Archive for the ‘レポート:スピーカー’ Category

ECLIPSE TD508MK4

金曜日, 12月 20th, 2024

ニューリファレンス(スピーカー)レポート第3弾はECLIPSE TD508MK4を紹介させて頂きます。

【ECLIPSE史上最速、遂に現れたハイスピード卵スピーカー。】

「卵型のスピーカー」と言えば「あれかな」と想像できるかたも多いかもしれません、旧FUJITSU TENからDENSO TENに移籍した「ECLIPSE」は移籍後しばらく(スピーカーメーカーなので文字通り)鳴りを潜め、(途中2021年3月に最少モデルのTD307MK3がリリースされているだけで)新製品の影すら見えない状況が続いていましたが2024年1月、遂に再始動しました。(どこかで聞いたような…。笑)
そんなリブートモデルが今回取り上げるTD508MK4なのですが、黒江的にはこれまでのECLIPSE全モデルに於いて、圧倒的に好印象(勝手ながら高評価)とさせていただきたいモデルとなりました。

レポートの前に「あえて」書き出しておきますが、(ECLIPSEさんにはごめんなさいですが)同メーカーは兼ねてから「正確な位相(周波数特性)」や「立ち上がり」「ハイスピード」を謳い、キャッチコピーの筆頭にも挙げ続けていた印象がありますが、正直なところ旧モデルには(言うほどのスピード感を感じられなかったり、シングルゆえのレンジの狭さだったり、キレがいまひとつだったり…と)黒江的にはあまり満足していなかったのが正直なところです。(※あくまでも黒江個人的にはです。総じて良いモニターであります。)
そういった意味も含め”遂に”といった進化を遂げた卵型のサウンドは感激の一言に尽き、今後しばらくは熱烈に応援させていただきたく思っております。

■ECLIPSE [TD508MK4]
●聴いてすぐに感嘆してしまうほどに旧モデルと比べても圧倒的なスピード感が印象的です。そのフォルムから「卵型」という表現・描写がノーマルかとは思われますが、ハイスピードで一直線に飛んでくるサウンドはもはや「弾丸」バレットサウンドと表してもよさそうです。
●(ユニットが1機のみの、1way・シングルコーンの宿命でもあり)以前はややレンジ感に限界を感じておりました(低音が出づらい、低音を稼ぐと高音が伸びないなど)が、TD508MK4は無理した様子もなくあっけらかんと高低に周波数が広がっていて、シングルコーンであることを(あまり)感じさせません。
●元々のウリでもあった「位相」や「立ち上がり」も非常に良く、1音1音が鋭敏・鮮明に立ち上がります。キレも良く、澱みのないクリアなサウンドが爽快に突き抜けるような体感を覚えます。
●(前回のREVIVAL AUDIO SPRINT 3はドライ気味の音色傾向でしたが)音色傾向はやや硬質・やや寒色・少しウェットさがあります。固くて、冷たくて、水気があるとなると「氷」を連想しがちですが、そこまで極端な表情は無く、強いて言えば「淡々とクールに鳴っている」といったイメージで音源・ソースに忠実な自然体サウンドが基調となります。
○音圧で押してくるようなサウンド傾向ではないため、アグレッシヴさはあまり出せません。前述に「淡々」とあるように全体的に落ち着きがあり、ダイナミックさを得意とする傾向にはありません。
○(こちらもユニットが1機の)シングルコーンゆえの特徴ですが、音場特性はやや狭く、スケール感のある傾向ではありません。加えて、良くも悪くも(長すぎると無駄に、短いと淡白に感じられる)余韻を出してくる傾向ではないため広大なサウンドステージは不得意分野(かな)と考察しております。
○上記にも関連していますが、指向性が強めのためセッティングがシビアでリスニングポイントが限定されます。(&音のスイートスポットが小さいので、やや箱庭的なサウンドになりやすいです。)
黒江的好み度:S-

…と、弱点と感じられる点はいずれもシングルゆえの仕方無し、止む無しなことであるのでこれらを除けばかなり”完璧”なサウンドに近い印象を受けました。

とにかく一聴した時の驚きは強く「何をどうしたらここまで一気に改善されるんだ?」といった感想が残ったのを覚えています。
このレポートを書くにあたり(いつものことですが)はじめてオフィシャルページを見に行ったのですが、「見ておいて正解」なるほど、と合点がいきました。
ここではザッとだけ触れておきますが、まず筐体(卵型のボディ部・エンクロージャー)の容積を増やしたことでレンジ感(帯域)をアップ(音の籠りも改善?)されているようで、ユニットも(ほぼフルモデルチェンジ?)不要残響低減や制動性がアップしているようです。
(レンジ感は当然のことですが、不要残響低減は前述の「無駄な余韻」・制動性は「立ち上がりやキレ」と結びつくので分析・印象と合致していました。)

詳細はオフィシャルページにて
https://www.eclipse-td.com/products/td508mk4/index.html

(個人的な感想ですが)「最強目玉おやじ」ことECLIPSE TD508MK4すっかり欲しくなってしまっております。
なお、こちらも先日のREVIVAL AUDIO SPRINT 3同様にオリジナルチューニングを検討中ですので、お買い求めはぜひ当店(ザ・ステレオ屋)にてお願いいたします。(購入後のチューニングは当店からの購入者限定となります。)

REVIVAL AUDIO SPRINT 3

木曜日, 12月 19th, 2024

今回は(先日のニューリファレンスで挙げた)REVIVAL AUDIO [SPRINT 3]をレポートさせて頂きます。

【アグレッシヴ&ハイスピード、そして秘めたるポテンシャル。】

既報の通り、新たなリファレンススピーカーは3機種となったのですが、同時期に2機種・3機種がリファレンスとなることはそこまで珍しくはありません。
(つい数年前まではVienna acoustics・ATC・PMCが3機種揃い踏みしておりましたし、過去にはKlipsch・DALI・その他などの時期もありました。)

ただ、(前回も述べたように)昨今の情勢を鑑みると世の中的にもオーディオ業界的にも、これまでとは明らかに状況が異なり以前のように矢継ぎ早に新製品が出てくるような勢いもなく、発売される新製品は高騰を繰り返す一方となってしまい、これまで以上に「買いやすさ」からは遠ざかってゆくばかりでした。

そんな中で新たなシーズンを迎えたわけですが、もちろん当店らしく(良いと分かっていても高価格過ぎるものは避け)できるだけ価格を抑えたラインナップを意識してセレクトさせていただいておりますのでビギナー(から少しランクアップをしたい)の方から幅広い方の参考になれば幸いです。

前置きが長くなりましたが、今回のREVIVAL AUDIO SPRINT 3は今シーズンの中に於いても黒江のファーストチョイスとなっているスピーカーです。

■REVIVAL AUDIO [SPRINT 3]
●一聴して分かるアグレッシヴ系のサウンドはユニットの前方(リスナー)に向かって開放的に飛び込んでくる(放たれる)印象が強く、惑いの無い疾走感に潔さを感じます。
●前述に「疾走感」とあるようにスピード感も高く、アグレッシヴとハイスピードの間の子(ややアグレッシヴ寄り)と言えるポジションにあります。
●良くも悪くも癖っぽさを感じさせず、アンプから送られてきた信号(サウンド)をそのままに発声するようなストレートな素直さ、シンプル(イズ ベスト)さがウリと言いたくなるほど嫌な抵抗(反抗)のない鳴りっぷりの良さがポイントです。
●サウンド傾向はやや硬質寄りですが、キンキンとした硬質感は無く、硬すぎない傾向にあります。逆にウェット感はほぼ感じられず、ややドライな傾向に位置していると思われます。
○そのため、シャープさやキレはHAYDN並みとはならず(そもそもHAYDNは価格が1.5倍ですので比べるのがかわいそうですが…)、ディストーションの歪みの粒子感などでは一歩及ばずといったところです。
●代わりにベースやバスドラのアタック感・躍動感はHAYDNよりもご機嫌な鳴り方となり、中低域に魅力を感じる方は少なくないように思います。
○鳴りっぷりの良さの反面(オフトレード)でやや粗っぽい(荒っぽい)傾向にあり1音1音が前方に向かってくる(飛んでくる)分、奥行き側の音場は薄くなります。
○総じて分かる通りですが、繊細さ、分解能を武器にシャープでクリアな鳴りを得意とする傾向ではありませんが、前述の通り(上流からの流れ次第で素直に鳴ってくれる)レスポンスの良いサウンド傾向となるため「伸び代」の扱い次第では「もうひと化けしそう」ではないかと考察しております。
黒江的好み度:S- (~S)

…ということで久しぶりに鳴らしがい(馴らしがい・慣らしがい)のあるスピーカーに出会った気がしています。
シャープさとスピードは上流からの流れでブラッシュアップ出来そうと考え、上流の電源・ケーブルの吟味などを進めておりますが、その一方ではスピーカー自体に(改造レベルでは無い)何か手を加えられないかと模索中です。
(※もう少し全体的に粒立ちを上げてバタつきを抑える、良い意味で落ち着かせるだけでも飛躍的に向上しそうという考察です。)

(何か手立てを見つけた際は)当店でお求めの方には後にアップデート施工(またはパーツ供給など)をサービスさせていただきますので、(当レポートを参考にされた際は)ぜひ当店「ザ・ステレオ屋」でお求めください。

New Reference. そして再始動します。

金曜日, 12月 6th, 2024

概要は表題の通りですが、ようやくの再始動・再起動となります。

色々とありすぎて一言ではなかなか表すことができそうにないのですが、大きかったのはVienna acoustics [HAYDN GRAND Symphony Edition]の終息、そしてリニューアルされた新型HAYDN(SE Signature)が(構造の変化も伴い)これまでのサウンドからはかけ離れてしまったことでリファレンスとなるスピーカーを失ったことが挙げられます。

折しも世の中はコロナ禍を経て、戦争・円安・物価高・不況(業種間格差)・国政の変化や不安定化などなどと、先の見通しがつかず、当業界も不安定さが目立つ情勢が続いておりました。
そんな事情もあって元々あった製品(とその後継機種)は次々と値上がりし、または前述のように元来のサウンドから遠ざかってしまうプロダクトが多く、新しいスピーカー探しは思いのほかに大変なものとなりました。

…ということで、今回は機種名だけのお披露目となりますが、今後は以前のようにブログ(テキスト)や動画でレポート・紹介をさせて頂きますのでご参照よろしくお願いいたします。

ザ・ステレオ屋 New Reference.

SPEAKER :
REVIVAL AUDIO [SPRINT 3]
KEF [LS50 Meta]
ECLIPSE [TD508MK4]

AMPLIFIRE :
Nmode [X-PW1 MKIII]

D/A Converter :
MYTEK [LIBERTY DAC II]

SYSTEM AUDIO :
TRANSPARENT SOUND [TRANSPARENT SPEAKER]
TRANSPARENT SOUND [SMALL TRANSPARENT SPEAKER]
TRANSPARENT SOUND [Light Speaker]

TURNTABLE :
TRANSPARENT [TRANSPARENT TURNTABLE]

& Other…

とりあえずのザっとリストですが、当店のリファレンスと現行品でおすすめしているアイテムの一部です。
様々聴き比べた結果、スピーカーは3者3様の良さがあるということで3ラインナップとなりました。

少しずつレポートを進めますのでまたご覧いただけると幸いです。

Vienna acoustics HAYDN GRAND Symphony Edition Signature

水曜日, 12月 21st, 2022

今回はVienna acousticsからの新製品をレポートさせていただきます。

【Haydn(ハイドン)らしさは感じさせるも、もはや異なるモデルに変化。ネーミングはHandel(ヘンデル)とかでよかったような…。】

まずはじめに前モデルまでのHAYDNが長らく当店のリファレンスモニターであったので、今回のリニューアルに際しては「大きな期待が半分」「なんとも言えない不安が半分」といったところでした。
不安の一端を担ったのがリニューアルの速報で知った「バスレフポートの移動」であり、従来まではツイーターユニットの両サイドにポートが設けられ(エンクロージャー内の不要な残留・残響を排除して)いたことに対して、新作は一般的な背面からのバスレフポートに変更された点が挙げられます。
(※背面ポートは文字通り背後に音が抜けてしまうので(特に)当店のようなニアフィールド(小さな部屋での音出し)環境にはフィットしづらい可能性が上がります。)

そんな期待と不安を交じらせながらの初試聴となりましたが、新たなHaydnの辿り着いた先は…。

■Vienna acoustics [HAYDN SE Signature]
●まず一聴してすぐに感じられるのが、これまでののHaydnと比べると音の濃密さが向上した印象です。濃密と言っても重々しい感じではなく、いわゆる情報量が上がったような変化であり、従来と比べると落ち着いたサウンドになっています。
●帯域のレンジ感はより広くなっているように思いますが、やや重心が低音寄りにシフトしています。
●S/N感も良好で雑味のないサウンド傾向であることに変わりはありません。
●音の広がりは以前よりも向上しており、音場の解像度・解像感が高くなっていますが、サウンドステージの描き方は以前とまったく異なる様相となっています。
●具体的には(以前のHAYDNも前に前にガシガシ来るタイプでは決してありませんが)、1音1音が鋭く前に切り込んでくる傾向にはなく、ふわっと上下左右とスピーカー後方に広がるような傾向です。
●これらの影響もあって、スピード感・音の切れ・分解能は以前のHAYDNの方がより鋭敏に感じられ、Signatureモデルは旧HAYDNをやや穏やかに、落ち着かせたようなサウンドに変化しているように感じられます。
○やはりバスレフポートの影響か、全体的に(黒江としてはHAYDNの一番の持ち味と感じていた)スピード・キレ・シャープさがトレードオフされてしまったように感じられる面がありました。
○ただし、(中低域ユニットは以前のスパイダーコーンのままであり、今回は主にツイーターユニットのリプレースがメインであったので)全体的にはHaydnらしさ、Haydnぽさは残っており、まったく別のブランドになったような変化までには至っておりません。
黒江的好み度:A

…ということで、見出しの通り「Haydnとは命名せずにHandel(シューベルトでも、ヴィヴァルディでもいいのですが)とでも名付けていただきたかった」というのが本音ではあります。
ご周知の通り、ツイーターが丸ごと変更されたので(前面の1/2が変わったので)見た目も全然変わっており、いわゆるマイナーチェンジではなくメジャーチェンジ(この場合車などでもモデル名は変わらない)相当にはあたるかと思われますが、サウンドの印象がここまで変わってしまうと…なかなか難しいところです。

…と、色々と述べさせてはいただきましたが、僕の思うハイドンの音ではなくなったかな…というだけで、好み度で「A」を付けさせていただいているくらいですので高いクオリティ・ポテンシャルを持ったモニターであることには間違いがありません。
なお、この『HAYDN SE Signature』に合った鳴らし方も徐々に分かってきており、サウンドの詰めかた次第ではもっともっと良さを引き出せることも付け加えさせていただきます。

お問い合わせ等、気軽にお願いいたします。
manager@digitalside.net
または
0459033900

P.S.
結構前に限定数で販売された「Haydn Jubilee」(ジュビリー)について訊かれることがありますがJubileeはスパイダーコーンではない旧モデルであり、サウンドも正に旧モデルさながらといった傾向ですので個人的には食指を伸ばしませんでした。

DALI RUBICON 6 BLACK EDITION (RUBICON 6 SE)

水曜日, 6月 16th, 2021

久しぶりのブログ更新となります。

情報発信として、動画が多くなっていることや“ブログを書くほどまでは”どハマりしていないアイテムが多かったことが挙げられますが、やはり動画の影響が多いでしょうか。
よいアイテムに巡り合えればどんどん書いていきますので引き続きよろしくお願いいたします。

【音場感と音像感を両立させた感嘆のフロア型スピーカー。】

見出しの通りですが、黒江にしては(かなり)珍しくフロア型スピーカーをレポートしたいと思っております。
DALI社より、限定数でのリリースとなったRUBICON 6 BLACK EDITIONですが、はたしてそのサウンドはいかに…。
(※ベースモデルとなったRUBICON 6無印とはサウンドの傾向がかなり異なることなどから、今回はHAYDN GRAND SYMPHONY EDITION(以下:HAYDN)との比較を基にレポートさせていただいております。)

動画はこちら↓
https://youtu.be/Z61YV1h75GM

■DALI [RUBICON 6 BLACK EDITION (RUBICON 6 SE)]
●HAYDNと比較してすぐに感じられるのは、やはりフロア型ということで(音の出口[面積]が多い)ことからも大きく広がるようにサウンドが展開されます。
●広大な音場はフロア型の優位特性であるのですが、その分大鳴りになりやすかったり、各パートが散らばり過ぎてしまったり、高音~低音のバランスに違和感を覚えることが少なくありませんが、このRUBICON 6 SEはそれらのマイナス要素を感じさせず、拡がりつつも程よくまとまりのあるサウンドを聴かせてくれます。
●前述の通り、解像度はもちろんのこと、S/N感・ダイナミックレンジ・帯域の広さとバランスなどの基本的音質に優れ、隙の無いクオリティを誇ります。
●これらに加えて、(本来はHAYDNのようなブックシェルフ型、PMC DB1のようなコンパクトモニターに分があるような)1音1音の分解能・各パートのセパレーション・定位感などの音像特性にも優れており、整ったフォーカスのサウンドとなっております。
●(繰り返しになりますが)大鳴りにならない傾向のため、シャープさ、キレ、低域のタイトさなども秀逸であり、総合力の高さが伺えます。
●(動画にもある通り)更にHAYDNよりも(同じアンプの同じ音量位置で大きな音が出せる)鳴らしやすさが高く、ハイパワーなアンプで無くてもしっかりと鳴ってくれます。
○(動画で分かるかと思いますが)やはり(奥行きもかなりあるので)大きいです…。
黒江的好み度:S (置ける場所あったら買いたいくらいです!)

…ということで、久しぶりに大型、フロア型でかなり気に入ってしまえるプロダクトに出会ってしまいました。

残念ながら(全世界で444ペア、日本国内で50ペア販売の)限定生産ということで「ぜひ定番化して欲しい」と要望しております。
なお、大きな注意点となりますが、おそらく(黒江の記憶では)旧RUBICON 6(無印)とは『兄弟機とは思えないくらい異なるサウンド』だと思いますので、このレポートを参考にRUBICON 6無印を検討されないようにお願いいたします。

当店では、少量ですが希少な在庫を確保できておりますので、ぜひお問い合わせいただければと思います。
manager@digitalside.net
または
0459033900
まで、よろしくお願いいたします。

KEF LS50 Meta

金曜日, 10月 2nd, 2020

今回はKEF社の新製品をレポートさせていただきます。

【個性派最高峰のアグレッシブサウンド!】

当ブログでKEF社を取り上げるのは初めてとなりますが、以前より「コストパフォーマンスに優れたスピーカーを世に送り出している印象のブランド」という認識は持っておりました。
…とは言え、なかなか黒江に(blogで取り上げたいような)フィットするプロダクトには巡り合えず「KEFさんとは縁が無いかな…」と半ば諦めていたところ、ふと(今回取り上げるLS50 Metaの前身モデルである)LS50というスピーカーを遅まきながら聴く機会が訪れます。
このLS50が今までになく非常に好印象であり、ようやく積極的に展開をしようと意を決するのですが…なんと既に終売(ディスコン)という悲しい現実を目の当たりにし、「やっぱりKEFさんとは縁が無いのか」と“始まる前に終った”ような気持ちとなっておりました。

…が、密かに後継機種の開発が進んでいたようでして、この度ようやくお目見えということで黒江とKEFのストーリーがようやく始まりそうです!
いつものようにレポートさせていただきます。

■KEF [LS50 Meta]
●一聴してパワフルであり、ストレートでドシッと迫り来る傾向のサウンドです。いわゆるアグレッシブ系に分類されますが、上々のスピード感なので爽快さも併せ持っている印象です。
●旧モデルLS50からの改良点でユニット後方の不要な反響・反射をキャンセルさせる「Metamaterial」(型番のMetaはおそらくここから)が搭載され、確かにすっきりさ、S/N感や抜けは旧LS50よりも向上しているように思えます。
●相乗効果でキレや抜けも改善されており、ドライブ感の高い「ぶっ放し系サウンド」の中では屈指のクオリティに位置します。
●突き抜けるような高音の伸び、沈み込むような低音の深さ、といった超ワイドレンジタイプではないものの、上々のレンジ感を持ち、帯域バランスも良好です。
●高音は吹き出し感のある傾向でやや硬質・ややドライ、中音は力強くてバシッと畳み掛けてきます。低音はしっかりめ且つタイトで重みも十分です。
○構造上、少し独特の音場・音像感、定位感を作り出すため、好みによっては受け付けない方がいるサウンドとなります。(後述)
○繊細・シャープといった形容とは少し遠く、線の細さやエッジ感を好まれる方には不向きな傾向です。
黒江的好み度:A+

…といった感じになりますが、音の傾向はATC・Klipsch(を足して2で割った)のような質量のある1音1音の音の粒を放出するタイプでありアグレッシブさが感じられますが、吹き出し感が高く軽快に鳴ってくれるので重々しさはさほど感じられません。
特筆するとなると、やはり(KEFお得意の)独特な構造による音像感・定位感が挙げられ、同軸ユニット(高音用のユニットと低音用のユニットを同軸線上に配置する≒低音用ユニットの真ん中に高音用ユニットが埋め込まれている)なので各パート・楽器・声が上下にはあまり展開せず、一円の中に展開する聴感となります。(各パートはちゃんとセパレートしています。)
良く言えば一体感とも言え、音数が少ないソースなどではまとまりのあるテイストが非常に気持ち良く楽しめるかと思います。(音数が多くても一体感に優れた弾丸的・大砲的サウンドが魅力的です!)

イチオシスピーカーに新たに加わったNewサウンドをぜひ一度チェックしてみてください。

AIRPULSE A80

土曜日, 9月 12th, 2020

今回は(非常に良好なサウンドの本格派オーディオに於いては)比較的お求めやすいオールインワンシステムをご紹介させていただきます。

【機能・サウンド・サイズの三拍子を揃えた新世代アクティブモニター。】

前回のTRANSPARENT SOUND [TRANSPARENT SPEAKER] [SMALL TRANSPARENT SPEAKER]に続いてのオールインワン系となりますが、一筐体に総てが収められていたワンボックスタイプのTRANSPARENT SPEAKERとは異なり、AIRPULSE A80は左右のスピーカーが独立したセパレートタイプになっております。
右チャンネル側のスピーカーにアンプ等がすべて収められており、右チャンネルに電源ケーブルを接続し、右チャンネルと左チャンネルを(左チャンネルの音声信号で)1本のケーブルで接続するだけでシステムは完成です。

今回は(動画配信同様)オーディオ専用のCDプレーヤーを用いず、パソコンとAIRPULSE A80をBluetoothまたはUSB接続で音源(CD・ファイル・Youtube等)を再生していますが、LINE入力(RCA)で専用CDプレーヤーを接続することも可能なため音質の伸びしろはまだ残しています。

■AIRPULSE [A80]
●スピード感に優れ、音の切れ、立ち上がりなどコンパクトモニターの長所が活かされた、総じて(価格帯を超えた)ハイクオリティなサウンドとなっております。
●クリアでシャープなところからもハイスピード系に分類され、端正で鮮烈さを感じさせる印象が強く、癖の少ないモニター調の傾向に位置付けられます。
●低音の量感はサイズ的にもやや抑え気味ではありますがタイトで緩みが無く明瞭です。無理のない帯域バランスとなっており、高域~低域の位相特性(高音~低音までずれなく聴こえる)も優秀です。
●全体的なサウンドの印象は、やや硬質傾向でやや明るめで、しっとりとした音色を出してくる傾向ではありません。
○コンパクトモニターのウィークポイントでもありますが、サウンドのスケール感はあまり無く部屋いっぱいに音場が広がるような鳴り方はできません。
○サイズ的に低音の量感はどうしても控えめになりますが、ウーファー出力を搭載しているので低音の強化を図ることができます。

…という感じですが、サイズやプライスを考えると『極めてCPに優れたクオリティ』と言え、久しぶりに驚きのサウンドです。
RCA・USB・Bluetooth・光デジタルと入力も豊富であり、リビングでもデスクトップでも使いやすく、(本格的なオーディオをはじめる)最初の1台としても、すでにシステムをお持ちの方のサブとしてもお勧めしやすいプロダクトです。
(最初の1台として購入後に、しっかりとしたシステムを構築し、後にサブに回す。という流れでも使い回しが効きやすいかと思います。)

マイナスポイントを挙げるとすれば、操作系統や入力端子が(マスターの)右チャンネルの背面に集約されているので右chの背面へのアクセスがしやすい環境にしたい点があります。(左右chを入れ替えられるとより便利になりそうですが、そういった機能はありません。)
また、左右のスピーカーを繋ぐケーブルが結構な太さなので、なかなかの存在感&(見た目と質量ともに)重量感があるのも少し残念なポイントです。

とは言え、『ちゃんとした音』(→黒江的にはこのクオリティくらいからが本当にいい音と言える出発点)が出るオーディオとしては最小単位である『左右のスピーカーだけ』でシステムが成立しますので、ビギナーさんにとにかくお勧めしたいです。
『スマホ・タブレット・パソコンで聴く音も決して悪くはないですが、もうちょっといい音で聴いてみようかな』と思った方はぜひご検討されてみてください。

TRANSPARENT SOUND TRANSPARENT SPEAKER

土曜日, 7月 4th, 2020

今回は北欧スウェーデンから日本初上陸となった(ブランド名)TRANSPARENT SOUNDの(商品名)TRANSPARENT SPEAKER(SMALL TRANSPARENT SPEAKER)をレポートさせていただきます。

【デザインと感性の向こう側に見える音。】

まずは“TRANSPARENT SOUND”のプロダクトを見たことが無い方ばかりだと思われるので(正規)輸入代理店のページをご覧いただくところから、このレポートを読み始めていただけたらと思います。
https://navys.jp/transparentspeaker/

一見してお分かりいただける通り、黒江のブログでは非常に希少となる「ALL IN ONE」タイプの製品です。(オールインワンと呼ぶには少々物足りない気もしますが…。※後述)
この手のALL IN ONEタイプは、これまでにもオーディオ専門・専業メーカーからも数多の製品が生み出され、その度に当然のこととして試聴を重ねたものです。…が、その上で過去に殆ど取り上げてこなかったのは、正直に言って『単品コンポーネントから得られるサウンド・機能・自由度にはおおよそ程遠い』『デザインコンシャス(素材の質感)に傾倒しており音響面への配慮がおろそか』といった、あくまでファニチャー・ラグジュアリー・インテリア路線がメインなのだと感じ取れてしまうからです。

その上で、決して期待を持たずにTRANSPARENT SOUNDと対面の日を迎えることになりました。
一見すると水槽っぽくも見えるガラス張りのキャビネットに無造作(…ではなく計算されているのでしょうけど)にスピーカーユニットとアンプが搭載され、(黒江的には)シンプルイズベスト的ないわゆる「無機質系デザイン」(好み)の部類です。あらためて実物を見ると(家具調などとは異なり)意外とオーディオらしいルックスなことに気が付きますが、インテリアとして見ても、ガジェットとして見てもくどさが無く強烈な存在感があるわけでもないのがプラスポイントでしょうか。
WHITEのSMALL TRANSPARENT SPEAKERはA4用紙を横にしたくらいのバッフルサイズに左ch・右ch1つずつのユニット、BLACKのTRANSPARENT SPEAKERはA4用紙を縦に2枚分(つまりA3用紙)くらいのバッフルサイズに左ch・右ch1つずつのユニットに加えてウーファーユニットが搭載されています。

やはり所詮インテリア(重視に音が出せるオマケ機能)なのか、それともオーディオとして認められるパフォーマンスを見せてくれるのでしょうか…。
(まずは小型のSMALLからです。)

■TRANSPARENT SOUND [SMALL TRANSPARENT SPEAKER]
●パッと聴きで思わず「悪くないじゃない!」と笑いこぼしてしまったくらいに“普通(以上)に聴けるサウンド”になっています。(あくまでもオーディオ機器ブランドでは無いため、頂いた資料では仕様等不明な点が多いのですが)構造は至ってシンプルでキャビネットは「金属フレーム」に「ガラス板(強化ガラス)」で形成されており、筐体底部に搭載されたデジタルアンプから(おそらくネットワークを経由せず)ガラスバッフルにマウントされたユニットからサウンドが放たれます。
●キャビネットに木材やプラスチックなどが使われていない事や、金属とガラスの硬質系が素材の中心であることなどから緩みのないサウンド傾向が産み出されていると推測しており、加えてユニットが(おそらく)シングルコーンタイプの全帯域タイプを使用し、アンプからストレートな信号を送り出すことによって色付けの無い素直なサウンドを実現していることと思われます。
●シングル(1way)ユニットで高域~低域をカバーしていることからも、1音1音のシャープさはあまり高くはないもののスピード感・切れ・抜けなどは上々であり、クリアで疾走感の高いハイスピード系が基調となります。加えて、音が抑え込まれる様子もなく鳴りっぷりも良好であるためアグレッシブさも感じさせてくれるのは高評価でした。
○あくまでもシングルユニットのサウンドですので、高音の伸び、重低音あたりのレンジ感は多くを望むことができません。また、大音量時にはアンプの非力さも手伝って(シングルゆえに)少し歪みっぽくなってしまうことも…。
○バッフル面が(前述の通り)A4サイズ程度あるためサウンドステージが狭く、(キャビネット全面にしかサウンドステージが展開されないため)奥行き感もいま一つといったところです。また、音場の狭さに比例してサウンドのスイートスポット(エリア)が狭いのも難点の1つです。
黒江的好み度:A

■TRANSPARENT SOUND [TRANSPARENT SPEAKER]
●“基本的”には(これもおそらくですが)SMALL TRANSPARENT SPEAKERにウーファー加え、その分アンプの出力を上げた仕様ではないかと推測しておりますが、ウーファーユニットが加わることでシングルユニット部の担う周波数帯域の負担が減り、帯域バランス・レンジ感が良好になっている印象です。
●バッフル面もほぼ倍(のA3サイズ)となるためSMALLの良い部分はそのままに音場のセパレーション、1音1音のセパレーションが向上・改善され、1ランク上のオーディオ性能を発揮してくれます。
●少し一生懸命に鳴っていた印象のSMALLに比べ、楽に鳴らせており、大音量時の歪みっぽさも解消されております。
●伴って1音1音のシャープさや分解能もかなり向上しており、かなり“ちゃんとした”オーディオで聴けるサウンドの部類に入っております。(黒江的には下手な単品コンポーネントより評価してしおります。)
○簡易EQ(トーンコントロール)が搭載されておりますが、(黒江的には)BASSは時計の9時~11時、TREBLEは10時~12時辺りがベストポジションと考えており、これ以上・これ以下になると帯域バランスが悪く、一気に混濁化してしまうように思えました。
○SMALLに比べてバッフル面がほぼ倍とは言え、やはりスケール感には乏しく、奥行き感も高望みはできません。また、(ある意味1番のウィークポイント?になるのが)ウーファーが少し右にオフセットされている関係で正面に対峙してシングルユニット側の定位を取るとウーファーから出ているサウンド(中低域)が右に寄ってしまい、ウーファーの定位を優先するとシングルユニット(中高域)の音像定位に“少し”違和感を覚えることになります。
黒江的好み度:A+

…と、あまり解説し慣れていないタイプのプロダクトゆえ色々と述べさせていただきましたが、黒江的には『これなら欲しい!』と思わせてくれるサウンドとなりました。
音的には絶対に大きい方のTRANSPARENT SPEAKERが欲しいのですが、(個人で所有するならセカンド・サブで使うことになるので)スペースファクター的にはチビ(SMALL)の方を購入することになるかと思います。
(卓上やニアフィールドであまり大きな音を出さずに普段使いするのであれば、チビの方がよりシンプルなサウンドで使いやすそうです。)

…が、1つ2つ弱点があり、1つは入力端子(方式)の乏しさで基本はBluetooth(がメイン?)にミニジャック×2のみ、USBもありますがPC/Mac連携のUSB DAC機能では無いようです。
(せめてRCA端子があってセレクターがあれば…と、どうしても思ってしまうのはオーディオ業界じみてしまっているからかな…と。笑)
冒頭で「ALL IN ONE」タイプの製品と書かせていただいているものの、機能面を加味すると「HALF IN ONE」くらいが適当かもしれません。
また、レポートの通り「サウンドの真価を感じるには真正面(耳の高さも)がベストポジション」であるわけですが、製品の方向性としてはインテリア的にさりげなく設置して音楽を楽しめるもの…とも思えるため位置付けが少し悩ましいところです。(普段はさりげなく・ながら聴き・BGMで、集中したい時は正面でガチ聴きもできるかなと。)

ギャンギャンのディストーションもビシビシ鳴るし、金物・スネア・バスも(丸くなったり、寝たりせずに)しっかり立ち上がります。(チビはさすがに控えめですが)ベースラインも緩みなく聴き取れ、シャウトも上々…といつものワードが並べられるのに絶対的なオーディオ製品ではないのは初めてかもしれません。

ホームユースであれば何かとデザイン問題・スペース(配線)問題の出易いリビングやキッチン・寝室を筆頭に、オフィス・カフェバー・美容室・アパレルなどなど、(お問い合わせの多い)「いい音で聴きたいけどオシャレでデザイン的なオーディオ」をお探しであればぜひご検討いただけると幸いです。

なお、(当ブログを以前からご覧いただいていない方)音質面のレビューは激しめのロックやメタル系、ポップス系を主に聴いての分析となりますので予めご理解ください。

トランスペアレントスピーカーの販売はこちら↓で行っております。
https://www.rakuten.co.jp/digitalside/
https://store.shopping.yahoo.co.jp/digitalside/

P.S.
コンポーネントのオーディオが“非”オシャレとは思っておりません!

JERN 12 WP

木曜日, 2月 28th, 2019

今回はデンマークのブランドJERN(と書いてヤーンと読む)から個性的なスピーカーをご紹介させていただきます。

【鉄ダルマから放たれる破壊的サウンド。】

まるで雪だるま(達磨)のような個性的なフォルムだけに非ず、頭に「鉄」と付けたようにエンクロージャー(筐体・キャビネット)が鉄製であることも非常に大きな特徴です。
(片方12.2kgとなかなかの重量ですので、取り扱い、落下などには注意が必要です。)
このフォルムとマテリアルから繰り出されるサウンドは、まさにナンバーワンよりオンリーワンといった感じであり(変態ものによくある、ユニークさ優勢ではなく)クオリティも十二分に持ち合わせているのでぜひ注目していただけたらと思います。

■JERN [12 WP]
●超繊細といった印象は薄いのですが、S/N感・分解能(解像度)など基本的音質は十分なレベルにあります。
●当店的な系譜で示すといわゆる「アグレッシブ系」に属するタイプであり、リスナーめがけて音が襲い掛かってくるような突進系のサウンドになります。
●1音1音はタイトでありますが、シャープ過ぎる傾向ではないので硬質過ぎず、エッジ(音の輪郭が)が立ちすぎないイメージです。
●鉄製キャビネットということで「キンキン・カンカン」の超寒色系かと思いきや、そこまでオーバーな描写は無く、意外にも自然な発色(発音)を感じさせてくれます。
●無駄な余韻が無く、キレや立ち上がりは極めて秀逸であり、音像感が強めでハッキリとしたサウンドを得ることができる傾向となっています。
●スネアやバスのインパクト音、皮のアタック音、ディストーションギターの巻き弦のピッキング音などなどが非常にリアルであり、小気味よく、ノリよく聴かせてくれます。
○前面に張り出すようなサウンド感であるため、縦方向や奥行きを使って大きく描いてくるタイプではありません。
○高音域の上の方、低音域の下の方はやや抑え気味となっています。
○特徴的にも微細音・微小音を(拾って拾って)聴かせようとする傾向ではありません。
黒江的好み度:A+ (~-S)

ほぼ「S」と言ってもよいくらいですが、(試聴時間に限りがあり)詰め切れていませんでしたので暫定的に「A+ (~-S)」といたします。

鉄を使うことによって、その剛性さと自重を利用し、キャビネットでフィジカル的にユニットを押さえつけて不要な振動を制御し、且つ(キャビネット全体が振動してしまう、いわゆる)箱鳴りを極限まで抑えることによって得られるそのサウンドは正にオンリーワンのサウンドでした。
リスニングポイント(左右のスピーカー間)の外側ではかなり音量が落ちることからも箱鳴りがほぼ無いことを実感させてくれます。もちろん後方にも音漏れがあまり無いため、狭所での壁際設置にも強そうであり、スピーカーの(首振り)確度によってもステレオ感や広がり、音像感の調整が充実しそうなモデルです。
重さと強度でユニットを押さえつけ、ユニットだけが鳴るようなイメージなので2wayにも関わらず(点音源となって)シングルっぽさもあるのが更に魅力を感じるところでしょうか。

魅惑の鉄ダルマ、なかなかのプロダクトの様です。ぜひご検討いただけると幸いです。

黒江的 2017 – 2018 Summary Report. 2

火曜日, 2月 27th, 2018

今回からは先日の総括にワンポイントのコメントを入れてお届けいたします。
(各レポートへのリンクも入れておきますのでご検討の参考にしていただけると幸いです。)

◎=(主に好み度がA+以上の)黒江的お勧め
○=次点(イチオシには予算が足りない方など)
□=売れ筋(お勧めには入らないけれどよく売れているもの)
◇=その他(スペシャルな存在)

SPEAKER
◎Vienna acoustics [HAYDN GRAND SYMPHONY EDITION]
http://www.digitalside.net/?p=564

◎PMC [DB1 Gold]
http://www.digitalside.net/?p=715
http://www.digitalside.net/?p=719

◎ATC [SCM11](2014年4月~現在のシリーズ)
http://www.digitalside.net/?p=818

○DALI [OPTICON 1]
http://www.digitalside.net/?p=1001

コメント:3種を一言で表すとHAYDNは「クリア・キレ・スピード」、SCM11は「アタック感・重厚感」、DB1は「バランス・アグレッシブ」といったところであり、最も硬質なのがHAYDN、次いでDB1、次にSCM11となります。
(※ただし、特にHAYDNは上流~アンプの流れ次第では滑らかにも、艶やかにも鳴らせますし、むしろ他所ではそっちの鳴らし方が多いはずのですので、一般的には“硬質”といったイメージは少ないと思われます。)
バスドラの圧やベース弦のうねり等、パンチやエネルギーを重視するならSCM11を好まれる方が多く、エッジ感やシャープさとスピード重視の方はHAYDNを好まれる傾向で、DB1はその中間(からややATC寄り)に位置する傾向です。

もう少し加えると、情報量はSCM11、S/N感・分解能はHAYDN、全体の解像感はDB1となりますが、DB1は低音域の解像度とレンジ感が優秀の様でベーシスト(や低音域を重視する方)からの支持が多い傾向です。
パート別の支持層を見ると、ギターやボーカルだとHAYDN支持が多く、ドラムはSCM11が多めです。

とにかく、この3機種は(一度に、同時に)聴き比べて選んでいただきたいな…と思っております。
(OPTICONはこの価格帯では抜群の出来であり、予算次第またはサブなどではイチオシです。(限りなく“◎”に近い存在です。))