ASUS Essence One MKII MUSES Edition

5月 20th, 2015

今回は「思わぬ(メーカーから)伏兵が表れた。」…と、一聴した感想から書かせていただきたいほどにイチオシ…いえ、『激オシ』したくなったDACを紹介させていただきます。

【“音楽の女神”が奏でるハイスピードサウンド。】

まず先にメーカーである『ASUS』さんについて述べざるを得ません。
台湾に本社を構えるASUSは(おそらく)PCのマザーボードメーカーとして産声をあげたブランドであり、少なくともつい最近までは音響機器とは(ほぼほぼ)無縁のメーカーであったと思います。
故に(僕がASUSを知ってずいぶんと経ちますが)今日このような形でDACのレポートを書かせていただくことになるとは夢にも思っていませんでしたが、ASUS自体は「Nexusシリーズ」などでこの数年来、非常に有名になっていると思われますので「聞いたこともないメーカーだな…」といった未知な存在ではなく、(僕は)比較的あっさりと受け入れてしまえました。
(なお、台湾のメーカーであり、○国とは全然異なります。当DAC製品も品質管理やパッケージのきれいさなどは非常にしっかりしています。ので、変な拒絶反応はしなくてもよいのではないかな…と個人的には思っております。)
ちなみに、読みは「エイスース」が公式の読み方(呼び方)です。(黒江はエーサスって読んでいました。笑)

…と、前置きはこの辺にして、Xonar Essence One MKII MUSES Editionを聴かせていただいた経緯を(サラッと)述べておきますと、(いつもとは真逆で)スペック(仕様)や使用パーツをリリースで拝見したことがきっかけです。
前述の通り、今まではオーディオと無縁のメーカーさんであったわけですから交流も無く、細部の仕様を確認せずに“先に聴く”ということができません。
…ので、止む無く先にリリースを見ることになったのですが「この仕様(内容)ならどうみてもウチに合ったサウンドが出そうだな…」と、リリースを見てすぐに思いが過ぎり、取扱い先を探してみるも見つからず、その後(どうしても一度聴いて答え合わせ(確認)してみたかったので)色々、諸々を経て実機を聴けることになった…という流れです。

よって、いつもとは逆に「こんな音が出るんだろうな」…と期待し?思いながらの答え合わせでしたが、いつものようにレポートしたいと思います。
(試聴時の比較対象はAura neoの内蔵DACがメインでneoからの同軸デジタル出力をXonar Essence One MKII MUSES Editionに入力しています。)

■ASUS [(Xonar) Essence One MKII MUSES Edition] (EONE MKII MUSES)
●(過去最速?の)neoと比較してもほぼ互角のスピード感で、タイプは(ガツン・ドカンと来る)攻撃的・暴力的なタイプでは“なく”、スッコーン・スッカーンといった突き抜ける系のハイスピードです。(「ほぼ」と付けたのは極々わずかにneoの方が早い印象だった為ですが、曲によってはそのごく僅かな差も感じられず、極めて「=」の(超)ハイスピードサウンドです。)
●1音1音・音像・音場いずれもクリアネスであり、明瞭なサウンドです。(ただし、仕様(測定値?)ではS/N比が120dBとなっていますが、そこまでの印象はありませんでした。…と言っても十分すぎる高S/N感には間違いありません。)
●キレ・立ち上がり・アタック音も非常に良好で、シャープ・タイトで俊敏・鋭敏に音が立ち上がり、スパッと切れよく収束します。
●高音~低音のバランスもフラットで高音が走って(突っ込んで)ジャリついたりすること無く、低音ももたつきや緩みが無く、ボンついたりすることがありません。
●強いて言えば“わずかなウェット感”があり、極々わずかながら(余計なヴェール感ではなく、音の余韻を帯びたような)“エンハンス感”があります。(←このエンハンス感を上手く伝えるのが難しそうなので、全体の文章を読んで察していただけたら…と思います。^-^;)
●よって、ジャリジャリのシャウトがほんの少し生気を帯びていたり、スネアのアタック音に皮の張り感やインパクトの躍動感がよりリアルであったり、ガリッガリのディストーションサウンドを描きつつも音色が失われなかったり…とシャープさを出しつつも高い情報量も感じられるサウンドとなっています。
●エッジ感はしっかりとした線がくっきりと見える(輪郭強調)タイプではなく、エッジ線自体は極々細いがしっかりと輪郭を描いている(シャープで明瞭)タイプです。
黒江的好み度:S

…と言うことで、neoと比較して「極々わずかなエンハンス感(から来るウェット感)」を帯びている印象以外は(neoと)大きな違いを感じない印象で、ザ・ステレオ屋(黒江)的には大ヒットな結果となりました。
(双方黒江が好きなDACチップですが、neoとはDACチップが異なるのに似たような音に聴こえるのが不思議でした…。)

DSD対応ということもあり、最新機種への買い替えにもお勧めしやすいのでぜひぜひご検討いただければと思います!
(個人的にはnorth star design Intensoとどちらにするか悩ましいところですね。)

お値段や試聴等、気軽にお問い合わせください。

P.S.
レポートはすべて「UPSAMPLING」はオフを前提に書いております。(オンの音はエンハンス感が強烈に高まってしまい、あまり評価していません…。←歌モノにはよいと思います。)
紹介しているのは「MUSES Edition」です。MUSESでないモデルとはまったくサウンドが異なりますのでご注意ください。(ザ・ステレオ屋では(少しの差でもありますし)圧倒的に「MUSES Edition」をお勧めしています。)

CEC TL5 (and CD5)

4月 22nd, 2015

今回は「そろそろ完全復活かな?」と思わせてくれそうなCECからのニューリリース機をレポートいたします。

【『CD5 – DAC = TL5』に非ず。】

先に述べておきますと昨年秋にCD5がリリースされておりましたが、(バタバタもあって)すっかりレポートをし忘れておりました…。(CECさんごめんなさい…。)
ですので、今回は2機種をセットでレポートさせていただきますが、見出しの通りの印象・結論となりましたので(セットで書く方が分かりやすく、伝わりやすく)結果オーライだったかな…と思っている次第です。

CDを回転させる部分に直接モーターを入れず、アナログレコード(プレーヤー)と同様にベルトを用いて回転させる『ベルトドライブCDプレーヤー』と言えば、世界的にも同社しか生産できないであろうCECの代名詞的製品です。
ダイレクトなモーター駆動とベルトドライブ、理論上では(CDから読み取るデータは回転のさせ方で変わることはないはずなので)同じ音が出るわけですが、その実はベルトドライブでしか得られないサウンドが確かに存在し、その傾向を好ましく感じられたユーザーにとっては他に代えられるものが無い存在であることは間違いがありません。

その傾向・特徴は「やはり(ダイレクト駆動に比べると)アナログチックな柔らかく濃い音」という傾向がとても際立ちます。
この傾向に関しては(前述で理論上では変わらないと述べていますが)モーターがCDの真下に無い分、モーターから発せられる磁力や電気的ノイズの影響ををDAC部分が受けにくい、(回転はより正確になるが)モーターの振動の影響が出やすいダイレクトに対してベルトドライブは振動の影響が(回り続けるDISCにも回路にも)出にくい…などなど「違いが生じてもおかしいとは思わない」要素は幾つか考えられると分析しています。
(ただ、そんな屁理屈をどうこう言うより、パッと聴いた時の同社のサウンドが「とにかくアナログチック」なのですから、難しいことは考えずに黒江は受け入れてしまっていますが。)

…と前置きが長くなりましたが、踏まえて2機種をレポートいたします。
(タイトルとは順序が逆で先にDAC内蔵のCD5、次にトランスポートのTL5です。)

■CEC [CD5]
●(今までの)「ザ・CECサウンド」といった印象のマイルドで濃密な、やはりアナログチックな印象を受けるサウンドとなっています。
●高S/Nで高解像度でクリアに広がり、抜けがいい…といった方向性では『なく』、聴き疲れのしない滑らかでスムーズな傾向であり、“音色”をしっかりと聴かせてくれるタイプの音作りになっています。
●…かと言って、S/N感や解像度に難があるといったことではなく、十分な透明感を確保しつつも情報量を最大限に引き上げたような印象を持ちます。
●暖色でウェットなテイストがありますが、ウェットと言っても「瑞々しく冷たい水っぽさではなく」、「ほんのり湿度・湿気を帯びた暖かい方のウェット感」を持っています。
○キレやスピード感には乏しく、やや鈍足の傾向ですが、丁寧な描き出しで音の実像感がぼやけるような「緩々のサウンド」ではありません。
○(特に高域の)ややレンジ感には欠ける印象で、「キーン」と言った突き抜けるような高音が「ピーン」と少し先丸になるなど、アナログっぽさの副作用が良くも悪くも少し感じられます。

■CEC [TL5]
●CD5のレポートに加えて“CEC”“ベルドライブ”のイメージを合わせれば、こちらもさぞ暖かくて柔らかめのサウンドが出るのであろう…と思っておりましたが、(見出しの通り)CD5からDACを抜いたものが=TL5ということではなさそうです。
●音色のある少し先丸なサウンド、スムースなサウンド、キツさや硬さのない印象はある程度のベルトドライブらしさ、アナログチックを踏襲していますが、TL5は高いS/N感からくるクリアさを併せ持っているサウンドになっています。
●CD5同様にウェット感もありますが、こちらは温い暖色のウェット感ではなく「瑞々しさの感じられるウェット感(かと言って冷たいわけではありません)」。
●キレやスピード感も「ある」とはお世辞にも言えないものの、「中速」程度のスピード感は出せており、緩さや鈍足さを感じるサウンドではありません。
●高いS/N感からの相乗効果か、レンジ感もあり、見通しや抜けの良さも「ある程度」あって上々で、低音がボンついたりモコモコするようなこともないのでポップス系などは歌・オケ共に相性が良くバランスの良いサウンドであると思いました。
○いずれにしても「非常に○○が高い」と言える要素は無く、悪く言えば「器用貧乏」「優等生タイプ」な傾向のプレーヤーとなっています。

…と、なかなか意外でもあり、興味深くもある印象となりました。
双方に通じることは「聴き疲れのするような硬質傾向ではないこと、温度感は異なるがウェット感があること、ハイスピード系ではないが情報量が高く、音の密度間が高い」といったことが挙げられます。
しかしながら、双方はまったく異なる傾向とも言える要素がありますので、一体型を検討するかトランスポートを検討するかの検討材料になれば幸いです。

個人的にはTL5の秀逸さには太鼓判です。(悪く言えば~の通り)突出したジャンルはありませんが、クラシック・ポップス・ロック・メタル(も「あー、これじゃ聴けない!(停止ボタン)とはならず」…とどんなジャンルでも聴けるのは何ものにも代え難いポイントだと思います。
(おそらく、ベルトドライブの利点を活かしつつも高いS/N感を両立したところに勝因があるのではないかと推察しています。)

なお、昨今の(小さな業界内ではありますが)PCオーディオブームで単体DACを所有されている方はかなりいらっしゃるかと推測します。
CDもそれなりに聴くし、それなりのプレーヤーが欲しいけど、DACの音には満足しているし(それなりの値段したし)、DACと同じくらいのCDプレーヤーを買うにはちょっと躊躇いがある…なんてことがある方にとってはTL5は非常にお勧めしやすい1台ではないかと思いました。(普通のCDしか再生できませんが。)

お値段や試聴等、気軽にお問い合わせください。

Pro-Ject Elemental vs Essential II

3月 4th, 2015

今回は(安価なモデルながら)今現在もっとも評価しているアナログプレーヤーのEssential IIに、ちょっとエディションの異なる“腹違い”な兄弟機(兄機)が登場しましたので弟機と聴き比べてみました。

【○いElemental、■いEssential II。】

本国のPro-Jectメーカーページをご覧いただくと分かりますが、Elementalには(今回紹介する)透明なプラッター(レコード盤を載せる回転台)のアクリルバージョンと(おそらく)Essentialと同等のMDFバージョンがあるようです。

このうち、現在、国内(輸入元ナスペック経由)で入手できるのはアクリルタイプでありますが、兄弟機とは言えど音の質感や傾向の差異が大きい2モデルとなっておりますので、ぜひぜひこのレポートを参考にご検討いただければと思います。

まず、両機の違いは目で見て明らかです。
Elementalはとにかく丸い(○い)です。そして(マットを乗せないでいると)白っぽい透明なのでとっても○(白丸)な感じです。
○の両サイドにモーター部とアームベース部がポツンポツンとくっついているような感じで『非常に無駄のないエレガントなデザイン』といった印象です。

次にEssential IIに目をやると、とにかく四角い(■い)です。(当店のはBLACKです。)
『四角い板にプラッターとアームを必要最小限の設置面積で搭載した』だけのシンプルさで、悪く言えば無味乾燥なデザインといったところでしょうか。
また、(特に肉厚・重厚な造りのアナログプレーヤーが多い中、)Essential IIはプラッターやボディなど全体的に“薄い”といった印象も強く残します。

■Pro-Ject [Elemental] vs [Essential II]
●(以前のレポートの通り)Essentialは非常に癖の少ないサウンドであり、実に素直な出音を提供してくれます。
●(価格を感じさせないくらいに)S/N感が高く、(スー・サー・プチッというようなレコード特有の)トレースノイズ・スクラッチノイズも少なく、付帯音に感じられる要素がごくごく少ないため、(アナログっぽさはあまり感じられませんが、)クリアで明瞭、見通しの良いサウンドステージを展開します。
●かと言って、(情報量が欠如したような)スカスカした感じではなく、十分な音の濃さ、強さ(ダイナミクス)、レンジ感も出してくれていて、正にシンプル・イズ・ベストなサウンドとなっています。
○対するElementalは“しっとりと豊潤”さを感じさせる、滑らか、マイルド、ウェットな傾向にあり、(コテコテのアナログプレーヤーには及ばないものの)アナログらしい印象のサウンドを聴かせてくれます。
○S/N感やダイナミクス、レンジ感はEssentialと差異なく、(前述の通り)そこまでコテコテの音作りではないので、(プレーヤーの音癖を)押し付けられるような強引さがなく、色々なジャンルを気軽に楽しませてくれます。
○かっちりし(すぎて)いる(?)Essentialに比べて、やや先丸で伸びや余韻のある傾向となっていますので、歌モノなどは生々しさがより強調されてハマりやすいのではないかと思います。

なお、初見では『筐体以外はほぼEssentialの流用かな、でも筐体とターンテーブル(の素材)だけでも変わるだろうな…』と思っていたElementalですが、よくよく見るとアームも(作りはそっくりですが)太さが異なっていたり、板の代わりになる筐体ベース部の材質感が異なっていたり…と結構違うものなのだな…と気が付かされました。
(つまり、Essentialの■を○にしたのが=Elementalという簡単なものではなかったということです。)

勝手な推測・考察となるのですが、両機のサウンドが異なる理由はやはり筐体のシェイプとターンテーブルの材質の影響が強いと考えており、よりリジットなEssentialに対して、丸みを帯びていて且つ面積・体積の小さい筐体が、よりアクリルの柔らかさを引き立てている…といったことが非常によく表れていることと思っております。
(あえて近い価格でこの2機種を揃えてきたメーカーが「このサウンドの違いを楽しんでもらうため」であるとしたらすごくいいセンスだな…とも。)
(デザイン先行でElementalという方もいらっしゃるとは思いますが、音あってのプレーヤーです。できましたらちゃんと両機を試聴して選んでもらえれば…と思います。)

…ということで、(価格帯の並び方などから)兄弟機と述べさせていただいてはおりますが、実質的には従兄弟機といった感じの両機ですので、無機質モニター派はEssentialを、アナログらしい派ならElementalをお勧めしたいと思います。
(どちらもコストパフォーマンスに優れた良作であることには自信を持って太鼓判押させていただきます!)

そろそろアナログも聴きはじめてみませんか。

P.S.
当レポートは“USB対応フォノイコライザー【無し】”モデルのレポートとなりますのでご注意ください。
フォノイコライザー搭載モデルには(搭載のフォノイコの音でガラリと変わってしまうので)レポート内の一切の分析や感想が当てはまりません。
また、この製品を使用するにあたっては別途フォノイコライザーが必要になります。
(当レポートは当店リファレンスのTRIGON Vanguard IIを使用しております。)

north star design Intenso

1月 22nd, 2015

2015年最初のレポートです。今年もよろしくお願い申し上げます。

【Essensioの正統後継機と謳わせてもらいたい隔世遺伝の末弟機!】

http://www.digitalside.net/?p=444
http://www.digitalside.net/?p=779

↑以前のレポートをご覧いただければ手っ取り早いのですが、メーカー公称(?)的にEssensioの後継とされていた“Impulso”は(当店の検証では)あまり純血感を感じられない結果となっておりました。
「やはりESS社のDAC(チップ)では難しいかな…」とほぼ諦め状態でいたのですが、(Impulsoが最下位エントリー機と伺っていたので)不意打ちで登場した“Intenso”が見事に良い意味で期待を裏切ってくれることに。(!)

久しぶりの(黒江的)大ヒット機なのでちょっと褒めちぎりなレポートになるかと思いますが、いつものように色々と述べさせていただこうと思います。

■north star design [Intenso]
●north star design社製品の音質や傾向ではもはや鉄板的なS/N感の良さ、音場のクリアさ、1音1音の淀み無さ…などなどは本機でも健在です。余計な音、ザワつき、付帯音などが感じられないすっきりとしたサウンド傾向です。
●目…ならぬ耳を惹くのが(黒江の大好きな)、かなりのハイスピードサウンドで、Essensioと同等のスピード感を誇ります。(おそらく現行機種の中では最上位を争うレベルではないかと…。)
●加えて(これまた大好きな)、高分解能なサウンドであり、ディストーションの歪み、シンバルのクラッシュ音、シャウトの擦れなどなど、音の粒の細かさと粒の量が精密且つピーキーに刺激的な音を正確に再現しています。
●低域はタイトでやや硬め、全体的(全帯域的)にも音像感の強い引き締まった傾向にあります。
●輪郭はEssensioに比べるとほんの少しくっきりしていますが、Essensioがかなりシャープなエッジ感でしたので「これくらいで丁度よくなった」と取れる感もあります。
●「完璧!」などと言うつもりはさらさらありませんが、ハイスピード傾向のEssensioに『アグレッシブさを持たせた』ような正に理想的な傾向となっており、この数年来のモデル中ではザ・ステレオ屋リファレンスの上位を争えるようなサウンドです。
○(やはりEssensioなどと同じく)音場は狭いタイプで、左右のスピーカーの間から正面にフィールド形成してくるイメージの鳴り方をします。
○前に向かってくるタイプのサウンドですので、あまり奥行き感を感じさせる傾向にはありません。
○低域も一般的なものよりはやや薄めであり、量感のあるタイプではありません。
○(後述しますが)ESS社のDACであるからなのか、(ロックやメタルを聴く上では)ほんのりしっとりで(自然ではありますが)ほんのり伸びのある印象です。(かえって好ましく思われる方も多いかもしれませんが…。)
(「ほんのり」というのは「ほぼほぼ気にしなくてもいいレベル」と言っても良いくらいですし、他のDACに比べれば全然しっとりもしていないし、伸びもないと思います。あくまでEssensioなどと比べると…という意です。)
黒江的好み度:S(~A+)

…といったところです。
黒江的には「久しぶりの大当たり!」といった会心作であり、当店で第1号であろう「DSD対応のイチオシモデル」がやっと登場してくれました。(^-^;)

…と、少し考察してみます。こちらの[Intenso]も(黒江が苦手な)ESS社のDAC(チップ)なのですが、これだけ印象の異なるサウンドを出してくれた理由が気になるところです。
もちろんDAC(チップ)なんて所詮デジタル信号をアナログ信号に変えるだけの作業(持ち場・役割)なので、その「取り出したアナログ信号を増幅する」アナログステージと呼ばれるところの影響(黒江にとっては恩恵)が大きいのだとは思います。

(特にnorth star design社のアナログステージは出来るだけ余計なことをせずにストレートに、原音(録音)に忠実な出力を心がけているそうです。)
(逆に言えばnorth star designでは「ESS社のDACに少し癖がある」と判断し、「今回のIntensoでは」その癖をキャンセルさせるアナログステージ作りをされたのでは…と勝手に思い込むことにしましたが。)
(ただし、その癖をキャンセルする中でほんのりESS風味が残っているような印象を受けることも…。↑の補足です。)

それと、以前のPioneer [U-05]のレポート「http://www.digitalside.net/?p=829」でも触れたように、IntensoではESSチップでもES9016を採用しているのが大きいようです。
ですので、黒江が苦手なESSチップは(巷ではもっとも高音質とされている…^-^;)「ES9018」に限られるようで、「ES9018」以下のチップであれば(料理の仕方によって)好みのサウンドに近くなることが分かりました。
(Pioneer N-70AもN-50Aも「ES9018」以下のチップですしね。)

ネットワークにこそ対応していませんがUSB DACが直接繋げるNASも今後増えてきそうですので(後日DELAもレポート予定)これからの購入で“ネットワークレスDAC”はまた熱いジャンルになるのではないかと思います。
ぜひご購入の参考にしていただければ幸いです。

お値段や試聴等、気軽にお問い合わせください。

P.S.
ちなみにEssensioは(Intensoがアグレッシブさを備えた分、わずかに厚め・濃いめにシフトしているので)すっきり感・シャープさ・切れ・細かさなどは少し優勢でした。
DSD対応や、よりハイレゾリューション化を進めたい方はEssensioからIntensoへのリプレースで失敗はないかと思います。
(ちなみにちなみにEssensioは虎の子の最後の1台を在庫しております!)

Pioneer N-70A

12月 11th, 2014

今回は表題のN-70Aをクローズアップしてレポートしたいと思います。

【そつなく、癖なく、隙なく、あらゆるジャンルを自然に鳴らす。】

サウンドレポートの前に発売日からこのN-70Aを聴いてきた雑感のようなものではあるのですが、黒江が記した前回の「vsレポート」然りで、これまでは何となく「N-50の後継がN-50AでN-50Aの音質をより高めたのがN-70A」のような概念を持っていました。

…が、最近ではこの3機種がまったく別物の3機種であるような考え、位置づけに代わってきており「N-50は最終プライスが非常にお得なベーシックモデル」「N-50AはDSDが再生できるエントリーモデル(N-50の経験値を活かしてはいるけど、N-50をベースにして造っているのではない(DACチップがまったくの別物ですしね…)。)」といった捉え方も色濃くなってきております。

そして、このN-70Aなのですが、前述の通りN-50A(の音質をより向上させて)との差別化を図ろうとしたしたモデルというよりは、marantzのNA-11S1(NA8005)やLUXMANのDA-06(DA-200)などを強く意識して設計・計画されたのではないかな…と勝手ながら推測してみたりしています。

もちろん、(価格も倍近く異なる)NA-11S1やDA-06にはそうそう簡単には及びませんが、後発の優位性である機能面やCP面ではなかなか良いところに付けていると思いますし、何より僕がはっきりと述べておきたいのは「豊潤で濃厚系」であったり「しっとりとした美音系」であったりする2機種とは異なるテイスト(味付けのないのが味)で勝負をしてきたと思われる(思いたい)ということです。

…ということで、こういったことを踏まえつつ、レポートしてみたいと思います。

■Pioneer [N-70A]
●N-50(無印)でも十分すぎるくらいのS/N感(特に同軸デジタル・USBメモリー・USB接続)だと感じていましたが、更にその上を行く透明感・明瞭感・静寂感を持っています。NA-11S1やDA-06と比べてもその差はわずかであり、高音質の基本要素として十二分なクオリティであると思います。
●解像度も高く、定位や音の位置関係、奥行きなども良好ですが、音の広がり(音場・サウンドステージ)はあまり広がらず(黒江的には適度)、広大なホール感を描き出す傾向ではありません。
●スピード感は「vs形式」でN-50Aよりも上回る表現をしていますが、もう少し具体的に言うと、1音1音の出音自体は(N-50AとN-70Aは)ほぼ同等のスピード感に感じられるところ、前述のS/N感の相乗効果で抜けや見通しが非常に良好であることからN-70Aの方が頭1つリードしている印象になるのだと考察しています。
●「切れっ切れで、鋭角でシャープで鋭い立ち上がり」とは“言えません”が、この辺(アタック音・エッジ感)も高いS/N感や解像度の恩恵でとても鮮明な音を描き出しています。以前の通り、強いて言えば少し音の切れは穏やかな傾向で、(N-50などと比較すれば)少し余韻型に寄っています。(…とは言え、スピード感・抜け・切れ・エッジなどの「ハイスピード&アグレッシブ要素」はNA-11S1やDA-06よりも高く、≒モニター調≒硬質拠り…とも言えます。)
●情報量や濃さ、ダイナミックレンジなども(NA-11S1やDA-06には及びませんが、N-50やN-50Aよりはグッと高まっており)上々なのでクラシックやアコースティック、ストリングスなどの音の質感の表現を求められるジャンルでも(モニター調ではないかと思いますが)無難にこなしてくれると思います。

●1音1音、音の造りは見出しの通り基本的に「無味無臭の味付けのないサウンド」の傾向で間違いありません。ソース(録音)に忠実であり、余計な脚色や味付けはほぼゼロです。強いて言えば、(前述の切れと)わずかに大人しい(ビシバシと叩きつけるようには飛んでこない)といった印象がある程度です。(←これも音がほぐれているからこそ感じられる要素なので一概にマイナスとも言えません。)

○良く言っても「優等生的」、悪く言っても「優等生的」とも言え、例えばあるジャンルに長けている方には「松ヤニの質感に少し難がある」とか「ラッパの乾いた金属音が…」とか「シャウトの擦れ具合が…」とか、“惜しいんだけどな”と思われることもありそうなのですが、黒江的には総じて何を聴いても“ちゃんと鳴らせてるな”と思う採点となっています。(前述の通り、「シャウトが惜しいな」とは思うのですが、十分にメタルもロックもポップスも鳴らせてると思います!)

…と、総評としては見出しのような印象になりました。
ので、図抜けてマッチしているジャンルがあるわけではないのですが、どのジャンルもかなりハイレベルで鳴らせてるということで良いと思います。
(強いて言えば、(色んなジャンルの要素が加わる)ポップスにはメチャクチャ強いと思っています。)

もう少し述べると、NA-11S1やDA-06は王道のオーディオ的で従来のオーディオファンをターゲットにしたモデルであり、N-70Aはモニター調で様々なジャンルを聴く幅広い音楽好きにターゲットがあるように思えました。
(メタルも好き、ポップスも好き、クラシックも聴くなんて方にはぜひお勧めします。)
ネットワーク機能があることもあって、家族や複数の人と音楽を楽しむタイプの方でしたら(それぞれが好きなジャンルが異なってもこなせる)N-70Aもきっと良い選択肢になるはずですので一度試聴等されてみてください。

お値段や試聴等、気軽にお問い合わせください。

Pioneer BDP-LX88 vs BDP-LX58

12月 2nd, 2014

このところ(新製品ラッシュということもあって)Pioneer製品ばかりがエントリーされていますが、間もなくnorth star designやその他のレポートも予定しておりますので今しばらくはご容赦くださいますようお願い申し上げます。(Pioneerから袖の下を貰ってるとか、優遇してもらってる…などなど、お好きに言ってやってください!笑)

…ということで、表題のブルーレイディスクプレーヤーをレポートさせていただくのですが、当店(ザ・“ステレオ”屋ですし)“画もの”には大して詳しくありません。
…が、OPPOの登場からネットワークプレーヤーであったりUSBメモリーの再生などに対応してきたこともあり、多くの方から「(CDなどを聴く)音質面ではどうなの?」といったお問い合わせも少なくなありません。
そこで、かつて(DVDが普及してきた頃)の“ユニバーサルプレイヤー”と同じく、音にクローズアップしてチェックして(レポートして)みるといった試みをしてみましたので、少しでも参考になれば幸いと思います。
(画もののプレーヤーでCDを聴くユニバーサルプレーヤーの先駆もPioneerのDV-AX10/DV-S10Aであったような記憶があります。「今また正に」といったところですね。)

【さすがの風格を感じさせるBDP-LX88にCPでは絶対的なBDP-LX58の存在感。】

いつものように「vs形式」ではありますが、「vs」とは「絶対的な優劣を決める」という意ではないので予めご理解ください。

試聴は基本的にすべて「DIRECT(ダイレクト)」モード、CDとNASのファイル、USBメモリーのWAVファイルを中心に聴いています。
(※映像の絡んだ音質面は“一切検証していない”ので予めご容赦ください。)

■Pioneer [BDP-LX88]
●同時季に(同様に兄弟機で)リリースされたN-70AとN-50Aでも同様の差別化が図られていましたが、筐体の作り、特に側面と天板部が圧倒的に上質な仕上げとなっており、質感や剛性による音質面への配慮が感じられます。(重量感もグッとあがっています。)
●情報量・S/N感・解像度・レンジ感はやはりLX88の方が圧倒的です。
●音の傾向はやや大人しく、ウェット感だったり、マイルド感だったり、ソフト感だったりといった印象も「ほんのり」持ち合わせていますが、基本的にはニュートラル系のサウンドであると言って差し支えないと思います。
●逆に、アグレッシブ・マッシブ・ハイスピードといったワードの印象もなく、言い換えれば特段に得意・不得意がないとも言え、Classicやボーカルものから何でも無難にこなしそうなユーティリティなサウンド傾向となっています。
●黒江の超個人的な見解では「大体14万円程度のCDプレーヤー」と匹敵する感じではないかと思っております。(※初回投稿時より訂正しています。)

■Pioneer [BDP-LX58]
●(前述の通り、兄機には及びませんが)基本的な音質面で顕著に不満を感じる(明らかに低音質と感じる)ことはありませんが、分解能・S/N感・レンジ感はもう少し欲しいかな…という印象です。(専用のCDプレーヤーと比べるとどうしても…。)
●音色はやや明るめのキャラクターですがドライではなく、どちらかと言えば、ほんのりウェット感がある印象でした。
●スピードは上々で、ほぼほぼハイスピードの部類に入れて問題はないと思います。
●切れ切れのスピード感ではなく、鳴りっぷりの良い、アグレッシブなスピード感を持っており、(当店で言うところのいわゆる)TEAC・プライマー(I21以前)路線の音傾向となっています。
●低域はタイトで、バシッと締まっています。量感も「ドンッ」と出せるけどボワつかず、ピタッと制動できている印象でした。
●黒江の超個人的な見解では「大体6万円強程度のCDプレーヤー」と匹敵する感じではないかと思っております。

…と思ったことをザッと書き出してみましたが、音色面において『LX88は大人しくて、LX58はアグレッシブ』と一目で捉えてしまう程には個性の差は大きくなく、ニュートラルなポジションからLX88は少しエレガント寄り、LX58はアグレッシブ寄りといった感じです。
ご推察の通り、黒江的にはBDP-LX58の方が好みですし、(CDなどを聴く上での)CP面でもLX58に軍配が挙がる感じですが、絶対的な音質はBDP-LX88がなかなか優秀で(おそらく映像も同様に基本面で1枚上手なので)なかなか悩ましいところではないかと思います。

「CDや音楽ファイルはたまにでいい」という方はぜひご検討いただければと思います。

P.S.
今回のようにユニバーサルプレーヤー(もとい、今だとマルチメディアプレーヤーでしょうか)で使用する上での難点は「アプリやリモコンだけでは思いのままに操作ができない」という点が挙げられます。
特にNASのファイル(DLNA)やUSBメモリーの再生は「ディスプレイ(テレビ)」にコントロール画面を映さないといけません。
(ダイレクトモードで音質を向上させたいけど、ディスプレイはオンにしなくてはいけない…みたいな矛盾は無い方が嬉しいです。)

本体のボタンも明らかに足りていないものが多く、黒江自身の考えですが『こういった機器類は基本的にすべて本体で操作できること、その上でアプリやリモコンがあると便利であったり、より直感的に操作できる』…といった考えがあるので、その点ではちょっとガッカリしてしまうような造りとなっていました…。
(Pioneerさん、ユーザーインタフェースの基本を今一度見つめ直してもらいたいな…と切に願っております!)

Pioneer N-50 vs N-50A vs N-70A

11月 21st, 2014

【速報】

昨日リリースされたPioneer新製品の2機種に旧型を加えた表題の3機種を早速スクランブルテスト(試聴)してみました。
個別のレポートが望ましいこととは思いますが、少しでも早く、端的・簡潔な感想をアウトプットした方が良さそうなのでエキスプレスでショートレポをしてみたいと思います!

■N-50
●「言わずもがな」の1台です。1つ前のレポートや、発売直後のレポートなどで網羅出来ていると思いますので、今一度ご覧いただけると幸いです。
●ザッとだけ書き出しますと、S/N感・分解能・切れ・スピード感に優れた(数10万円を凌駕する!…なんてことは言いませんが)ハイCPモデルであることには間違いがないと思います。
●特に同軸デジタル・USB経由(メモリー/iPhoneなど)・USB DACは非常に優秀な音質ですので、メインでもサブでも(DSD再生が不要であれば)活躍できるプレーヤーです。

新機種は「N-50」と比較した分析・考察をベースにレポートします。
■N-50A
●N-50と比べて、わずかに穏やかで上品な印象ではありますが、N-50と大きく異なった(まったく方向性・傾向を変えてきた)印象はなく、スピーディでバシッとした鳴り方です。
●N-50より情報量と広がりは向上しており、少しだけウェットな傾向に寄っています。

■N-70A
●さすがの(シリーズ中では)最上位機種といった印象で、S/N感や解像度が非常に向上しています。
●こちらもN-50と比べてわずかに上品なテイストですが、S/N感や解像度、レンジ感などの“基本的音質”の向上で見通しが良いため、アグレッシブなサウンドの再現も不得手にせず、スピード感もわずかにN-50に劣る程度といった印象です。
●強いて言えば、少しだけ“切れ”に欠けるところがありますが、逆を返せば「N-50がかなりのハイスピードで切れ切れサウンドだった」と言えるくらいのハイスピードさと切れは(N-70AもN-50Aも)持ち合わせています。

…と、あまり書いてしまうと後々書くことがなくなりそうなので(…^-^;)この辺りにしておきます。
(後日予定している)個別のレポートでも同じようなことを書きますので予めご容赦ください。

最後にパッと見で分かりやすい?『(超勝手)黒江的vsパラメーター』を掲載しておきますので、ご検討のわずかな足しにでもなれば幸いです。

□S/N感:N-70A >>> N-50 > N-50A
□スピード感:N-50 >> N-70A > N-50A
□解像度:N-70A >>> N-50A > N-50
□分解能:N-70A > N-50 = N-50A
□レンジ感(帯域の伸び):N-70A >> N-50 = N-50A
□ダイナミックレンジ:N-70A > N-50 = N-50A
□情報量:N-70A >= N-50A >> N-50
☆黒江的好み度:N-50(S(~A+)) >> N-70A(A+(~A)) > N-50A(A(~A-))
(※N-50は先日のレポートで付けたものです。)

P.S.
こうして見るとN-50Aがとても悪そうに見えますが、N-50とN-50Aは結構しっかりと比較試聴しないと(どっちがどっちか)分からないこともあったくらいですので、ご検討されている方は気にしないでいただいて大丈夫かと思います。(←DSDが必要だったら間違いなく買いです。)
ただ、黒江が(DSDが必要で)買うとしたら(がんばって)N-70Aを買ってしまうだろうな…とも思いました!

Pioneer N-50 『導入編』

11月 19th, 2014

kuroe_sys_n50
今回はちょっと趣向の異なるレポートです。
…と言いますのも、わたくし黒江が(買うよ買うよと言いながら)ようやくN-50を購入し(セッティングを終え)たので自宅での使用感や雑感などなど、思ったこと・感じたことを書いてみようかな…という程度なので、いつもに増してライトに読んでいただけたらと思っております。(って、導入したのは半年も前なんですが…。^-^;)

■導入の動機
兼ねてからのレポートの通り(基本的な)音質の良さはもちろんのこと、この数年ではおそらくベスト1に近い黒江の好みのサウンド傾向であることが何よりも大きいのですが、その実は「AirPlay(に対応したプレーヤー)が欲しかった」というものすごい単純な動機です。(笑)
(以前のレポートでは『黒江的好み度:A(~A-)』になっていますね…。結構シビアに採点していたからだとは思うのですが、今なら『黒江的好み度:S(~A+)』で間違いないと思います!)
ちなみに、自宅のリファレンスシステムへの導入ではなくリビングのサブシステムへの導入となりますので、この点も誤解の無きよう先に触れておきます。

■到着~開梱
普段から(嫌ってくらい?)扱っていますので梱包状態などには特別なことは感じません…。(意外と重いよな…くらいかな。)まずは普通に自宅にホイッと持って帰りました。
開梱と言いますか、開封です。これもそんなに特別なことは感じませんでしたが、昨年に購入したPanasonicのBDレコーダー(日本製)が異常にきれいな包装状態(埃ひとつ見当たらないといいますか、人の手が一切加わっていない?かのような不純物の無さ)があまりにもすごかったので、(N-50は中●製)まあ、こんなものかな…という印象を持ったような記憶があります。(中●製にしてはきれいだった…という意味です!)

■設置~音出し
当初の予定は(面倒なので)前述の「Panasonic製BDレコーダー(ラックの中で一番薄い)に(BDレコーダーを上にして)積み重ね置きしよう」「うん、それが一番手数が少なくて楽だ!」…なんて思っていたのですが、あと数mm足りずに収まりません…。 しかも、次に楽な位置を選ぶと(PCとの距離が遠くなるので背面から取りまわす)愛用しているUSBケーブルが(audioquest [Carbon])1.5mでもちょっと足りないかも…という始末です。 仕方なく、最小限の移動を検討しますが、結局はアンプ以外のすべてのコンポーネントを移動する羽目に…。

…と、こうなってしまうと逆に火が点いてしまい、各種ケーブルの見直しもついでにしてしまおうと意を決します。(これが後ほど結果オーライになるとは…。)

そもそも、このN-50は一口に言えばネットワークプレーヤーなのですが、ネットワーク関連では(僕の購入動機である)AirPlayやインターネットラジオに(言わずもがな)WindowsやMacとのUSB接続とiPhone/iPadのDOCKケーブル接続、そしてデジタル入力と多彩な入力を持ち合わせており、その実態は『デジタル・マルチ・ステーション(・プレーヤー)』とでも名付けたいくらいの豊富な入力(ソース)が魅力であるとも捉えてきましたし、(BURRN!や各方面でも述べてきたとおり)みなさんにはそう紹介してきました。

そして、前述の通り、位置の変更も配線もやり直さなくてはいけない現状…。なら、『デジタル・マルチ・ステーション(・プレーヤー)』として、その入力端子もできるだけ使ってしまおう!…と思い立ったのです。

当初はAirPlay(これは音源と本体を無線で繋ぐので接続無し)と背面のUSB接続によるPC/MacのUSB DAC用途で十分としておりましたが、配置・配線を見直すついでにBDレコーダーから光デジタル(OPTICAL)も接続、さらに当初は100%予定の無かったCDプレーヤーからN-50への同軸デジタル(COAXIAL[S/PDIF])接続を試みます。

■音出し~設置完了
…で、繋いでテスト再生も終わったので、ラックを元に戻して設置完了です。…とはいかないし、させないのが(一応)プロです。(笑)
もう、ここまで来ると色々と聴き比べたり、検証しないことには気が済みません。なので、早速まずはUSB DACから聴き比べてみることにしました。

『NuForce μDAC2 vs N-50』…μDACは初代と2代目を所有しており(リビング用なので)今まではこれで十分といった感じでしたが、せっかくなので両者(3者)を聴き比べて、もっとも高音質・好みの総合点が高かったものを採用することにしました。
μDAC2はさすがに今までの普段使いとあって、(特にCP面を加味すれば)十分すぎるサウンドです。クリアでシャープ、切れがあって、ハイスピードなので別段に(サブシステムなら)不満はありません。
そして、N-50です。さすがにクリア(S/N)感は1ベール、2ベール剥いだような透明感で、よりすっきりとした音場が広がります。 情報量はN-50の方がしっかりとしていますが、それでいて切れもあるしハイスピードなのでμDAC2を少しアップグレードした傾向です。(μDAC2は少ーし粗く聴こえます。) でも、「これだけのためにμDAC2から買い変えることなないかな」…といった感じであり、最終的にはμDAC2も聴けるように接続を残しておきました。

『CDプレーヤー(の内蔵DAC) vs N-50同軸デジタル』…次にオマケで聴いたのがCDでのDAC使用です。 …が(!)、これが予想外の結果になりました。
一言で言えば「CDプレーヤー買い変えたかな?!」というくらいに、メチャメチャ音質が上がったのです。 まず、S/N感がもっとも顕著で段違いに向上し、そのクリアさから音の見通しが飛躍的に良くなります。
分解能、1音1音の切れ、輪郭と定位感と基本的にどこを切り取ってもCDプレーヤーの内蔵DAC(←そんなに悪くない音質です。ので当初はそのままにするつもりだったので。)より、N-50経由の方が良くなりました。(←好みになりました。) これは嬉しい誤算と言いますか、「(配線苦があったおかげで)接続してみて良かった」…なんて、ちょっとお恥ずかしいくらいの結果です。
(その後は1人でキャーキャー言いながら、数少ない(メインから浮いていた)RCAケーブルや電源ケーブルで何とかギリギリ間に合うように配線をし、ようやくラックを元に戻しました。…疲れました。笑)

…と言うことで、結果的に僕の自宅ではCDプレーヤー/BDレコーダー/USB DAC/AirPlay/インターネットラジオ/(今はiTunesからのDLNA)NAS使用が接続または聴ける状態となり、N-50が正に『デジタル・マルチ・ステーション(・プレーヤー)』として活躍することになりました。←※つまりは、アンプとN-50だけを繋いでおけば良いので、RCAケーブルの温存(バーター)にも一役買ってくれました。

長くなってしまいましたが、黒江自宅でのドタバタ導入記でした。(&乱文にて恐縮です!)とにかく、同軸デジタルが予想以上に高音質だったので、お持ちの方、これから購入の方はぜひチェックしてください!
そして、まもなくN-50AとN-70Aがリリースされますが、DACの関係で初代N-50の方が黒江の好み度は高そうかな…と予想していますし、(DSD再生が不要なら)何よりお値段が半分程度となりますので、N-50をご検討されている方は急いだ方が良さそうです!

P.S.
■オートパワーオフ設定
以前から「30分放置でスタンバイモードになってしまい、アプリでは復帰できない!」(リモコン(使ってないので電池も入れていない)か、本体の電源を完全にオンオフして再起動(2分程度)させるのが)不便すぎる!と嘆いていましたが、『オートパワーオフ設定』でこの機能をオフにすることができると最近知りました…。パイオニアさんごめんなさい!^-^;

LUXMAN D-06u

11月 6th, 2014

…からの、『ザ・ステレオ屋』的、本命CDプレーヤーを紹介いたします!

前回の「LUXMAN D-08u」レポートは“フリ”でした。(笑)
…と言うわけでは無いのですが、このレポートの伏線・布石であったことには間違いありません。ので、ぜひ1つ前のエントリーと併せ読みしてもらえますようお願い申し上げます。((高価すぎるから)読むなって言ったり、読めって言ったりすみません…。^-^;)

【奇跡か必然か、LUXMANから生み出されたピュア・ハイスピードサウンド。】

D-08uが『超ド級の高S/Nプレーヤー』であったことはご理解いただけたことと思います。
その(先行で発売された)D-08uの遺伝子を受け継ぎつつ、コストダウンを図ったとみられる同機種ですが、早速そのサウンドをレポートしてみたいと思います。

■LUXMAN [D-06u]
●D-08u程(の圧倒的)ではないですが、勝るとも劣らない非常にS/N感の高いサウンドであり、(スカした言い回しで恐縮ですが…)『静寂を切り裂く』ようなイメージです。研ぎ澄まされて洗練された出音が眼前にクリアに展開します。
●高域は分解能に優れ、シンバルの金属音(金属感)、ディストーションギターの粒子感にエッジ、シャープな擦れ具合とひりつくような刺激感のシャウトボーカルなどなど、ピークの音が丸められず、且つ繊細に描写されます。
●中域もしっかりとした情報量は保ちつつも色濃く、豊満にはならず、音の隙間や輪郭がしっかりと見えるような癖やお化粧の少ない(ほぼ皆無な)サウンドで、録音に忠実な印象です。
●低域はタイトで音像が乱れず、崩れずにゴリっとしたリジット感のある印象で、やや淡泊で無機質な傾向ではあるものの緩さや甘さの無いサウンドになっています。(量感はやや薄めで肉厚な傾向でもないため、バスドラのアタック音などはやや軽めに感じられます。)
●D-08uと同様に高域~低域のバランスも良好で、各帯域に突っ込みや遅れは感じられません。
●そして、極めつけは「シャープでハイスピード」であることです。“超”が付くほどではないにしろ、かなりのハイスピードであり、1音1音の透明感と相まって体(耳)を通り抜けていくような“抜け感”が最高に気持ちの良いサウンドとなっていると思います。
黒江的好み度:S

…と、LUXMANのサウンドに「ハイスピード」という言葉を使う日がやってくるとは思いませんでした…。
(NeoClassicoシリーズのCDプレーヤーはスピード感が高く、異質な存在ではありましたが…。D-06uと何か関係があるのかも?あとDA-100も傾向としては似ていましたね…。比較的安価な製品を通じてLUXMANさんが“若い方にとっての好みのサウンド”を理解したのかも!?)

そのハイスピードにD-08uの透明感や音の細かさ、繊細さ、スムースさを持ちつつも、より鮮明であり、D-08uには感じられなかった輪郭感を手に入れてしまっているのですからケチのつけようがありません。
(ちなみに、SACDはチェックしていませんがUSB接続でも近いサウンドは得られていますので(デジタル接続時の)、DAコンバーター使用でも有用な存在になることと思います。)

(試聴後に)2機種のスペックや資料を見比べてみましたが、その違いは微々たるもので、トランスポート(D-08uの方に「リジット」という言葉があるけど、D-06uの方がサウンドはリジット…^-^;)と、バランスアンプ回路の部分に少し差異があるだけのようでした。
…ですので、なぜこんなにもハイスピードなのかは分かりません。
あくまで憶測・推測にはなりますが、D-08uにはやはりと言いますか、ハイエンド機にふさわしくなるように“どんな音でも美しくなるおまじない”(お化粧)を少し施していて、D-06uでは(そのお化粧を施さずに)すっぴんに近い音が出ているのでは…?と考察しています。

なお、結果論ではありますが、D-06u/D-08uいずれにもTI社製PCM1792A(TIはTexas Instruments「テキサス・インスルメンツ」の略)のDACを採用しており(型番からすると吸収・合併したBurr-Brown系のようにも見えるのですが)、このTI社のDACは以前から僕が好みのサウンドになりやすいブランドでしたので、この辺りも大きな要因なのかも…と思っている次第です。

お値段がお値段ですので、「良くて当たり前」ですし「どれだけ良くても手が出せない」という方も多いかと思いますが、D-08uと同様に「最後の1台」として(少しがんばってでも)(当店をご贔屓の方は)手に入れておいて損はしないと思っています。

(黒江自身がびっくりしているので)繰り返しになりますが、LUXMANを激推しする日がやってくるとは思ってもみませんでした。…が、上記の通りですのでロック・メタルファンには(ご予算が許す方でしたら)ぜひ一聴していただきたい1台となりました。
とにもかくにも、まずは試聴をしていただけますと幸いです!

お値段や試聴等、気軽にお問い合わせください。

LUXMAN D-08u

10月 22nd, 2014

(my-musicstyleなどに追われていたので)少し遅めのレポートとなってしまいましたが、たまには(超)高級機の製品をレポートしたいと思います。
(…と言いますか、書かずにはいられないという感じの1台だったので書かせてください!→当blogの中心読者層のみなさまには恐縮です…。どうか読み飛ばしてください。^-^;)

【Softで、Silkyで、これ以上のない上質・上品なサウンド。】

見出しの通り、いわゆる黒江が好むハイスピード・アグレッシブ系のサウンドではありません。
…ので、おそらくはメタル・ロックにはあまり向いてないのではないかと思います。(先に結論だけ述べておけば「黒江的好み度:C+」くらいですので。)
ただし、もう1人の、歌もの(バラード)やアコースティックなどを強烈に聴きたくなる瞬間の黒江であれば間違いなく「黒江的好み度:S」を付けているくらい僕にとっては素敵なサウンドでありました。

いつものように所感・雑感を挙げてみたいと思います。
■LUXMAN [D-08u]
●まず、何よりも特筆したいのが「これ以上を聴いたことがないかも…?という程のS/N感の高さ」です。何もない空間にスッと、1点の曇りも、粗さも、濁りも、滲みも無い音が現れてはまたスッと消えて(溶けて)ゆきます。
●次に、無理やり感の無い自然に広がる音場感です。「(個人的には)音場が必要以上に広いことは良いことでない」と思っているのですが、(当店の防音室でも)広大過ぎない程度に留まっており、奥行きや上下左右の広がり方が自然です。何よりも音場の解像度がまた抜群に高く、細かな音の位置、強弱や余韻なども非常にハイレベルに再現されていると思います。
●また、(黒江的には通常は大嫌いな)CD再生時のアップサンプリングも秀逸で、無理やり写真を大判に引き延ばしたようなピンボケ感が皆無であり、前述のように「やり過ぎ感のない」絶妙なアップサンプリングとなっている印象なので不自然さがありません。
●高域~低域のバランスも良好で、低音のボンつきやモタつきもありません。もちろん、高域が(中低域より先に)走ってくるということもなく、フラットできれいなサウンドステージを描きだします。
●1音1音のエッジ感は鋭さが無く、シャープなフォーカスという傾向ではありません。…が、“輪郭の無い音”ということではなく、輪郭がスムース過ぎるので(輪郭感を)感じられないという表現の方が正しいのではないかと思います。(Retinaディスプレイのフォントのようなスムースさという意味も含め、)まるでRetinaディスプレイを眺めているようなきれいさです。(すでに4K・5Kって言った方が良さそうですけどね…。)
●なお、音の質感・温度感は「ほんのりウェットで、わずかに冷んやり傾向」といった印象で、例えば「ポーン」というピアノの音色が「ポローン」と暖色だったり甘くなるような傾向はありません。
●サウンドは前に張り出して来たり、飛んでくるタイプではなく、やや大人しい鳴り方をしますのでロックやジャズ、フルオケなどでも「ガーンッ」といった迫力を求められる方であれば他の選択肢もあり得るかと思います。(にしても、このS/N感・圧倒的な透明感にやられてしまうかもしれませんが…。)

…と、「ハイスピード・アグレッシブ・シャープ・ドライブ」などのワードとは縁遠いとは思いますが、それ以外に於いてはパーフェクトなんじゃないかな…と感じましたし、考察しております。
(前述のように)迫力を出してくるタイプではないですが、(その圧倒的なS/N感にもフォローされ)微弱音からトップ(ゲイン)の音までのダイナミックレンジ(の表現)も豊かなので、決して軟らかく、優しくなだめてくるサウンドということではなく、癖も強くないので(強くないかも…といったジャンルにも)幅広いジャンルを上質に聴かせてくれると思います。

試聴は主にCD(44.1kHz/16bit)で行っておりますが、USB接続やSACDもCDと同様の傾向・音質であり、隙はありませんでした。
(残念だし、さみしいことではあるのですが、)「もうCDはあまり買わないかな」「今後はハイレゾ主体にしようかな」といった方も多くいらっしゃると思いますが、これまでのライブラリーを考えて「決定的な最後の1台となるCDプレーヤー」を探されている方も少なくないのではと思っておりますが、そんな多くの方の(長く使えれば)“最後の1台”となれる逸材ではないかと感じましたので、当店は自信を持ってお勧めさせていただきたいと思います。

お値段や試聴等、気軽にお問い合わせください。