Archive for 7月, 2017

ザ・ステレオ屋オリジナル『MS-DF12A TS』モニタリング

月曜日, 7月 24th, 2017

表題の通り、当店オリジナルの電源ケーブル『MS-DF12A TS』(TIGLONベース)のモニタリング…いわゆるレンタルを開始させて頂きます!

モニターの条件は…
●身分証明書(免許証・保険証・社員証など)を提示いただくこと。
●往復の送料(着払い発送、元払い返送)をご負担いただきます。
 ※ただし、お買い求め頂いた際は1,000円のキャッシュバック。
●配送業者は指定不可、配送センター留め不可、身分証にてご呈示いただいたご住所以外への配送不可となります。
●送らせていただくケーブルはあくまで商品となりますので、汚されたり、傷つけられた場合はご購入いただきます。
 ※レンタル品はプロト(試作等)ではなく、量産品(完成品)ですので、そのままご購入いただいても結構です。
 ※レンタル品は正式型番:MS-12A TS 長さ:1.5m 1本となります。
★ザ・ステレオ屋リピーター様には身分証のご呈示を割愛していただける場合がございます。
…となります。

P.S.
いずれも『原則』とさせていただきますので、まずは気軽にお問い合わせください。

TIGLON MS-DF12A TS

月曜日, 7月 24th, 2017

ms_df12a_ts

今回はTIGLONとコラボレーションさせていただいた、当店のオリジナルモデルとなる電源ケーブルをレポートさせていただきます。

【ザ・ステレオ屋オリジナル!無言実行の職人気質サウンド。】

TIGLONさんとは2回目のコラボになるのですが、前作「MS-12A TS」と同様のプラグの変更に加えて今回はTIGLONさんにてチューニングを施していただくことでより当店の好みが実現できました。
当店だけの力に非ず、(音を通しての意思疎通を図れた)TIGLONさんの業にも感謝しつつレポートさせていただこうと思います。

■TIGLON [MS-DF12A]
まずは(TIGLONの)ノーマルモデルと共通のポイントを挙げていきます。
●S/N感・解像度・レンジ感などの基本的音質が良好で、しっかりとした情報量と音場も持ち合わせています。
●サウンドステージの描写は各パートの立ち位置が明確・明瞭で奥行き感に優れた“音像型”、上下左右の広がりに優れる“音場型”の中間に位置する印象ですが、(どっちつかずだからといって)中途半端なワケではなく“音像”“音場”を上手く両立しています。
●硬質さ、シャープさの強い傾向ではありませんが、付帯音や無駄な癖づけがなく、ストレートで録音に忠実な傾向であると言えます。
●スピード感は上々であり、低音~高音まで各帯域(のスピード感)が揃っている点はとても好印象を覚えます。
●(寒色・暖色など)音の温度感や色味感もどちらかに大きく偏ることはありません。(強いて言えばわずかに寒色、わずかに青味でしょうか…。)
●一聴してすぐに“クリアな傾向のサウンド”ということが言えるタイプのケーブルであり、歪み感や淀みのない清涼感・すっきり感を感じるサウンドです。
○高音の伸び、1音1音の分解能、少し重さを感じる(お世辞にも“すごく軽快”とは言えない)点には(いずれもほんの少しずつですが)改善ポイントを見出しています。

…と、ここからは↑を踏まえて、当店のオリジナル(カスタムチューン)モデルのレポートです。
■TIGLON feet.ザ・ステレオ屋 [MS-DF12A TS]
●ノーマルモデルからS/N感・解像度・レンジ感はさらに向上し、伴って様々な相乗効果が表れています。(やはりすべての源になるS/Nの向上は偉大です!)
●(少しエッジの線が太く濃く感じられて)少しだけくどかったエッジ感がシャープに、鋭利になり、伴って音の切れが飛躍的に改善されています。
●スピード感は“上々”から(「かなり」「超」までは付かないものの)“ハイスピード”になり、音の立ち上がりも鮮明になっています。
●音場が狭くなったように感じることはないものの、少し音像型の方にシフトしたような印象であり、各パートのセパレーションが改善しています。
●1音1音の分解能も非常に向上し、(ディストーションのジャギー感など)粒立ちがかなり分析的に再現されるようになっています。
●少し気になっていたサウンドの重さも払拭され、抜けのよい疾走感を得ています。
黒江的好み度:S

オリジナルモデルについては「手前味噌」に映るかと思いますが、プラグをノーマルモデルよりも高品質(高額)のものに交換したのですから(改悪される要素は少なく)当然と言えば当然の結果となりました。
(色々と並べましたが)特筆すべきは『スピード感』『分解能』『切れ(エッジ感)』『S/N感』の向上・改善かと思われます。
元々クリアさを感じられる音でしたが、そのクリアさが更に向上したことには(思いの外の結果に)驚きもありましたが、シナジー効果がことごとく(黒江の)好みの方向に働いてくれたことはオリジナルとしての展開を決心させてくれる結果に結びつきました。

強いて幾つか述べますと…
○ノーマルモデルより少し硬質気味・寒色寄りになった。
○悪く言えばノーマルモデルにあった音の濃さ・密度感が少し減退してしまった。
○切れや抜けが向上した代償で音の伸び、音の粘りなどは小さくなり、やや淡泊なサウンドに。
…といったところでしょうか。
(音の特徴は両立できないことが多いので代償は付きものですね…。)

なお、(元々のTIGLONサウンドが)比較的“シックな音”ということもあり、このMS-DF12A TSも決して派手さのある音ではないのでビビッドさや煌びやかさ、(盛ったような)鮮やかさなどは薄めのテイストとなっていますのでご注意ください。
ただ、そういった派手さや強調・主張(盛り)は無いし、狂おしいほど○○、超○○のような強い特徴があるわけでもないけれど「全体のクオリティーを確実に上げてくれる基本的音質の高さ」は正に寡黙な職人業といったところです。

…ということで、当店が聴いて判断したオリジナルモデルですので当店(ザ・ステレオ屋サウンド)をお嫌いでない方には広くお勧めしやすい商品となっています。(少々お高いのは申し訳ございません。)

試聴希望、お貸し出しなど気軽にお問い合わせください。

Pioneer N-70AE

金曜日, 7月 14th, 2017

今回は(初代)N-50世代、N-70A世代を経て、3世代目となるPioneerの新製品N-70AEをレポートいたします。

【三代目で完成形を迎えた、ジェット系のスピード感と絶妙なバランス感。】

言わずもがな、N-50は(全国{≒全世界}でトップの販売台数となったくらい)当店のイチオシモデルとしてベストセラーし、続くN-70Aにも高い評価(高好み度)を付けさせていただき、引き続きのヒットとなりました。

N-70Aもなかなかの完成度であり、「3代目にしてさらに磨きを掛けて(ブラッシュアップして)くるだろうか、それとも音傾向を変えてくるだろうか…」と、いつものように様々な思いを巡らせながらの試聴となったのですが、果たして結末は…。
(N-70とのvs形式にてレポートします。)

■Pioneer [N-70AE]
●N-70Aと比べると、S/N感や解像度など、基本的音質が1ランク向上しています。
●特にS/N感の向上が顕著であり、クリアさが上がることで音の切れ、抜け、粒立ち(分解能)などが(相乗効果で)かなり向上しています。
●音の傾向はN-50・N-70Aと同様傾向のクリア系ハイスピード(やや寒色の硬質モニター調)でありますが、N-70AEは前2機種と比べて低域の量感がそこそこ(これ以上出過ぎると黒江的にはNGになるギリギリ)に出ていて、絶妙な帯域バランスとなっています。(黒江的分析だと“きれいなフラットバランス”よりは、わずかに低域強め。)
●音場は決して広大とは言えないものの、(左右のスピーカーから、もう少し外側までは広がりの出る)適度な広さを持ち、奥行きや高さ方向(天地)も十分です。
●“超”ではありませんが、かなりのスピード感(ハイスピード)であり、音像定位も良好です。
●高域~低域のレンジ感も問題ありません。
●スピード感や、エッジ感は「切り裂くような」というタイプではなく、体を突き抜けるような「風を切って(飛んで)る感」であり、ハイスピードに体を通り抜けてゆくような疾走感を持っています。(輪郭はシャープ過ぎず、細め。強調感もないですが、ちゃんとエッジが見える感じです。)
黒江的好み度:S

…と、(黒江にとっては)これと言って悪さを挙げるような点がないくらいになかなかの完成度であると言える1台でした。
低域が(本当に黒江が許せる)ギリギリの量感でありつつも、タイトで緩みやボワつき、モヤつきが一切なかった点が大きな勝因となっていて(音の抜けが悪くなったり、切れ、スピードの悪化・劣化に繋がったりするので)いつもは低音が少し抑え目の音を高評価(高好み)にするのですが、今回は久しぶりに十分な量感を持つモデルを推せる結果となりました。

DAC系では久しぶりの“イチオシ”ですので、みなさんに聴いていただければ幸いです!
(N-50からの買い替えはちょうどいいタイミングかと思います。DSDや新規格に対応していますしね。)

P.S.
以前のモデルのレポートも合わせてチェックしてみてください。
N-50
http://www.digitalside.net/?p=629
http://www.digitalside.net/?p=637
http://www.digitalside.net/?p=844
N-70A
http://www.digitalside.net/?p=861

NuPrime IDA-6 & STA-6

火曜日, 7月 4th, 2017

今回はNuPrimeからの新製品をレポートさせていただきます。

【ミニマル・アグレッシブ・ちょっとミステリアス…。】

アンプの(個人的)ヒットが続きます!

NuPrime(NUPRiME)から登場したIDA-6/STA-6は手のひらサイズよりは1周り大きめ、A5用紙を正方形に近づけたくらいのコンパクトボディのアンプです。

エントリーゾーンのラインナップということで、比較的お求めやすいプライスとなっています。
しかしながら、同社が得意とするClass Dアンプの恩恵でかなりのハイパワーが得られるため、ビギナーモデル、コンパクトモデルにありがちな“パワー不足”とは無縁のドライブ力を持っています。

それではいつものレポートでご紹介させていただきます。
■NuPrime [IDA-6]
●鳴りっぷりが良く、音離れ(リリース)や音の飛び(噴き出し)はハイクラスのアンプにも引けを取りません。
●サウンド傾向は雄々しくてアグレッシブ。シャープで繊細な鳴りとは相反するポジショニングで、少しゴツゴツ感やマッシブさを感じさせる(少し濃いめの)“骨太系サウンド”とも表現できます。(いずれも、「少し~ほんの少し」程度であり、癖の強いコテコテ系ではありません。)
●基本的には原音に忠実なモニター調、色味や音色を付帯させることなく、帯域バランスも(全帯域がフラットバランスで)上々にまとまっています。
●1音1音の分解能は上々で、シンバル・スネアのクラッシュ感、ディストーション、ベース(巻き弦)の歪み感などに優れ、ボーカル(シャウト)も力強く飛び込んできます。
●音にもたつきがなく、全体的にタイトであり、ブーミーさ、モワモワ・ボワボワ感のない(超高速ではないですが)ハイスピード感を持っています。
○音のエッジは少し太めで、切れっ切れではありませんが、俊敏な立ち上がりとアタック感を持ち合わせています。
○サウンドステージは狭く、音場のレゾリューションは少し低めです。
○高域・重低音にもう一伸びがなく、お世辞にもワイドレンジとは言えません。
○S/N感に少し課題があり、“透き通るような音の抜け感”とはいかないようです。
黒江的好み度:A+

■NuPrime [STA-6]
※おおよその傾向はIDA-6と同等です。
※その上で、(STA-6の倍額程度の)少し上のクラスのプリアンプと組み合わせた際の印象をレポートします。
●レンジ感はSTA-6よりも少し改善します。(特に高域方向)
●切れ・抜け・音像定位などIDA-6の良さを残しつつ、全体のクオリティは1つ上がります。
○S/N感は「文句無し」とまではいきませんが、(プライス的にも)及第点は付けられると思います。
黒江的好み度:S- (組み合わせるプリアンプ次第)

…と、このような印象となりました。
結論・考察を先に述べると「一番の課題はS/N感」といった感じで、S/N感が改善されれば、抜けや切れ、奥行き感、見通しなども相乗的に改善されていたことと思われます。
とは言え、この価格にそこまで求めるのもどうかとは思いますし、そのコンパクトさ(設置し易さ)や(軽いので)扱いの手軽さなども加味するとかなりのCPであると言えます。
このところ一気にアンプのお勧めが増え、(今日現在の現行品で)L-550AXII/AI-503/EA101EQ-Gと揃ってきていたものの(いずれも10万円を超えてくるものだったので)、ようやくビギナーにも勧めやすいアイテムの登場を見ることが出来ました。

なお、1つ物申しておきたいのが「謎の入力端子」群なのですが、OPTICAL(光デジタル)・COAXIAL(同軸デジタル)がそれぞれ2系統まではいいのですが、「USBはBluetooth用(笑)」「アナログ入力はミニジャック(笑)」となかなかの謎仕様(ミステリアス仕様)となっております。
お買い求めの際はこの辺りに十分注意していただき、ご自分の環境にフィットさせられるかをご確認ください。

ちょっと変態仕様ですが、小さくて、パワフルで、アグレッシブな、なかなかのじゃじゃ馬は乗りこなせれば(使いこなせれば)良い走り(スピーカードライブ)してくれそうです!