Archive for the ‘レポート:スピーカー’ Category

HAYDN Grand Limited Edition

金曜日, 10月 30th, 2015

少々遅くなりましたが、今冬“激オシ”のザ・ステレオ屋リファレンスモニターをご紹介させていただきます。

【『触るな危険』領域のキレと圧倒的なスピード感。】

以前から「ロックやメタル、J-POPなどを聴く上で」最高の出来と声高に述べてきたHAYDNですが、またしても新たな(限定)モデルが登場してまいりましたので早速HAYDN Grand Special Edition(≒ HAYDN Grand Symphony Edition)との聴き比べを行いました。

…と以前のHAYDNのレポートなどは(まだ読まれたことがない方は)下記リンクを先にご参照いただければ幸いです。
http://www.digitalside.net/?p=375

(↑からの抜粋ですが…)
【至上最高の分解能・クリアネス】
もちろん「僕の思うに」であり、「この価格帯&サイズ」という点も含まれますが、この「音の細かさと透明感」はちょっと聴いたことがないです。
…と述べているくらいにHAYDNのクリアさは(ものすごい高いものまで聴いていますが)かなりのハイレベルであることは間違いありません。

その上で「ネットワーク(スピーカーの端子部に搭載されている周波数をコントロールする小さな回路)とツイーターが変更されている」という(未確認)情報の新作はどのような違いを聴かせてくれるのか、非常に楽しみな聴き比べでありました。

■Vienna acoustics [HAYDN Grand Limited Edition]
●パッと聴いてすぐに感じられたのは、高域が更に一伸びしたような印象で(人によっては嫌がられるかもしれませんが)よりピーキーな高音を出せるようになっています。(もちろん、ピーク感を盛っているということではなく、再生音に対してより忠実なピーク感を出せるようになったということです。)
●低音のクリアネスが更に向上しており、エッジ感が強めになっています。最低域の伸びは変わった印象はなく、ATCやPMCのDB1などと比べると少し(深さの)浅めな低音となっています。(その分ブーミーさは皆無ですが。)
●スピード感も(大きくは違いませんが)更に向上しており、これ以上のスピード感を持つスピーカー・モニターには今のことろ巡り合えていません。
○全体的に硬質感が増しており、(硬質サウンドが好きな方でも)いわゆる聴き疲れをし易そうな傾向にあります。
○高域の存在感が上がっているため、やや派手(落ち着きのない・シャカシャカした)な傾向となっていますので(以前のモデルよりも更に)好みが分かれるところであると思われます。
○総じて“より刺激的”になってアグレッシブさが増したという様相です。(ハイスピードにアグレッシブ足したら(黒江的には)敵無しですね!^-^;)
(下の3つは人によってマイナス点となる可能性がありますが、黒江的にはプラス要素でしたので(僕と好みが合いそうな方は)好意的に捉えていただければと思います。)

…と、HAYDN Grand Special Edition(≒ HAYDN Grand Symphony Edition)との聴き比べで感じられた点をザッと挙げてみましたが、やはりツイーターの変更(に伴うネットワークの調整(変更))による(そこまで大きな差ではないのですが)差異がもっとも顕著に感じられた印象でしたが、いずれにしてもHAYDNらしいサウンドであることには変わりなく、上記に列挙した項目以外はほぼ以前のHAYDNと共通ということで間違いありません。

強いて言えば、刺激的、アグレッシブとさせていただいた面がやや荒さに感じられる面もなくはない…かな、と言った程度ですが、この辺りはぜひ実際に試聴などをして各々感じていただけたらと思います。

限定数の生産ということで(リミテッド商法みたいであまり好きではないのですが…)、HAYDNを検討されていた方にはぜひお勧めさせていただければと思います。
(なぜか価格も少しリーズナブルになっているので好機だと思います!)

P.S.
比較した前モデルのHAYDN Grand Special Editionですが、かれこれ丸5年くらい鳴らしているので(エージングがしっかりできているので)Limited Editionが余計刺激的に聴こえているのは…といった推測もしております。
(ので、)あくまでも参考程度にレポートを読んでいただけると幸いです。

P.S. 2
初回投稿時にツイーターが異なると書いていますが、ツイーターに変更はないかもしれません。
(ただし、輸入元ページには「コーティングが施されれている」主旨の記載があり、見た目にも光沢感の有無で少し違いがあるのでマイナーチェンジ程度の変化はありそうです。)

オーディオはじめました。- Prologue -

金曜日, 10月 9th, 2015

「黒江先生…!!    オーディオがしたいです……」

…と涙ながらに言ってきたかは、どうだったかよく覚えていませんが、2人の青年が“あくる日”にいよいよオーディオ導入の決意を固めてくれました。

(仔細は割愛しますが)2人とはプライベートでも仲が良く、僕の良き理解者でもあり、いつも応援してくれていますので(僕がザ・ステレオ屋の経営を支える)店長であることも、誌面等への執筆(内容など)もよく知っていてくれていることと思います。
なので、よく知っている仲だからこそ、(自分の商売である)オーディオを押し付けるわけにはいきません。
それでも、イベントや来店時には「やっぱちゃんとした音で聴くと違うなー」「欲しいんですけどね…」などと言ったり、こちらからも「そろそろ買ってみる?」なんて会話があったりして、「じゃあ次のボーナス出たら相談に来ます」みたいな“未遂”レベルまでは話が深まったりとしていました。(具体的に何機種か紹介してあげたりも…。)
そんなかんなを繰り返しながら月日は進み、前述の“あくる日”を迎えます。

『予算の壁と無駄買い(を避けるため)のジレンマ。』

ここからは会話方式で書き出していきます。(略記は黒江→黒・番場→DB・湯川→HY・番場&湯川→2人)
(くどいですが2人とは仲がいいので黒江が敬語ではないのですが、何卒ご理解ください。)

黒「とりあえず、具体的な予算はどのくらい?」
2人『10万円くらいは確実に出せますが、それだと足りませんか?』
黒「(年齢的にも)やっぱりそのくらいだよね…、(2人は)楽器とかも買うしね。 組み合わせによってはもう少し…ってなるかもね。」
2人『どんなのが候補ですか?』
黒「音の好みにも拠るけど2人は俺(黒江)のリファレンス的なサウンドの方向性でいいのかな?」
DB『自分は今までたくさん聴かせてもらってきて、それでOKです。』
HY『僕も大体OKで、もう少しだけ聴き比べたいです。』
黒「了解です。そしたら、次は大きさの制限かな。(いくつかのスピーカーを見せて)この大きさまでしか入らないってある?」
DB『自分のところは他に物が少ないこともあって大体置けそうです。』
HY『僕はできれば(かなり小さめのモニターを指して)このくらいがいいです。』
黒「PCとか置いてるデスク上の両脇に置きたいんだっけ?」
HY『そうですね。』
黒「了解、だいたい分かったので今日はとりあえずENTRY Siを聴いてもらっておこうかな。」

…と、2人の予算、HY君の大きさ制限に見合って、もっとも黒江がオススメしやすいALR/JORDAN [ENTRY Si]を(とりあえず)聴いてもらうことに。

(試聴後)
2人『音の方向性はいい感じだったので、ザ・ステレオ屋さんのお勧めから選んでもらえれば。』
DB『ただ、自分は結構前から何度も聴かせてもらってきたので、(どうせ買うなら)もう少し上のランクのスピーカーも捨てがたいかな…と思いました。』
HY『僕もENTRY Siは価格・大きさからしたら相当良いと思えたんですが、リファレンスのスピーカーと比べると…。』
2人『悩ましいところですね。』

…とと、ここで(見出しの通り)当初の予算と(本当に欲しいなと思える)実際の予算のジレンマが生じてきてしまいました。
焦って買うこともないですし、HY君は設置の工夫などができるかもあったので「どんどん上げていくつもりは無いけれど、予算に関しては今一度検討してもらうプランも提案させてもらうかも」…と(設置予定空間の採寸もお願いしつつ)2人には伝えて一旦お開きにいたしました。

一先ずは予算で買えるものを買って、後々(人によりますが数か月~数年)に入れ替えていくのもオーディオ購入のセオリーですが、(一先ず買ったものを下取りなどするにしても)買い替える回数が多くなるほど結果的な出費は大きくなるので時には予算を上乗せしてでも長く付き合えるものをセレクトする方が賢明な場合もあります。

2人はどんなプランを選ぶのでしょうか…。次回に続きます。

ATC SCM7/SCM11/SCM19

金曜日, 4月 11th, 2014

すっかり間が空いてしまい(楽しみにされている方などいらっしゃらないとは思いますが)、ちょっと恐縮しつつの更新です。
(今にして思えば『BURRN!』の(年末の方の)オーディオ特集記事あたりからずーっと何かしらかに追われていたことに気が付かされました。)

…ということで、久しぶりの第1弾はATCの新作(兄弟)モデルをレポートです。
いつもの通りの見出しからマイペースに行きたいと思います。

【“新しい”けど“少し以前に戻った”ATCらしさある3兄弟(機)。】

まず先に述べておきたいのは、このモデル達のモデルナンバー・プロダクトネーム(型番)についてです。
通常は以前のモデルに対して何らかの変化があって然るべきですが、この新シリーズは前シリーズから一切の変更がありません。
端的に言えば、今回の新モデルが『SCM7/SCM11/SCM19』の3機種となり、伴って生産完了した旧モデルが『SCM7/SCM11/SCM19』の3機種となるわけです。(…“カッコ笑い”と書きたくなる状況ですが。)
…ですので、とりあえずこのブログに於いては(いつぞやのiPadのように)“新しい”SCM**と表現させていただいたり、何とかと伝わるようにがんばりますのでお付き合いいただけると幸いです。
(車やバイクみたいに年式で呼べばいいのかもしれませんね。)

閑話休題…まずは大まかなサウンドの傾向から触れていきます。
まず最初の関心事は「ATCらしいサウンドであるか」だと思うのですが、これに関しては「Yes」ちゃんとATCらしさが感じられるサウンドです。

具体的に「ATCらしい」とは『密度感・情報量が高く、しっかりとした芯と肉付きのあるサウンド』といった方向性だと思いますが、黒江的にロックやメタル的な表現をするとしたら『マッシブ&アグレッシブ&ストレート』といったところで、ストレートというのは素直とか癖のない、交じり気のない…というよりは「グンッと音が(伸びて)向かってくる」といったイメージのストレートさであり、馬力のある『重い剛速球』的なパワーがあります。

…が、「ATCと言えば」と書き添えるくらいにATCは「アンプのパワーを求めるモニター」で有名ですが、この辺りもATCらしく、非力なアンプでは(SCMがノって鳴ってくれず)上記のようなパワフルさを感じることができませんので試聴の際にはアンプとのマッチングも同時に行っていただけると良さそうです。
(とは言え、100W程度のそれなりのプリメインアンプでも十分にドライブできますのでご安心ください。)

…と、ここで前SCMシリーズを思い返してみると…「あれ?どことなく旧来のATCに戻ってる?」と自分が感じていることに気が付きました。
参考:http://www.digitalside.net/?p=99
前SCMシリーズは(ATCにしてはですが)だいぶん鳴りが軽くなっていて、幾分かキレ味のあるサウンド傾向にも近づいたのですが今作を聴いたときにはその印象がすっかり(旧来のATCに)戻ってしまっています。
(ただし、最初に聴いたのがSCM7だったことにも起因しています。…ことの顛末はこれから述べさせていただきます。)

んんん?と思いながらも3兄弟を(前SCMシリーズのサウンドを思い出しながら)比較試聴してみると…。

■ATC [SCM7](新しいSCM7)
○前SCM7はブログでも取り上げた通り、(それまでのATCイメージに比べれば)かなりレスポンスが改善されていて鳴らしやすくなったモデルでした。
○また、前SCM7はしばらく当店のリファレンスモニターだったように、そのサウンド・大きさ・価格(CP)などでとても好印象であり、新しいSCM7には大きな期待を持っていました。
●その上で、新しいSCM7はだいぶん大鳴りのモニターになっています。前SCM7にあったタイトさは面影もなく、(黒江があまり好まない)「大きさの割には容量のあるサウンド」を主張してくるタイプであり、良く言えば「このサイズながら大型モニター的な鳴り」とも言えると思います。
●端的にまとめると「低音の量感が豊富で(逆に)高音は控えめ、音場・音像がともに大きく(筐体サイズの割には)広がって鳴り、(音の)大型スクリーンを目の前に拡げられたような印象」といったところです。
黒江的好み度:B-

■ATC [SCM19](新しいSCM19)
○前SCM19は大きさ(に加えて重心の問題でかなり設置が難しい)がネックとは言え、(ハイスピード・シャープ・切れ系ではない)パンチのあるサウンドを出すことができるアグレッシブ系の中に於いては最高峰の完成度でした。
○前SCM19の良好だった点は(ロックやメタルを中心に分析した場合)「ドラムのアタック音・皮の厚みのリアリティ・ベースの音階表現と解像度・ボーカルの力感や熱気感・ギターサウンドのドライブ感」などなど、中低域を軸にしっかりとしたサウンドの中にも見通しの良さがあり、非常に目を見張るものでした。
●その上で、新しいSCM19は基本的には前SCM19に通じて「1音1音が非常にしっかりしており、アタック感やベース音などの量感・質感は健在」ですが、全体的に(新しいSCM7と同様に)大鳴り気味のテイストに変化しているようです。
●ただし、同じ“大鳴り”と言っても「筐体(箱)の容積・バッフルの面積が小さいのでユニットやネットワークで広がりを稼いでいるような印象のSCM7」に対して、SCM19は「筐体(箱)の容積・バッフルの面積が十分にあるので広がりは自然に稼げる分、ユニットからの出音が広がりすぎないように抑えている印象」ですが、前SCM19のようなタイトさはあまり感じられません。
●端的にまとめると「1音1音の量感は十分、やはり(これは以前からATC自体の傾向ではありますが)高音は控えめ、情報量が高く、とにかく前に押し出してくるパワー感とスピード感が高いサウンド」といったところです。
●あえて厳しめに述べるとすれば「前に押し出してくる感が強すぎてしまい、奥行き感や、制動感・制動性のない落ち着きのない(バーッと次から次に音を押し付けられるような)音」になってしまっている印象です。
●ポテンシャルは十分に感じられるので、設置の仕方や環境次第では化けそうな気もしています。(個人的には内ぶり(ハの字)にせず、左右の距離を十分にとっての平行設置がお勧めです。)
黒江的好み度:B~?

■ATC [SCM11](新しいSCM11)
○前SCM11ですが、正直言ってあまりサウンドのイメージを記憶しておりません…。(ごめんなさい。)
○…ので、音のイメージではなく、SCM11の印象の記憶だけザッと書いておきますと「ハッキリ言って前SCM7と前SCM19が好きすぎて(黒江的にはすごすぎて)全然良い印象がありません。し、サウンドも前SCM7と前SCM19の間でどうにも中途半端なバランスだった印象」が残っています。
●その上で、新しいSCM11は今回3兄弟の中でも突出して光っているように思いました。
●(超個人的な意見を更に強調して悪く言えばですが、)小さいのに無理して鳴っているSCM7と、大きいのに落ち着きなく余裕のない鳴りになってしまっているSCM19に対して、今回は上手いこと中間に入ってくれている印象で「新しいSCM11は(くどいようですが)高音はやや控えめですが全体域のバランスが良好で、音の吹き出し方も行きすぎず、しっかりとコントラストが描けている」印象です。
●端的にまとめると「ATCらしく低音の量感・情報量・解像度が秀逸、けれども無理のある低音(爆低域)にならない。1音1音の濃さがありつつも粒が大きくなりすぎない。量感を出しつつも音と音が重ならず、つぶし合わず、分解能や見通しもしっかりとしている。」といったところです。
●力強くしっかりと鳴りつつ、音が前に飛んでくる。…けどゴチャゴチャしないというのは非常に高度なレベルのサウンドであると感じますし、こういったことが相まってアグレッシブ(に感じられる)サウンドを生み出しているのではないかと思います。
黒江的好み度:A

…ということで、さすがに3機種同時レポートは長文になってしまいました(ね)。
文中にもある通り、あくまで黒江個人の印象でもありますし、何よりATCのモニターは設置の仕方や環境やアンプでホントに大変わりするので、あくまで参考にしていただけると幸いです。
特にアンプに関してはATCとの相性が出やすいものがありますので、試聴の際にアンプによる相乗効果で音の印象を決めつけすぎないようにも気を付けていただければと思います。

P.S.
上記で大体お分かりいただけていると思いますが、個人的な好み度は…
前SCMシリーズ:SCM7 >= SCM19 >>>> SCM11
新SCMシリーズ:SCM11 >>>> SCM19 > SCM7
…みたいな感じかなぁと思っておりますが、見事に前回と逆転してしまうところが何とも言えないですね。(笑)
(ちなみに、前SCM7と新SCM11は(同時比較できないので)どちらが上かは分かりません…。)

『Klipsch RB-41 II/RB-51 II/RB-61 II』のレポートと同様に3機種もあれば好き嫌いが分かれてしまうものですね…。

ANTHONY GALLO A’DIVA SE with A-70

月曜日, 12月 9th, 2013

前回のエントリーの通り、少し間が空いてしまいましたが今回はANTHONY GALLO (ACOUSTICS)の新作“鉄球”こと『A’DIVA SE』をレポートしたいと思います。

【ピッチャーとキャッチャー?ボケとツッコミ?…相方次第では最強のサウンド!?】

いつもの通り…なのでちょっと端折って大きさ(サイズ)の話題から入りたいと思います。
(…といっても寸法・数値の話ではなく、)A’DIVA SEは「ちょっと小ぶりの真ん丸メロン」くらいの大きさでボーリングの球よりは遥かに小さく、水球のボールくらい?ではないかと思います。
弟分のMICRO SEはおそらくソフトボールくらいの大きさで、A’DIVA SEと比べると2まわりか3まわり小さい感じです。

次にラインナップの確認ですが「A’DIVA SE」は「A’DIVA Ti」というチタンコーン(チタンを用いた振動面)モデルの後継機種にあたり、これらとは別に普通(ペーパーコーン?)の「A’DIVA(無印)」が存在しています。
“鉄球”という呼び名(あだ名)は前モデルの「A’DIVA Ti」の頃から、その真ん丸さと外装がすべて金属製であることを踏まえて付けたのですが、SEモデルはネット(スピーカーに被せる網)に繊維質が使用されていることに加え、以前はドーム型だった形状もフラットの面取りを施されてしまったので、いささか“鉄球”からは遠ざかってしまいました…。

前置きが長くなりましたが、(その形状はイロモノながら)「A’DIVA Ti」は当店のスタッフが個人で購入するほどの『ザ・ステレオ屋的サウンド』だったので新作にも高い期待を抱いての試聴となりました。
まずはいつものようにザっと書き出してみます。

■ANTHONY GALLO (ACOUSTICS) [A’DIVA SE]
●もっとも大きな特徴であり、個性であり、(好みが合えば)長所でもあるのが1音1音の明瞭感とエッジ感です。エッジ(感)は「太いマジックで強調したような輪郭線ではなく」「あくまでシャープでありつつも立体的でキレのある輪郭」であり、個人的には最高峰の輪郭感ではないかと評価しています。
●スピード感はまぎれもなくハイスピードの部類であり、(前述の通り)キレもありますが、エグってくるようなアグレッシブ系のスピード感も持ち合わせており、こちらもまたかなり高い評価となっております。
●1音1音の分解能も極めて高いのですが、少し繊細さには欠けるので悪く言えば荒々しい(粗い)、刺々しい印象です。
●極めて硬質な傾向のサウンドですので温かみのある音や声などの生々しい感じを引き出すのは少し苦手ですが、痛々しいくらいにビシビシと切り裂くようなサウンドとライブやスタジオの直接音のようなピーキーな(音の)立ち上がりは、その愛らしくユニークなルックスからは想像していなかった“ドSサウンド”とでも呼べるような攻めの(責めの)サウンドです。

…と、この上ないくらいに(黒江的には)褒めているように見えると思いますが、1つ大きな欠点があります。
(真ん丸なので置くのに困る…というのもありますが、専用の置台があります)実はこのA’DIVA SEは低音が非常に乏しいスピーカーなのです。
よって、↑前述のサウンドはすべて“アンプによって低音を少し持ち上げている状態”のレポートであり、低音を下げると(その資質は十分に感じられますが)これらの魅力は引き出されません。

この低音の乏しさは、一聴してすぐに気が付けるレベルであり、(決して低音が豊かではない)Vienna acoustics [Haydn Grand Symphony Edition]と比べても明らかに量感がなく、前[A’DIVA Ti]と比べても瞭然です。

そこで表題の通り(気が付いていただいている方もいらっしゃると思いますが)、Pioneer [A-70]の登場となります。
こちらのアンプは(黒江的には)低音の量感が少しありすぎるため、普段から低音をやや下げて使用していますのでこちらの低音を通常の位置に戻して(DIRECTにして)聴いてみると…「笑っちゃうくらい好みのサウンドじゃん!」ということで、先ほどのようなレポートの結果となりました。

ですので、ANTHONY GALLO [A’DIVA SE]を使用される場合は「低音を調整できるアンプ」と組み合わせていただけると幸いです。

黒江的好み度:B- (ノーマル時)
黒江的好み度:S (A-70低音調整時)
黒江的好み度:S+ (曲により)
(久しぶりのスピーカーでの個人的大ヒットでした!)

P.S.
弟分のblogを見ると10月の中旬に試聴しているようですが、この後すぐに“BURRN!”のお話が入ってきたので同様の内容で同誌にて紹介させていただいております。
こちらのブログの方が(字数の関係もあって)より詳細にレポートしていますので、メタルファンのみなさんには特にチェックしていただけると嬉しいです。
なお、同じメタルでもlamb of godのような重厚系より、A7Xや初期BFMVのようなメタリックサウンドのほうがよりフィットしていると思いますので、試聴の際はその辺も気にしていただければと思います。

BURRN! 2014年1月号

水曜日, 12月 4th, 2013

11月の更新ができないまま2013年最後の月を迎えてしましましたが、更新ができなかった1つの理由にもなったのが(久しぶりー!の)以前に連載を持っていた音楽情報誌(ハードロック・へヴィメタル)『BURRN!』誌にて特別企画を書かせていただいたことです。
…ということで、(毎月5日発売なので)12月5日発売の『BURRN! 2014年1月号』に登場します!

今回のコンセプトは「PCオーディオとアナログ(レコード)とオーディオの親和性」と(勝手に)銘打ち、オーディオ全般の流れからはじまって、PCオーディオ(ネットワークオーディオ)やアナログまで幅広く、オーディオの楽しみ方や魅力を網羅しています。
もちろん、内容はいつもの通りビギナー層にもできるだけ分かりやすい表現や文章を心がけていますし、ロックやメタルを聴かない方にも十分に伝わるような内容となっていることと思いますので色々な方に読んでいただけたら嬉しいです。

早いところでは今日から棚に並んでいますので、ぜひお近くの書店やコンビニ等でチェックお願いいたします!

P.S.
(反響が多ければ多いほど、次回の登場時期も早まると思いますので)できたら買っていただけると幸いです。

PMC DB1 Gold [postscript]

水曜日, 10月 24th, 2012

早速のお申し込み、お問い合わせありがとうございます。

前回に引き続き、PMC DB1 Goldについて捕捉させていただきます。

●ユニットの増し締めは必須です。
このスピーカーに限ったことではありませんが、数々のスピーカーと対面してきた経験上で意外に多く見受けられるのが「スピーカーユニット自体がしっかりと固定できていない(または固定が緩んでいる)」ということです。
(特に!)このPMCでは以前から顕著に見受けられ、当モデルDB1 Goldも同様の状態でした。
理由は幾つか考えられ、「輸送中に緩んでしまった」のかもしれませんし「ハナっから緩かった」のかもしれませんが、当店としては増し締めをオススメしたいところです。

締め方は…トルク調整できるドライバーなどを用いるのがベストではありますが、(普通はお持ち合わせでないことと思いますので)比較的簡単な調整方法を書いておきます。
『キュッときつく締めて、少し戻す。』一口に言えばこんなイメージでしょうか。
(締めすぎるとエンクロージャーにめり込むので)力いっぱいではなく、「これ以上は力を入れないと進まない」程度までまずは締めます。簡単にはビスが進まないところまで来たら、そこから少しだけ戻し(緩め)ます。緩める分量は大体30度~45度(時計の針の10分から15分くらい)です。
(大雑把に言えば)きつめに締めると音がタイトになりますが、締め過ぎると音がデッド(量感が落ちる・飛ばない・キレがない)になりますのでご注意ください。

これを(大抵のユニットは4ヶ所)すべてのビスに対して一定の力加減で行います。
厳密に言えば、(時計回り、反時計回りではなく、対角の順番で)4ヶ所をちょっとずつ締め、4ヶ所をちょっとずつ緩めるのが正解ですが、その辺は大らかでも良いかと思います。

なお、締め加減・緩め加減はやはり好みの世界です。
(前述の締め具合に関してはあくまで“締め過ぎない”ための参考です。)
『車やバイクで言うタイヤの空気圧・テニスのガットの張り・料理の塩加減、スパイスの効かせ具合』のようなものなので何度も聴き比べて(味見して)ベストな位置を決めていただけると幸いです。

また、スピーカーメーカーによっては「当社のスピーカーは厳密なトルク調整(トルクコントロール)をしております」といった謳い文句を掲げているところも少なくはありませんので、そういったメーカーの製品を安易にトルク調整してしまうと「そのメーカーのサウンドらしさを失う」ことにもなりかねません。
…が、やはり輸送中の緩みが生じることも少なくはありませんし(少なくともスピーカー自身が振動していますので)長期間の使用では必ず緩みが生ずるものですから、たまにはチェックしてあげると良いかもしれません。

●バイワイヤリング用の金具は必ず外してください。
PMCのジャンパー金具は“とにかく酷い音質”です。…ので、ケーブル(導体)を長く剥き出してHF/LFを貫通させるか、短く切ったスピーカーケーブルを金具代わりに使用してください。

●鳴らし立てのPMCの音はひどいので驚かれないようにお願いします。
(黒江は)スピーカーの初期的なエージングは3段階~4段階くらいに分かれていると考察しています。(初期的とあるのはエージング自体が永続的であるからです。)
初段のエージングは20時間から長いもので50時間くらいで、まずは粗さが取れ、良い意味でほぐれてきます。
2段階目は200時間~300時間(早いもので100時間強くらい、遅いもので500時間)くらいでしょうか、ツイーターとウーハーの繋がりが良くなってきます。(ツイーターとウーハーが別々に鳴っているように感じていたものから、(1つのユニットが鳴っているような)一体感の高いサウンドに変化してきます。
PMCは少なくともこの2段階目のエージングまで進まないと本領発揮とはいかないので到着後しばらくは我慢しつつも、たくさん鳴らしてあげてください。
なお、エージングを早く進めたくても「逆送接続で向い合せての再生」「エージングソフト」「普段聴かないソフト」でのエージングではなく、あくまで現時点でのベストな選曲で手なずけてやっていただければと思います。

●アンプやプレーヤー次第でお好みのサウンドに。
DB1 Goldは非常にレスポンスの良いモニターですので前回のレポートのようなサウンドのみに非ず、様々な鳴らし方に応えてくれることと思います。
例えば、真空管アンプにアナログ(らしい)プレーヤーなどと組み合わせれば、伸びのあるしっとりとした方向にもアプローチできるので様々な方にご検討いたければ幸いです。(とは言え、同じUKモニターだからと言ってHarbethのようには鳴りませんが…。)

●フィニッシュについて。
DB1 Goldはレギュラーモデルのシリーズとは異なり、本国では“Silk Black”と名付けられた仕上げとなっています。実機はシルクというようりはマッドブラックといった感じの仕上げであり、艶・光沢のほとんどないテイストになっています。
無垢材ではもちろんなく、基本はMDF材となり、レギュラーモデルの突板仕上げでもありませんのでその点はご注意ください。(正直なところ仕上げはやや安っぽいです。多少の塗りムラも見受けられますし…。)
(あと、独特な匂いがしばらくお部屋を漂います…。匂いが取れた頃が第2段階のエージング終了かもしれません。笑)

●プライスはお安めです。
DB1iに変わる前のDB1+が定価20万円強でしたのでお手頃なプライスとなっております。

●仕様などについて。
Googleなどで「DB1 Gold」と検索していただければPMCの発行した正規のpdfファイルが閲覧できます。
(なぜかPMCのオフィシャルには無く、よそ様のWEBサイトでしたのでリンクは割愛させていただきます。)

●DB1 Goldの悪い点。
前回は褒めてばかりでしたので端的に述べさせていただきます。
音場は狭く、上下左右の広がりも弱い傾向なのでいわゆる“箱庭的”な鳴りかたです。
また、「ハイスピードかアグレッシブかと訊かれたら…」のくだりの通り、音が目の前にビシビシと飛んでくるようなアタッカーぶりはそこまではありません。
(強烈なヤツが眉間くらいまで迫ってくるとすれば、DB1 Goldは眼前30cmくらいまでしか来ない感じです。それでも十分ですが…。)
黒江的にはもっとヤンチャでも良かったかな…と。(以前は感じなかった雑感なので組み合わせ次第で変わるかもしれません。&以前は防音室でもなかったですし。)

…と、軽い気持ちで書いてみたら長くなってしまいました…。(読破おつかれさまです。)

前回のレポートと合わせて、(ピンときたら)ぜひご検討ください。

PMC DB1 Gold

土曜日, 10月 20th, 2012

一気に寒くなってきた今日この頃ですがオーディオ業界では新製品の発表・発売が多くなる季節ですので、当店では(超高級機は除いて)様々な製品を毎日のようにチェックしております。
(この季節以外も年中してるかな…。笑)
そんな中、“何の前触れもなく”現れた1つのモニターを今日はレポートさせていただきます。

【ハイスピード系コンパクトモニターの(一つの)最終形。】

タイトルをご覧いただければ一目瞭然かとは思いますが、(数年以前の)黒江のマストアイテムであったDB1がこの度(限定モデルではありますが)復刻いたします!
(“何の前触れもなかった”のは限定数での生産であるため、限られたディーラーに案内されたからなのです。)

製品名は「DB1」となっておりますがツイーターがソフトドームであるため、ベースは「DB1+」となります。(本国にも確認済みです。)
かなり以前のコンテンツにメタルツイーターのDB1SMとDB1+を聴き比べたレポートがありますが(自身で読み返して「あれ?こんなくらいしか書いてなかったんだ…」と思ったくらい)、淡白なレポートですので少しおさらいもしつつ新たにレポートさせていただきます。

まず、初代DB1とDB1+は、やはりメタルツイーターとソフトツイーターの差に尽きると言っても過言ではありません。
メタルツイーターの方が冷たく硬質でややキンキンしていますが、「キーン」と張りつめた高音域は天井に向かって突き抜けるような伸びがあってこれはこれで魅力的であると思います。(人によってはこちらを選ぶかと思います。)
一方のソフトツイーターはS/N感と分解能が非常に高く、粗さの無い繊細な高音域となっていますが、反面で金属音に強かった初代に対してこちらはややドライな高音域となっているため金物(特に余韻)の響きに(ほんの)少し物足りなさを感じるかもしれません。
…と、要は“好み”の問題かもしれかせんが、黒江的には「DB1+の方が僅差で軍配」という結論でした。
(その後のDB1iは価格が高くなってしまったのであまりクローズアップしていませんでしたが、そのうちに改めて聴いてみようと思います。)

その上でいつものようにサウンドの傾向を書いてみたいと思います。
(かなり好きなサウンドなので“べた褒め”っぽくなっちゃうと思いますが、予めご容赦ください。)

■PMC [DB1 Gold]
●“キレのあるハイスピードサウンド”この一言だけで終わらせてしまいたいくらいの圧倒的なキレとスピード感です。
アグレッシブさも持ち合わせていますが、「アグレッシブかハイスピードか」と問われたら躊躇なく「ハイスピード」と答えると思います。
擦る音(バイオリンなど)や吹く音(フルート・クラリネット・ラッパなど)よりもアタック音が得意なタイプであり、ディストーションギターのガリガリ・ジャリジャリとした歪みの細かさ、粒立ちとエッジ感やスネア・バスの打音にシャウトボイスの立ち上がりやザラつきなどがとにかく秀逸です。

●PMC社の専売特許とも言える、(14cmウーハー)サイズからは想像できないくらいにしっかりとした低域が出力されます。
ベースの再現力に関しては(ウーハーサイズが大きい)Haydn Grand Symphony Editionよりも高く、ATC SCM7などにも引けを取らないレベル・クオリティでありながら、ボーカルやギターの前に重なってくるような(出しゃばった)出かたでもない“ちょうどいい”加減です。もちろん、ビシッとタイトに描かれていてボワつきやゴワつきなどは一切ありません。

●1音1音・各パート・音像とすべてが明瞭で、抜群の定位感は“とにかく秀逸”といった印象です。
強いて悪く言えば「輪郭の強めなサウンド」です。輪郭の強めということは、テレビなどの映像機器でいうところの“シャープネスを高めにした”状態であり、クッキリとハッキリと見える状態です。
極論を言えば(黒江が日頃から嫌っているような)「作った音」とも言えそうですが、輪郭線は細く、持ち前のスピードとキレで高速に1音1音が描かれるので輪郭を押し付けられるような印象はありません。(音の輪郭がもっと太いか鈍足であれば強調された感じを強く受けてしまっていたかもしれません。)

●全体的にはややドライな音色傾向です。
ドライと言えば「Klipsch」を思い出しますが少し傾向の異なる感じで、Klipschは金属感のある「カンカン」としたドライ、こちらは金属感のない「ザラザラ」としたドライです。
“ウェット感”を感じさせてくれることはまずないと思いますので、「しっとり・マイルド・軟らか」などの傾向が好ましい方は選択肢に入れないでください。

●Handcrafted In the UK
いわゆる“MADE IN UK”です。

黒江的好み度:S

言わずもがなとは思いますが、ハードロック・ヘヴィメタル系のリスナーさんはぜひ注目してやってください!

P.S.
(世界)限定販売ということですが、世界で200セット程度ということのようです。
そのうち日本では20セット程度だけの入荷とのこと。(当店ではその半分程度です。)
(限定品商法をするつもりは一切ないのですが、ピンと来た方はすぐにでもオーダーいただかないとSOLD OUTしちゃうと思いますので)ぜひお早めにお問い合わせください。
レギュラー品(DB1i)もありますからこれを逃してまだ手には入れられます。(音は少し違いますが。)
価格は(オープン価格の限定品と言うことで公に出来ませんが)13万円以下で提供させていただきます!

Klipsch RB-41 II/RB-51 II/RB-61 II

火曜日, 12月 20th, 2011

本日は表題のスピーカーをレポートさせていただきます。

【ドライでアグレッシブ、“畳み掛ける系”サウンドの急先鋒。】

Klipschを一言で言えば、↑こんな感じなのではないかと思っておりますが、今日はこのKlipsch新シリーズの3兄弟をご紹介いたします。

まず、共通のポイントとしては…

●ウェット感が少なく、非常にドライなサウンド。
シンバルなら『スプラッシュよりライド(クラッシュ)』、ギターなら『ディストーションよりオーバードライブ』、ボーカルなら『色気のある女性ボーカルより(しゃがれた)ハスキー』、『擦る弦楽器(ストリングス)より打楽器』などなどの方がフィットしているかな…と思っている次第です。
(ただし、ラッパ[トランペット・サックス・他]は金管の艶もよく出ていてとても好印象です。)
●とにかくアグレッシブ。
音(も唾も)が飛んでくるような前へ前へと迫ってくるサウンドな一方、(見通しの良い)奥行き感を作り出すタイプではなく、眼前を音で埋め尽くされるようなラッシュ系のサウンドです。
●熱っぽい(情熱的)サウンドで、黒江的には『赤・黄』といった暖色系のイメージ。
決してウェットな音や冷たい(感じの)音が出せないわけではなく、よりハマる音の傾向がしっかりしているという感じです。
●スピード感は上々。
キレのあるスピード感というよりは、噴き出すようなドライブ感の高いスピード感。
●荒さ(粗さ)が感じられ、クリアさにも一歩欠けるのがウィークポイント。
JBLのモニターと同様、鳴りっぷりの良いハツラツ系の代償ですので仕方が無い点だと思います。
●高能率!
これだけスペックの話になっちゃいますが(笑)、特にビギナーには嬉しい(高能率なのでミニコンポなどの出力の小さなアンプでも充分に鳴らせるのが)ポイントです。

…という点を踏まえていただき、3兄弟をそれぞれレポートします。

■RB-41II
【Klipschらしくないものの、もっともバランスの取れた名小型モニター。】
●ウーハーサイズの関係からやや低域がさみしいところもありますが、その分キレがあり、高音~低音まできれいに揃っていて定位も良好です。
●音の細かさ(分解能・粒立ち・粒子感)も3機種で随一。このRB-41IIだけはスッキリとした見通しを感じさせてくれます。
●ただし、Klipsch独特の響きやドライさも少なく、癖が非常に少ないので“Klipschらしくない”サウンドなのでご注意ください。
●このキレとスピードならHEAVY METALもバッチリです。
●黒江的には今年の(新製品?)スピーカー群ではベストかもしれません。
黒江的好み度:A(~A+)

■RB-51II
【3兄弟の中ではもっとも気難しい(性格?の)真ん中次男モニター。】
●試聴前は最も(バランスが取れているだろうと)期待していましたが、(黒江的には)中途半端に感じられてしまい残念な結果となりました。
●低音(重低音)を無理に出そうとしており、結果的にブーミーに。
●低音を出そうとするため、中音が(マスキングされたり、鳴りきれずに)伸びず、ボーカルやギターが遠く感じられます。
●一方で、高音は吹き出すようにギンギンと鳴りますので、高音と低音が主張されたドンシャリサウンドの感が否めません。
●低音の解像度が今一つなので全体的に混濁気味になってしまっている印象です。
黒江的好み度:C(~E)

■RB-61II
【RB-41IIとは対照的にKlipschらしいハツラツサウンド。】
●RB-51IIと比べてもエンクロージャー(筐体)が一気に大きく感じられるようになり、大型モニターの部類に入るサイズが象徴的です。(購入前にサイズのチェックは必ず!)
●伴ってウーハーサイズが大きくなりますが、(ウーハーサイズの恩恵で)低音にRB-51IIのような無理やり感がなく、締まりのあるしっかりとした低音がポイントです。
●中音域もしっかりと鳴っていて、帯域バランスが良く、ベースやバスドラがブリブリと聴こえる上にボーカルやギターが埋もれることなくバシッと飛んできます。
●スピード感も上々で“ごきげんなハードロックサウンド”といった無骨さと、アッパーな鳴りっぷりはこのRB-61IIにしか出せないサウンドです。
●音像(特にボーカルの口の大きさ)は大きめで、ちょっと散らかったような、ややまとまりに欠ける(エッジが明瞭でシャープに定位するタイプではない)面もありますが「これぞKlipsch!」と頷いてしまうサウンドなので、Klipschサウンドの支持者にはぜひご一聴いただきたいモニターです。
●黒江的にはHARD ROCKや80年代のLA METALなどはコイツで聴きたいです。
黒江的好み度:A-(~B+)

■総括
“黒江的好み度”でお分かりかと思いますが、3兄弟の中ではRB-41IIが断トツにハマりました。
…が、(黒江はJBLの4312系も結構好きだったりするので)「ザ・Klipschサウンド」のRB-61IIも正直に言って捨てがたいです。(買うとしたらRB-61IIかも。)
RB-51IIは個人的にはダメでしたが、逆に「(3兄弟で)これが一番いい!」という方も多いのではないかとも思っておりますので、RB-51IIユーザーさんは誤解の無きようにお願いします。
強いて言えば(3兄弟)すべてバスレフ型なので「密閉タイプも作っていただけたら」と思っている次第です。
(※特にRB-41IIはリアバスレフなので壁から30cm~50cm程度は離して置いてあげられるとベストなのですが、小型モニターを検討されているユーザーこそ、それが出来ないんですよね…。せめて棚に押し込めたりしないでください。)
(※※RB-41IIの密閉型orフロントバスレフ型が出たら絶対に買います!)

…ということで、Klipschのサウンドにならって「ちょっとアツめの」レポートでした!

Vienna acoustics Haydn Grand Symphony Edition

月曜日, 6月 6th, 2011

今日は2本立てで書けそうなので書いておきます!

【Haydn Grand Symphony Edition ≒ Haydn Grand Special Edition】

(ご周知の方もおられるかもしれませんが、実は)先だって完売しました『Haydn Grand Special Edition』は当店が日本で一番(=世界で一番?)多く販売させていただいたのですが、(その最後の試聴機を残しておいたので)この度の新モデル『Haydn Grand Symphony Edition』との比較試聴をさせていただきました。

…で、結果なのですが、見出しの通り「ほぼ同じ(目をつぶって聴かされたらたぶん分からない)」です。

…って、実はこれは当たり前の結果と言えると思います。
それは『Haydn Grand Symphony Edition』は『Haydn Grand』のウーハーをスパイダーコーン(ウーハー)に変更し、それに伴ってネットワークを調整したモデルだからです。
これは『Haydn Grand Special Edition』と同じ変更点なのです。
結果的には『Haydn Grand Symphony Edition』の量産モデルといっても過言ではないと思われます。(その割に値段は上がりましたが、SEユーザーへの配慮かもしれませんね。)

もちろん、輸入元さんからも少し早目に情報が入っており「仕様上はSymphonyとSpecialに相違点が無い」ということでしたし、(いの一番に聴かせていただけることになったので)それであれば「同時比較試聴」がベストであると思い、あえて『Haydn Grand SE』を“手放さずにとっておいた”というワケなのです。

見た目もまったく同じです。(ネットワークまでは引っ張り出しませんでしたが、せいぜい誤差範囲かと思われます。)
大きく違うのはフィニッシュだけです。ピアノブラックやローズウッドなど、選択肢が増えましたが(その分?)値段が上がりました。
また、Special Editionに付いているCDは付属しません。

なので、サウンドのレポートは以前のリンクをご参照ください。
(決して手を抜いているのではなくて、本当に同じレポートなんです。^-^;)
なお、Mozart Grandも同様の変更ですので「以前のモデルの方が好きだった」という方も少なくないと思われます。

http://www.digitalside.net/?p=375
http://www.digitalside.net/?p=381
http://www.digitalside.net/?p=390

DYNAUDIO Excite X12 NEUTRAL & NATURAL

水曜日, 9月 29th, 2010

今回はDYNAUDIOのエントリーコンパクトモニター「Excite X12」をレポートいたします。

【あらゆるジャンルを“そつなくこなす”というキャラクターの持ち主。】

いつもながら若干「????」な見出しとなってしまいましたが、こんな表現に尽きるモニターだと思います。
まず(これまたいつもながらですが)、黒江的には非常に気に入った「オススメしたいモニター」に軽ーくランクインしてしまった実力機であると前置きさせてください。

その上で、大体の位置付けや音の傾向を他のオススメモニターとの比較レポートにてご紹介いたします。

●基本的には「色付け・癖が少なく、バランスの整ったハイスピードモニター」ですが、HAYDNと同じく若干しっとり・ウェットな音色(音触)感があります。
 (HAYDNは冷たい感じの冷ややかな湿度(水気)だったのに対し、Excite X12はもう少し常温寄りの印象で、キンキンとしたヒステリックさはありません。)

●解像度が高く、広がりのあるサウンド。いわゆる音場が(当店がオススメしているモニターの中では)かなり広い方で、リスニングポイント(定位・焦点)から多少ずれても大きく聴こえ方が変わる(HAYDNのような)「ピンポイント」タイプではありません。

●リアバスレフ(背面に(低域を補強する)バスレフポート(穴)が空いているもの)の割りには低域の回り込み、被りが少なく(当店の試聴室だと左右後方共にかなり広く取れるからでもありますが)、久しぶりにリアバスレフもので「合格点」を付けられるものに出会いました。

●レンジは「ちょっとだけ狭め」。SCM7に比べると低域はやや浅く、HAYDNに比べると高域は少しおとなしめの印象で、特に高域方向はスーパーツイーターで補強することによってよりハイスピードとなることも期待できるので、ぜひ実践してみたいところです。

●少々残念なのは「アンプのパワーが必要な点」。能率は86dBと決して極端に低くはないのですが、数値以上に「なかなか(本領発揮し)鳴ってくれない」という印象で、Iconなどの小型アンプでは期待した音にちょっとならなそう…。ですが、だからと言ってそんなに大きなアンプが必要と言うわけでもなく、当店で(ここ1年くらいの集計で)一番多く売れている「TEAC AG-H600」で充分にドライブできますのでご安心を。

…と、大体はこんな感じです。
また意味不明なことを言うかもしれませんが、
「音のキャラクター感はATC SCM7とrevolver MUSIC 3の中間点くらい」
「音の細かさはHAYDNにも近いものがある」

…と、なんだかいいトコ取りみたいになりますが、そんなわけでもなく
「抜けが良くって、ハリもあるし(黒江的にはスネアのサウンドがかなりツボ)、音の密度感も上々。なんだけど、どれも頭抜けていない・突出した武器がない。」
そんな印象でもあります。

それでも、「手の平サイズ」とまではいかなくても、かなり小さなモニターですし、見出しの通り「どんなジャンルを鳴らしても悪い印象を抱かせない」「速い曲は速く、遅い曲は遅く」「スピードも切れ味もあるのに聴き疲れるサウンドでもない」という何だか万能な感じが憎いヤツです。

とにかく、とりあえず、「ザ・ステレオ屋イチオシ・オススメモニター」に認定ですので、みなさん要注目にてお願いいたします!
(…あ、なんといっても定価126,000円という大プッシュの中では最安値なのも忘れずに書いておきます!→販売価格はお問い合わせください。)