、なんだか初期のNuForceにあった「クールさの中の荒っぽさ」みたいなものが失われている気がしました。
…と、ここで色々とお話を伺うと、やはりその裏付けとなることがあるようです。(公には出来ませんので、ぼやっとしたことだけですみません。)

なお、前回のIA-7 V3のレポートでも触れましたが、僕は(すぐにV2になる予定だったので)日本では発売されなかった、第1世代(V1)からずっとNuForce(特にIA-7)を聴いてきております。
そのことで(日本未発売ということを混同しており)、少し自分でも整理しきれていない表現があるのですが、NuForceのコンポーネント(IA-7・P-8・Reference 9・Stereo 8.5など)はお互いに相互関係を持っており、(P-8がP-8SになったらIA-7のプリ部もやがて変更されるなど)フェイシアの変更~現在のV3と、それは続いています。

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ここで一旦整理させてください。
V1~V3というのは、実はパワー部の回路のこと「のみ」を指している言葉で、プリに関してはまだ2世代目「S有りか、S無し」 しかないという点です。
根本的には書き直しませんが、前回のIA-7 V3のレポートはそこら辺が少し混同気味になっています…。(すみません。)
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なので、先日のIA-7 V3にはこの新しいプリ部が使用されているのだと思うのですが、このP-8S1台分の体積に向こうはパワー部まで積んでいるのですから(特に体積の小さいNuForceでは)まったく同じものを積めるワケがありません。
その事からもおそらくですが、IA-7 V3とP-8Sのプリ部は「基本的な回路構成は同じでも少し違ったもの」であると推測しています。
これを裏付ける理由がもう1つあります。
それは、以前に当店では当時のP-8(S無し=プリ部に関しては第1世代)ではなく、あえてIA-7E(V2)のプリ部をプリアンプとして使用していたのです。
これは「単純に聴き比べたらそっち(IA-7Eのプリ部)の方が僕としては良かった。好きだったからです。」
プリの第1世代の時から、より簡素化・小型化されたIA-7Eのプリ部とP-8とでは明らかに異なるサウンドだったということです。

ちなみに、実はそんなに大袈裟に書くほどは異なっていませんでした。
P-8はIA-7Eのプリ部と比べると…
●明らかにS/Nが良かった。
●1周り~2周り音に広がりがあった。
●解像度が高かった。
逆にIA-7EはP-8のプリ部と比べると…
●スピード感が1枚上手だった。
●鋭角と言いますか、幾分シャープだった。
…という程度で、ベースとなるキャラクターはまったく同じでしたから「一卵性双生児」とでも言いましょうか、そんな感じであったわけです。

ちょっと旧モデルの話がくどくなりましたが、今回のP-8SとIA-7 V3も共通性の高い「プリ部」を使われている点は間違いなく同じ様です。が、僕の予想では「P-8とIA-7Eのプリ部に感じられた差異」よりも、「P-8SとIA-7 V3のプリ部に感じられる差異」の方が大きいと予測しているということなのです。(もしくは新フェイシア移行にあたって更に変更があった…?)

その辺も含めて、次回は「Stereo 8.5 V3」を解説しつつ、僕なりのまとめを書きたいと思います。

http://www.nuforce.jp/products/p8s_01.html

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NuForce IA-7 V3

2009 年 12 月 15 日 火曜日

現在、注目度ナンバーワンと言っても過言ではないだろうと思われる、NuForceのインテグレーテッドアンプ「IA-7 V3(Version.3)」のレポートです。

【熱しにくく、冷めやすい、クールなアイツ。】

しかし、早くも第3世代ですね…。なんだかペースが早過ぎる気がするんですが。
SHARPの1bitアンプのそれを思い出すのは僕だけでしょうか。
SHARPの1bitの時は(サンプリングの回数≒速度が)2.8MHzからはじまって、第2世代で倍の5.6MHzに、第3世代では更にその倍の11.2MHzになったのですが、僕は世代が進むごとに好きな音ではなくなってしまったので…

『当時、SHARPの1bitアンプは第1世代は「デジタルアンプらしい」立ち上がりの早いすっきりとした音だったのに、専門誌とかで「デジタル臭い」みたいに言われたからか世代が進むごとに「わざとらしいアナログ感」を作ったような音になってしまったのです。』

…今回のNuForceにもあまり期待を寄せてはいませんでした。
とは言え、とにかく聴いてみなければ何とも言えません。早速いつものようにアグレッシヴなメタルを聴いてみました。

「…はぁ、やっぱダメかな。」第1世代のNuForceは僕も所有しているくらいに「もの凄くクリアで精密、細かいのにハイスピード。」ここ数年の中では(同価格帯的に)「これ以上はないんじゃないだろうか…。」というくらい好きだったのですが、第2世代では”らしさ”は残すものの随分とお上品になってしまったのです。
パッと聴いた印象は更に好きではない傾向になっている印象で、やはり前述の1bitアンプに通ずるものがあります。
いや、それ以下かもしれません。なんだかどうとも言えない不完全燃焼気味のサウンドなのです。

そう言えば(第1世代の)IA-7Eも立ち上がりはグズグズでした。(うちはプリアンプとして使用していたので、そこまでは気にならなかったのですが。)
「暖まらないとダメなのかも。」と思い、とあるスピーカーのエージングを兼ねて(爆音で)ザクザクのギターとシャウトで暖機運転をさせておくこと1時間。

(当たり前ですが、)全然違いました。これかなりスゴイです!
音がしっかりと揃っていて、吹き抜けるようなサウンド。
「直線的で突き刺さるような」第1世代に比べると、「少し広がるようなハイスピードの音場タイプ」になっていますが、特に低域の解像度が高く、全体的にも(以前から定評だった)解像度が更に向上しています。

以前は(もう少し鋭角な音場だったので)奥から頂点に向かった奥行き感がバンドサウンドからボーカルを剥がしてくれていましたが、IA-7 V3は音がやや前に来ず、これに関しては以前の方が優勢であった印象です。
ただ、線の細いイメージだったIA-7E(ないしP-8)に対し、力強さが加わっているので兼ねてからのクールな印象と相まって絶妙なバランスではないかと思います。

以前から引き継いでいるものは…
●S/N感の高さ(情報量が上がっている分、すっきり感は以前の方があったかな?)
●解像度の高さ(特に低域は更に向上しています。)
●嫌味のない広がり(スッと自然に広がるのが同社の持ち味だと思います。)
●ハイスピード(突っ込んでくるタイプのハイスピードというよりは、抜けの良いタイプのハイスピード。)

V3で加えられた要素は…
●情報量(やや厚みが出て、パワフルに。)
●”クール”に、やや”熱気”が加えられた。
●全体的に(良くも悪くも)バランスが取られた。

結論…
第1世代と同じものだと思うと期待はずれかもしれませんが、受け継ぐところはしっかりと受け継ぎつつ、第3世代にしかない仕上がりになっています。
(またすぐに第4世代になっちゃうかもしれませんし、)とりあえず第3世代は”買い”です。

P.S.
なんとなくですが、プリや(特に)パワーはまた別のサウンド傾向であるような気がします。
このレポート(だけ)を読んで、プリ(単体)やパワー(単体)を慌てて買われないようにお願いします。

http://www.nuforce.jp/products/ia7v3_01.html

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marantz SA-13S2 PM-13S2 PM-15S2

2009 年 12 月 10 日 木曜日

今回はmarantzの今秋冬の新製品をレポートします。

それぞれ単品で聴いておりますが、「SA-13S2&PM-13S2」はセットでの試聴もしています。

比較対象は同価格帯のCDプレーヤーは「Aura neo」、アンプは同じく「Aura groove」となります。
「vs方式」ではなく、感じたこと(取ったメモと頭の中)を書き出すだけにいたします。

【僕の思う「marantz色」が変わってきてる印象】
…marantz色と言っても、従来から僕の思うmarantz色っていうのは「ほんのり、わずかな色付け(なので癖の少ない、嫌味のない)」という位置づけで、僕自身「PM-14(SAにアップグレード済み)」を所有しているくらいなので(現在はパワーアンプ部のみ使用)、当時のあらゆるモデルからセレクトした理由でもある個性を押し付けてくる感じがなく、「中庸的」なサウンドを支持してきました。

そんな印象から、”少し”変化が訪れる日が来ます。
現在の「M-1」(お笑いのアレではなく)フォルムの原型となった「ニュープレミアムデザイン」というフォルムを採用しはじめた頃からmarantz的な色付けの度合いは「ほんのり、わずかな」から「少々、薄口な」くらいになったかなぁ…なんて思っていたのですが、現在の「M-1」になってからは「やや、比較的」くらいまで進んでいるように思います。

【marantz的な色付けとは】
●「しっとり」という言葉が一番フィットすると思います。
●艶・しなやかさがあり、すっきりとした音場を描き出します。
(各機種が同価格帯に並ぶ、もっとも比較対象になりやすいDENONと比べると…)
●パンチ・ボリューム感・密度・低域(の量感)に劣りますが、僕の感覚ではmarantzの方が極めてナチュラルでバランスの良い音。(≒音作りが濃くない。)
●DENONの方が雄々しく、marantzは女性的。なので、(僕は)女性ボーカルがかなり好印象・高得点です。
●DENONが原色であれば、marantzはパステル。
●DENONが油絵であれば、marantzは水彩画。
…と、こんな感じです。(伝わります?)

そんなmarantz色なんですが、前述の通りフォルムの変化につれ、どんどん(marantz色が)濃厚になっている気がするのです。
僕が持っている「PM-14」はこれらのmarantz色がいずれも「ほんのり、わずか」でパステル色でも限りなく「白=透明」に近いので「景色をほぼそのまま=ほぼ録音の通り」見ている(聴いている)感じだったのですが、この度の「SA-13S2&PM-13S2」は「やや、比較的」なのでパステル色は「ややパステル調=リアルな風景画」というくらいに感じられます。
女の子が年を重ねるたびにメイクが濃く、厚くなる「傾向にある」のと同じかな…。なんて思ったりして。

これを良しと思うか、思わないかは好みの問題だと思いますが、個人的にはもう少しmarantz色が弱い方が好きかな…と。
(ちゃんと個性があるんだけど、それを押し付けてこない清楚な感じが好きだったんです。ケーブルなどで調整しやすいですしね。)

「SA-13S2」と「PM-13S2」をセットで組むとmarantz色は更に相乗しますので、どちらか片方を購入されてみてサウンドの傾向が気に入られたらもう片方を買い足す購入方法をオススメしたいです。

なお、「PM-15S2」はお兄さん機の「PM-13S2」の排気量を下げただけ、…という印象で正直言って目をつぶって聴き分けられる自信がありません。
能率の悪いスピーカーを組み合わせる場合や、大音量で聴かれる方は「PM-13S2」を、それ以外の方は「PM-15S2」でも十分かと思います。
付け足すと、すっきり感は「PM-15S2」の方が良く、情報量や音の厚みは「PM-13S2」の方が上回っています。(なかなかパッと聴いて判るものではないですが…。^-^;)

長くなりましたが、marantzの新製品3機種でした。

http://www.marantz.jp/ce/products/audio/sacd/sa13s2/index.html
http://www.marantz.jp/ce/products/audio/amplifier/pm13s2/index.html
http://www.marantz.jp/ce/products/audio/amplifier/pm15s2/index.html

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Aura groove 【文武両道】

2009 年 11 月 19 日 木曜日

先日に引き続き、Aura designからの新製品「neo」とつがいになるアンプ「groove」のレポートです。

(いつものように)現在の主軸であるリファレンスアンプTEAC AG-H600との比較をメインに、感じたことを書いていきます。

【見た目や(今までの)イメージとは異なる雄々しいサウンド】

…と、その前に、何とかして前回の四字熟語サブタイトルをつけてみたものの、ボキャブラリーに乏しく「男っぽいイメージで力もあるけどそれだけじゃない」…といった点で【文武両道】としましたが、この貧相な頭についてはご愛嬌ください。(笑)

TEAC AG-H600 vs Aura groove (grooveの良かった、印象的だった点。)
●やはり高いS/N感
 AG-H600が低いということではありませんが、わずかにザワつきを感じるAG-H600に対して、grooveは更にすっきりとしたサウンドステージを感じさせてくれます。

●情報量型
 高いS/N感でありながら、音の密度(厚み・コク・濃度・芯の強さ)を感じるサウンドです。
 1音1音が(例えるなら)油っぽい、艶っぽい(水っぽい)、しっかりしている、ギュッと身の詰まった…というようなパステルカラーよりではなく、原色よりという印象です。

●前に張り出すハイスピード
 PRIMAREのそれと似ていると思いますが、シャープに切れ込んでくるようなハイスピード感ではなく、トルク感のあるグイグイとしたハイスピード感です。
 野球でいうところの快速球・豪速球という感じでしょうか、(野球だと豪速球の方がよりハイクラスなのかな?)同じ球速でもスピンの掛かっている快速球(シャープ・クリア系)と、回転(数)の少ない豪速球(ドライブ・パワー系)という感じです。

●それでいて高い余韻感や丁寧な音作り
 音作りは=音を脚色しているという意ではなく、音が構成されるプロセスが丁寧という意です。
 目の覚めるようなエッジを描くタイプではありませんが、1音1音の輪郭がしっかりとしていて音が最後まで(消えるまで)型崩れせずに飛んでくる様です。
 加えて、厚み(音痩せがないと言ったほうが正確かな?)や高い密度によって余韻もしっかり出ています。

…なんだか、neoと同様に矛盾しているかのような、相反する要素を共存させている感じです。(表現しづらいです…。)

最後に、パッと聴いて思ったことにもう一点追記します。
パッと聴いてすぐに「A級っぽい音だなぁ」という印象だったのですが、印象通りデジタル系やフィードバック回路満載の印象は皆無でした。
(A級というのはアンプの駆動方式の1つ、フィードバックは音を綺麗にするための回路のことです。)
回路構成を確認したところどうやら想像していた構成に近いようですが…(全部が公開されているワケじゃないので)分解してみようかな?…と。(笑)

音のピーク感(ヒステリック感)や、エッジの鋭さ、後方から抜けてゆくようなスピード感はAG-H600に軍配が上がりますが、総じて価格差(84,000円)は十分に感じられCP面でもかなり高いCPを誇ると思います。

基本S/Nも高く、解像度ももちろん十分、ハイスピードでグイグイ押し込んでくる(押し倒してくる?)し、ドライブ感も良好、なのに音に粗っぽさや雑な印象がなく、艶やかだったり、鮮やかだったり…すごいです。

ドラムの皮の張り、暴力的・攻撃的なサウンド、Zakk Wylde(ザック・ワイルド)のような引き倒すようなプレイスタイル、A級っぽさ、音で全身を殴打されたいなんて方にはオススメです。

たぶん専門誌なんかでは(従来のAuraのイメージ通りに)「優雅」だとか、「色気のある」とか女性的な表現をするんだろうけど、黒江的には女々しいヤツには向いてないと思います!…嘘です!(女性)ボーカルものもかなり良かったです!
でも、前述の通り、個人的には暴力的・攻撃的なサウンドを必要とする方に買って頂きたいです!

あ、(今更)タイトルなんですが、Aura groove 【肉食系男子】でどうですか?…もはや四字でも熟語でもないですけど…。(^-^;

『Aura neo & groove』で揃えるのも、とてもオススメです。
(ちなみに、一体型の「note」とはだいぶんサウンドの傾向が異なりますのでご注意を。)

http://www.auradesign.co.jp/

商品のお問い合わせ/ご注文/その他は黒江直通メールにてお願いします。
manager@digitalside.net

musica int30 『小型アンプの決定版!』

2009 年 11 月 10 日 火曜日

最近はKENWOOD[Prodino(KAF-A55)],NuForce[iCON]と(価格帯やコンセプトからも)若い人(に指示されるジャンル)に自信を持ってお勧めできる小型アンプが多くラインナップされていますが、先陣の2機種に引けを取らないアンプが(四角く細長い、まるで羊羹の様な)小型アンプを専門に手がけるmusica(ムジカ)より発売されました。

兼ねてからint200/int40もなかなかの実力でしたが、前述の通り小型アンプは全盛といっても過言ではない状況です。
やはりiCONやKAF-A55と近い価格帯での商品を期待していたのですが、そんな僕の気持ちを悟っていただいたかのように[int30]が登場しました。

【限りなくピュア(純血)な小型アンプ】
musica int30はライバル機と比較すると1点だけどうしても見劣りしてしまう点があります。
それは、USB端子を持っておらず、パソコンの外部音源として機能しないという点です。
でも、勝手な僕の推測ですが、そのウィークポイントこそが、実は強みにも繋がっていると考えています。

いつものように、感じたことを…(vs iCON&KAF-A55)
●とにかく高い透明感。
 そこら辺の10万円を超えるような(フルサイズの)アンプと比べても遜色のないS/N感です。何もないところにスッと音が現れるような綺麗なサウンドステージを作り出します。
●繊細な高音、少し艶やかな中音。
 高音と中音の解像度や分解能も立派なアンプをも凌駕するような細かさで、ピシッとした音像を描き出します。低域は非常に薄い(量感も乏しく、レンジも浅い)ですが、(無理に出そうとして残念な低音になっているものが多いので)「潔く諦めた」と解釈してあげることも出来るかと。
●ボーカルが抜群。
 前述の通り、少し艶っぽさがあります。そして、その分少し伸びやかです。でも、くどさは無く、シャウト系も十分にこなします。
…と、個人的にはかなり評価が高いです。(好み的には”超スキ!”ってほどではないですが。)
本当に(どことは言いませんが)図体のデカい10万円以上のアンプよりも(黒江的には)高音質ではないでしょうか。

この音質のキーポイントは(おそらくなのですが)、USBの非搭載が鍵を握っていると推測します。
パソコンと連携するためには専用のチップ(回路)やD/Aコンバーターなどが必要ですが、こういった機能拡張の回路は少なからず音質に悪影響をもたらします。
結果、純粋なアンプとしての機能しか持たない分、音質面で一歩リードできたのではないかと…。
加えて、小型アンプの大多数がデジタルアンプやスイッチング電源という中、アナログ回路を用いた点などから「純血」という形容をしてみた次第です。
(とは言え、(良い意味で)デジタルアンプっぽいスッキリ系のサウンドの印象でしたが…。)

電源ケーブルが交換できたら(たぶんもう少しウィークポイントを改善できると思うので)90点くらいあげられたかな…なんて思いつつ、改造しちゃおうか悩み中です。(笑)

先日のrevolverに続いて、立て続けのヒットがちょっと嬉しかったです。
個人で使う時はやはりPCとの接続が欲しいので、[icon mobile]と連携させたらいいかなぁ…と考えています。

デスクトップオーディオや省スペースオーディオを構築中の方はぜひチェックしてみてください!黒江オススメです!

http://www.musika.jp/

商品のお問い合わせ/ご注文/その他は黒江直通メールにてお願いします。
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