Archive for the ‘レポート:アンプ’ Category

MERIDIAN 218

木曜日, 1月 31st, 2019

今回は英国の老舗ブランドMERIDIANからの新製品をレポートいたします。

【プレーンなサウンド、モダンなスタイル。】

(まるでFAやトレードを繰り返すように)MERIDIANというブランドはその所属を転々としておりますが、英国のオーディオブランドとしては息が長く、その昔からデジタル系にも長けたメーカーです。
その時代時代に於いて最先端なプロダクトを投入してきている同社から、今回もお得意の新製品が登場しました。

なお、本機は「Zone Controller」と名付けられており、位置付けとしてはプリアンプということのようですが今回は単体DACとして使用した際の検証となっております。

MERIDIAN [218]
●基本的音質であるS/N感・解像度・レンジ感などは、いずれも上々でCP面に於いても申し分のない音質となっています。
●当店が呼ぶところの「ハイスピード・アグレッシブ」には属しませんが、鈍足ではなく、マイルド調でもなく、中速(~ややハイスピード寄り)で高精細なサウンド傾向にあります。
●全体的に「バランスが良い」「ニュートラル」「少しウェット」といった印象があり、モニター調ではないけれど“オーディオオーディオとした音作り”にも非ず、黒江的には“プレーン”というキーワードで述べさせていただくことにいたしました。
●音への“化粧感”をあまり感じさせず、癖の少ない傾向ではありますが、ストレート・スタンダードといった表現とはちょっと異なるイメージで、“素材の味がよく活かされている(味付けをしていないとは言っていない)”サウンドとなります。(なので、チョコ味でもストロベリー味でもなく、プレーン味だと。)
○広がりのあるサウンドではありますが、少し平面的であり奥行き感はあまり高くありません。
○(エッジ感・ソリッド感が無いため)全体的にやや穏やかに感じられる音調ではあります。

…といった感じですが、音に癖を付けたくないけれど、鮮明なエッジ感や、音の切れ、(聴いていて疲れるような)シャープさが強いのはちょっと…と思われる方にはかなりベストな選択肢になりそうです。

なお、本機は基本的にアプリ操作を前提に作られており、本体にはボタン等を設けず(見た目もプレーン)に旧来のオーディオとは一線を画します。
余計なものは付けずに、その分コンパクトに設計された思想には新たなユーザーへのメッセージが込められているような(…気がする)良プロダクトだと思います。

MQA再生も好印象であり、リップシンク機能やroonへの対応、他種のデジタル入力と“デジタル・マルチ・プラットフォーム”と言える多機能デバイスです。
音質面・機能面を総合したCPはかなりの高評価となる1台となっておりますので、ぜひご検討の1つに加えていただければと思います。

SOULNOTE A-2

火曜日, 12月 18th, 2018

ちょっと遅ればせながらになりますが今回はSOULNOTEのフラグシップアンプA-2をレポートさせていただきます。

【圧倒的、弩級サウンド。】

結論から述べますと、当店的な表現で言うところの“アグレッシブ系”サウンドにあたり、旧PRIMARE・旧PASS・TEACなどのガツンと押しの強い傾向に分類されます。
そのため、シャープさ、(鋭利な)キレ、(透き通る・突き抜けるような)抜け感の高い傾向には無く、(当店的に)アグレッシブと対を成す“ハイスピード系”ではありません。(もちろん鈍足ではありませんが。)
しかしながら“アグレッシブ”系統においては頭1つ抜きん出るクオリティと確立されたキャラクターを伴い、(価格に十二分見合った)非常に完成度の高いアンプとなっております。

■SOULNOTE [A-2]
●まず特筆すべきは群を抜くパワー感となりますが、パワー一辺倒には無く、非常に高い情報量を十分な解像度で展開し、高密度と高精細さを併せ持っています。
●S/N感・レンジ感・音の立ち上がり&収束などいずれも上々であり、スピード感も(ハイスピード系の中では下位になりますが)上々のサウンドとなっております。
●サウンド傾向を形容すると『やや強めのアタック音が小気味良く立ち上がり、ズドンと駆け抜けて行く』ような印象で、無数の音のつぶてを体全体で受け止めるような感覚を覚えます。
●(黒江が好むものにしては)音の温度感がやや高く、ウォーム傾向ですが「暖かい、温いといったウォーム」と言うよりは、「熱い、激しいのホット(HOT)」の方が合いそうな『カッとしたギラつき』を垣間見る印象があります。
●帯域バランスも良好であり、高域~低域に掛けて音に緩みが無くストレートにタイトにしっかりとした出力が安定したドライブ感で得られます。
○高域(超高域)が少しおとなしめになりますので、輝度や派手さは控えめになる傾向です。
○「ギラつき」「アグレッシブ」に含まれる激しさを(黒江的には良い方向に解釈できましたが)、やや荒々しいと感じる方がいるかもしれません。
黒江的好み度:A (~A+)

…ということで、一聴してすぐに「おおっ、(良い)アグレッシブ系来たな」と思わせてくれるような、ストレートに迫り来るタイプのアンプでした。

ちょっと脱線しますが…
この、1音1音が“突進”してくるような感じ、どこかで…と記憶を辿ってみると、(前述の旧PRIMARE・旧PASS・TEACを経て)『SON OF AMPZILLA 2000』だ!と気づきました。
(…となると、このA-2は“和製AMPZILLA”と言えるワケですが、ゴジラは元々和製なので本家AMPZILLA?が正解なのかな…。笑)
あの(2つと無い個性を感じた)名機を彷彿とさせてくれたのは今までに無かったことでありますゆえ、特筆させていただこうかと思います。

更に、もう1つ付け足しておきますと、このA-2はパワーアンプとして使用出来るようになっており、そのパワーアンプとしての性能が非常に高いです。(→パワー部だけでも価格に見合っていると断言できるほどです。)
“好み度”の(~A+)は好みのプリアンプとの接続時であり、ハイスピード系のプリアンプと組み合わせることでスピード感やキレが増し、非常に良好な結果となりました。
(一先ずは単体プリメインで使用し、後にプリアンプを足すのも良いプランですね。)

久しぶりに現れた“突進系”の名アンプではないかと思います。ぜひ試聴等されてみてください。

P.S.
個人的にもう1つ述べておきたいのは、このアンプで聴くシャウト系…特にデスボイス(グロウル)が秀逸であるということです。
黒江的には『KING of DeathVoice』の称号を与えたいかな…。(そっち系の人にしか理解できませんが。笑)

marantz SA-12 and PM-12

火曜日, 8月 28th, 2018

marantz SA-12 and PM-12は↓こちらからお求めいただけます。
『ザ・ステレオ屋 オンラインショップ(BASE店)』
https://digitalside.thebase.in/

今回は話題の新製品をレポートさせていただきます。

【正統派ハイクオリティ&エレガンス。】

marantzが新たなフラグシップラインとなるSA-10とPM-10を発売し、非常に高い評価を得たのは数年前のことになりますが、この度“満を持して”投入してきたのがそのフラグシップ機の弟分となるSA-12とPM-12になります。

この場合の弟分は=ローコストモデルとも置き換えることができますが、(“新たなフラグシップ”が登場する際の多くに、新たなデバイスやテクノロジー・ノウハウが投入されますが、)今回のSA-12・PM-12は主要部をSA-10・PM-10から数多く引き継いでいます。

つまり、(フラグシップ=兄貴分が先行してからの)弟分というものは新たなものを効率良く生産できるようになったり、歩留まりが向上したり、低コストで同等に近いものが生産できるようになったことから生み出される産物とも言え、コストパフォーマンス的は優位であると考えるのが自然となります。
(なんて、結構期待含みで聴くことになりましたが…笑)はたしてその実力は…

■marantz [SA-12 and PM-12]
●CDプレーヤー、アンプに共通する点として、高い解像度、クリアな見通し、バランスの取れた音調(帯域・位相・音色傾向)が挙げられます。(「高域が硬く、低域が緩い」などが無く、「高域がウェットで低域がドライ」なども無く、全体域で音調が揃っています。)
●広大に拡がるイメージではありませんが、閉塞感はまったくなく“自然な広がり”があります。特にCDプレーヤーは伸びが感じられ、(くどさの無い)自然で上品な余韻が感じられます。
●高い解像感があり、音の位置関係・定位感に優れた「ブレの無い音場」を描きます。
●アンプと共通しない点として、CDプレーヤー(SA-12)は高音の伸びがしっかりめとなり、全体的に少しウェットな“やや大人しい印象”となります。
●CDプレーヤーと共通しない点として、アンプ(PM-12)は低音の伸びがしっかりめとなり、全体的に少しドッシリな“やや厚みのある印象”となります。
●そのため、SA-12とPM-12を組み合わせることで“よりバランスの取れた”サウンドとなり、marantzの狙い通り(?)なのではないかな…と考察しております。
○鈍足傾向ではありませんが、スピード感は上々という位置付けで、抜けやキレを出してくるサウンドではありません。
○バシッと向かってくる、飛んでくる傾向にもないため、パワー感やアグレッシブさを要求するのは難しそうです。

…ということで、“美音系”とまでは行きませんが、良い意味で“準美音系”(美音も過ぎると厚化粧)の好ポジションに位置付けられ、前振りの期待通り、ハイCPモデルということには間違いがないようです。
「1音1音がスッと出て消える」というオーディオにもっとも大切なことができ、素直さに少し優雅さ、上品さを加えたようなラインナップとなっておりますので、ぜひ一度お試しいただきたいと思っております。

Nmode X-PW1 MKII

金曜日, 6月 22nd, 2018

今回はNmodeからの新製品をご紹介いたします。

【器用度・機能性ゼロでも(よければ)超ハイCPアンプ!】

結論から述べますと、かなりの“良作”となっております。

これで、数年前までの“アンプ大不作時代”(A-70無印以外まったく皆無)が嘘のように…
LUXMAN [L-550AXII] / TEAC [AI-503] / ELAC [EA101EQ-G] / SOULNOTE [A-0] / (次点)Pioneer [A-50DA]
…に加えて、今回のNmode [X-PW1 MKII]と正に「選びたい放題」となっています。

それではいつものようにレポートさせていただきます。

■Nmode [X-PW1 MKII]
●第一印象はものすごくストレートで、これぞ“ザ・アンプ”(増幅)といった印象です。素直で淀みが無く、突き抜けてゆくような直線的増幅(感)です。
●立ち上がりが早く、音の切れも鋭敏で収束の早い傾向となりますので、広がりや余韻感はありません。
●かなりのスピード感であり、(黒江的には)いわゆるハイスピード系ですが、(刺激感の強いサウンドのため)アグレッシブさも併せ持っています。
●分解能・レンジ感も上々であり、低域はかなりのタイト系、1音1音や音像が鮮明で、エッジ感は強め、音の先(尖端)がシャープです。(→いわゆる“先丸な音”の真逆ということです。)
●広角に展開はしませんが、音場のすっきり感、抜け、定位感も良好で、高域~低域はきれいに位相が揃っていて奥行き感も上々のサウンドとなっています。
○(次点のA-50DAを除く)L-550AXII / AI-503 / EA101EQ-G / A-0あたりに比べると(価格差もあることから)、S/N感・情報量・解像度・レンジ感などは上位陣に少し及ばず…となります。
○全体的に少し音の粗さ(荒さ)を感じますが、この手のストレート系アンプではどうしても出やすい側面でもあり、「長所ゆえに」といったところではあります。
黒江的好み度:S-

…と、かなりの黒江好みサウンドであったのですが、実はこのアンプ、プリメインアンプではなく(あくまでも)パワーアンプ(MAIN AMPLIFIER)であり、入力1系統(RCA)に対してボリューム(アッテネーター)が搭載されているため、限定的であればプリメインとして使えるので「まず先に」とプリメインとしての試聴を行ったレポートとなります。
この「入力1系統」は実際に使い続けると、非常に使いづらいものでありますので、プリメインとして導入される際はこの“不器用さ”まで愛してあげられる人に限られるかと思います。(笑)
(しかしながら、「入力1系統」で足りる、我慢できる方にとってはかなりのハイCPではないかと…。)

加えて、昨今はUSB DACなどが(USB・COAX・その他と)いわゆるデジタル系ステーションのように機能するものも多く、他にもRCAセレクターを導入したりすることで、彼(?)の不器用さをカバーしてあげることはそう難しいことではないかもしれません。

なお、本来のパワーアンプとして使用してもレポートの音傾向に変わりは無く、非常に優秀ですのでパワーアンプとしてのご検討もおすすめです。
(※パワーアンプ使用時は基本的に音量を最大値(100%)にして使用しますが、黒江的には最大値より90%~80%くらいでの使用が好印象でした。)

…と言うことで、久々の“じゃじゃ馬系ハイスピードアンプ”登場です。ぜひ一度聴いてみて欲しいサウンドです!

SOULNOTE A-0

月曜日, 3月 19th, 2018

今回はSOULNOTEのアンプをご紹介させていただきます。

【(男たるもの)後ろは振り返らない、波状型攻撃サウンド。】

このところアンプのヒットが続いていますが、(当店のファミリーに)もう1台追加させていただくことになりました!

早速ですがいつものレポートで紹介させていただきます。

■SOULNOTE [A-0]
●ファーストインプレッションで抱いたのが、曲(音)の出だしに勢いがあって(曲の冒頭が「バンッ」「ガンッ」という感じで鳴りっぷりが良いので)曲に惹きこませてくれるサウンド傾向であるということです。
●音の立ち上がり、アタック音が鮮明且つ鋭敏であり、パワフルでありつつも高い鮮度感を感じさせてくれます。
●スピード感は上々ではあるものの、ハイスピード系の中で図抜けるようなポジションではなく、“まずまずのスピード感”といったところです。
●とは言え、鈍足さなどは微塵にも感じさせず、キレもあってタイトであり、(黒江的表現では)いわゆるアグレッシブ系に属するサウンドです。
●音場はやや狭い傾向ですが、ロックやメタルにはむしろジャストサイズの印象で、不自然な広がりや人工的な音場構築は感じさせません。
●S/N感(クリアさ)・分解能・レンジ感なども(ずば抜けては無いものの)上々であり、雑味や癖の少ないピュアな増幅をしてくれるストレート系アンプとなっています。
●硬質系(モニター系)ではあるものの、少し音は(暖色というより)ホット系(熱さがある)の傾向で、シャープで寒色といったイメージには当たりません。
○良くも悪くも“素直なアンプ”であり、オーディオオーディオとしたレンジ感、広がり、解像度を感じさせる音ではありません。
○ステレオ感や奥行き感、天地の高さなどもやや抑え気味であり、軽やかさ、滑らかさ、すっきり感などは薄いタイプです。
黒江的好み度:A+ (~S-)

…といった感じでしたが、黒江的にはいわゆる“典型的なアグレッシブタイプ”といった印象で、「バシバシ」「ガンガン」「ギンギン」に鳴らしてくれる爆走系としては大変高く評価できるサウンドでした。
そのサウンドをもたらしてくれている1つに、同社が最も趣を置いている『無帰還型』というアンプの方式があると考えておりますが、多くのアンプが採用している(詳細は割愛しますが)『フィードバック』というアンプの流れに逆流の信号を与える方式を(“無”帰還なので)取らないことで「目の覚めるような鳴りっぷり」を実現していると考察しています。
(一聴してすぐに「A級アンプっぽい鳴り方だな…」と思ったのが正にすべてではないかな…と。)

熱を帯びるシャウト系のボーカル、ガツンと鳴るギターの歪み、ドラムの(皮の)張りのテンション感、ドンと来るベースの殴打感と、個人的に好きな要素が満載で嬉しい限りです。
なお、巷では上位機種のA-2やA-1の評価が高いようですが、ザ・ステレオ屋 黒江的にはこのA-0をイチオシとさせていただきたいと思っております。
お値段も抑え目となっておりますので、ご検討いただけると幸いです。

黒江的 2017 – 2018 Summary Report.

水曜日, 1月 31st, 2018

遅めになりましたが、2018年最初の投稿です。

今回は表題の通り2017~2018年をサマリー(総括)して、現在の『ザ・ステレオ屋』的な状況を整理してみようと思います。
(半年に1回、少なくとも年に1回くらいはしておきたいことなのですが、これまではなかなか実践・実行できておらず初の試みです!)

とりあえずは現在のお勧め(売れ筋)を一覧させていただきます。
◎=黒江的お勧め(主に好み度がA+以上)
○=次点(イチオシには予算が足りない方など)
□=売れ筋(お勧めには入らないけれどよく売れているもの)
◇=その他(スペシャルな存在)

SPEAKER
◎Vienna acoustics [HAYDN GRAND SYMPHONY EDITION]
◎PMC [DB1 Gold]
◎ATC [SCM11](2014年4月~現在のシリーズ)
○DALI [OPTICON 1]

AMPLIFIER
◎LUXMAN [L-550AXII]
◎TEAC [AI-503]
◎ELAC [EA101EQ-G]
○Pioneer [A-50DA]

DISC PLAYER
◎LUXMAN [D-06u]
◇LUXMAN [D-08u]
◎Pioneer [PD-70AE]

D/A CONVERTER
◇CHORD [Hugo 2]
◎Pioneer [N-70AE]
◎TEAC [UD-503]
◇CHORD [DAVE]
◎LUXMAN [DA-250]

CABLE
◎KIMBER KABLE [4TC]
◎TIGLON feet.ザ・ステレオ屋 [MS-DF12A TS]
◎audioquest [CARBON]
◎KIMBER KABLE [silver USB (B BUS Ag)]
◎KIMBER KABLE [RCA all Lineup]

…と各種へのコメントは再度の投稿にて書かせていただきます。

P.S.
PMC [DB1 Gold]がかなりお求めやすくなっております!
入荷数に限りがございますので、ご予約などお早めにお問い合わせください。

NuPrime IDA-6 & STA-6

火曜日, 7月 4th, 2017

今回はNuPrimeからの新製品をレポートさせていただきます。

【ミニマル・アグレッシブ・ちょっとミステリアス…。】

アンプの(個人的)ヒットが続きます!

NuPrime(NUPRiME)から登場したIDA-6/STA-6は手のひらサイズよりは1周り大きめ、A5用紙を正方形に近づけたくらいのコンパクトボディのアンプです。

エントリーゾーンのラインナップということで、比較的お求めやすいプライスとなっています。
しかしながら、同社が得意とするClass Dアンプの恩恵でかなりのハイパワーが得られるため、ビギナーモデル、コンパクトモデルにありがちな“パワー不足”とは無縁のドライブ力を持っています。

それではいつものレポートでご紹介させていただきます。
■NuPrime [IDA-6]
●鳴りっぷりが良く、音離れ(リリース)や音の飛び(噴き出し)はハイクラスのアンプにも引けを取りません。
●サウンド傾向は雄々しくてアグレッシブ。シャープで繊細な鳴りとは相反するポジショニングで、少しゴツゴツ感やマッシブさを感じさせる(少し濃いめの)“骨太系サウンド”とも表現できます。(いずれも、「少し~ほんの少し」程度であり、癖の強いコテコテ系ではありません。)
●基本的には原音に忠実なモニター調、色味や音色を付帯させることなく、帯域バランスも(全帯域がフラットバランスで)上々にまとまっています。
●1音1音の分解能は上々で、シンバル・スネアのクラッシュ感、ディストーション、ベース(巻き弦)の歪み感などに優れ、ボーカル(シャウト)も力強く飛び込んできます。
●音にもたつきがなく、全体的にタイトであり、ブーミーさ、モワモワ・ボワボワ感のない(超高速ではないですが)ハイスピード感を持っています。
○音のエッジは少し太めで、切れっ切れではありませんが、俊敏な立ち上がりとアタック感を持ち合わせています。
○サウンドステージは狭く、音場のレゾリューションは少し低めです。
○高域・重低音にもう一伸びがなく、お世辞にもワイドレンジとは言えません。
○S/N感に少し課題があり、“透き通るような音の抜け感”とはいかないようです。
黒江的好み度:A+

■NuPrime [STA-6]
※おおよその傾向はIDA-6と同等です。
※その上で、(STA-6の倍額程度の)少し上のクラスのプリアンプと組み合わせた際の印象をレポートします。
●レンジ感はSTA-6よりも少し改善します。(特に高域方向)
●切れ・抜け・音像定位などIDA-6の良さを残しつつ、全体のクオリティは1つ上がります。
○S/N感は「文句無し」とまではいきませんが、(プライス的にも)及第点は付けられると思います。
黒江的好み度:S- (組み合わせるプリアンプ次第)

…と、このような印象となりました。
結論・考察を先に述べると「一番の課題はS/N感」といった感じで、S/N感が改善されれば、抜けや切れ、奥行き感、見通しなども相乗的に改善されていたことと思われます。
とは言え、この価格にそこまで求めるのもどうかとは思いますし、そのコンパクトさ(設置し易さ)や(軽いので)扱いの手軽さなども加味するとかなりのCPであると言えます。
このところ一気にアンプのお勧めが増え、(今日現在の現行品で)L-550AXII/AI-503/EA101EQ-Gと揃ってきていたものの(いずれも10万円を超えてくるものだったので)、ようやくビギナーにも勧めやすいアイテムの登場を見ることが出来ました。

なお、1つ物申しておきたいのが「謎の入力端子」群なのですが、OPTICAL(光デジタル)・COAXIAL(同軸デジタル)がそれぞれ2系統まではいいのですが、「USBはBluetooth用(笑)」「アナログ入力はミニジャック(笑)」となかなかの謎仕様(ミステリアス仕様)となっております。
お買い求めの際はこの辺りに十分注意していただき、ご自分の環境にフィットさせられるかをご確認ください。

ちょっと変態仕様ですが、小さくて、パワフルで、アグレッシブな、なかなかのじゃじゃ馬は乗りこなせれば(使いこなせれば)良い走り(スピーカードライブ)してくれそうです!

ELAC EA101EQ-G

月曜日, 5月 1st, 2017

今回は(スピーカーで有名な)ドイツのオーディオメーカーELACから発売されたアンプをレポートいたします。
ELACと言えば“スピーカーの専業メーカー”という印象が強い(しか無い)方も多いと思いますが、あのELACが独自開発したアンプということに間違いはないようです。
果たしてどんなサウンドを奏でてくれるのでしょうか。

【旧PRIMARE・旧TEAC・Aura groove系統の正統派アグレッシブ。】

結論から述べますと(前回のTEAC AI-503に続いて、黒江的には)“もう1つのリファレンス機”となれる高評価(高好み度)のアンプとなりました。
(価格も突出して高額ではなく、お勧めできるアンプがAI-503と一気に2台増えました!…と、LUXMAN L-550AXIIもお忘れなく。続くときは続くものですね。)

いつものようにレポートしていきます。(レポートはAI-503やA-70との比較レポート「気味」に述べていきます。)
■ELAC [EA101EQ-G]
●S/N感、クリア感は(黒江が好む最低条件の1つでもありますし)もちろん上々ではありますが、A-70の“非常に高かった”クリア感には一歩及ばずといった印象です。(※考察後述)
●サウンドステージはタイトめ(広くない)で音のエッジは(A-70のような超シャープではなく)A-70よりもややしっかり(見える)タイプです。
●音像はA-70・AI-503に比べるとわずかに大きく、しっかりめ、定位は良好で前方に定位する(後ろに広がらない)タイプです。
●低域は(A-70・AI-503よりも)深さと量感がありますが、タイトで緩みやブーミーさがないため好印象です。(黒江的には「しっかりめの低音が出るアンプ」ではかなりの高評価です。)
●アグレッシブ(畳み掛けてくる)系の通り、切り裂くような…ではなく、つぶてを投げつけられるような、前に向かってくる(飛んでくる)サウンドです。
●良くも悪くも派手さはない傾向で、(A-70やAI-503に比べると)1音1音の重みや濃さがほんの少し高い印象です。
○レンジ感は十二分にありますが、前述の通りわずかに地味に聴こえるのは高音域がわずかに大人しいためです。(良く言えばA-70のようなキンキンさがない。よってクリア感も少し落ちているように聴こえてしまう。)
○音のつぶて(塊)と称したように、粒立ちや分解能などの音の細かさは少し及ばずといった印象です。(その分、他にはないパワー感・ドライブ感がありますが。)
黒江的好み度:S

…といった感じでした。
見出しの通り、旧モデルのTEACやPRIMAREに近い感じのサウンドで正に“ザ・アグレッシブ”といったイメージの良質・上質サウンドとなっております。
(前回のレポートで書き忘れましたが、見出しの【ハイスピード&アグレッシブの血統健在!】は「旧モデルのアグレッシブさを受け継ぎつつ、ハイスピードさも加わっています。」という意でした。)
AI-503は旧モデルのTEACサウンドを少しモディファイしたような印象でしたが、どちらかと言えばこのEA101EQ-Gの方が音的には旧TEACサウンドに近い気がしています。

(例えば)HAYDNをシャープに鳴らしすぎると「ちょっと線が細く感じる」「もう少し雄々しく鳴らしたい」のような感想をお持ちの方などには最適なアンプになりそうです。
ぜひ一度ご試聴をお試しいただければと思います。

P.S.
最後に『ELAC EA101EQ-G vs TEAC AI-503 vs Pioneer A-70(完了品)』を簡潔な相関・相対比較しておきます。

見方は…
=:ほぼ互角
>=:わずかに、ほんの少しだけ(左側が)上回る
>:やや、少し(左側が)上回る
>>:(左側が)上回る
…ですが、(相関関係の序列が後ろになっていても)3機種はいずれにしても、高S/N・ハイスピード・硬質より・シャープ系の(黒江が好む)サウンド傾向であることを予め述べておきます。

クリア感:A-70 > AI-503 >= EA101EQ-G
スピード感:A-70 = AI-503 >= EA101EQ-G
ドライブ感:EA101EQ-G >= AI-503 > A-70
アグレッシブ感:EA101EQ-G > AI-503 > A-70
エッジのシャープさ:A-70 >= AI-503 > EA101EQ-G
音のキレ・立ち上がり:AI-503 >= A-70 >= EA101EQ-G

キリがないのでこの辺にしておきますが、A-70(低音絞り)がクリア・ハイスピード系、EA101EQ-Gがマッシブなアグレッシブ系、その中間が(前回レポートした)AI-503といった傾向です。

スピードやキレを重視するとA-70がよく映るかもしれませんが、(前述の通り)3機種はそれぞれが(数多あるその他のアンプの中では)いずれも「ハイスピードかつアグレッシブ」ですので、この辺りのサウンドを好まれるなら(今さらながら生産完了したA-70が欲しいなどといったことはせずに)AI-503またはEA101EQ-G(またはL-550AXII)からセレクトしていただいて問題ありません。

TEAC AI-503

木曜日, 3月 23rd, 2017

今回はTEACの新製品をレポートさせていただきます。

【ハイスピード&アグレッシブの血統健在!】

(↑見出しでおおよその察しがついてしまうと思いますので)結論から先に述べさせていただきますが、
「待ってっいました!待ちわびました!」
と久しぶりに(アンプで)歓喜のレポートが書けることが非常に嬉しい限りです。

…ということで、
ようやく『Pioneer A-70』に取って代わる“ザ・ステレオ屋リファレンス”アンプが現れてくれましたので、その音質や傾向を旧リファレンス(Pioneer A-70)との“vs レポート”にて述べさせていただきます。
※(お約束)『vs』とは両者の「優劣」を決めることではありません。「比較・差異」を分析するレポートですので予めご理解ください。

■TEAC [AI-503] (vs A-70)
●クリア感・シャープさを筆頭に“ハイスピード”を売りにしていた(低域を少し絞る条件でしたが)A-70と比べると、AI-503はやや音にパンチのある“アグレッシブ”傾向に位置付けられますが、ハイスピード(感)も併せ持っているため(ザ・ステレオ屋的には)非常に好感の持てるサウンドとなっております。
●S/N感・分解能・全体域に渡る音のシャープさ、タイトさは(A-70ほどではないものの)A-70と比べても遜色はなく、(良い意味で)荒れ狂うスピード感(ドライブ感)を持っています。
●A-70が(音場)空間を切り裂くようなキレとスピード感だったのに対して、AI-503は(音場)空間を掻き分けて(押し退けて)飛んでくるようなスピード感といった印象です。
●A-70のエッジ感(輪郭)を“細めの髪”くらいとすると、AI-503は“普通の細さの髪”くらいのイメージで、A-70よりは少ししっかりめの輪郭感となっています。
●帯域バランスも良好で、(黒江の思うきれいなフラットからは)少しだけ低域が強め(A-70の低域の絞り具合を軽めにしたくらい)ですが、同じ少しだけ強めの低域でも(A-70に於いて低域を絞らない状態で感じられる)低域にブーミーさがない分、ぶわっと緩んで中高域を包み込んでしまったり、(低域の余韻や響きで)音の立ち上がりを阻害したり、低域の方が前に出てくるような“ことはない”ので非常に上手く収まっています。
(低域は非常にタイトであり、「ドンッ」「ボンッ」といった種の音を出す際に「ドンッゥワ」などと瞬間的に膨張して輪郭から音がはみ出るような「制動しきれていない」印象を持つアンプが多い中、しっかりと制動できている良質な低音だと思います。)
●A-70は非常に硬質で冷たさを感じる“クール系”に属していると思いますが、AI-503は(硬質系・寒色系ではあるものの)A-70ほどには無機質さを感じさせず、A-70よりは少し有機的な質感を感じさせます。
○モニター調であることには間違いがありませんので、朗らかに、滑らかに、軟らかく、ゆったりと…などの音調を求めている方には不適切であるかと思います。
○S/N感(クリア感)と(音と音場の)解像度はややA-70に軍配が挙がります。(A-70はクリア系の部類では本当にいいアンプでした。)
黒江的好み度:S

…と、いうことで本当に久しぶりの(アンプの)大当たりに巡り合えてホッとしています。
ハイスピードとアグレッシブを両立する大きなポイントである“駆動・制動”が、このアンプは非常にハイレベルであり、正に黒江の琴線に触れるサウンドでした。
この数年、ここまで(好みでもあり)評価できるアンプがなかったので、ぜひアンプをお探しの方はご検討いただければと思います。

LUXMAN L-550AXII

火曜日, 4月 12th, 2016

今回は間もなくの登場となるLUXMANのA級プリメインアンプをレポートさせていただきます。

【けたたましいドライブ感と突き破るスピード感。】

遂にこの日がやってきた(やってきてしまったとも…)という(少し複雑な)心境ですが、LUXMAN製品を当店のリファレンスと謳わせていただくときが訪れました。
まずはいつもの通り、分析・解析レポートを述べさせていただきます。

比較対象機はPioneer A-70(無印:1つ前の型番)で両者には妙な共通点があったのは必然か偶然か…。(笑)

■LUXMAN [L-550AXII]
●(決してお安くはない価格帯ということもあって)さすがのS/N感とレンジ感、ダイナミクスと基本的音質は十二分の性能です。
●純A級動作ということもあって1音1音を押し出す力、音場を張り出す力、音の粒を弾き飛ばす力…と高いドライブ感(パワー感)を感じさせるサウンドであり、主音(強音)はより前に、弱音はそれなりに…と各パートの音像を描きわけながらも(主音を)グッと前に押し出してくれる高い定位感が魅力的です。
●硬質よりのサウンドであり、やや寒色傾向ですが、前述のドライブ感を伴っているためキンキン・カンカン・コチコチといった印象にはならず、適度な厚みと重みも感じさせてくれます。
(硬質度はA-70を10段階中7~8とすると、L-550AXIIは6程度と考察します。「硬質度0で硬くも軟らかくもないという意です。」)
(寒色度もA-70よりは少し穏やかですが、決して暖色傾向とは言えないテイストだと思われます。)
●これもまた純A級の恩恵か、出音を抑えつけるような印象が皆無であり(ハイスピードにしてやろうといった音作りではなく)、結果的に自然なハイスピードサウンドとなったようなネイティブなスピード特性です。
●高域の分解能も良好、帯域バランスも良好(※)、低域の深さと解像感も良好、低域(バスドラやベース弦)の輪郭はぼやけることなくタイト(※)、強いて言えば中域がややウェットでシャウトボーカルの絶望的なザラつき感が少しだけ艶っぽく聴こえてしまうのが(黒江的には)惜しいところでした。
●ディストーションギターはガリガリのエッジ感などはA-70も魅力的ですが、L-550AXIIは芯やコシ、弦のバウンド感が良く、こちらはこちらで正解(正確)なギターサウンドではないかと思われます。
●他にもスネアの皮の張り具合、アタック(インパクト)音、立ち上がり、切れ…と隙のないクオリティは(値段も値段ですが)さすがの一言です。
黒江的好み度:S- (> A+)
(完全な“S”まではほんのわずかに届かずといった程度なので、ほぼ“S”と思っていただいて結構です。)

…とこのような分析結果となりましたが、1つ大事なことを追記させていただきますと
『↑上記のレポートはすべてアンプの低音(BASS)を2目盛り(時計の針10分程度)を下げたサウンド』
であるということです。
(試聴の際は[LINE STRAIGHT]をオフにしてから、お使いのスピーカーやお好みで1目盛り~3目盛りと気持ちよく聴ける位置を探っていただければと思います。)

(そうです。笑)長らく当店のリファレンスだったA-70(無印:生産完了)と奇しくも同じ使い方をすることで「(黒江的には)高い評価に繋がるものとなった」という結果でありました。

(条件付きながら)アンプでは久々の個人的ヒットなので多くの方にお勧めはしたいのですが、価格の高さはどうしようもなく…(高く評価させていただきつつも)少々恐縮しております。
とは言え、(実勢売価でも30万円を超えてしまう製品ですので「これしかない」といった選択肢には致しませんが)メタルをはじめ、ロック・ポップス愛聴のユーザーさんにはぜひ一聴していただきたいと思える製品となっていますので、機会がありましたら(低音下げて)聴いてみてもらえればと思います。

P.S.
もう少し お安いアンプ ないかしら