Archive for 5月, 2010

Music3 vs Haydn Grand Special Edition

火曜日, 5月 25th, 2010

僕が今まで聴いてきたモニターの中でもっとも“ビリビリ”っと来たモニターであり、長らくリファレンスとして採用してきたPMC [LB1 (Signature&Classic)]が入手困難になってから久しいですが、4年の歳月を経てようやく新しいリファレンス(ラインナップ)が出揃ってきました!

今日は先日紹介したVienna acoustics(ビエナ・アコースティックス)の「Haydn Grand Special Edition」と、こちらも以前に紹介した当店専売のrevolver(レボルバー)の「Music 3」をvs形式でレポートしたいと思います。

【青・陰のHaydn Grand Special Edition、赤・陽のMusic 3。】

…と、見出しは「かなり大袈裟に対極的に」書いてはいますが、両者の傾向はウリ2つといっても過言ではありません。
(マンガの「タッチ」の達也と和也のように、顔立ちも、性根(2人とも南が好きで、優しくて、野球好き?とか)もそっくりなんだけど、個性が違うみたいな…。)
なので、そのことをご理解いただいた上でこの「vsレポート」を読んで頂けると幸いです。

共通して言えることは…、

●音の輪郭がしっかりしていて、音像がしっかりと定位する「シャープ&ソリッド系」であるということ。
 音の塊を体ごと受け止めたり、熱気あるエネルギーを感じたり、重厚で圧倒的な情報量が魅力というタイプではありません。

●ハイスピード。
 音におけるハイスピードとは…音の立ち上がりが明確で、(実際に出ている)ピーク(音の棘)を丸めず、不自然な余韻(元の音をより響かせたり、滑らかにしたり)などがない状態を示しています。

●高い分解能。
 時に「薄味≒優しい味」「デジタルな画像や音よりも、アナログな写真や音」「ハッキリとした意見よりオブラートに包んだ表現」が心地良い(≒疲れない)ように、音を軟らかく聴かせようとすると高分解能で神経質なサウンドではなく適度にぼやかす様なサウンドとなることがありますが、両機は「あくまでモニターであることを前提」に製作されています。

●高いS/N感。
 ハイスピードに、ハイレゾリューションに音を出そうとすると丁寧さに欠けて荒っぽくなってしまいS/N感を損なってしまう印象を持ちますが、高価なスピーカーにも引けを取らない明瞭でクリアなサウンドです。
 両者は「無理やりハイスピード・ハイレゾリューションにして音を出す」というよりも「素直に自然に音を出す」という素性を持っていて、モニター側で何か仕事をしようという概念がなく、結果「鮮度感の高い透明なサウンド」を出力できているのと考えています。

…次に、Vienna acoustics「Haydn Grand Special Edition」の持ち味は…

◆「Music3」と比べてやや艶のあるサウンド。
 同社特有の味付けと言えると思いますが、「乾いた音までもが湿っぽく聴こえる」ようなことはありません。

◆極々細い針状(線状)の音の粒が数千~数万というくらい無数の数となってこちら(耳)に向かって来て体(耳)を通り抜けていくイメージ。
 大太鼓だろうが、コントラバスだろうが、どんな野太い音でも細かな音の集合体です。その音を形成する音の粒が本当に細かく聴き(感じ)取れます。

◆(僕の理想からすれば)ほんのわずかだけ、少し緩めの低音。
 十分に締まっていて、タイトな低音であることには変わりありませんが…。

◆高音はちょっとキンキン気味。
 これも同社特有かと思いますが、「ちょっと冷たくて、ちょっと硬めで、氷のようなイメージ(なので青)」。
 …なんですが、総じて音に派手さや華やかさ、明るさはなく、淡々と鳴っている印象(なので陰)です。

…続いて、revlover「Music3」の持ち味は…

◇「HAYDN LIMITED」と比べるとパンッと張りのあるサウンド。
 細かさもあるし、レーザー(光線)的なピンポイント感もあるのですが、加えて「弾け飛ぶ・切り刻む」といった鋭利なイメージも抱かせます。
 「HAYDN LIMITED」の針状に対して、こちらは無数の鎌鼬(カマイタチ)が耳に向かって放たれて(体を通り抜けて)いくイメージでしょうか。

◇「HAYDN LIMITED」と比べるとやや明るく、ちょっと厚めで、ちょっとドライなサウンド。
 こちらも「艶のある音が乾いて聴こえる」ようなことではありません。
 決して派手ではありませんが、比較すると「少し元気(なので陽)に、少し能動的に」聴こえます。

◇(僕の理想からすれば)ほんのわずか、ちょっとだけ粗っぽいかと…。
 「HAYDN LIMITED」がクールだったり、「Music3」の方が厚みがある分だと思われますが、ちょっとザワつく感じがあります。
 ただし、その分「力強さやドライブ感(なので赤)」には軍配が上がります。

…と、こんなところでしょうか。

赤とか、青とか、陰とか、陽とか、ちょっと無理矢理にも思えるかもしれませんが、「同じような傾向のものでも、明らかなキャラの違いが出ることを表現したいだけなので」あまり思い込みすぎないようにお願いします。

Vienna acoustics「Haydn Grand Special Edition」はシャープ
revlover「Music3」はソリッド
って書いた方が手っ取り早かったかもしれませんが…。(笑)

またATC SCM7などとも「vsレポート」書きたいと思います!

HAYDN GRAND SPECIAL EDITION

木曜日, 5月 20th, 2010

久しぶりの隠し玉を遂に解禁します!

以前から当社の新たなるリファレンスとして活躍していたVienna acoustics S-1G[HAYDN]ですが、
この度輸入元がCECからアルファメガへと移ることとなったため、しばらくみなさんに紹介することが出来なかった製品があります。

それが、この「Haydn Grand Special Edition (or HAYDN LIMITED)」なのですが、早くこのレポートを書きたくてうずうずしておりました!

【至上最高の分解能・クリアネス】

もちろん「僕の思うに」であり、「この価格帯&サイズ」という点も含まれますが、
この「音の細かさと透明感」はちょっと聴いたことがないです。

S-1G(ノーマルHAYDN)と比較すると…
●HAYDN(S-1G)でも十分、十二分に高分解で、高い透明感だと思っていたのに、あっけなくそれを超えてくれちゃいました…。
●レンジ感も特に低域方向に一伸びしており、唯一の弱点だった低音の課題(深さ・量感・解像度)も改善されています。
●相変わらずの明瞭なエッジ感は「無理やり描かれたような強調された輪郭線ではなく、自然に音の輪郭が耳(目)に映るようなシャープさ」。
●よりすっきりとした見通しで(静かになった時などの)静寂感が向上しています。

…と、要はHAYDN(S-1G)をらしさはそのままに1ランククオリティを高めている「だけ」ではあるのですが、
その「だけ」が、とても大きな差に感じられるLIMITED EDITIONです。

くどいようですが、特筆すべきは「分解能」と「透明感(≒S/N感)」で、
僕の大好きな粒子感に例えると、HAYDN(S-1G)はザラザラした砂粒としたら、HAYDN LIMITEDはサラサラの粒砂といったところです。
液晶やデジカメの画素数などが分かりやすいかと思いますが、例えば画素が4倍になったとすれば、
今まで「1画素(≒1ドット)だと思っていた点(音)が実は4画素だったんだ」と気が付かされるような感じであり、
「おおー、このシンバルって、こんな細かい音だったんだ」…というような場面がしばしばあるのです。
(繰り返しますが、HAYDNでも十分に分解されていると思ってたんですけどね…。)

無論、「細かい」ということは無意味に細かくしているということではなく、粗め(に鳴るのが正解)の音でさえ、
まるでバクテリアが分解してしまうように溶かして(分解して)しまうということではありません!

そして、その分解能がもたらすのが「クリアネス」です。
音の粒子が細かいゆえに音と音がぶつかり合わず、透き通るような奥行きを見せてくれて、1音1音の存在感が高まります。

強いて言えば、その高分解ゆえに「音の厚みや濃さ、密度感を感じさせてくれるサウンドではない」のですが、
もちろん定位も良好で、音の輪郭がありますので音像感もしっかりしていて決して「薄っぺらいサウンド」ではないのが救いです。
あと、旧モデル(同ブランド)特有のちょっと色艶が乗ってる音色感ではあるかな…と。

仕様的な違いですが、基本的にはウーハーユニットが異なるだけです。
伴ってネットワーク(クロスオーバー)若干調整しているようですが、確かにツイーターとウーハーのかぶりが少なくなっていて、見通しが向上している感じがするので納得です。
画像のCherry(茶色)がLIMITED MODELで、赤茶がNORMAL MODELです。
(よーく見るとLIMITEDとNORMALのウーハーの違いが分かります。)

…ということで、長くなりましたが久しぶりの(黒江的)超ヒット製品です!
「LIMITED」の文字通り世界で500セット、日本国内では50セット限定の販売です!
メタル系・ロック系・ポップ系を中心に聴かれている方や「黒江サウンド」に共感いただいている方は「絶対買い!」です。お見逃しなく!

Vienna acoustics [HAYDN GRAND SPECIAL EDITION] \210,000

http://www.viennaacoustics.at/news/HaydnSpecial.pdf

http://www.viennaacoustics.at/products/haydn/haydn.php

P.S.
あ、revolver [Music3]もお忘れなく。(^-^;
この2機種+ATC SCM7(or SCM11)あたりを聴けば1台は必ずアタリがあると思います!