Archive for the ‘レポート:CDプレーヤー’ Category

ONKYO DP-X1 vs Pioneer XDP-100R

木曜日, 2月 4th, 2016

今回は(話題沸騰中?の)Android型DAP(デジタル・オーディオ・プレーヤー)をご紹介いたします。

【優等生で何でもそつなくこなす兄(機)とちょっと尖っててスポーツ系の弟(機)。】
(何年も以前にどこか[当ブログ?連載等?]で書いたことのある様な見出しになっちゃいましたが。笑)

昨年に(大人の事情で)会社同士がくっついた関係で(腹違いの)兄弟となった両者から、それぞれのDAPが発表されましたが、(会社の統合に伴い)ほぼ同等の共通部品で作られた2機種を聴き比べてみました。
※(お約束)『vs』とは両者の「優劣」を決めることではありません。「比較・差異」を分析するレポートですので予めご理解ください。

■ONKYO [DP-X1] vs Pioneer [XDP-100R]
2機種に共通する点としては…
●S/N感・レンジ感・解像度などの基本的音質は(及第点以上にあることは間違いが無く、価格に見合った)合格点ラインに到達しているクオリティを持っています。
●CPU・メモリー・内蔵ストレージ量(32GB)などの(Android端末としての)ハードウェアスペックも十二分であり、操作性も良好です。(標準のプレーヤーアプリだとフリック時などにフェード効果が掛かるせいか、わずかにラグが生じるような操作感ですがアプリ次第ではないかと思います。)
○あくまで“ザ・ステレオ屋”的の結論ですが、当店では購入直後の初期状態ではなく、『DSPをオフ』にしたサウンドの方が評価が高くなる結果となっており、(むしろDSPを切らないと評価できないくらいでしたので)当店のユーザーさんにはぜひ「DSPオフ」でのご使用(試聴)をお勧めさせていただきます。(※初期状態はDSPがオンになっているので要注意です!)

そもそも『DSP』とは?
簡潔に言えばサウンド効果(サラウンド効果)のような文字通り“効果”(エフェクト)のことです。
音の世界でいう“お化粧”であり、素の音(録音された音)に様々な加工を施して「よりきれいに聴こえるように」調整等をしていますが、悪く言えば癖を付けられた音、余計なおせっかい…とも言えるものです。
更に言えば、お化粧(味付け)の好みが自分にピッタリと合えば素の音よりも気持ちよくなれますが、合わなければ“素のままでいいのに…”と感じてしまうことも…。
今回の両機種に於いては(おそらく)ソフトウェア側で処理しており、オンの時はハード(基盤・回路)から出力された音に後から(アプリのようなもので)2次加工をすることになり、オフにするとハードからの出力をそのまま聴くことができているはずです。

…といったところですが、ここからはそれぞれの印象を書き出していきます。
●DSPをオフにすると両者ともにすっきり感が増し、見通し、輪郭、粒立ちが(非常に)向上します。
●ザ・ステレオ屋的に言うところの『切れっ切れのハイスピード』『ゴリゴリのアグレッシブ』…というわけにはいきませんが、中庸なところを基準とすれば双方ともに、やや硬質気味・モニター調(解析的)・ややハイスピード・タイトな音像(1音1音)と言える傾向にあります。
●ハードの違いは(おそらく)ONKYOには2個ずつ載っているとある部分が、Pioneerは1個ずつとなっているだけで後はほぼ同じです。
●S/N感・解像度(解像感)・情報量はONKYOに軍配が挙がりますが、すっきり感(見通し≠S/N感)やキレ、スピード感はPioneerに軍配が挙がり、ザ・ステレオ屋的にはPioneerの方がより好みに近いサウンドと言えます。
黒江的好み度:A (ONKYO [DP-X1])
黒江的好み度:A+(~S-) (Pioneer [XDP-100R])

…ということで、
(最初は気が付かなかったので)DSPが掛かっている時は双方ともに“がっかり”といった感じでしたが、DSPを切れば満足のいくサウンドとなってくれました。

後はどちらを買うかが悩ましいところなのですが、1つ少しでもアドバイス?にでもなればいいかな…と思うところを述べさせていただきます。
★この製品は単なるDAPと思って買うのではなく、『携帯動画プレーヤー』&『そこそこ高スペックのAndroid端末』に高音質なDAPが搭載されていると思う方が自然です。(iPod touchのAndroid版の高音質モデルとも言えますね。)
(SDカードスロットがが2基ありますので200GB×2枚の最大400GBになり、HD画質の動画でも相当数を常に携帯することが可能です。加えて、現在最高峰とは言えないものの、かなりハイスペックであるためアプリなどがストレス無くスムーズに動作します。※カメラやGPSはありません。)
★部屋にCDプレーヤーなどのディスクプレーヤーが無い方も増えてきていると思いますが、“LINEアウトモード”が搭載されており(リファレンスのCDプレーヤーにはさすがに及ばないものの)、オーディオ用のプレーヤーの代用品にも(それなりにですが)なると思います。
(もちろん、CDは一度DAPに取り込んで…ということです。)

…これらを踏まえて。
☆色々なジャンルを均等に聴く方、基本的音質が少しでも高い方がいい方はONKYOの方をお勧めします。(バランスヘッドフォンに対応しています。※バランスヘッドフォンが=高音質ではありませんが…。)
☆アプリやゲームも楽しみたい方、メタルやロックがメインの方はPioneerの方をお勧めします。(ONKYOの方はスピーカーがありません。)

ただのDAP、ただのAndroid端末と思うと少々割高に感じますが、複合機であることを加味するとなかなかお値打ちの製品ではないかと思っております。

(デフォルトでDSPがオンだとは思わずに匙を投げかけましたが)ONKYO and Pioneerからの新製品、自信を持ってお勧めできるサウンドでした!

P.S.
DSPとかEQはデフォルトでオフにしてください…。^-^;

CEC TL5 (and CD5)

水曜日, 4月 22nd, 2015

今回は「そろそろ完全復活かな?」と思わせてくれそうなCECからのニューリリース機をレポートいたします。

【『CD5 – DAC = TL5』に非ず。】

先に述べておきますと昨年秋にCD5がリリースされておりましたが、(バタバタもあって)すっかりレポートをし忘れておりました…。(CECさんごめんなさい…。)
ですので、今回は2機種をセットでレポートさせていただきますが、見出しの通りの印象・結論となりましたので(セットで書く方が分かりやすく、伝わりやすく)結果オーライだったかな…と思っている次第です。

CDを回転させる部分に直接モーターを入れず、アナログレコード(プレーヤー)と同様にベルトを用いて回転させる『ベルトドライブCDプレーヤー』と言えば、世界的にも同社しか生産できないであろうCECの代名詞的製品です。
ダイレクトなモーター駆動とベルトドライブ、理論上では(CDから読み取るデータは回転のさせ方で変わることはないはずなので)同じ音が出るわけですが、その実はベルトドライブでしか得られないサウンドが確かに存在し、その傾向を好ましく感じられたユーザーにとっては他に代えられるものが無い存在であることは間違いがありません。

その傾向・特徴は「やはり(ダイレクト駆動に比べると)アナログチックな柔らかく濃い音」という傾向がとても際立ちます。
この傾向に関しては(前述で理論上では変わらないと述べていますが)モーターがCDの真下に無い分、モーターから発せられる磁力や電気的ノイズの影響ををDAC部分が受けにくい、(回転はより正確になるが)モーターの振動の影響が出やすいダイレクトに対してベルトドライブは振動の影響が(回り続けるDISCにも回路にも)出にくい…などなど「違いが生じてもおかしいとは思わない」要素は幾つか考えられると分析しています。
(ただ、そんな屁理屈をどうこう言うより、パッと聴いた時の同社のサウンドが「とにかくアナログチック」なのですから、難しいことは考えずに黒江は受け入れてしまっていますが。)

…と前置きが長くなりましたが、踏まえて2機種をレポートいたします。
(タイトルとは順序が逆で先にDAC内蔵のCD5、次にトランスポートのTL5です。)

■CEC [CD5]
●(今までの)「ザ・CECサウンド」といった印象のマイルドで濃密な、やはりアナログチックな印象を受けるサウンドとなっています。
●高S/Nで高解像度でクリアに広がり、抜けがいい…といった方向性では『なく』、聴き疲れのしない滑らかでスムーズな傾向であり、“音色”をしっかりと聴かせてくれるタイプの音作りになっています。
●…かと言って、S/N感や解像度に難があるといったことではなく、十分な透明感を確保しつつも情報量を最大限に引き上げたような印象を持ちます。
●暖色でウェットなテイストがありますが、ウェットと言っても「瑞々しく冷たい水っぽさではなく」、「ほんのり湿度・湿気を帯びた暖かい方のウェット感」を持っています。
○キレやスピード感には乏しく、やや鈍足の傾向ですが、丁寧な描き出しで音の実像感がぼやけるような「緩々のサウンド」ではありません。
○(特に高域の)ややレンジ感には欠ける印象で、「キーン」と言った突き抜けるような高音が「ピーン」と少し先丸になるなど、アナログっぽさの副作用が良くも悪くも少し感じられます。

■CEC [TL5]
●CD5のレポートに加えて“CEC”“ベルドライブ”のイメージを合わせれば、こちらもさぞ暖かくて柔らかめのサウンドが出るのであろう…と思っておりましたが、(見出しの通り)CD5からDACを抜いたものが=TL5ということではなさそうです。
●音色のある少し先丸なサウンド、スムースなサウンド、キツさや硬さのない印象はある程度のベルトドライブらしさ、アナログチックを踏襲していますが、TL5は高いS/N感からくるクリアさを併せ持っているサウンドになっています。
●CD5同様にウェット感もありますが、こちらは温い暖色のウェット感ではなく「瑞々しさの感じられるウェット感(かと言って冷たいわけではありません)」。
●キレやスピード感も「ある」とはお世辞にも言えないものの、「中速」程度のスピード感は出せており、緩さや鈍足さを感じるサウンドではありません。
●高いS/N感からの相乗効果か、レンジ感もあり、見通しや抜けの良さも「ある程度」あって上々で、低音がボンついたりモコモコするようなこともないのでポップス系などは歌・オケ共に相性が良くバランスの良いサウンドであると思いました。
○いずれにしても「非常に○○が高い」と言える要素は無く、悪く言えば「器用貧乏」「優等生タイプ」な傾向のプレーヤーとなっています。

…と、なかなか意外でもあり、興味深くもある印象となりました。
双方に通じることは「聴き疲れのするような硬質傾向ではないこと、温度感は異なるがウェット感があること、ハイスピード系ではないが情報量が高く、音の密度間が高い」といったことが挙げられます。
しかしながら、双方はまったく異なる傾向とも言える要素がありますので、一体型を検討するかトランスポートを検討するかの検討材料になれば幸いです。

個人的にはTL5の秀逸さには太鼓判です。(悪く言えば~の通り)突出したジャンルはありませんが、クラシック・ポップス・ロック・メタル(も「あー、これじゃ聴けない!(停止ボタン)とはならず」…とどんなジャンルでも聴けるのは何ものにも代え難いポイントだと思います。
(おそらく、ベルトドライブの利点を活かしつつも高いS/N感を両立したところに勝因があるのではないかと推察しています。)

なお、昨今の(小さな業界内ではありますが)PCオーディオブームで単体DACを所有されている方はかなりいらっしゃるかと推測します。
CDもそれなりに聴くし、それなりのプレーヤーが欲しいけど、DACの音には満足しているし(それなりの値段したし)、DACと同じくらいのCDプレーヤーを買うにはちょっと躊躇いがある…なんてことがある方にとってはTL5は非常にお勧めしやすい1台ではないかと思いました。(普通のCDしか再生できませんが。)

お値段や試聴等、気軽にお問い合わせください。

Pioneer BDP-LX88 vs BDP-LX58

火曜日, 12月 2nd, 2014

このところ(新製品ラッシュということもあって)Pioneer製品ばかりがエントリーされていますが、間もなくnorth star designやその他のレポートも予定しておりますので今しばらくはご容赦くださいますようお願い申し上げます。(Pioneerから袖の下を貰ってるとか、優遇してもらってる…などなど、お好きに言ってやってください!笑)

…ということで、表題のブルーレイディスクプレーヤーをレポートさせていただくのですが、当店(ザ・“ステレオ”屋ですし)“画もの”には大して詳しくありません。
…が、OPPOの登場からネットワークプレーヤーであったりUSBメモリーの再生などに対応してきたこともあり、多くの方から「(CDなどを聴く)音質面ではどうなの?」といったお問い合わせも少なくなありません。
そこで、かつて(DVDが普及してきた頃)の“ユニバーサルプレイヤー”と同じく、音にクローズアップしてチェックして(レポートして)みるといった試みをしてみましたので、少しでも参考になれば幸いと思います。
(画もののプレーヤーでCDを聴くユニバーサルプレーヤーの先駆もPioneerのDV-AX10/DV-S10Aであったような記憶があります。「今また正に」といったところですね。)

【さすがの風格を感じさせるBDP-LX88にCPでは絶対的なBDP-LX58の存在感。】

いつものように「vs形式」ではありますが、「vs」とは「絶対的な優劣を決める」という意ではないので予めご理解ください。

試聴は基本的にすべて「DIRECT(ダイレクト)」モード、CDとNASのファイル、USBメモリーのWAVファイルを中心に聴いています。
(※映像の絡んだ音質面は“一切検証していない”ので予めご容赦ください。)

■Pioneer [BDP-LX88]
●同時季に(同様に兄弟機で)リリースされたN-70AとN-50Aでも同様の差別化が図られていましたが、筐体の作り、特に側面と天板部が圧倒的に上質な仕上げとなっており、質感や剛性による音質面への配慮が感じられます。(重量感もグッとあがっています。)
●情報量・S/N感・解像度・レンジ感はやはりLX88の方が圧倒的です。
●音の傾向はやや大人しく、ウェット感だったり、マイルド感だったり、ソフト感だったりといった印象も「ほんのり」持ち合わせていますが、基本的にはニュートラル系のサウンドであると言って差し支えないと思います。
●逆に、アグレッシブ・マッシブ・ハイスピードといったワードの印象もなく、言い換えれば特段に得意・不得意がないとも言え、Classicやボーカルものから何でも無難にこなしそうなユーティリティなサウンド傾向となっています。
●黒江の超個人的な見解では「大体14万円程度のCDプレーヤー」と匹敵する感じではないかと思っております。(※初回投稿時より訂正しています。)

■Pioneer [BDP-LX58]
●(前述の通り、兄機には及びませんが)基本的な音質面で顕著に不満を感じる(明らかに低音質と感じる)ことはありませんが、分解能・S/N感・レンジ感はもう少し欲しいかな…という印象です。(専用のCDプレーヤーと比べるとどうしても…。)
●音色はやや明るめのキャラクターですがドライではなく、どちらかと言えば、ほんのりウェット感がある印象でした。
●スピードは上々で、ほぼほぼハイスピードの部類に入れて問題はないと思います。
●切れ切れのスピード感ではなく、鳴りっぷりの良い、アグレッシブなスピード感を持っており、(当店で言うところのいわゆる)TEAC・プライマー(I21以前)路線の音傾向となっています。
●低域はタイトで、バシッと締まっています。量感も「ドンッ」と出せるけどボワつかず、ピタッと制動できている印象でした。
●黒江の超個人的な見解では「大体6万円強程度のCDプレーヤー」と匹敵する感じではないかと思っております。

…と思ったことをザッと書き出してみましたが、音色面において『LX88は大人しくて、LX58はアグレッシブ』と一目で捉えてしまう程には個性の差は大きくなく、ニュートラルなポジションからLX88は少しエレガント寄り、LX58はアグレッシブ寄りといった感じです。
ご推察の通り、黒江的にはBDP-LX58の方が好みですし、(CDなどを聴く上での)CP面でもLX58に軍配が挙がる感じですが、絶対的な音質はBDP-LX88がなかなか優秀で(おそらく映像も同様に基本面で1枚上手なので)なかなか悩ましいところではないかと思います。

「CDや音楽ファイルはたまにでいい」という方はぜひご検討いただければと思います。

P.S.
今回のようにユニバーサルプレーヤー(もとい、今だとマルチメディアプレーヤーでしょうか)で使用する上での難点は「アプリやリモコンだけでは思いのままに操作ができない」という点が挙げられます。
特にNASのファイル(DLNA)やUSBメモリーの再生は「ディスプレイ(テレビ)」にコントロール画面を映さないといけません。
(ダイレクトモードで音質を向上させたいけど、ディスプレイはオンにしなくてはいけない…みたいな矛盾は無い方が嬉しいです。)

本体のボタンも明らかに足りていないものが多く、黒江自身の考えですが『こういった機器類は基本的にすべて本体で操作できること、その上でアプリやリモコンがあると便利であったり、より直感的に操作できる』…といった考えがあるので、その点ではちょっとガッカリしてしまうような造りとなっていました…。
(Pioneerさん、ユーザーインタフェースの基本を今一度見つめ直してもらいたいな…と切に願っております!)

Pioneer N-50 『導入編』

水曜日, 11月 19th, 2014

kuroe_sys_n50
今回はちょっと趣向の異なるレポートです。
…と言いますのも、わたくし黒江が(買うよ買うよと言いながら)ようやくN-50を購入し(セッティングを終え)たので自宅での使用感や雑感などなど、思ったこと・感じたことを書いてみようかな…という程度なので、いつもに増してライトに読んでいただけたらと思っております。(って、導入したのは半年も前なんですが…。^-^;)

■導入の動機
兼ねてからのレポートの通り(基本的な)音質の良さはもちろんのこと、この数年ではおそらくベスト1に近い黒江の好みのサウンド傾向であることが何よりも大きいのですが、その実は「AirPlay(に対応したプレーヤー)が欲しかった」というものすごい単純な動機です。(笑)
(以前のレポートでは『黒江的好み度:A(~A-)』になっていますね…。結構シビアに採点していたからだとは思うのですが、今なら『黒江的好み度:S(~A+)』で間違いないと思います!)
ちなみに、自宅のリファレンスシステムへの導入ではなくリビングのサブシステムへの導入となりますので、この点も誤解の無きよう先に触れておきます。

■到着~開梱
普段から(嫌ってくらい?)扱っていますので梱包状態などには特別なことは感じません…。(意外と重いよな…くらいかな。)まずは普通に自宅にホイッと持って帰りました。
開梱と言いますか、開封です。これもそんなに特別なことは感じませんでしたが、昨年に購入したPanasonicのBDレコーダー(日本製)が異常にきれいな包装状態(埃ひとつ見当たらないといいますか、人の手が一切加わっていない?かのような不純物の無さ)があまりにもすごかったので、(N-50は中●製)まあ、こんなものかな…という印象を持ったような記憶があります。(中●製にしてはきれいだった…という意味です!)

■設置~音出し
当初の予定は(面倒なので)前述の「Panasonic製BDレコーダー(ラックの中で一番薄い)に(BDレコーダーを上にして)積み重ね置きしよう」「うん、それが一番手数が少なくて楽だ!」…なんて思っていたのですが、あと数mm足りずに収まりません…。 しかも、次に楽な位置を選ぶと(PCとの距離が遠くなるので背面から取りまわす)愛用しているUSBケーブルが(audioquest [Carbon])1.5mでもちょっと足りないかも…という始末です。 仕方なく、最小限の移動を検討しますが、結局はアンプ以外のすべてのコンポーネントを移動する羽目に…。

…と、こうなってしまうと逆に火が点いてしまい、各種ケーブルの見直しもついでにしてしまおうと意を決します。(これが後ほど結果オーライになるとは…。)

そもそも、このN-50は一口に言えばネットワークプレーヤーなのですが、ネットワーク関連では(僕の購入動機である)AirPlayやインターネットラジオに(言わずもがな)WindowsやMacとのUSB接続とiPhone/iPadのDOCKケーブル接続、そしてデジタル入力と多彩な入力を持ち合わせており、その実態は『デジタル・マルチ・ステーション(・プレーヤー)』とでも名付けたいくらいの豊富な入力(ソース)が魅力であるとも捉えてきましたし、(BURRN!や各方面でも述べてきたとおり)みなさんにはそう紹介してきました。

そして、前述の通り、位置の変更も配線もやり直さなくてはいけない現状…。なら、『デジタル・マルチ・ステーション(・プレーヤー)』として、その入力端子もできるだけ使ってしまおう!…と思い立ったのです。

当初はAirPlay(これは音源と本体を無線で繋ぐので接続無し)と背面のUSB接続によるPC/MacのUSB DAC用途で十分としておりましたが、配置・配線を見直すついでにBDレコーダーから光デジタル(OPTICAL)も接続、さらに当初は100%予定の無かったCDプレーヤーからN-50への同軸デジタル(COAXIAL[S/PDIF])接続を試みます。

■音出し~設置完了
…で、繋いでテスト再生も終わったので、ラックを元に戻して設置完了です。…とはいかないし、させないのが(一応)プロです。(笑)
もう、ここまで来ると色々と聴き比べたり、検証しないことには気が済みません。なので、早速まずはUSB DACから聴き比べてみることにしました。

『NuForce μDAC2 vs N-50』…μDACは初代と2代目を所有しており(リビング用なので)今まではこれで十分といった感じでしたが、せっかくなので両者(3者)を聴き比べて、もっとも高音質・好みの総合点が高かったものを採用することにしました。
μDAC2はさすがに今までの普段使いとあって、(特にCP面を加味すれば)十分すぎるサウンドです。クリアでシャープ、切れがあって、ハイスピードなので別段に(サブシステムなら)不満はありません。
そして、N-50です。さすがにクリア(S/N)感は1ベール、2ベール剥いだような透明感で、よりすっきりとした音場が広がります。 情報量はN-50の方がしっかりとしていますが、それでいて切れもあるしハイスピードなのでμDAC2を少しアップグレードした傾向です。(μDAC2は少ーし粗く聴こえます。) でも、「これだけのためにμDAC2から買い変えることなないかな」…といった感じであり、最終的にはμDAC2も聴けるように接続を残しておきました。

『CDプレーヤー(の内蔵DAC) vs N-50同軸デジタル』…次にオマケで聴いたのがCDでのDAC使用です。 …が(!)、これが予想外の結果になりました。
一言で言えば「CDプレーヤー買い変えたかな?!」というくらいに、メチャメチャ音質が上がったのです。 まず、S/N感がもっとも顕著で段違いに向上し、そのクリアさから音の見通しが飛躍的に良くなります。
分解能、1音1音の切れ、輪郭と定位感と基本的にどこを切り取ってもCDプレーヤーの内蔵DAC(←そんなに悪くない音質です。ので当初はそのままにするつもりだったので。)より、N-50経由の方が良くなりました。(←好みになりました。) これは嬉しい誤算と言いますか、「(配線苦があったおかげで)接続してみて良かった」…なんて、ちょっとお恥ずかしいくらいの結果です。
(その後は1人でキャーキャー言いながら、数少ない(メインから浮いていた)RCAケーブルや電源ケーブルで何とかギリギリ間に合うように配線をし、ようやくラックを元に戻しました。…疲れました。笑)

…と言うことで、結果的に僕の自宅ではCDプレーヤー/BDレコーダー/USB DAC/AirPlay/インターネットラジオ/(今はiTunesからのDLNA)NAS使用が接続または聴ける状態となり、N-50が正に『デジタル・マルチ・ステーション(・プレーヤー)』として活躍することになりました。←※つまりは、アンプとN-50だけを繋いでおけば良いので、RCAケーブルの温存(バーター)にも一役買ってくれました。

長くなってしまいましたが、黒江自宅でのドタバタ導入記でした。(&乱文にて恐縮です!)とにかく、同軸デジタルが予想以上に高音質だったので、お持ちの方、これから購入の方はぜひチェックしてください!
そして、まもなくN-50AとN-70Aがリリースされますが、DACの関係で初代N-50の方が黒江の好み度は高そうかな…と予想していますし、(DSD再生が不要なら)何よりお値段が半分程度となりますので、N-50をご検討されている方は急いだ方が良さそうです!

P.S.
■オートパワーオフ設定
以前から「30分放置でスタンバイモードになってしまい、アプリでは復帰できない!」(リモコン(使ってないので電池も入れていない)か、本体の電源を完全にオンオフして再起動(2分程度)させるのが)不便すぎる!と嘆いていましたが、『オートパワーオフ設定』でこの機能をオフにすることができると最近知りました…。パイオニアさんごめんなさい!^-^;

LUXMAN D-06u

木曜日, 11月 6th, 2014

…からの、『ザ・ステレオ屋』的、本命CDプレーヤーを紹介いたします!

前回の「LUXMAN D-08u」レポートは“フリ”でした。(笑)
…と言うわけでは無いのですが、このレポートの伏線・布石であったことには間違いありません。ので、ぜひ1つ前のエントリーと併せ読みしてもらえますようお願い申し上げます。((高価すぎるから)読むなって言ったり、読めって言ったりすみません…。^-^;)

【奇跡か必然か、LUXMANから生み出されたピュア・ハイスピードサウンド。】

D-08uが『超ド級の高S/Nプレーヤー』であったことはご理解いただけたことと思います。
その(先行で発売された)D-08uの遺伝子を受け継ぎつつ、コストダウンを図ったとみられる同機種ですが、早速そのサウンドをレポートしてみたいと思います。

■LUXMAN [D-06u]
●D-08u程(の圧倒的)ではないですが、勝るとも劣らない非常にS/N感の高いサウンドであり、(スカした言い回しで恐縮ですが…)『静寂を切り裂く』ようなイメージです。研ぎ澄まされて洗練された出音が眼前にクリアに展開します。
●高域は分解能に優れ、シンバルの金属音(金属感)、ディストーションギターの粒子感にエッジ、シャープな擦れ具合とひりつくような刺激感のシャウトボーカルなどなど、ピークの音が丸められず、且つ繊細に描写されます。
●中域もしっかりとした情報量は保ちつつも色濃く、豊満にはならず、音の隙間や輪郭がしっかりと見えるような癖やお化粧の少ない(ほぼ皆無な)サウンドで、録音に忠実な印象です。
●低域はタイトで音像が乱れず、崩れずにゴリっとしたリジット感のある印象で、やや淡泊で無機質な傾向ではあるものの緩さや甘さの無いサウンドになっています。(量感はやや薄めで肉厚な傾向でもないため、バスドラのアタック音などはやや軽めに感じられます。)
●D-08uと同様に高域~低域のバランスも良好で、各帯域に突っ込みや遅れは感じられません。
●そして、極めつけは「シャープでハイスピード」であることです。“超”が付くほどではないにしろ、かなりのハイスピードであり、1音1音の透明感と相まって体(耳)を通り抜けていくような“抜け感”が最高に気持ちの良いサウンドとなっていると思います。
黒江的好み度:S

…と、LUXMANのサウンドに「ハイスピード」という言葉を使う日がやってくるとは思いませんでした…。
(NeoClassicoシリーズのCDプレーヤーはスピード感が高く、異質な存在ではありましたが…。D-06uと何か関係があるのかも?あとDA-100も傾向としては似ていましたね…。比較的安価な製品を通じてLUXMANさんが“若い方にとっての好みのサウンド”を理解したのかも!?)

そのハイスピードにD-08uの透明感や音の細かさ、繊細さ、スムースさを持ちつつも、より鮮明であり、D-08uには感じられなかった輪郭感を手に入れてしまっているのですからケチのつけようがありません。
(ちなみに、SACDはチェックしていませんがUSB接続でも近いサウンドは得られていますので(デジタル接続時の)、DAコンバーター使用でも有用な存在になることと思います。)

(試聴後に)2機種のスペックや資料を見比べてみましたが、その違いは微々たるもので、トランスポート(D-08uの方に「リジット」という言葉があるけど、D-06uの方がサウンドはリジット…^-^;)と、バランスアンプ回路の部分に少し差異があるだけのようでした。
…ですので、なぜこんなにもハイスピードなのかは分かりません。
あくまで憶測・推測にはなりますが、D-08uにはやはりと言いますか、ハイエンド機にふさわしくなるように“どんな音でも美しくなるおまじない”(お化粧)を少し施していて、D-06uでは(そのお化粧を施さずに)すっぴんに近い音が出ているのでは…?と考察しています。

なお、結果論ではありますが、D-06u/D-08uいずれにもTI社製PCM1792A(TIはTexas Instruments「テキサス・インスルメンツ」の略)のDACを採用しており(型番からすると吸収・合併したBurr-Brown系のようにも見えるのですが)、このTI社のDACは以前から僕が好みのサウンドになりやすいブランドでしたので、この辺りも大きな要因なのかも…と思っている次第です。

お値段がお値段ですので、「良くて当たり前」ですし「どれだけ良くても手が出せない」という方も多いかと思いますが、D-08uと同様に「最後の1台」として(少しがんばってでも)(当店をご贔屓の方は)手に入れておいて損はしないと思っています。

(黒江自身がびっくりしているので)繰り返しになりますが、LUXMANを激推しする日がやってくるとは思ってもみませんでした。…が、上記の通りですのでロック・メタルファンには(ご予算が許す方でしたら)ぜひ一聴していただきたい1台となりました。
とにもかくにも、まずは試聴をしていただけますと幸いです!

お値段や試聴等、気軽にお問い合わせください。

LUXMAN D-08u

水曜日, 10月 22nd, 2014

(my-musicstyleなどに追われていたので)少し遅めのレポートとなってしまいましたが、たまには(超)高級機の製品をレポートしたいと思います。
(…と言いますか、書かずにはいられないという感じの1台だったので書かせてください!→当blogの中心読者層のみなさまには恐縮です…。どうか読み飛ばしてください。^-^;)

【Softで、Silkyで、これ以上のない上質・上品なサウンド。】

見出しの通り、いわゆる黒江が好むハイスピード・アグレッシブ系のサウンドではありません。
…ので、おそらくはメタル・ロックにはあまり向いてないのではないかと思います。(先に結論だけ述べておけば「黒江的好み度:C+」くらいですので。)
ただし、もう1人の、歌もの(バラード)やアコースティックなどを強烈に聴きたくなる瞬間の黒江であれば間違いなく「黒江的好み度:S」を付けているくらい僕にとっては素敵なサウンドでありました。

いつものように所感・雑感を挙げてみたいと思います。
■LUXMAN [D-08u]
●まず、何よりも特筆したいのが「これ以上を聴いたことがないかも…?という程のS/N感の高さ」です。何もない空間にスッと、1点の曇りも、粗さも、濁りも、滲みも無い音が現れてはまたスッと消えて(溶けて)ゆきます。
●次に、無理やり感の無い自然に広がる音場感です。「(個人的には)音場が必要以上に広いことは良いことでない」と思っているのですが、(当店の防音室でも)広大過ぎない程度に留まっており、奥行きや上下左右の広がり方が自然です。何よりも音場の解像度がまた抜群に高く、細かな音の位置、強弱や余韻なども非常にハイレベルに再現されていると思います。
●また、(黒江的には通常は大嫌いな)CD再生時のアップサンプリングも秀逸で、無理やり写真を大判に引き延ばしたようなピンボケ感が皆無であり、前述のように「やり過ぎ感のない」絶妙なアップサンプリングとなっている印象なので不自然さがありません。
●高域~低域のバランスも良好で、低音のボンつきやモタつきもありません。もちろん、高域が(中低域より先に)走ってくるということもなく、フラットできれいなサウンドステージを描きだします。
●1音1音のエッジ感は鋭さが無く、シャープなフォーカスという傾向ではありません。…が、“輪郭の無い音”ということではなく、輪郭がスムース過ぎるので(輪郭感を)感じられないという表現の方が正しいのではないかと思います。(Retinaディスプレイのフォントのようなスムースさという意味も含め、)まるでRetinaディスプレイを眺めているようなきれいさです。(すでに4K・5Kって言った方が良さそうですけどね…。)
●なお、音の質感・温度感は「ほんのりウェットで、わずかに冷んやり傾向」といった印象で、例えば「ポーン」というピアノの音色が「ポローン」と暖色だったり甘くなるような傾向はありません。
●サウンドは前に張り出して来たり、飛んでくるタイプではなく、やや大人しい鳴り方をしますのでロックやジャズ、フルオケなどでも「ガーンッ」といった迫力を求められる方であれば他の選択肢もあり得るかと思います。(にしても、このS/N感・圧倒的な透明感にやられてしまうかもしれませんが…。)

…と、「ハイスピード・アグレッシブ・シャープ・ドライブ」などのワードとは縁遠いとは思いますが、それ以外に於いてはパーフェクトなんじゃないかな…と感じましたし、考察しております。
(前述のように)迫力を出してくるタイプではないですが、(その圧倒的なS/N感にもフォローされ)微弱音からトップ(ゲイン)の音までのダイナミックレンジ(の表現)も豊かなので、決して軟らかく、優しくなだめてくるサウンドということではなく、癖も強くないので(強くないかも…といったジャンルにも)幅広いジャンルを上質に聴かせてくれると思います。

試聴は主にCD(44.1kHz/16bit)で行っておりますが、USB接続やSACDもCDと同様の傾向・音質であり、隙はありませんでした。
(残念だし、さみしいことではあるのですが、)「もうCDはあまり買わないかな」「今後はハイレゾ主体にしようかな」といった方も多くいらっしゃると思いますが、これまでのライブラリーを考えて「決定的な最後の1台となるCDプレーヤー」を探されている方も少なくないのではと思っておりますが、そんな多くの方の(長く使えれば)“最後の1台”となれる逸材ではないかと感じましたので、当店は自信を持ってお勧めさせていただきたいと思います。

お値段や試聴等、気軽にお問い合わせください。

CEC CD3N

木曜日, 10月 10th, 2013

しばらく新製品のリリースが途絶えていた国内のオーディオ専門メーカー「CEC」より、待望のニューリリースが登場いたしました。
満を持して(?)登場したのは、同社が「唯一無二」を誇るベルトドライブCDプレーヤーということで、色々と期待しつつ試聴させていただきました。
その思いや感想を早速レポートしたいと思います。

【ベルトドライブらしさは少し奥の方へ…。】

いつもの如く、分かったような分からないような見出しから考えさせていただきましたが、(なーんとなく)こんな印象を持ったインプレッションとなりました。

(これまたいつもの通り、)まずは箇条していきたいと思いますが、以前のベルトドライブ機(の記憶)と当店が基準機にしているAura neoとの比較を基調としていますので予めご了承ください。
なお、まず先に申しておきますと「黒江的にはいわゆる“好みのサウンド傾向”ではない」ので、ハイスピードやソリッド傾向を求められている方には参考にならないと思われます。
しかしながら、黒江的に「CDプレーヤーとしてのクオリティは太鼓判!」と音質面ではかなりの高評価であることも先に述べさせていただきます。

■CEC [CD3N]
●基本的なS/N感・解像度・レンジ感などなど、オーディオの基本的な音質面は十分であり、同価格帯の中ではCPが高い分類であると思われます。
●以前のベルトドライブCDプレーヤーは音の線が太めで、タッチはマイルド、暖色系、…といったイメージでしたが、本機は音の線は普通~ごくわずかに細め、タッチはサラッとしていて、温度感は中庸~ごくわずかに寒色系…と、「逆」とは言いませんが、かなり中庸路線(ニュートラルで癖の少ない解像度系)に寄せてきています。
(黒江的に例えるなら旧モデルは「うどん」、新モデルは「パスタ」って感じです。旧モデルの方がどっしり、モチッとしていて、温もりのある感じ、新モデルはさっぱり、ツルっとしている感じに思いました。)
●各帯域は超高級機のような広大なレンジ感ではありませんが、過不足のないレンジ感であり、高域が出しゃばることもなく、低域が暴走することもなく、極めてバランスの良い帯域バランスが好印象です。
●1音1音の粒は細かく繊細で、1粒1粒がとても丁寧に描き出されている印象を持ちました。
●パッと聴いた第一印象として「優しい音だな」と思った通り、きめの細かなサウンドながら押し付けてくる感じが無く、ソフトで落ち着いている傾向だと思います。
●ドライかウェットかで言えばウェット寄り、硬質・軟質で言えば中庸、キレやエッジはハッキリ明瞭ではありませんが、ぼんやりぼやけることもなくスムースな輪郭です。
○悪く言えば「ちょっと遠くで鳴っている」「音場感・音像感・1音1音すべてが少し薄い」といった表現にもなりますが、こういった傾向を好まれる方には決して短所にならない音質であると思います。
○また、時にはこれがウィークポイントになるのではないかと思いますが、少なくとも鈍足ではなく思いのほかにスピード感のあるサウンドです。総じて、旧モデルのように「もっとベルトドライブらしい音」(良い意味で鈍足で、滑らかで、濃厚な感じ)でも良かったのではないかと思いますが、癖のあるサウンドは好みの差を生み出しやすいのか、他のブランドの動きと同様にCECも少し「今風の解像度型サウンド」に舵を切ったようです。

なお、フィルター機能が搭載されており、オンオフすることで若干の音色変化を楽しむことが出来ますが、オン(青LEDが点灯)にすると全体の余韻が長くなりスーッと音場が流れるように消えてゆく印象で、これは正に以前のベルトドライブCDプレーヤーのテイストに近い余韻感になるので(試聴の際は)ぜひこの機能もお試しいただければと思います。(&僕の見解ではフィルターの特性と聴感の印象が異なるので確かめていただけた方が良いと思います。)

…といった感じでしたが、普段の黒江(※後述参照)なら「好きじゃない」と言って終わりそうなガシガシ来ないサウンドでもしばらく聴き入ってしまうくらいに完成度が高く、(久しぶりの新製品に)CECさんを再評価させていただきました。

SACDがかかるわけでもなく、USB DACとして使えるわけでもなく、今時とっても素朴な“純然たるCDプレーヤー”ではありますが、音質は間違いなくハイレベルとなっておりますのでご検討の1つに加えていただけると幸いです。

P.S.(※後述)
僕だって、「ぼやけたノロノロのマイルドサウンドは嫌だけど、いつもギンギンギャンギャンのソリッドサウンドで聴きたいわけじゃない…」のです。
そういう(曲の)時はこういったサウンドは本当に好きなので、『“裏”黒江的好み度はA以上』でもいいかも…と思いました。

Pioneer A-30 & PD-30

水曜日, 8月 29th, 2012

少し間が空きましたが、久しぶりにレポートを書きましたので更新いたします。
(宣言していた“アナログ系レポート”ではないので恐縮ですが…。)

【ビギナーにオススメしたい、ちょっと無骨な入門機!】

N-50のヒット(当店的には音的にフィット)で波に乗りそうなPioneerさんから(エントリークラスとはいえ)オーディオ機が立て続けに登場していますが、パイオニア関係者曰く「N-50の音決め(軟らかい傾向・シャープな傾向など、サウンドの傾向を決めること)を担当した者が今回のアンプやプレーヤーも音決めしています。」とのことなのでそこそこの期待を持ちつつの試聴となりましたが、感想は(見出しと下記のような)こんな感じになりました。

先に結論から申し上げると、以前にご紹介した
■[Aura vivid & vita]
http://www.digitalside.net/?p=667
と同様にセットで組み合わせて使用していただくことをお勧めします。

理由は「vivid & vita」の時と同様に帯域バランスなどが(上下セットで)程よくなるためなのですが、以下にそれぞれの特徴を挙げていきたいと思います。

■A-30 (アンプ)
●全体的にやや抜けが悪く、低域がやや強め(盛りめ)なので少しゴワッとした印象を持ちます。
●いわゆるパワー系であり、音の噴き出しは良好でドライブ感の高いパワフルな感じの(逆に言えばキレキレの、シャープ系なハイスピードではない)“やや”ハイスピードサウンドといったところです。
●1音1音はタイトで低音も輪郭はまずまずの明瞭さを持っていますが、(価格的に仕方のないことですが)総じてS/N感の不足や全体的にヴェール感や混濁感を少し感じ、これが「ゴワッとした印象」などにも繋がっているようです。
●全体的に音場の見通しが悪く、お世辞にも“スッキリとしたクリアなサウンド”とは言えないという印象です。
●ダイレクトモード(左右のバランスやイコライザーをバイパスする機能)は必須で、よほどの理由がない限りはダイレクトモードをオンにして使用していただければと思います。

■PD-30 (CDプレーヤー)
●S/N感はまずまずであり、価格を考慮すると大健闘しているレベルだと思います。
●アンプとは対極的にこちらはクリア系でありますが、慎重に丁寧にサウンドを精錬しているせいか、スピードが遅めであることが「すごく惜しい」といった印象です。
●加えて、こちらは低音が薄く、黒江的にはギリギリ我慢できるか?というくらい明らかにベースやバスが引っ込んでしまう傾向にあります。
●ちょっと気になったのは高域に歪み?破綻?と思わせるような“音割れ”を感じることです。かなりの高音域まで出せるような女性ボーカルや金物系、ピアノなどの高音域(の中でも更に高音部)がクリーンに鳴る場面などでは気になることがあるかもしれません。
●(今話題の?)DSD再生は(サンプルにお借りしたデモ曲が)分析できるジャンルのものでもなく、元々録音の良さそうな曲ばかりの収録でしたので今一つ説得力に欠けると思いますが「SACDとCDを比べた時の感じに近くて、余韻や微弱音の再現性が高く、S/N感と実像感が高い」といった印象を持ちました。

…と、黒江的には『かなり評価は高い』のですが、少し気になる点もちらりほらりと見え隠れする結果となりました。
…が、それでも価格的には『十分に満足できるサウンド』であると思えたのでレポートを書かせていただこうと思った次第です。
それぞれ実売が4万円前後ですので、はじめてのオーディオ入門にぜひご検討ください。

P.S.
ちなみに、見出しの「ちょっと無骨な」の意味ですが…デザインと言いますか、その風体のことです。
(特にビギナーの方には「ちょっと大きすぎるかなぁ…」と思ったり、思わなかったり。)
Pioneerさん、もうちょっとスタイリッシュでスリムなものも出してください!(笑)

Aura vivid & vita

火曜日, 1月 24th, 2012

2012年の1発目は新しいの年のはじまりらしく、タイトルの通りAuraの新製品[Newcomer]からです!

【比翼連理】

こんな四字熟語をご存じでしょうか。

※参考:Wikipedia
語源は中国の漢詩、長恨歌(ちょうごんか)という古い長編の漢詩に登場する一節のようで、原文は『在天願作比翼鳥 在地願爲連理枝』となります。
『天にあっては願わくは比翼の鳥となり、地にあっては願わくは連理の枝となりましょう』…という訳になるそうですが、要は『2つで一対とか、片時も離れずとか、(そのことからも)主に夫婦が仲睦まじい(または「そうなりましょうね)』という意味です。

これを「天にあっては比翼の鳥のように」「地にあっては連理の枝のように」のように短文とし、「比翼の鳥・連理の枝」と簡略されたものを更に略して『比翼連理』となったそうです。
(ちなみに「比翼の鳥」は雌雄が左右それぞれ一翼ずつの鳥で、“雌雄一対”でしか飛ぶことができない鳥です。)

…ということで、もうお分かりいただけた気がしますが(笑)、このvividとvitaは黒江にしては“かなり珍しく”「セットでの購入を強く推奨したいモデル」となりました。
(逆に言えば、単体での購入はちょっとオススメしたくないかもです。)

いつものようにサウンドの傾向をレポートしていきます。
(比較対象はいつもの通り、[Aura neo & TEAC AG-H600]のザ・ステレオ屋リファレンスです。)
なお、まずは[Aura vivid & vita]をセットで組み合わせた際のサウンドについてです。

■[Aura vivid & vita]
●さすがに[neo & AG-H600]にはわずかに劣るものの、上々なハイスピードサウンドです。
●音にキレがあり、シンバルやディストーションの粒立ちもきめ細かく、アタック音も鮮明で明瞭なサウンドです。
●[neo]のようなクールさはさほど感じられず、[neo]よりもやや熱っぽさのある(アグレッシブな)サウンドです。もちろん、暖色・ウォームといった言葉には無縁でそれでもクール系の部類であると思います。
(特にシャウト[ボーカル]はかなり激熱な感じであり、ここ数年の中ではベストかも知れません。)
●[neo & AG-H600]と比べるとややS/N感や解像度が落ちます。(ただし、価格的には申し分ないです。)
●奥行感や上下の高さ、左右の広がりなど、広大なサウンドステージを描く傾向ではありません。
●(矛盾したことを書きますが、)「アグレッシブでありつつもクール」であったり、「やや粗っぽさが感じられるけど繊細」といった両面性を持っている印象があります。(考察は後述いたします。)

…ということで、強いて言えば“クリアネスと(音の)抜け”があと少し欲しい気がしますが、それが備わってしまうと「驚異のCPです!」なんて書かなくてはいけないかもしれないので、価格的には十分(以上)な資質であると思います。

その上でCDプレーヤー[vivid]とアンプ[vita]をそれぞれ単体で聴いたケースのサウンドをレポートいたしますと…

■[Aura vivid]
●かなりのハイスピードです。[neo]にも引けを取りません。
●低域が非常に薄いです。低音フェチではない黒江が「低音が全然出てない…」と、こぼすほどです。
●主に高域の輝度が高く、やや艶掛かっています。
●全体的に音の薄い傾向です。音の芯が目立ち、厚みの無い薄っぺらいサウンドとも言えそうです。
●S/N感はとても高い印象です。

■[Aura vita]
●全体的に重々しく、やや抜けの悪い、やや鈍足気味のサウンドです。
●低域過多の印象で、エッジがしっかりしていないのでタイトさに欠け、且つ解像度も決して高くはないのに量感が多いので余計に目立ちます。
●全体的にどっしりとしたサウンドです。“濃厚”とは言いませんが、シャープなサウンドでないのは確かです。
●情報量の豊富な傾向で、(スペック上の数値面ではなく)ドライブ感・駆動力の高いアンプだと思います。

…と、以上が言葉を選ばすに書きだした雑感です。

更に言葉を選ばずに端的に表現すると『低域の無いシャラシャラしたサウンドのvivid』『高域の無いドワドワしたサウンドのvita』とでも言ってしまおうかと思います。
…が!僕が思うにこの2機種は最初から一対・つがいで使うことを前提に音決め・音作りをされているのではないでしょうか。
そのくらい、(各機の個々のレポートをご覧いただければ分かる通り、)[vivid]と[vita]を組み合わせて聴くことで凸と凹が上手くピッタリと合わさり、絶妙なバランスのサウンドになっているのです。
(組み合わせた時に感じる“矛盾した印象が成立してしまう”のはこれらの対極的な個性が上手く「いいとこ取り」されているからではないかと。)

確かに、[neo]のつがいである[groove]も、[neo]がクール系ならややウォームより、[neo]がキレのあるスピード系ならパワーのあるドライブ系でした。
(※[groove]よりも、もっと暖色でマイルドなものが多いので黒江は[groove]を決して“ウォーム系”とは位置づけておりません。)
このことからもAuraのCDプレーヤーとアンプに対する音の作り方には共通しているものがあると思います。
([neo]や[groove]はそれぞれ単体でも成立するサウンドでしたが、このシリーズは互いに少し個性が強すぎかな?と思っております。)

なので、【比翼連理】です。一生忘れることができないであろう2011年の漢字一文字“絆”です。
デザインの統一感も取れますし、ぜひセットでご検討していただきたいと思います。

P.S.
[vivid]はUSB端子がないのが残念でした。
それにしても、同メーカー同士での聴き比べでも[neo]の良さを再確認してしまいます。
USB端子やCDプレーヤーだけの購入の際はぜひ[neo]にもご指名ください!

tangent EXEO AMP and EXEO CDP

火曜日, 11月 30th, 2010

PCオーディオ/ネットワークオーディオプレーヤーに突入する前に、今年最後かも?のアンプとCDプレーヤーのレポートをお届けします。

【tangentらしからぬ、暴力的なドライブ感!】

そろそろお馴染みとなりつつある、ヨーロッパ(EU)の“tangent”から新たなプロダクト、「EXEO(イグジオ)シリーズ」が誕生しました。

tangentと言えば、(僕が監修を務めさせていただいたビギナー向けのオーディオ誌「my-musicstyle」で平原綾香さんに抱っこしてもらった、もとい、僕が手渡した!笑)カラフルなスピーカー『EVO』を代表にHiFi50シリーズの『CDP-50/AMP-50』、HiFi200シリーズの『CDP-200(-EU)/AMP-200(-EU)』などなど、その殆どが「中庸(ニュートラル)な音作り」といった印象でした。

このEXEOも輸入元などから「いわゆるtangentらしいサウンドですよ。」と言われていたので、そんなに期待もせずに試聴してみるのでした。(tangentさん、スミマセン。)

…………が!次の瞬間に出た言葉は「これがtangent(の音)?!」なんですかコレ?全然tangentらしくないじゃないですか!

いつものように書いていきますと…

EXEO AMP
●聴いてすぐに頭に思い浮かんだのは「ドライブ感」という言葉なくらい、グイグイ押し出してくる感じです。(クラス下のPRIMAREみたいな印象。)
●ちょっと雑なんですけど、スピード感もかなり高いです。(軽快とか、シャープな、切れ切れの…という感じではなく、「パンッと張り出すような」元気いっぱいではつらつとしたスピード感。)
●サウンドのカラーレーションはやや赤や黄色を連想させる明るめ。
●その割には高域はちょっと抑え目。(レンジ感として、高域が伸びきっていない。)
●低域は欲張らずに浅めで(価格的にも)無理していないところが好印象です。(タイトに上手く処理されている感じ。)
●奥行き感はありませんが、その分音が前に来るパワー感が高いです。
●音場(サウンドステージ)のS/Nは良好ですが、1音1音のS/N感は今一つで全体的に粗っぽく(荒っぽく)聴こえます。

EXEO COP
●基本的な印象はEXEO AMPと共通していますが、こちらは(価格差ほぼ10倍ですが、音の雰囲気は)「DENSEN BEAT B-400 PLUS」を彷彿とさせるキレのあるハイスピードサウンドです。
●やはり(価格的には仕方がないですが)音にまとまりがなく、四方八方に飛散してしまい、定位感もやや悪いのでちょっと粗雑な感じがします。
●S/N感はアンプよりも良い感じです。

…と、要は「いつもの通り価格を超越するサウンドではないけれど、アグレッシブでハイスピードなサウンドを好まれる方には最近で1番お勧めできるセット」だと思われます。

最後に…何だか、言いたくて言いたくてウズウズしている言葉があるので(これだけ書いたんですが)もっと端的に言わせてください。
「Children of Bodom」を最高のサウンドで聴きたい人(ヤツ)EXEOシステムで聴け!と。(笑)

AMP単体でもよし、CDP単体でもよしなんですが、久しぶりにセット(システム)でお勧めできる感じです。
お値段も「初オーディオ」に持ってこいの価格帯なのでぜひ買ってやってください!

P.S.
このEXEOの印象が他の方と違うのは「(たぶん)聴いているソースが違うから」なので、お気になさらずに!
(※MIDレンジ(中域)がしっかりしている点では、いつものtangentと同様でしたしね。)