動画配信はじめました。
8月 11th, 2020オンラインショップ開設しました。
3月 16th, 2018この度、(既存のショッピングモール型ではない)直営型のショッピングサイトを開設しましたのでご案内させていただきます。
『ザ・ステレオ屋 オンラインショップ(BASE店)』
https://digitalside.thebase.in/
こちらでしかお求めいただけない商品もございますので、上記ショップをご利用いただくか直接のお問い合わせをいただけますと幸いです。
manager@digitalside.net
045-903-3900
『上記ショップ扱い製品の一例』
Vienna acoustics HAYDN GRAND SYMPHONY EDITION
marantz SA-10
marantz PM-10
marantz SA-12
marantz PM-12
DENON DCD-SX11
DENON PMA-SX11
Pro-Ject Essential III
YAMAHA CD-S3000
YAMAHA A-S3000
YAMAHA RX-A3070
(既存のモール型共々)
今後ともよろしくお願いいたします。
Vienna acoustics HAYDN GRAND Symphony Edition Signature
12月 21st, 2022今回はVienna acousticsからの新製品をレポートさせていただきます。
【Haydn(ハイドン)らしさは感じさせるも、もはや異なるモデルに変化。ネーミングはHandel(ヘンデル)とかでよかったような…。】
まずはじめに前モデルまでのHAYDNが長らく当店のリファレンスモニターであったので、今回のリニューアルに際しては「大きな期待が半分」「なんとも言えない不安が半分」といったところでした。
不安の一端を担ったのがリニューアルの速報で知った「バスレフポートの移動」であり、従来まではツイーターユニットの両サイドにポートが設けられ(エンクロージャー内の不要な残留・残響を排除して)いたことに対して、新作は一般的な背面からのバスレフポートに変更された点が挙げられます。
(※背面ポートは文字通り背後に音が抜けてしまうので(特に)当店のようなニアフィールド(小さな部屋での音出し)環境にはフィットしづらい可能性が上がります。)
そんな期待と不安を交じらせながらの初試聴となりましたが、新たなHaydnの辿り着いた先は…。
■Vienna acoustics [HAYDN SE Signature]
●まず一聴してすぐに感じられるのが、これまでののHaydnと比べると音の濃密さが向上した印象です。濃密と言っても重々しい感じではなく、いわゆる情報量が上がったような変化であり、従来と比べると落ち着いたサウンドになっています。
●帯域のレンジ感はより広くなっているように思いますが、やや重心が低音寄りにシフトしています。
●S/N感も良好で雑味のないサウンド傾向であることに変わりはありません。
●音の広がりは以前よりも向上しており、音場の解像度・解像感が高くなっていますが、サウンドステージの描き方は以前とまったく異なる様相となっています。
●具体的には(以前のHAYDNも前に前にガシガシ来るタイプでは決してありませんが)、1音1音が鋭く前に切り込んでくる傾向にはなく、ふわっと上下左右とスピーカー後方に広がるような傾向です。
●これらの影響もあって、スピード感・音の切れ・分解能は以前のHAYDNの方がより鋭敏に感じられ、Signatureモデルは旧HAYDNをやや穏やかに、落ち着かせたようなサウンドに変化しているように感じられます。
○やはりバスレフポートの影響か、全体的に(黒江としてはHAYDNの一番の持ち味と感じていた)スピード・キレ・シャープさがトレードオフされてしまったように感じられる面がありました。
○ただし、(中低域ユニットは以前のスパイダーコーンのままであり、今回は主にツイーターユニットのリプレースがメインであったので)全体的にはHaydnらしさ、Haydnぽさは残っており、まったく別のブランドになったような変化までには至っておりません。
黒江的好み度:A
…ということで、見出しの通り「Haydnとは命名せずにHandel(シューベルトでも、ヴィヴァルディでもいいのですが)とでも名付けていただきたかった」というのが本音ではあります。
ご周知の通り、ツイーターが丸ごと変更されたので(前面の1/2が変わったので)見た目も全然変わっており、いわゆるマイナーチェンジではなくメジャーチェンジ(この場合車などでもモデル名は変わらない)相当にはあたるかと思われますが、サウンドの印象がここまで変わってしまうと…なかなか難しいところです。
…と、色々と述べさせてはいただきましたが、僕の思うハイドンの音ではなくなったかな…というだけで、好み度で「A」を付けさせていただいているくらいですので高いクオリティ・ポテンシャルを持ったモニターであることには間違いがありません。
なお、この『HAYDN SE Signature』に合った鳴らし方も徐々に分かってきており、サウンドの詰めかた次第ではもっともっと良さを引き出せることも付け加えさせていただきます。
お問い合わせ等、気軽にお願いいたします。
manager@digitalside.net
または
0459033900
P.S.
結構前に限定数で販売された「Haydn Jubilee」(ジュビリー)について訊かれることがありますがJubileeはスパイダーコーンではない旧モデルであり、サウンドも正に旧モデルさながらといった傾向ですので個人的には食指を伸ばしませんでした。
Nmode X-CD5
11月 30th, 2022今回はNmodeの新製品CDプレーヤーをレポートさせていただきます。
【次から次へと畳み掛けてくる圧倒的サウンド。】
このX-CD5は(型番から類推される通り)以前にレポートさせていただいた「X-PM5」の相棒・相方となるCDプレーヤーとなりますが、結論から述べますと音の傾向やキャラクターにも共通性が認められ、ある程度似通ったサウンドに仕上げられているようです。
(よろしければ先にX-PM5のレポートをご覧ください。)
X-PM5のレポートはこちら↓
http://www.digitalside.net/?p=1211
主要なワードをピックアップしても「鳴りっぷりが良くマッシブ」「PM5はハイスピード・シャープさよりもドライブ感・アグレッシブ感が先頭に立つ」「透き通るようなサウンドステージといった印象は薄く、比較的に各パートがひしめき合っている印象」あたりはCD5でも共通の印象を覚えるポイントであり、
このX-CD5とX-PM5をセットで使用すると、これらがより強調されますし、あまり色濃くさせたくない場合はあえて(CDプレーヤー・アンプどちらかは)別の組み合わせにすることで別のシナジー効果を生み出せることになります。
これらを踏まえ、いつものようにレポートさせていただきたいと思います。
■Nmode [X-CD5]
●一聴してすぐに抱く印象は「圧倒的な突進力」「非常に押し出し感が高く、音離れが良好」といった感じです。ゆえに、やはりアンプと同様にドライブ感・アグレッシブ感が先立つ印象となります。
●レンジ感はアンプほどではないものの少し低重心傾向ですが、(比較対象のLUXMAN D-03Xが非常に特に高域方向がワイドレンジなので)大きく気になるものではありません。
●切れ・抜け・スピード感も上々ですが、シャープさやエッジ感を前面に出す傾向ではないので「解析的」なサウンドを好む方はケーブルなどで少し補正してあげた方が良さそうです。
●サウンドのテンション感・パッション感・ダイナミックさがとても高く、(前述の通り)解析的というよりは“情熱的なサウンド”傾向にあたるかと思われます。1音1音も全体的に熱を帯びていて「寒色・硬質」傾向ではありません。
○1音1音は分析的でシャープな傾向ではないので、組み合わせ次第ではやや粗っぽく感じられることがあるかもしれません。(→とある組み合わせだと非常にマッチすることを確認していますので、また別レポートできたらしたいと思います。)
黒江的好み度:A+ (~とある組み合わせでSになりそうです。)
…ということで、現状ではシャープ・解析傾向ではLUXMAN D-03Xをメインにし、アグレッシブ・情熱傾向では今回のNmode X-CD5をメインに使い分けることになりました。
鳴らすスピーカーや、鳴らしたい傾向で選択肢が変わり、音の出口・出方が面白いように変わるのは正にオーディオの面白さ、奥深さだな…と思わせてくれます。
ぜひ、色々な選択肢や組み合わせからご自身に合ったものとめぐり会ってください。
LUXMAN D-07X
9月 1st, 2022今回はLUXMANの新製品をレポートさせていただきます。
【無味無臭・無色透明の極まれり。】
お時間の取れます方はまず先に下記の動画を観ていただけると当レポートがより深く読めることと思われます。
…と言いますのも(音[の傾向]の記憶力にはそこそこ自信があるのですが、少しでもよりしっかりとしたレポートにしたいと思い)今回は黒江自身が以前の動画と比較試聴して色々な点を確かめているからなのですが、思いのほかに聴き分けられることに気が付き、すごい時代(システム)になったな…と。
(※ただし、2つの動画に於いてD-10X・D-07X共通で使用している音源はいわゆるデスメタルですので当店のコンセプトと肌の合わない方はレポートだけ読んでいただけますと幸いです。)
https://www.youtube.com/watch?v=HwpgxaprKLQ
(0分28秒あたりからD-07Xでのメタル曲再生)
(5分36秒あたりからD-03Xでのメタル曲再生)
https://www.youtube.com/watch?v=TXvtdksA3-E
(7分45秒あたりからD-10Xでのメタル曲再生)
動画内でも言及しておりますが、D-07XはD-03Xのブラッシュアップモデル・ハイグレードモデルというよりは、D-10Xをベースにコストダウンを図ったモデルと言え、回路構成や部品的にもD-10Xとの共通性が高く、実際の出音もD-10Xの方が親和性が高いように感じられました。
現状当店のリファレンスCDプレーヤーであるD-03Xと、以前に非常に高く評価させていただいている(現行機種では最高峰の)D-10Xの(お値段も)ちょうど中間に位置するモデルということで嫌でも期待は高まりましたが、このD-03X・D-10Xとの印象の違いも含めながらレポートしたいと思います。
■LUXMAN [D-07X]
●03と比べるとまずS/N感が1クラスも2クラスも上であることが分かります。03も十分な透明感を持っておりますが音場の見通しがより向上しております。
●03よりも更に高精細で粒子の細かいサウンドでありますが、且つほぐれ過ぎずに適度なエッジ感を残しています。
●スピード感に於いては07も03も甲乙つけがたく、両機を比べると、07はシャープなスピード感、03は(07を対象とするなら)ややアグレッシブなスピード感(ドライブ感)といった印象を持ちます。
●上位機種にありがちなやや行き過ぎたような(盛ったような)レンジ感ではなく、極めて自然でありながら高音~低音までよく伸びきったワイドレンジであり、(低音が膨らむことも、高音がしゃしゃり出ることもない)主張や強調が無くフラットに揃った出音となっています。
●超が付くほどのハイスピードではないものの、全体的にとても自然でありながら高純度・高鮮度・高音質といった印象が強く、(見出しの通り)極めて癖が排除されたサウンドは(元の情報から)盛られることも失われることもなく、結果的に自然なハイスピードサウンドに仕上がっているのではないかと推察しております。
○03に比べるとやや上品、07に比べるとやや素朴といった、中間モデルならではの半端感があることは否めませんが、個人的には07がもっとも好みと言えそうです。
黒江的好み度:S
(※以前のレポートではD-03XがAで、D-10XがSですが、D-03XはSに近いAであり、D-10Xはその完成度ゆえにSであったため、純粋な好きさでは07になりそうです。)
…ということで、3機種あるとなかなか纏め辛いこともありますので下記にワンポイントも記載しておきます。
ご検討の際に参考になれば幸いです。(…とは言ってみましたが、この3機種であればご予算次第で問題ないかと思われます。)
▼兄弟機3機種のワンポイントレポート
S/N感
D-10X >> D-07X >> D-03X
07も十分すぎるくらいのレベルですが、10がさらに上をゆく高次元といった印象です。
解像度(音場全体)
D-10X > D-07X >> D-03X
07を「細かいミスト状」と例えるなら、10は「目に映らない微粒子」くらいに高い解像感、非常に細かい部類の03でさえ粗めに感じられますが、解像度が高すぎるより、実像感が得やすい03を好まれる方もいると思います。
スピード感・音の切れ
D-07X >= D-03X > D-10X
下記の分解能とのマッチングもあって07がもっともスピーディに感じられますが、アグレッシブ系のスピード感・ドライブ感は03に軍配が挙がるので、音源次第では03がベストになりそうです。10はその細かさとスムースさゆえに鋭利なスピード感はあまり出ません。
音場空間
D-10X > D-07X >> D-03X
音の広さは別格的に10が広大です。03は上下左右奥行き(前後)すべてでやや狭く感じられます。
分解能(1音1音)
D-10X >= D-07X > D-03X
基本的には上記「ミスト」vs「微粒子」ですので10が頭一つ抜けている印象ですが、スムースな10に対して07は1音1音の輪郭が見えるため、好みの差になりそうなので“ほぼ互角”といった印象です。
レンジ感
D-10X > D-07X > D-03X
03が悪し、07が普通、10が良好ということではなく、03が良好、07が優秀、10が非凡・秀逸といったレベルと思われます。
D-03Xのレポート
http://www.digitalside.net/?p=1104
D-10Xのレポート
http://www.digitalside.net/?p=1115
Nmode X-PM5
4月 7th, 2022今回はNmodeからの新製品をレポートさせていただきます。
Nmode X-PM5 の動画はこちら↓
https://youtu.be/FqoSKfflpY4
【兄はしっかり者、弟は少しやんちゃなスポーツマン?】
前段として述べておくべき点に当店は長らく(本来はステレオパワーアンプである)Nmode X-PW1 MKIIを(プリメインアンプ代わりに)使っていたことが挙げられますが、これはX-PW1 MKIIにボリューム機能(この場合、正確にはアッテネーター機能)が搭載されており、X-PW1 MKIIのスピーカー出力を増減させることで音量調節の役割を担えるというもので、本来アッテネーターはMAX(フルボリューム・フルテン)近くの状態で最も良い音質で鳴るはずのため視聴時の適量(大きめにしてもせいぜいMAX値の半分)では音質面にデメリットを抱えることになっていました。
(仔細は割愛しますが、こういったパワーアンプ搭載のアッテネーターはその多くがあくまでも簡易的なものであり、出力をMAXの頂上付近で微調整するために設けられています。)
つまりX-PW1 MKIIはあくまでもパワーアンプですので、本来は音量調整を主に司り音質面に優れたプリアンプ・コントロールアンプをあてがってあげたいところでしたが(音が良いだけなら幾らでもあったのですが)、サウンド面でPW1のスピード感やキレを活かせなかったり、(高額過ぎて)価格面で釣り合わなかったりと、なかなか良きパートナーと巡り合わせられずにいました。
そんな中、先日のMYTEK LIBERTY DAC IIの登場により、ようやく最高の相棒と引き合わせてあげられたところでしたがタイミングをほぼ同じくしてX-PM5が登場してきます。
LIBERTY DAC II with X-PW1 MKIIのレポートはこちら↓
http://www.digitalside.net/?p=1199
このX-PM5は、先発の(兄機分)X-PM9のノウハウをベースにコストダウンを図ったモデルとのことで、PW1のエッセンスを色濃く受け継がせたわけではないようですが、Nmodeブランドという面に於いては(MYTEKとの混血ではなく)純血のサウンドということで果たしてどういったサウンドに仕上がったのでしょうか…。
(※以下は主にPW1単体との比較、またはLIBERTY DAC II&X-PW1 MKIIを基準にしております。)
■Nmode [X-PM5]
●当然と言えば当然なのですが、PW1単体使用時に比べるとS/N感・セパレーション・高域~低域のレンジ感などなどの基本的音質を備えていることが容易に分かります。
●PW1単体使用時では最も顕著なウィークポイントの一つであった低音の量感・低域方向への伸びが改善され、躍動感やアグレッシブさを向上させる要素にもつながっています。
●わずかに大味感がありますが、鳴りっぷりが良く、キレやスピード感もとても良好で(そのやや大味な感じが上手く働き)音ブレの無いマッシブさも感じさせてくれます。
●やや(低音寄りの)低重心ではあるものの、高音~低音まで帯域バランスも良く、各帯域が(突っ込み、遅れ無く)しっかり揃っている印象です。
●PW1単体では(粗さを除けば)ハイスピード・シャープさが先頭に立つサウンドでしたが、PM5はハイスピード・シャープさよりもドライブ感・アグレッシブ感が先頭に立つ傾向です。(その後にキレ・スピードが着いてきますが、シャープさの印象はやや薄い方になります。)
○強いて言えば(価格的に仕方のないことになりますが)、透き通るようなサウンドステージといった印象は薄く、比較的に各パートがひしめき合っている印象を受けます。(まとまっているとも言えますし、やや分離が甘いとも言えます。)
黒江的好み度:S (A++~-S)
…ということで、前回のLIBERTY DAC II with X-PW1 MKIIに続いて、またもやアンプに強力な選択肢が加わることになりました。
(動画でも紹介した)X-PM9がかなりの完成度であったのは記憶に新しいところでしたが、「好み」という点に於いてはこちらの方が好きになってしまうほどのサウンドです。
(「好み」が上なだけで、総合評価や完成度はX-PM9の方が上だと思います。見出しの通り、X-PM9は総合的な完成度が非常に高いアンプです。)
前述の通り、当プロダクトX-PM5はX-PM9の弟機(コストダウンモデル)という位置付けのようですが、個人的な見解としてはX-PM9とX-PW1 MKIIの中間に入るような音の傾向に感じました。
強いて言う難点としては入力が3系統(総てRCA)しかない点でしょうか。
決して安くはありませんが、価格も抑え気味に設定されているので多くの方に使っていただけると幸いです。
P.S.
LIBERTY DAC II with X-PW1 MKII
と
X-PM9
のアンプvs企画もレポートする予定です。
『音楽』から『音画句』へ
3月 12th, 2022今回はレポートではなく新トピックの予告?です。
連載中の音楽誌「BURRN!」にて取り上げているトピックの一部を後々に当ブログでもフォローしようと思っておりますが、そのシンボルとして黒江が勝手に作った造語を軸とさせていただいており、それがタイトルの『音画句』となります。
『音楽』→『音画句』
《※黒江考案の当て字ですので一般化されてはおりません、字面の持つ意味は音と画(映像)と句(歌詞やテロップ、その他の文字情報)となります。》
どんなコンテンツになるかは未知数ですが、過去から未来の音楽変遷を振り返ったり、占ったりという感じです。
掲載スケジュールも未定ですが、目に留まりましたらご一読いただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
P.S.
様々なサイト・SNSなどで『音画句』をサーチしてみましたが、今のところヒットしていないワードでしたので、おそらく黒江が第一命名者ではないかと思われます。(たぶん笑)
↑追記
バンド名?のようなもので『音画句』を使われている団体が一つあるようですが、意味を持つ言葉の定義としては「第一人者」という意味です。誤解を招かないように念のため加筆させていただきます。
MYTEK LIBERTY DAC II
3月 4th, 2022今回はリリースが解禁されたばかりのMYTEK(マイテック:国内ではMytek DigitalまたはMytek Audioと称されている場合もあります)からの新製品をレポートさせていただきます。
MYTEK LIBERTY DAC II の動画はこちら↓
https://youtu.be/P-OL3T8MWsY
『水を得た魚か、魚を得た水か。』
まずはじめに、当プロダクトの基本的な機能は単体のDACまたは(DAC機能内蔵の)ヘッドフォンアンプとなっておりますが、当レポート(当店)ではDAC機能付きのプリアンプとして採用しております。
同社の兄弟機に於いては同様の製品仕様にてプリアンプとしても機能する旨の記載があり、大きく趣旨から逸れている訳ではないものの、メーカー公認の使用方法でないことは先に触れておこうと思います。
なお、単体DACで使用する際はLIBERTY DAC IIのボリュームを最大(または最大付近)にしてRCAまたはXLRのアナログ出力をアンプの入力部に入れます。
一方、ヘッドフォンアンプで使用する際は機体前面のヘッドフォン端子にヘッドフォンを挿すことでボリュームはヘッドフォン出力のレベルになります。
この時、(日中と夜などで)ヘッドフォンアンプ使用とDACないし、プリアンプでの使用を兼務している場合はヘッドフォンに過大な出力が送られてしまうなどの危険性がありますので注意が必要です。(←仔細未確認ですが。)
また、当レポート内(動画)に於いては当店の現リファレンス機の1つである『Nmode X-PW1 MKII』をパワーアンプとして使用した際のサウンドについて述べさせていただいており、他のパワーアンプとの組み合わせとは見解が異なる可能性がありますこと予めご理解いただけますと幸いです。
■MYTEK Audio [LIBERTY DAC II] with Nmode X-PW1 MKII
●一聴してすぐに感じられるS/N感の高さが印象的であり、(PW1単体使用時に比べ)背景ノイズが皆無とも言えるほどに収まっていて、非常にクリアな見通しのサウンドとなっております。
●1音1音、各パートの展開が前後左右上下すべてに於いて高分解・高解像度になっており(PW1単体使用時では)やや散らかっていたり、しっかりセパレーションし切れていなかった箇所などのセパレーションや定位感が非常に向上しております。
●高域~低域にかけての量感・帯域バランスも良好であり、(PW1単体使用時ではやや低域方向に伸びがなく、薄かった)低音の量感も一伸び~二伸びしつつもぼやけることは無く、しっかりと定位するタイトさと安定感を感じます。
●(PW1単体使用時では良くも悪くもジャギジャギとした荒々しい立ち上がりでしたが)LIBERTY DAC IIを介することでスパッとした、スッとした、切れを保ちつつもスムースで鋭敏な立ち上がりに昇華した印象で、全体のスピード感も“荒々しいスピード感”から“空間を切り裂くようなスマートなスピード感”へとイメージチェンジしています。
●(動画でも述べていますが)全体を通して、1音1音の鮮度感、純度、クリア感が(PW1単体使用時に比べて)改善されており、それでいてシャープさや音の抜けなどもより鮮明になっているため、これといった悪影響・デメリットは一切感じさせません。元来、X-PW1 MKII単体のサウンドも非常に気に入っておりましたが(動画のリファレンスとしても採用)、X-PW1 MKIIのウィークポイントを「ほぼ総て補完した」と思わせられたほどにX-PW1 MKIIとの相性は高いと考察しております。
(※そもそもX-PW1 MKII自体がパワーアンプであり、簡易ボリュームを搭載していることからプリメインアンプ代わりに使っていたのですから[→そもそも簡易ボリュームに高い音質を望めない]当然と言えば当然の結果とも言えます。)
○強いて言えば、高域のギンギン、ギャンギャンとした荒々しさ、刺々しさがたまに欲しくなるような気もします…。
黒江的好み度:S (但し、LIBERTY DAC II with X-PW1 MKIIの組み合わせ前提で。)
…ということで、久しぶりの大ヒットとなりました。
(動画でも述べていますが)ロック・メタル・ポップス系(&ビート系やトラック系も)などにはぜひオススメさせていただきたいと思っております。
また、当然の如く、店頭導入を決めましたので今後の動画は『LIBERTY DAC II with Nmode X-PW1 MKII』をリファレンスアンプとして登場させる予定ですので今後の動画でも引き続きサウンドの傾向は聴いていただくことができるかと思います。
(やっとX-PW1 MKIIの相棒が見つかりました。)
お問い合わせ等、気軽にお願いいたします。
manager@digitalside.net
または
0459033900
P.S.
そういう意味合いでの見出しであったわけですが、元々PW1のサウンドに惚れ込んでいたわけですから『魚を得た水』が正解なのかもしれませんね。
LUXMAN L-507Z
12月 8th, 2021大変久しぶりの投稿になってしまいましたが…
「メインPCの故障」「そもそものネタ不足(「ぜひ書きたい」とまで思えるものが無かった)」「動画がややメイン化してしまった」などなどの理由から停滞しておりました。
中でも「PCの故障」の影響は非常に大きく(動画の方も停滞させてしまうことになり)、ここまでにかなりの時間を掛けることになっしまいましたが(以前ほどではないかもしれませんが)、ここからまた活動再開を本格化させたいと思っております。
…ということで、復帰第1弾はLUXMANからの新製品をレポートさせていただきたいと存じます。
【圧倒的な駆動力が成す、圧倒的な存在感。】
まず先に個人的な雑感で恐縮ではありますが、このところのLUXMANサウンドとはとても相性が良く、かなりの確率で動画やレポート化をさせていただいております。
特に最近?で強烈な印象を残したのが、(2020年11月5日投稿の)L-595A LIMITEDというアンプでしたが、物づくりに於いて“ノウハウ”は脈々と受け継がれていくものだと思いますので、(A級アンプとAB級アンプの違いはあれど)直感的に期待を持たずにはいられない気がしておりました。
L-595A LIMITEDのリポートはこちら↓
http://www.digitalside.net/?p=1169
事実(先入観ありきでの比較試聴はしておりませんが)、増幅回路“ODNF”やボリューム回路“LECUA”(L-507Zでは“新LECUA1000”)などのアンプの中核を成すアーキテクチャには共通性も多く見受けられ、しっかりと血が受け継がれている様子をうかがい知ることができます。
…と、ハードルを上げるだけ上げておいてからの実聴となってしまいましたが、そのサウンドの実力は…。
■LUXMAN [L-507Z]
●(前述にてA級・AB級について触れておりますが)一聴して「507ってA級じゃないよね?」と思うほどにパワフル、且つスピーディな鳴りで1音1音がビシビシと体を叩き付けてきます。(かと言っても、荒々しさや押しつけがましさは無く、基本的には極めてクリアでストレートなサウンドです。)
●繊細で、シャープな線を描くような傾向ではありませんが、音のキレや立ち上がりの鋭さ、鮮明さは高く、躍動感や鮮度感にも優れています。
●しっかりめの低音でありながらダブつきのないタイトさがあり、深さ、解像度が良好で高域~低域の帯域バランスも自然です。
●(当店特有の表現ですが)いわゆる“アグレッシブ系”に属し、パワー・ドライブ感が高い「鳴りっぷりの良いタイプ」でありながら、小音・少音時などの静寂感も抜群に良好で、基本的なS/N感や制動力にも優れ、見通しの良い「上質なサウンド」をもたらしてくれます。
○強いて言えば「わずかに低音寄り」と言える傾向であり、ソースや好みによっては最高域にもう一伸びあればと思うことがあるかもしれません。そのため、サウンドは「やや雄々しい」といった印象があり、(特に)女性ボーカル再生時には少しBASSを落として聴いた方が個人的にはフィットしました。
黒江的好み度:S
…と、期待通り、期待以上のプロダクトではないかと思われます。(当店の環境にはありませんが、鳴りが重めの大型スピーカーも軽々駆動しそうな予感がします。)
ラインナップ的には先代の「L-507uXII」のモデルチェンジ版となるのですが、当方の記憶に違いが無ければ『かなり印象が異なる→ほぼ別のサウンドと思ってよい』との認識であり、L-507uXIIの後継機種というよりはL-507uXIIの(価格帯的な)リプレースモデル(フルモデルチェンジ版)と考えております。
(L-507uXIIはもう少しマイルドで伸びやかなサウンドがベースにあった記憶です。)
(当ブログなどで幾度となく言及させていただいておりますが、LUXMANのアンプはこの5~6年くらい(L-550AXIIあたりから?)でサウンドの傾向がかなり変わっている印象です。)
よって、ご検討の際は以前のL-507uXIIや従来のプロダクトの印象から一旦離れてご試聴・ご検討いただけますと幸いです。
動画もぜひご覧ください。↓
LUXMAN L-507Z ■ザ・ステレオ屋 レポート動画 『フルモデルチェンジ(L-507uXIIの後継モデルではありますが)もはやまったくの別物アンプです!』
https://www.youtube.com/watch?v=zBsJzMXI4Ks
DALI RUBICON 6 BLACK EDITION (RUBICON 6 SE)
6月 16th, 2021久しぶりのブログ更新となります。
情報発信として、動画が多くなっていることや“ブログを書くほどまでは”どハマりしていないアイテムが多かったことが挙げられますが、やはり動画の影響が多いでしょうか。
よいアイテムに巡り合えればどんどん書いていきますので引き続きよろしくお願いいたします。
【音場感と音像感を両立させた感嘆のフロア型スピーカー。】
見出しの通りですが、黒江にしては(かなり)珍しくフロア型スピーカーをレポートしたいと思っております。
DALI社より、限定数でのリリースとなったRUBICON 6 BLACK EDITIONですが、はたしてそのサウンドはいかに…。
(※ベースモデルとなったRUBICON 6無印とはサウンドの傾向がかなり異なることなどから、今回はHAYDN GRAND SYMPHONY EDITION(以下:HAYDN)との比較を基にレポートさせていただいております。)
動画はこちら↓
https://youtu.be/Z61YV1h75GM
■DALI [RUBICON 6 BLACK EDITION (RUBICON 6 SE)]
●HAYDNと比較してすぐに感じられるのは、やはりフロア型ということで(音の出口[面積]が多い)ことからも大きく広がるようにサウンドが展開されます。
●広大な音場はフロア型の優位特性であるのですが、その分大鳴りになりやすかったり、各パートが散らばり過ぎてしまったり、高音~低音のバランスに違和感を覚えることが少なくありませんが、このRUBICON 6 SEはそれらのマイナス要素を感じさせず、拡がりつつも程よくまとまりのあるサウンドを聴かせてくれます。
●前述の通り、解像度はもちろんのこと、S/N感・ダイナミックレンジ・帯域の広さとバランスなどの基本的音質に優れ、隙の無いクオリティを誇ります。
●これらに加えて、(本来はHAYDNのようなブックシェルフ型、PMC DB1のようなコンパクトモニターに分があるような)1音1音の分解能・各パートのセパレーション・定位感などの音像特性にも優れており、整ったフォーカスのサウンドとなっております。
●(繰り返しになりますが)大鳴りにならない傾向のため、シャープさ、キレ、低域のタイトさなども秀逸であり、総合力の高さが伺えます。
●(動画にもある通り)更にHAYDNよりも(同じアンプの同じ音量位置で大きな音が出せる)鳴らしやすさが高く、ハイパワーなアンプで無くてもしっかりと鳴ってくれます。
○(動画で分かるかと思いますが)やはり(奥行きもかなりあるので)大きいです…。
黒江的好み度:S (置ける場所あったら買いたいくらいです!)
…ということで、久しぶりに大型、フロア型でかなり気に入ってしまえるプロダクトに出会ってしまいました。
残念ながら(全世界で444ペア、日本国内で50ペア販売の)限定生産ということで「ぜひ定番化して欲しい」と要望しております。
なお、大きな注意点となりますが、おそらく(黒江の記憶では)旧RUBICON 6(無印)とは『兄弟機とは思えないくらい異なるサウンド』だと思いますので、このレポートを参考にRUBICON 6無印を検討されないようにお願いいたします。
当店では、少量ですが希少な在庫を確保できておりますので、ぜひお問い合わせいただければと思います。
manager@digitalside.net
または
0459033900
まで、よろしくお願いいたします。
YAMAHA A-S1200 and A-S2200 part2
12月 21st, 2020前回の続きになりますので、未読の方は先に下記をご覧ください。。
前回のエントリーはこちら
http://www.digitalside.net/?p=1178
【流石あの弟のお兄さん、順当・妥当なクラス上位モデル。】
前回はA-S1200を主にPioneerのA-70(※AやDAの付かない無印)と比較したレポートになっておりますが、今回はA-S1200と(一つ上位の兄弟機)A-S2200との比較レポートになります。
■YAMAHA [A-S2200]
●パッと聴きの基本的音質(S/N感など)は1200と2200でそこまで大きくは変わりません。(逆に言えば1200も十分、十二分に基本的音質が備わっており明らかに2200に差を付けられている感じではないと言えます。)
●その上で「流石にクラス上だな」と感じられた点をまとめさせていただくと…もっとも高く感じられたのは情報量の高さです。
●情報量といっても「1200で聴こえない音が2200で聴こえる」といったことではなく、1音1音の密度感が高く感じられる傾向であり、1200ではやや細く、軽く感じられたような音が2200ではしっかりとした音として描かれているといった感じになります。
●この密度感の相乗効果でもありますが、パワー感・ドライブ感はより高く、(よく車やバイクで言うところの)1クラス2クラス程度リッター数の高いサウンドとなっております。
●音のスケール感、音場性なども1クラス高い印象で2200の方が部屋全体に音が広がるイメージです。
○シャープさ、キレ、抜けなどは1200の方が高く感じられ、スピード感を重視したい場合は1200を選びたいところです。
黒江的好み度:A
個人的な好み度はA-S1200のシャープさが好きなので1200に軍配が上がりましたが、1200のエンジンの排気量をアップさせたようなA-S2200のサウンドは正に順当なクラス上といった印象です。
…ということで、当店ではパワーを取るならA-S2200、スピードを取るならA-S1200を推奨させていただきます。
ショッピングサイトではご購入いただけませんので、お問い合わせやオーダーはmanager@digitalside.netにお願いいたします。
YAMAHA A-S1200 and A-S2200
12月 18th, 2020今回は少し遅ればせながらになりますが、YAMAHAの新アンプ群をレポートさせていただきます。
【“あひるのこ”転生?…新種のモンスターアンプ。】
(動画でも述べておりますが、個人的にレジェンドアンプの1つに思っている)某アンプによく似たサウンドであり、非常に高く評価させていただいております。
その某アンプとはPioneerのA-70(※AやDAの付かない無印)でありますが、まずはそちらのエントリー(レポート)をご覧いただけますと幸いです。
動画はこちら↓
https://youtu.be/TDojmWGZOTI
Pioneer A-70
http://www.digitalside.net/?p=727
…といった内容でしたが、端的に言えば「ただし、BASSを絞った状態でのレポートとなりますのでご注意ください。」この部分が今回まったく同じ状況であります。
(YAMAHAさんに関してはパッと聴き野暮ったい、デザインも野暮ったいとは思いませんでしたが…。当時のレポートのテンションが高くてお恥ずかしい…。笑)
なお、特に気に入ったのがA-S1200の方ですので、まずはA-S1200を中心にレポートし、その後1200との対比でA-S2200をレポートさせていただきます。
■YAMAHA [A-S1200] ※BASS(低音の量感)を少し減衰(デフォルト時計12時位置を10時半~11時に)させた状態です。
●音場のノイズ感(フロアノイズ)も非常に低く、クリアな見通しでトータル的な解像度も十分、基本的な音質がかなり高いアンプとなっています。
●A-70に比べると硬質度はやや軽減され、非常にクールな印象だったA-70よりもノーマル寄り、とは言えファット・ウォーム感は無く、クール寄りの分類です。
●ひたすらシャープでキレッキレだったA-70に比べるとミドル付近に張りを感じられ、ビシッ・バシッとしたアグレッシブ系の要素も上手く含み溶け込んでいます。
●適度な硬さで硬過ぎないため音色のニュアンスが絶妙であり、ドラム(スネア・タム・バス・金物)やギターの音の描き分けがバランス良く保たれています。(ニュアンスが少し偏るとスネアの皮の表現が良い分、金物の響きが抑えられてしまったり、ディストーションギターの歪みがリアルでも重いバスドラムが軽めになってしまうなどのトレードオフが起きやすい。)
●トップクラスとは言えないもののスピード感やキレはかなり高い方に分類され、鋭敏な立ち上がり、雑味の無い粒子感、しっかりとしたエッジ感で1音1音が描き出されてはスッと消えていくのでシンプルながらも無理(矢理感)を感じさせないスムースな印象です。
●それでいて、A-70よりはパワー感・ドライブ感が高く、(繰り返しになりますが)ハイスピード系を基調に適度なアグレッシブ系が溶け込んだような、個人的にはかなり理想的なサウンドになっております。
○(黒江的には)もう少しだけ高域(特に超高域)の伸びが欲しかったです。(こちらもTREBLEで少しだけ持ち上げてあげれば良さそうですが。)
黒江的好み度:S (BASS DOWN時)
A-70同様、初見(一聴)時では「んんん?」といった印象だったのですが、A-70の経験が活き、すぐにBASSを下げることに辿り着けました。
そして、BASSを下げた後の出音には感嘆です。
なお、(先入観を持って欲しいわけではありませんが)こちらのA-S1200はアンプの主要な動力部に昔ながらのMOSFETとトロイダルトランスという組み合わせを採用しており、これまで数多の(MOS-FET+トロイダルトランス)アンプを聴いてきたわけですが、この組み合わせで「紛れもなくハイスピード」と言えるようなアンプには出会ったことがないため非常に驚いてしまいました。(アグレッシブ系ならあり得ると思いますが、組み合わせ的には鈍足になりがちでしたので…。)
今となっては、何をどうすれば、どこをどうしたのでこのようなサウンドになったのか、興味津々ですのでいつか開発・技術の方にお伺いできたらしてみたいと思っております。
…ということでYAMAHA A-S1200は2020年のベストアンプの1台になりそうです。
ショッピングサイトではご購入いただけませんので、お問い合わせやオーダーはmanager@digitalside.netにお願いいたします。
次回、A-S2200とA-S1200の比較レポートを追記させていただきます。