Pioneer A-50DA (A-70A / A-70DA)

11月 20th, 2015

Pioneerの新製品アンプ群をすべて比較試聴いたしましたので、(これまたちょっと遅くなりましたが)レポートさせていただきたいと思います。

基本的にはすべてA-70(無印)を基調のリファレンスとし、A-50DA vs A-70A vs A-70DAと比較検証しています。

【自分の子より、弟の子供の方が自分に似てる気がする…(みたいなお話)。】
(自分の子も弟もいないので、あくまで例えですが。^-^;)

結論から述べますと、この数年でもっとも黒江がイチオシ、激オシだった「A-70」の後継として登場したA-70A・A-70DAは「明らかにキャラクターの変化が(大きく)感じられ」(黒江の観点・視点からだと)A-70の代わりにお勧めできるようなサウンドではありませんでした。
(いつかも似たようなことを述べた記憶がありますが)A-70を入手し損なってA-70A・A-70DAで似たような音だと思い込み購入されるのは、まったくもっての見当違いとなりますのでご注意ください。

その代り?と言ってはなんですが、A-50DAはクラス下でありながら上々の出来であると思いますので、踏まえてレポートさせていただきます。
(もちろん、A-70A・A-70DAは黒江の求める音・好みの音からは程遠いということなので絶対的な評価ではありません。ですので、黒江的サウンドを求める方にはお勧めできないというだけですので誤解の無きようにお願い申し上げます。A-70A・A-70DAについてはレポートいたしませんが、黒江的には低音域の力強さに“行き過ぎ”感を感じざるを得なかった点、その他数点です。)

…ということで、(↑のように)今回はちょっと変わった見出しとなりましたが、A-50DAをレポートしたいと思います。

■Pioneer [A-50DA]
●(基本的にすべてA-70との比較検証によるポイントです。)スピード・切れ・クリア感は(定価ベースでも1ランク上の)A-70に軍配ですが、A-50DAはスピード感とアグレッシブさを兼ね備えているタイプのサウンド傾向になっています。
●やはりA-70の分解能(音の細かさ)には及びませんが、A-50DAは1粒1粒の音に力強さがあり、インパクト感のある(A-70よりは)重めの音になっています。
●それでも上々のスピード感があり、音と音が充満して見通しが悪くなるようなこともなく、十分な抜けや透明度を保ったサウンドステージを描きます。
●低音もタイトで緩さを感じる傾向ではありません。
●帯域バランスも良好(ただし、A-70同様にベースを少し落とす)で高音~低音の質感も揃っていて、癖のある音作りではありません。
○下位モデルと言うこともあって、全体的に少々粗っぽさが感じられる場面も。
○S/N感・解像度などの基本的音質面は(価格には十分見合った)上々のスコアを付けられるものの、クラス上のアンプ群と比べるとわずかに見劣りする点があります。
黒江的好み度:A

まとめると「シャープでスピーディで、非常に細かい粒子の硬質(寒色)系だった(旧)A-70」に対して、「もう少し1つ1つの粒子感が大きくなるも、その分パワー感(アグレッシブさ)は増し、キレとスピード感はわずかに低下するも(音が自分にめがけて)前に飛んでくるA-50DA」といった感じでしょうか。(一時のTEACやPRIMAREをもう少し硬質にしたような傾向で、なかなか絶妙なポジションにあると思います。METALには合いますよ!)
メタルやロック、J-POPというジャンルで高く評価したいという点では(型番通りのA-70A・A-70DAではなく)明らかにA-70のDNAを引き継いでいると言えるので、気になった方にはぜひ試聴をお勧めしたいところです。

なお、このA-50DAも以前のA-70と同様にBASSを少し落として(時計の10時~11時くらい)聴いていただくのが黒江的なおすすめポイントですのでご注意ください。

A-70のレポートは↓こちらです。
http://www.digitalside.net/?p=727
http://www.digitalside.net/?p=736

お値段や試聴等、気軽にお問い合わせください。

HAYDN Grand Limited Edition

10月 30th, 2015

少々遅くなりましたが、今冬“激オシ”のザ・ステレオ屋リファレンスモニターをご紹介させていただきます。

【『触るな危険』領域のキレと圧倒的なスピード感。】

以前から「ロックやメタル、J-POPなどを聴く上で」最高の出来と声高に述べてきたHAYDNですが、またしても新たな(限定)モデルが登場してまいりましたので早速HAYDN Grand Special Edition(≒ HAYDN Grand Symphony Edition)との聴き比べを行いました。

…と以前のHAYDNのレポートなどは(まだ読まれたことがない方は)下記リンクを先にご参照いただければ幸いです。
http://www.digitalside.net/?p=375

(↑からの抜粋ですが…)
【至上最高の分解能・クリアネス】
もちろん「僕の思うに」であり、「この価格帯&サイズ」という点も含まれますが、この「音の細かさと透明感」はちょっと聴いたことがないです。
…と述べているくらいにHAYDNのクリアさは(ものすごい高いものまで聴いていますが)かなりのハイレベルであることは間違いありません。

その上で「ネットワーク(スピーカーの端子部に搭載されている周波数をコントロールする小さな回路)とツイーターが変更されている」という(未確認)情報の新作はどのような違いを聴かせてくれるのか、非常に楽しみな聴き比べでありました。

■Vienna acoustics [HAYDN Grand Limited Edition]
●パッと聴いてすぐに感じられたのは、高域が更に一伸びしたような印象で(人によっては嫌がられるかもしれませんが)よりピーキーな高音を出せるようになっています。(もちろん、ピーク感を盛っているということではなく、再生音に対してより忠実なピーク感を出せるようになったということです。)
●低音のクリアネスが更に向上しており、エッジ感が強めになっています。最低域の伸びは変わった印象はなく、ATCやPMCのDB1などと比べると少し(深さの)浅めな低音となっています。(その分ブーミーさは皆無ですが。)
●スピード感も(大きくは違いませんが)更に向上しており、これ以上のスピード感を持つスピーカー・モニターには今のことろ巡り合えていません。
○全体的に硬質感が増しており、(硬質サウンドが好きな方でも)いわゆる聴き疲れをし易そうな傾向にあります。
○高域の存在感が上がっているため、やや派手(落ち着きのない・シャカシャカした)な傾向となっていますので(以前のモデルよりも更に)好みが分かれるところであると思われます。
○総じて“より刺激的”になってアグレッシブさが増したという様相です。(ハイスピードにアグレッシブ足したら(黒江的には)敵無しですね!^-^;)
(下の3つは人によってマイナス点となる可能性がありますが、黒江的にはプラス要素でしたので(僕と好みが合いそうな方は)好意的に捉えていただければと思います。)

…と、HAYDN Grand Special Edition(≒ HAYDN Grand Symphony Edition)との聴き比べで感じられた点をザッと挙げてみましたが、やはりツイーターの変更(に伴うネットワークの調整(変更))による(そこまで大きな差ではないのですが)差異がもっとも顕著に感じられた印象でしたが、いずれにしてもHAYDNらしいサウンドであることには変わりなく、上記に列挙した項目以外はほぼ以前のHAYDNと共通ということで間違いありません。

強いて言えば、刺激的、アグレッシブとさせていただいた面がやや荒さに感じられる面もなくはない…かな、と言った程度ですが、この辺りはぜひ実際に試聴などをして各々感じていただけたらと思います。

限定数の生産ということで(リミテッド商法みたいであまり好きではないのですが…)、HAYDNを検討されていた方にはぜひお勧めさせていただければと思います。
(なぜか価格も少しリーズナブルになっているので好機だと思います!)

P.S.
比較した前モデルのHAYDN Grand Special Editionですが、かれこれ丸5年くらい鳴らしているので(エージングがしっかりできているので)Limited Editionが余計刺激的に聴こえているのは…といった推測もしております。
(ので、)あくまでも参考程度にレポートを読んでいただけると幸いです。

P.S. 2
初回投稿時にツイーターが異なると書いていますが、ツイーターに変更はないかもしれません。
(ただし、輸入元ページには「コーティングが施されれている」主旨の記載があり、見た目にも光沢感の有無で少し違いがあるのでマイナーチェンジ程度の変化はありそうです。)

オーディオはじめました。- Prologue -

10月 9th, 2015

「黒江先生…!!    オーディオがしたいです……」

…と涙ながらに言ってきたかは、どうだったかよく覚えていませんが、2人の青年が“あくる日”にいよいよオーディオ導入の決意を固めてくれました。

(仔細は割愛しますが)2人とはプライベートでも仲が良く、僕の良き理解者でもあり、いつも応援してくれていますので(僕がザ・ステレオ屋の経営を支える)店長であることも、誌面等への執筆(内容など)もよく知っていてくれていることと思います。
なので、よく知っている仲だからこそ、(自分の商売である)オーディオを押し付けるわけにはいきません。
それでも、イベントや来店時には「やっぱちゃんとした音で聴くと違うなー」「欲しいんですけどね…」などと言ったり、こちらからも「そろそろ買ってみる?」なんて会話があったりして、「じゃあ次のボーナス出たら相談に来ます」みたいな“未遂”レベルまでは話が深まったりとしていました。(具体的に何機種か紹介してあげたりも…。)
そんなかんなを繰り返しながら月日は進み、前述の“あくる日”を迎えます。

『予算の壁と無駄買い(を避けるため)のジレンマ。』

ここからは会話方式で書き出していきます。(略記は黒江→黒・番場→DB・湯川→HY・番場&湯川→2人)
(くどいですが2人とは仲がいいので黒江が敬語ではないのですが、何卒ご理解ください。)

黒「とりあえず、具体的な予算はどのくらい?」
2人『10万円くらいは確実に出せますが、それだと足りませんか?』
黒「(年齢的にも)やっぱりそのくらいだよね…、(2人は)楽器とかも買うしね。 組み合わせによってはもう少し…ってなるかもね。」
2人『どんなのが候補ですか?』
黒「音の好みにも拠るけど2人は俺(黒江)のリファレンス的なサウンドの方向性でいいのかな?」
DB『自分は今までたくさん聴かせてもらってきて、それでOKです。』
HY『僕も大体OKで、もう少しだけ聴き比べたいです。』
黒「了解です。そしたら、次は大きさの制限かな。(いくつかのスピーカーを見せて)この大きさまでしか入らないってある?」
DB『自分のところは他に物が少ないこともあって大体置けそうです。』
HY『僕はできれば(かなり小さめのモニターを指して)このくらいがいいです。』
黒「PCとか置いてるデスク上の両脇に置きたいんだっけ?」
HY『そうですね。』
黒「了解、だいたい分かったので今日はとりあえずENTRY Siを聴いてもらっておこうかな。」

…と、2人の予算、HY君の大きさ制限に見合って、もっとも黒江がオススメしやすいALR/JORDAN [ENTRY Si]を(とりあえず)聴いてもらうことに。

(試聴後)
2人『音の方向性はいい感じだったので、ザ・ステレオ屋さんのお勧めから選んでもらえれば。』
DB『ただ、自分は結構前から何度も聴かせてもらってきたので、(どうせ買うなら)もう少し上のランクのスピーカーも捨てがたいかな…と思いました。』
HY『僕もENTRY Siは価格・大きさからしたら相当良いと思えたんですが、リファレンスのスピーカーと比べると…。』
2人『悩ましいところですね。』

…とと、ここで(見出しの通り)当初の予算と(本当に欲しいなと思える)実際の予算のジレンマが生じてきてしまいました。
焦って買うこともないですし、HY君は設置の工夫などができるかもあったので「どんどん上げていくつもりは無いけれど、予算に関しては今一度検討してもらうプランも提案させてもらうかも」…と(設置予定空間の採寸もお願いしつつ)2人には伝えて一旦お開きにいたしました。

一先ずは予算で買えるものを買って、後々(人によりますが数か月~数年)に入れ替えていくのもオーディオ購入のセオリーですが、(一先ず買ったものを下取りなどするにしても)買い替える回数が多くなるほど結果的な出費は大きくなるので時には予算を上乗せしてでも長く付き合えるものをセレクトする方が賢明な場合もあります。

2人はどんなプランを選ぶのでしょうか…。次回に続きます。

『DB君・HY君のオーディオはじめました。』(不定期)連載スタート!

9月 4th, 2015

(様々な理由から)しばらく更新の間が空いてしまいましたが、またポツポツと更新してゆこうと思っております。

なお、(↑様々な理由の一つですが)BURRN!誌での連載が9月5日発売(←土曜日になるので多くのところでは本日発売)の今月号より再開されています。
ちなみに、同誌に於いて先月号では同一タイトルのアナログとCDを聴き比べる特別企画を手掛けており、かなりの時間と労力を費やしてしまったのも“blogを留守”にしてしまった一因でございました…。(それだけ大変だった割には「校了で気が抜けてしまったりで」こちらでの告知もやらずじまいでしたが…。^-^;)
今後は連載も再開ということで、ブログが疎かにならないように努めたいと思っております。

…と、タイトルの通り、今までにはなかったタイプの不定期コンテンツをはじめます!

仲の良い(20代の)ユーザーさんお2人によるオーディオ機器(導入)実践編レポートとして、当店が手掛ける『プランニング(買い方)・コーディネート(組み合わせ指南)・テクニック(調整アドバイス/ノウハウ)』などをお届けできればと思っております。
具体的なやり取りなどが読んで取れる内容となっておりますので、このコンテンツを読み進めていただければ、なかなか当店に足を運べない遠方の方・ご多忙の方・スケジュールが合わない方でもバーチャルな(感じで当店との)やり取りを体験していただくことができます。

協力していただいているのは『番場 大輔さん(DB君)・湯川 秀人さん(HY君)』(コンテンツ中は堅苦しくなるので“君づけ”で呼ばせていただきます。)のお2人です。
比較的お住まいも近く、よく知る仲でありますので少々贔屓にした対応(主に機器類の貸し出し)が見受けられることもあるかと思いますが、“ガチな企画”となっていますのでお2人(のオーディオ・音楽ライフ)が成長していく様を楽しんで(少しでもの参考になれば)いただければ幸いです。

ASUS Essence One MKII MUSES Edition

5月 20th, 2015

今回は「思わぬ(メーカーから)伏兵が表れた。」…と、一聴した感想から書かせていただきたいほどにイチオシ…いえ、『激オシ』したくなったDACを紹介させていただきます。

【“音楽の女神”が奏でるハイスピードサウンド。】

まず先にメーカーである『ASUS』さんについて述べざるを得ません。
台湾に本社を構えるASUSは(おそらく)PCのマザーボードメーカーとして産声をあげたブランドであり、少なくともつい最近までは音響機器とは(ほぼほぼ)無縁のメーカーであったと思います。
故に(僕がASUSを知ってずいぶんと経ちますが)今日このような形でDACのレポートを書かせていただくことになるとは夢にも思っていませんでしたが、ASUS自体は「Nexusシリーズ」などでこの数年来、非常に有名になっていると思われますので「聞いたこともないメーカーだな…」といった未知な存在ではなく、(僕は)比較的あっさりと受け入れてしまえました。
(なお、台湾のメーカーであり、○国とは全然異なります。当DAC製品も品質管理やパッケージのきれいさなどは非常にしっかりしています。ので、変な拒絶反応はしなくてもよいのではないかな…と個人的には思っております。)
ちなみに、読みは「エイスース」が公式の読み方(呼び方)です。(黒江はエーサスって読んでいました。笑)

…と、前置きはこの辺にして、Xonar Essence One MKII MUSES Editionを聴かせていただいた経緯を(サラッと)述べておきますと、(いつもとは真逆で)スペック(仕様)や使用パーツをリリースで拝見したことがきっかけです。
前述の通り、今まではオーディオと無縁のメーカーさんであったわけですから交流も無く、細部の仕様を確認せずに“先に聴く”ということができません。
…ので、止む無く先にリリースを見ることになったのですが「この仕様(内容)ならどうみてもウチに合ったサウンドが出そうだな…」と、リリースを見てすぐに思いが過ぎり、取扱い先を探してみるも見つからず、その後(どうしても一度聴いて答え合わせ(確認)してみたかったので)色々、諸々を経て実機を聴けることになった…という流れです。

よって、いつもとは逆に「こんな音が出るんだろうな」…と期待し?思いながらの答え合わせでしたが、いつものようにレポートしたいと思います。
(試聴時の比較対象はAura neoの内蔵DACがメインでneoからの同軸デジタル出力をXonar Essence One MKII MUSES Editionに入力しています。)

■ASUS [(Xonar) Essence One MKII MUSES Edition] (EONE MKII MUSES)
●(過去最速?の)neoと比較してもほぼ互角のスピード感で、タイプは(ガツン・ドカンと来る)攻撃的・暴力的なタイプでは“なく”、スッコーン・スッカーンといった突き抜ける系のハイスピードです。(「ほぼ」と付けたのは極々わずかにneoの方が早い印象だった為ですが、曲によってはそのごく僅かな差も感じられず、極めて「=」の(超)ハイスピードサウンドです。)
●1音1音・音像・音場いずれもクリアネスであり、明瞭なサウンドです。(ただし、仕様(測定値?)ではS/N比が120dBとなっていますが、そこまでの印象はありませんでした。…と言っても十分すぎる高S/N感には間違いありません。)
●キレ・立ち上がり・アタック音も非常に良好で、シャープ・タイトで俊敏・鋭敏に音が立ち上がり、スパッと切れよく収束します。
●高音~低音のバランスもフラットで高音が走って(突っ込んで)ジャリついたりすること無く、低音ももたつきや緩みが無く、ボンついたりすることがありません。
●強いて言えば“わずかなウェット感”があり、極々わずかながら(余計なヴェール感ではなく、音の余韻を帯びたような)“エンハンス感”があります。(←このエンハンス感を上手く伝えるのが難しそうなので、全体の文章を読んで察していただけたら…と思います。^-^;)
●よって、ジャリジャリのシャウトがほんの少し生気を帯びていたり、スネアのアタック音に皮の張り感やインパクトの躍動感がよりリアルであったり、ガリッガリのディストーションサウンドを描きつつも音色が失われなかったり…とシャープさを出しつつも高い情報量も感じられるサウンドとなっています。
●エッジ感はしっかりとした線がくっきりと見える(輪郭強調)タイプではなく、エッジ線自体は極々細いがしっかりと輪郭を描いている(シャープで明瞭)タイプです。
黒江的好み度:S

…と言うことで、neoと比較して「極々わずかなエンハンス感(から来るウェット感)」を帯びている印象以外は(neoと)大きな違いを感じない印象で、ザ・ステレオ屋(黒江)的には大ヒットな結果となりました。
(双方黒江が好きなDACチップですが、neoとはDACチップが異なるのに似たような音に聴こえるのが不思議でした…。)

DSD対応ということもあり、最新機種への買い替えにもお勧めしやすいのでぜひぜひご検討いただければと思います!
(個人的にはnorth star design Intensoとどちらにするか悩ましいところですね。)

お値段や試聴等、気軽にお問い合わせください。

P.S.
レポートはすべて「UPSAMPLING」はオフを前提に書いております。(オンの音はエンハンス感が強烈に高まってしまい、あまり評価していません…。←歌モノにはよいと思います。)
紹介しているのは「MUSES Edition」です。MUSESでないモデルとはまったくサウンドが異なりますのでご注意ください。(ザ・ステレオ屋では(少しの差でもありますし)圧倒的に「MUSES Edition」をお勧めしています。)

CEC TL5 (and CD5)

4月 22nd, 2015

今回は「そろそろ完全復活かな?」と思わせてくれそうなCECからのニューリリース機をレポートいたします。

【『CD5 – DAC = TL5』に非ず。】

先に述べておきますと昨年秋にCD5がリリースされておりましたが、(バタバタもあって)すっかりレポートをし忘れておりました…。(CECさんごめんなさい…。)
ですので、今回は2機種をセットでレポートさせていただきますが、見出しの通りの印象・結論となりましたので(セットで書く方が分かりやすく、伝わりやすく)結果オーライだったかな…と思っている次第です。

CDを回転させる部分に直接モーターを入れず、アナログレコード(プレーヤー)と同様にベルトを用いて回転させる『ベルトドライブCDプレーヤー』と言えば、世界的にも同社しか生産できないであろうCECの代名詞的製品です。
ダイレクトなモーター駆動とベルトドライブ、理論上では(CDから読み取るデータは回転のさせ方で変わることはないはずなので)同じ音が出るわけですが、その実はベルトドライブでしか得られないサウンドが確かに存在し、その傾向を好ましく感じられたユーザーにとっては他に代えられるものが無い存在であることは間違いがありません。

その傾向・特徴は「やはり(ダイレクト駆動に比べると)アナログチックな柔らかく濃い音」という傾向がとても際立ちます。
この傾向に関しては(前述で理論上では変わらないと述べていますが)モーターがCDの真下に無い分、モーターから発せられる磁力や電気的ノイズの影響ををDAC部分が受けにくい、(回転はより正確になるが)モーターの振動の影響が出やすいダイレクトに対してベルトドライブは振動の影響が(回り続けるDISCにも回路にも)出にくい…などなど「違いが生じてもおかしいとは思わない」要素は幾つか考えられると分析しています。
(ただ、そんな屁理屈をどうこう言うより、パッと聴いた時の同社のサウンドが「とにかくアナログチック」なのですから、難しいことは考えずに黒江は受け入れてしまっていますが。)

…と前置きが長くなりましたが、踏まえて2機種をレポートいたします。
(タイトルとは順序が逆で先にDAC内蔵のCD5、次にトランスポートのTL5です。)

■CEC [CD5]
●(今までの)「ザ・CECサウンド」といった印象のマイルドで濃密な、やはりアナログチックな印象を受けるサウンドとなっています。
●高S/Nで高解像度でクリアに広がり、抜けがいい…といった方向性では『なく』、聴き疲れのしない滑らかでスムーズな傾向であり、“音色”をしっかりと聴かせてくれるタイプの音作りになっています。
●…かと言って、S/N感や解像度に難があるといったことではなく、十分な透明感を確保しつつも情報量を最大限に引き上げたような印象を持ちます。
●暖色でウェットなテイストがありますが、ウェットと言っても「瑞々しく冷たい水っぽさではなく」、「ほんのり湿度・湿気を帯びた暖かい方のウェット感」を持っています。
○キレやスピード感には乏しく、やや鈍足の傾向ですが、丁寧な描き出しで音の実像感がぼやけるような「緩々のサウンド」ではありません。
○(特に高域の)ややレンジ感には欠ける印象で、「キーン」と言った突き抜けるような高音が「ピーン」と少し先丸になるなど、アナログっぽさの副作用が良くも悪くも少し感じられます。

■CEC [TL5]
●CD5のレポートに加えて“CEC”“ベルドライブ”のイメージを合わせれば、こちらもさぞ暖かくて柔らかめのサウンドが出るのであろう…と思っておりましたが、(見出しの通り)CD5からDACを抜いたものが=TL5ということではなさそうです。
●音色のある少し先丸なサウンド、スムースなサウンド、キツさや硬さのない印象はある程度のベルトドライブらしさ、アナログチックを踏襲していますが、TL5は高いS/N感からくるクリアさを併せ持っているサウンドになっています。
●CD5同様にウェット感もありますが、こちらは温い暖色のウェット感ではなく「瑞々しさの感じられるウェット感(かと言って冷たいわけではありません)」。
●キレやスピード感も「ある」とはお世辞にも言えないものの、「中速」程度のスピード感は出せており、緩さや鈍足さを感じるサウンドではありません。
●高いS/N感からの相乗効果か、レンジ感もあり、見通しや抜けの良さも「ある程度」あって上々で、低音がボンついたりモコモコするようなこともないのでポップス系などは歌・オケ共に相性が良くバランスの良いサウンドであると思いました。
○いずれにしても「非常に○○が高い」と言える要素は無く、悪く言えば「器用貧乏」「優等生タイプ」な傾向のプレーヤーとなっています。

…と、なかなか意外でもあり、興味深くもある印象となりました。
双方に通じることは「聴き疲れのするような硬質傾向ではないこと、温度感は異なるがウェット感があること、ハイスピード系ではないが情報量が高く、音の密度間が高い」といったことが挙げられます。
しかしながら、双方はまったく異なる傾向とも言える要素がありますので、一体型を検討するかトランスポートを検討するかの検討材料になれば幸いです。

個人的にはTL5の秀逸さには太鼓判です。(悪く言えば~の通り)突出したジャンルはありませんが、クラシック・ポップス・ロック・メタル(も「あー、これじゃ聴けない!(停止ボタン)とはならず」…とどんなジャンルでも聴けるのは何ものにも代え難いポイントだと思います。
(おそらく、ベルトドライブの利点を活かしつつも高いS/N感を両立したところに勝因があるのではないかと推察しています。)

なお、昨今の(小さな業界内ではありますが)PCオーディオブームで単体DACを所有されている方はかなりいらっしゃるかと推測します。
CDもそれなりに聴くし、それなりのプレーヤーが欲しいけど、DACの音には満足しているし(それなりの値段したし)、DACと同じくらいのCDプレーヤーを買うにはちょっと躊躇いがある…なんてことがある方にとってはTL5は非常にお勧めしやすい1台ではないかと思いました。(普通のCDしか再生できませんが。)

お値段や試聴等、気軽にお問い合わせください。

Pro-Ject Elemental vs Essential II

3月 4th, 2015

今回は(安価なモデルながら)今現在もっとも評価しているアナログプレーヤーのEssential IIに、ちょっとエディションの異なる“腹違い”な兄弟機(兄機)が登場しましたので弟機と聴き比べてみました。

【○いElemental、■いEssential II。】

本国のPro-Jectメーカーページをご覧いただくと分かりますが、Elementalには(今回紹介する)透明なプラッター(レコード盤を載せる回転台)のアクリルバージョンと(おそらく)Essentialと同等のMDFバージョンがあるようです。

このうち、現在、国内(輸入元ナスペック経由)で入手できるのはアクリルタイプでありますが、兄弟機とは言えど音の質感や傾向の差異が大きい2モデルとなっておりますので、ぜひぜひこのレポートを参考にご検討いただければと思います。

まず、両機の違いは目で見て明らかです。
Elementalはとにかく丸い(○い)です。そして(マットを乗せないでいると)白っぽい透明なのでとっても○(白丸)な感じです。
○の両サイドにモーター部とアームベース部がポツンポツンとくっついているような感じで『非常に無駄のないエレガントなデザイン』といった印象です。

次にEssential IIに目をやると、とにかく四角い(■い)です。(当店のはBLACKです。)
『四角い板にプラッターとアームを必要最小限の設置面積で搭載した』だけのシンプルさで、悪く言えば無味乾燥なデザインといったところでしょうか。
また、(特に肉厚・重厚な造りのアナログプレーヤーが多い中、)Essential IIはプラッターやボディなど全体的に“薄い”といった印象も強く残します。

■Pro-Ject [Elemental] vs [Essential II]
●(以前のレポートの通り)Essentialは非常に癖の少ないサウンドであり、実に素直な出音を提供してくれます。
●(価格を感じさせないくらいに)S/N感が高く、(スー・サー・プチッというようなレコード特有の)トレースノイズ・スクラッチノイズも少なく、付帯音に感じられる要素がごくごく少ないため、(アナログっぽさはあまり感じられませんが、)クリアで明瞭、見通しの良いサウンドステージを展開します。
●かと言って、(情報量が欠如したような)スカスカした感じではなく、十分な音の濃さ、強さ(ダイナミクス)、レンジ感も出してくれていて、正にシンプル・イズ・ベストなサウンドとなっています。
○対するElementalは“しっとりと豊潤”さを感じさせる、滑らか、マイルド、ウェットな傾向にあり、(コテコテのアナログプレーヤーには及ばないものの)アナログらしい印象のサウンドを聴かせてくれます。
○S/N感やダイナミクス、レンジ感はEssentialと差異なく、(前述の通り)そこまでコテコテの音作りではないので、(プレーヤーの音癖を)押し付けられるような強引さがなく、色々なジャンルを気軽に楽しませてくれます。
○かっちりし(すぎて)いる(?)Essentialに比べて、やや先丸で伸びや余韻のある傾向となっていますので、歌モノなどは生々しさがより強調されてハマりやすいのではないかと思います。

なお、初見では『筐体以外はほぼEssentialの流用かな、でも筐体とターンテーブル(の素材)だけでも変わるだろうな…』と思っていたElementalですが、よくよく見るとアームも(作りはそっくりですが)太さが異なっていたり、板の代わりになる筐体ベース部の材質感が異なっていたり…と結構違うものなのだな…と気が付かされました。
(つまり、Essentialの■を○にしたのが=Elementalという簡単なものではなかったということです。)

勝手な推測・考察となるのですが、両機のサウンドが異なる理由はやはり筐体のシェイプとターンテーブルの材質の影響が強いと考えており、よりリジットなEssentialに対して、丸みを帯びていて且つ面積・体積の小さい筐体が、よりアクリルの柔らかさを引き立てている…といったことが非常によく表れていることと思っております。
(あえて近い価格でこの2機種を揃えてきたメーカーが「このサウンドの違いを楽しんでもらうため」であるとしたらすごくいいセンスだな…とも。)
(デザイン先行でElementalという方もいらっしゃるとは思いますが、音あってのプレーヤーです。できましたらちゃんと両機を試聴して選んでもらえれば…と思います。)

…ということで、(価格帯の並び方などから)兄弟機と述べさせていただいてはおりますが、実質的には従兄弟機といった感じの両機ですので、無機質モニター派はEssentialを、アナログらしい派ならElementalをお勧めしたいと思います。
(どちらもコストパフォーマンスに優れた良作であることには自信を持って太鼓判押させていただきます!)

そろそろアナログも聴きはじめてみませんか。

P.S.
当レポートは“USB対応フォノイコライザー【無し】”モデルのレポートとなりますのでご注意ください。
フォノイコライザー搭載モデルには(搭載のフォノイコの音でガラリと変わってしまうので)レポート内の一切の分析や感想が当てはまりません。
また、この製品を使用するにあたっては別途フォノイコライザーが必要になります。
(当レポートは当店リファレンスのTRIGON Vanguard IIを使用しております。)

north star design Intenso

1月 22nd, 2015

2015年最初のレポートです。今年もよろしくお願い申し上げます。

【Essensioの正統後継機と謳わせてもらいたい隔世遺伝の末弟機!】

http://www.digitalside.net/?p=444
http://www.digitalside.net/?p=779

↑以前のレポートをご覧いただければ手っ取り早いのですが、メーカー公称(?)的にEssensioの後継とされていた“Impulso”は(当店の検証では)あまり純血感を感じられない結果となっておりました。
「やはりESS社のDAC(チップ)では難しいかな…」とほぼ諦め状態でいたのですが、(Impulsoが最下位エントリー機と伺っていたので)不意打ちで登場した“Intenso”が見事に良い意味で期待を裏切ってくれることに。(!)

久しぶりの(黒江的)大ヒット機なのでちょっと褒めちぎりなレポートになるかと思いますが、いつものように色々と述べさせていただこうと思います。

■north star design [Intenso]
●north star design社製品の音質や傾向ではもはや鉄板的なS/N感の良さ、音場のクリアさ、1音1音の淀み無さ…などなどは本機でも健在です。余計な音、ザワつき、付帯音などが感じられないすっきりとしたサウンド傾向です。
●目…ならぬ耳を惹くのが(黒江の大好きな)、かなりのハイスピードサウンドで、Essensioと同等のスピード感を誇ります。(おそらく現行機種の中では最上位を争うレベルではないかと…。)
●加えて(これまた大好きな)、高分解能なサウンドであり、ディストーションの歪み、シンバルのクラッシュ音、シャウトの擦れなどなど、音の粒の細かさと粒の量が精密且つピーキーに刺激的な音を正確に再現しています。
●低域はタイトでやや硬め、全体的(全帯域的)にも音像感の強い引き締まった傾向にあります。
●輪郭はEssensioに比べるとほんの少しくっきりしていますが、Essensioがかなりシャープなエッジ感でしたので「これくらいで丁度よくなった」と取れる感もあります。
●「完璧!」などと言うつもりはさらさらありませんが、ハイスピード傾向のEssensioに『アグレッシブさを持たせた』ような正に理想的な傾向となっており、この数年来のモデル中ではザ・ステレオ屋リファレンスの上位を争えるようなサウンドです。
○(やはりEssensioなどと同じく)音場は狭いタイプで、左右のスピーカーの間から正面にフィールド形成してくるイメージの鳴り方をします。
○前に向かってくるタイプのサウンドですので、あまり奥行き感を感じさせる傾向にはありません。
○低域も一般的なものよりはやや薄めであり、量感のあるタイプではありません。
○(後述しますが)ESS社のDACであるからなのか、(ロックやメタルを聴く上では)ほんのりしっとりで(自然ではありますが)ほんのり伸びのある印象です。(かえって好ましく思われる方も多いかもしれませんが…。)
(「ほんのり」というのは「ほぼほぼ気にしなくてもいいレベル」と言っても良いくらいですし、他のDACに比べれば全然しっとりもしていないし、伸びもないと思います。あくまでEssensioなどと比べると…という意です。)
黒江的好み度:S(~A+)

…といったところです。
黒江的には「久しぶりの大当たり!」といった会心作であり、当店で第1号であろう「DSD対応のイチオシモデル」がやっと登場してくれました。(^-^;)

…と、少し考察してみます。こちらの[Intenso]も(黒江が苦手な)ESS社のDAC(チップ)なのですが、これだけ印象の異なるサウンドを出してくれた理由が気になるところです。
もちろんDAC(チップ)なんて所詮デジタル信号をアナログ信号に変えるだけの作業(持ち場・役割)なので、その「取り出したアナログ信号を増幅する」アナログステージと呼ばれるところの影響(黒江にとっては恩恵)が大きいのだとは思います。

(特にnorth star design社のアナログステージは出来るだけ余計なことをせずにストレートに、原音(録音)に忠実な出力を心がけているそうです。)
(逆に言えばnorth star designでは「ESS社のDACに少し癖がある」と判断し、「今回のIntensoでは」その癖をキャンセルさせるアナログステージ作りをされたのでは…と勝手に思い込むことにしましたが。)
(ただし、その癖をキャンセルする中でほんのりESS風味が残っているような印象を受けることも…。↑の補足です。)

それと、以前のPioneer [U-05]のレポート「http://www.digitalside.net/?p=829」でも触れたように、IntensoではESSチップでもES9016を採用しているのが大きいようです。
ですので、黒江が苦手なESSチップは(巷ではもっとも高音質とされている…^-^;)「ES9018」に限られるようで、「ES9018」以下のチップであれば(料理の仕方によって)好みのサウンドに近くなることが分かりました。
(Pioneer N-70AもN-50Aも「ES9018」以下のチップですしね。)

ネットワークにこそ対応していませんがUSB DACが直接繋げるNASも今後増えてきそうですので(後日DELAもレポート予定)これからの購入で“ネットワークレスDAC”はまた熱いジャンルになるのではないかと思います。
ぜひご購入の参考にしていただければ幸いです。

お値段や試聴等、気軽にお問い合わせください。

P.S.
ちなみにEssensioは(Intensoがアグレッシブさを備えた分、わずかに厚め・濃いめにシフトしているので)すっきり感・シャープさ・切れ・細かさなどは少し優勢でした。
DSD対応や、よりハイレゾリューション化を進めたい方はEssensioからIntensoへのリプレースで失敗はないかと思います。
(ちなみにちなみにEssensioは虎の子の最後の1台を在庫しております!)

Pioneer N-70A

12月 11th, 2014

今回は表題のN-70Aをクローズアップしてレポートしたいと思います。

【そつなく、癖なく、隙なく、あらゆるジャンルを自然に鳴らす。】

サウンドレポートの前に発売日からこのN-70Aを聴いてきた雑感のようなものではあるのですが、黒江が記した前回の「vsレポート」然りで、これまでは何となく「N-50の後継がN-50AでN-50Aの音質をより高めたのがN-70A」のような概念を持っていました。

…が、最近ではこの3機種がまったく別物の3機種であるような考え、位置づけに代わってきており「N-50は最終プライスが非常にお得なベーシックモデル」「N-50AはDSDが再生できるエントリーモデル(N-50の経験値を活かしてはいるけど、N-50をベースにして造っているのではない(DACチップがまったくの別物ですしね…)。)」といった捉え方も色濃くなってきております。

そして、このN-70Aなのですが、前述の通りN-50A(の音質をより向上させて)との差別化を図ろうとしたしたモデルというよりは、marantzのNA-11S1(NA8005)やLUXMANのDA-06(DA-200)などを強く意識して設計・計画されたのではないかな…と勝手ながら推測してみたりしています。

もちろん、(価格も倍近く異なる)NA-11S1やDA-06にはそうそう簡単には及びませんが、後発の優位性である機能面やCP面ではなかなか良いところに付けていると思いますし、何より僕がはっきりと述べておきたいのは「豊潤で濃厚系」であったり「しっとりとした美音系」であったりする2機種とは異なるテイスト(味付けのないのが味)で勝負をしてきたと思われる(思いたい)ということです。

…ということで、こういったことを踏まえつつ、レポートしてみたいと思います。

■Pioneer [N-70A]
●N-50(無印)でも十分すぎるくらいのS/N感(特に同軸デジタル・USBメモリー・USB接続)だと感じていましたが、更にその上を行く透明感・明瞭感・静寂感を持っています。NA-11S1やDA-06と比べてもその差はわずかであり、高音質の基本要素として十二分なクオリティであると思います。
●解像度も高く、定位や音の位置関係、奥行きなども良好ですが、音の広がり(音場・サウンドステージ)はあまり広がらず(黒江的には適度)、広大なホール感を描き出す傾向ではありません。
●スピード感は「vs形式」でN-50Aよりも上回る表現をしていますが、もう少し具体的に言うと、1音1音の出音自体は(N-50AとN-70Aは)ほぼ同等のスピード感に感じられるところ、前述のS/N感の相乗効果で抜けや見通しが非常に良好であることからN-70Aの方が頭1つリードしている印象になるのだと考察しています。
●「切れっ切れで、鋭角でシャープで鋭い立ち上がり」とは“言えません”が、この辺(アタック音・エッジ感)も高いS/N感や解像度の恩恵でとても鮮明な音を描き出しています。以前の通り、強いて言えば少し音の切れは穏やかな傾向で、(N-50などと比較すれば)少し余韻型に寄っています。(…とは言え、スピード感・抜け・切れ・エッジなどの「ハイスピード&アグレッシブ要素」はNA-11S1やDA-06よりも高く、≒モニター調≒硬質拠り…とも言えます。)
●情報量や濃さ、ダイナミックレンジなども(NA-11S1やDA-06には及びませんが、N-50やN-50Aよりはグッと高まっており)上々なのでクラシックやアコースティック、ストリングスなどの音の質感の表現を求められるジャンルでも(モニター調ではないかと思いますが)無難にこなしてくれると思います。

●1音1音、音の造りは見出しの通り基本的に「無味無臭の味付けのないサウンド」の傾向で間違いありません。ソース(録音)に忠実であり、余計な脚色や味付けはほぼゼロです。強いて言えば、(前述の切れと)わずかに大人しい(ビシバシと叩きつけるようには飛んでこない)といった印象がある程度です。(←これも音がほぐれているからこそ感じられる要素なので一概にマイナスとも言えません。)

○良く言っても「優等生的」、悪く言っても「優等生的」とも言え、例えばあるジャンルに長けている方には「松ヤニの質感に少し難がある」とか「ラッパの乾いた金属音が…」とか「シャウトの擦れ具合が…」とか、“惜しいんだけどな”と思われることもありそうなのですが、黒江的には総じて何を聴いても“ちゃんと鳴らせてるな”と思う採点となっています。(前述の通り、「シャウトが惜しいな」とは思うのですが、十分にメタルもロックもポップスも鳴らせてると思います!)

…と、総評としては見出しのような印象になりました。
ので、図抜けてマッチしているジャンルがあるわけではないのですが、どのジャンルもかなりハイレベルで鳴らせてるということで良いと思います。
(強いて言えば、(色んなジャンルの要素が加わる)ポップスにはメチャクチャ強いと思っています。)

もう少し述べると、NA-11S1やDA-06は王道のオーディオ的で従来のオーディオファンをターゲットにしたモデルであり、N-70Aはモニター調で様々なジャンルを聴く幅広い音楽好きにターゲットがあるように思えました。
(メタルも好き、ポップスも好き、クラシックも聴くなんて方にはぜひお勧めします。)
ネットワーク機能があることもあって、家族や複数の人と音楽を楽しむタイプの方でしたら(それぞれが好きなジャンルが異なってもこなせる)N-70Aもきっと良い選択肢になるはずですので一度試聴等されてみてください。

お値段や試聴等、気軽にお問い合わせください。

Pioneer BDP-LX88 vs BDP-LX58

12月 2nd, 2014

このところ(新製品ラッシュということもあって)Pioneer製品ばかりがエントリーされていますが、間もなくnorth star designやその他のレポートも予定しておりますので今しばらくはご容赦くださいますようお願い申し上げます。(Pioneerから袖の下を貰ってるとか、優遇してもらってる…などなど、お好きに言ってやってください!笑)

…ということで、表題のブルーレイディスクプレーヤーをレポートさせていただくのですが、当店(ザ・“ステレオ”屋ですし)“画もの”には大して詳しくありません。
…が、OPPOの登場からネットワークプレーヤーであったりUSBメモリーの再生などに対応してきたこともあり、多くの方から「(CDなどを聴く)音質面ではどうなの?」といったお問い合わせも少なくなありません。
そこで、かつて(DVDが普及してきた頃)の“ユニバーサルプレイヤー”と同じく、音にクローズアップしてチェックして(レポートして)みるといった試みをしてみましたので、少しでも参考になれば幸いと思います。
(画もののプレーヤーでCDを聴くユニバーサルプレーヤーの先駆もPioneerのDV-AX10/DV-S10Aであったような記憶があります。「今また正に」といったところですね。)

【さすがの風格を感じさせるBDP-LX88にCPでは絶対的なBDP-LX58の存在感。】

いつものように「vs形式」ではありますが、「vs」とは「絶対的な優劣を決める」という意ではないので予めご理解ください。

試聴は基本的にすべて「DIRECT(ダイレクト)」モード、CDとNASのファイル、USBメモリーのWAVファイルを中心に聴いています。
(※映像の絡んだ音質面は“一切検証していない”ので予めご容赦ください。)

■Pioneer [BDP-LX88]
●同時季に(同様に兄弟機で)リリースされたN-70AとN-50Aでも同様の差別化が図られていましたが、筐体の作り、特に側面と天板部が圧倒的に上質な仕上げとなっており、質感や剛性による音質面への配慮が感じられます。(重量感もグッとあがっています。)
●情報量・S/N感・解像度・レンジ感はやはりLX88の方が圧倒的です。
●音の傾向はやや大人しく、ウェット感だったり、マイルド感だったり、ソフト感だったりといった印象も「ほんのり」持ち合わせていますが、基本的にはニュートラル系のサウンドであると言って差し支えないと思います。
●逆に、アグレッシブ・マッシブ・ハイスピードといったワードの印象もなく、言い換えれば特段に得意・不得意がないとも言え、Classicやボーカルものから何でも無難にこなしそうなユーティリティなサウンド傾向となっています。
●黒江の超個人的な見解では「大体14万円程度のCDプレーヤー」と匹敵する感じではないかと思っております。(※初回投稿時より訂正しています。)

■Pioneer [BDP-LX58]
●(前述の通り、兄機には及びませんが)基本的な音質面で顕著に不満を感じる(明らかに低音質と感じる)ことはありませんが、分解能・S/N感・レンジ感はもう少し欲しいかな…という印象です。(専用のCDプレーヤーと比べるとどうしても…。)
●音色はやや明るめのキャラクターですがドライではなく、どちらかと言えば、ほんのりウェット感がある印象でした。
●スピードは上々で、ほぼほぼハイスピードの部類に入れて問題はないと思います。
●切れ切れのスピード感ではなく、鳴りっぷりの良い、アグレッシブなスピード感を持っており、(当店で言うところのいわゆる)TEAC・プライマー(I21以前)路線の音傾向となっています。
●低域はタイトで、バシッと締まっています。量感も「ドンッ」と出せるけどボワつかず、ピタッと制動できている印象でした。
●黒江の超個人的な見解では「大体6万円強程度のCDプレーヤー」と匹敵する感じではないかと思っております。

…と思ったことをザッと書き出してみましたが、音色面において『LX88は大人しくて、LX58はアグレッシブ』と一目で捉えてしまう程には個性の差は大きくなく、ニュートラルなポジションからLX88は少しエレガント寄り、LX58はアグレッシブ寄りといった感じです。
ご推察の通り、黒江的にはBDP-LX58の方が好みですし、(CDなどを聴く上での)CP面でもLX58に軍配が挙がる感じですが、絶対的な音質はBDP-LX88がなかなか優秀で(おそらく映像も同様に基本面で1枚上手なので)なかなか悩ましいところではないかと思います。

「CDや音楽ファイルはたまにでいい」という方はぜひご検討いただければと思います。

P.S.
今回のようにユニバーサルプレーヤー(もとい、今だとマルチメディアプレーヤーでしょうか)で使用する上での難点は「アプリやリモコンだけでは思いのままに操作ができない」という点が挙げられます。
特にNASのファイル(DLNA)やUSBメモリーの再生は「ディスプレイ(テレビ)」にコントロール画面を映さないといけません。
(ダイレクトモードで音質を向上させたいけど、ディスプレイはオンにしなくてはいけない…みたいな矛盾は無い方が嬉しいです。)

本体のボタンも明らかに足りていないものが多く、黒江自身の考えですが『こういった機器類は基本的にすべて本体で操作できること、その上でアプリやリモコンがあると便利であったり、より直感的に操作できる』…といった考えがあるので、その点ではちょっとガッカリしてしまうような造りとなっていました…。
(Pioneerさん、ユーザーインタフェースの基本を今一度見つめ直してもらいたいな…と切に願っております!)