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NuForce STA-100 with Essensio Plus

火曜日, 7月 9th, 2013

今回は久しぶりに上々の(黒江的)ヒットになった期待の新製品レポートです。

【小柄でヤンチャな爆走ボーイ。】

輸入元(本国原文の和訳?)によると『エレガントで控えめなサイズの筐体』ということなので、“体は音を表す”のではないかと(黒江にしては珍しく)妙な先入観を持っての試聴となりましたが、いい意味で期待を裏切ってくれました。

いつものようにまずはザッと書き出してみたいと思います。

■NuForce [STA-100]
●(価格の割には)情報量が高く、1音1音が(薄っぺらくなくて)しっかりしていて、且つハイスピード。力強いサウンドなのに高いスピード感を誇るのは大変魅力的です。(まず、もっとも注目した点でした。)
●帯域バランスはやや低音寄り、…というよりは少し高音が控えめといった感じです。
●輪郭・エッジは鋭すぎず、硬すぎず、強調の無い範囲での明瞭系です。低域もビシッとタイトで緩さは感じられません。
●(前述のエッジ感も含め)シャープ・抜け・キレ・クリアといった“ハイスピード・クリア系”ではなく、(小粒ではあるものの)音のつぶてを投げつけられるような“アグレッシブ・ドライブ系”の傾向です。
●音のトーン(質感・温度感)はキンキンの硬質・寒色・クールといった傾向ではなく、比較的中庸なポジションに感じられ、(軟らかく・暖色な)ウォームには程遠いですが、少し熱さを感じるホット(パッション)なエッセンスを少しだけ感じるサウンドの印象です。
●1音1音の分解能(シンバルやディストーション、シャウトの成分・粒子感が細かく分解されているか)も上々です。
○強いてウィークポイントを挙げるならば「S/N感」で、前述に挙げた分解は上々であるものの、各パート間、楽器の位置関係に於ける距離感である“分離感”には少し物足りなさを感じ、ややガシャガシャとした落ち着きのない感じが見受けられました。(これがちょっとヤンチャに感じるポイントです。)
○音場の見通し、奥行きも(これらを評価している機種に比べると)少し見劣りする点があります。

黒江的好み度:A+

…と、いうことで黒江的には「お値段以上○○○」な1台ではないかといった結論に至りました。
(特にこの数年、アンプ・パワーアンプには個人的アタリが全然出ていなかったので…。)

なお、ザ・ステレオ屋では、north star design [Essensio Plus]というプリアンプとコンビを組ませていますが、このコンビとPioneer [A-70]は非常にいい勝負をしていると思います。
加えるならばCP(コストパフォーマンス「コスパ」)では圧倒的にA-70ですが、north star design [Essensio Plus]はUSB DACとしても秀逸なのでPC/Macなどとの絡みの優先順位でもチョイスは変わってきそうです。
(以前のレポートでA-70のUSB DACサウンドはあまり好みでないと書いていますが、調べてみると奇しくも前回に出てきたESS社製のDACチップだったようです。)

いずれも“高発熱”“高消費電力”ではありませんので、“節電の暑い夏”でも差支えないと思います。
気になった方はぜひ一度聴いてみてください!