Archive for the ‘レポート:PC(USB)/ネットワーク系’ Category

MERIDIAN 218

木曜日, 1月 31st, 2019

今回は英国の老舗ブランドMERIDIANからの新製品をレポートいたします。

【プレーンなサウンド、モダンなスタイル。】

(まるでFAやトレードを繰り返すように)MERIDIANというブランドはその所属を転々としておりますが、英国のオーディオブランドとしては息が長く、その昔からデジタル系にも長けたメーカーです。
その時代時代に於いて最先端なプロダクトを投入してきている同社から、今回もお得意の新製品が登場しました。

なお、本機は「Zone Controller」と名付けられており、位置付けとしてはプリアンプということのようですが今回は単体DACとして使用した際の検証となっております。

MERIDIAN [218]
●基本的音質であるS/N感・解像度・レンジ感などは、いずれも上々でCP面に於いても申し分のない音質となっています。
●当店が呼ぶところの「ハイスピード・アグレッシブ」には属しませんが、鈍足ではなく、マイルド調でもなく、中速(~ややハイスピード寄り)で高精細なサウンド傾向にあります。
●全体的に「バランスが良い」「ニュートラル」「少しウェット」といった印象があり、モニター調ではないけれど“オーディオオーディオとした音作り”にも非ず、黒江的には“プレーン”というキーワードで述べさせていただくことにいたしました。
●音への“化粧感”をあまり感じさせず、癖の少ない傾向ではありますが、ストレート・スタンダードといった表現とはちょっと異なるイメージで、“素材の味がよく活かされている(味付けをしていないとは言っていない)”サウンドとなります。(なので、チョコ味でもストロベリー味でもなく、プレーン味だと。)
○広がりのあるサウンドではありますが、少し平面的であり奥行き感はあまり高くありません。
○(エッジ感・ソリッド感が無いため)全体的にやや穏やかに感じられる音調ではあります。

…といった感じですが、音に癖を付けたくないけれど、鮮明なエッジ感や、音の切れ、(聴いていて疲れるような)シャープさが強いのはちょっと…と思われる方にはかなりベストな選択肢になりそうです。

なお、本機は基本的にアプリ操作を前提に作られており、本体にはボタン等を設けず(見た目もプレーン)に旧来のオーディオとは一線を画します。
余計なものは付けずに、その分コンパクトに設計された思想には新たなユーザーへのメッセージが込められているような(…気がする)良プロダクトだと思います。

MQA再生も好印象であり、リップシンク機能やroonへの対応、他種のデジタル入力と“デジタル・マルチ・プラットフォーム”と言える多機能デバイスです。
音質面・機能面を総合したCPはかなりの高評価となる1台となっておりますので、ぜひご検討の1つに加えていただければと思います。

Nmode X-DP7

火曜日, 11月 13th, 2018

今回はNmodeからの新製品DACをレポートさせていただきます。

【テクニック?マジック?まさかの異次元変化!?】

結論から述べますと(今年最後の?)個人的には「大ヒット」のサウンドでありました。 …が、黒江の好むサウンドについては“ある条件付き”となっておりますので総括で述べたいと思います。

■Nmode [X-DP7]
●(価格が価格だけに)S/N感・情報量・解像度などの基本的音質はおおむね良好であり、高い定位感やバランスの取れたサウンドで安定感を感じさせる仕上がりとなっています。
●アタック感と音の切れが良く、当店の形容で言うとアグレッシブ系に属しますが、上々のスピード感も持ち合わせています。
●鳴りっぷりの良い傾向であり「バキッとした・ガツッとした」というマッシブな印象ですが、(太さのある)大きなマッチョ感ではなく、痩せマッチョ感でもなく、中肉中背のマッシブさなので強い癖や個性を押し付けてくる感じではありません。
●余計な付帯音が無く、モニター調で堅牢・堅実感を感じさせるサウンドです。(悪く言えば無難とも言えますが、アグレッシブ感があるので素っ気ないサウンドではありません。)
●バスドラのアタック感、巻き弦のゴリゴリ、シャウトは喉奥の擦れ、ブレの無いベースサウンドとしっかりとまとまったサウンドステージを描いてくれます。
●通り抜けるような音抜けではありませんが、1音1音の収束が早いので、もたつきや音同士の重なりやぶつかりの無いクリアな見通しとなっています。
○強いて言えばやや高域方向が抑えられている印象であり、(金物などの)音の輝度がやや低めでその分重心の低いサウンドとなっております。(そのため派手さはありません。)
黒江的好み度:A+ (~A)

…ということで、久しぶりにDACの良作に出会えたと思っております。 …が!↑前述の通り、“ある条件付き”となるのですが…
上記のレポートは総て(当店にしては珍しく?初?の)『DSDモード』でのものになっております。

黒江の好みですと、アップサンプリング・アップコンバートなどは大抵オフ設定の方が好みでもあるし、音質の評価も高いのですが、本機に関しては今までの真逆の結果となりました。
(尚且つ、CDプレーヤーからの変換ということで「PCM→DSD」とD/A変換の方式まで変わったサウンドに惹かれるなんて…。ちょっと意外です。)
しかしながら、「すべては出音で判断すべき」というポリシーもあり、このようにまとめさせていただきました。

アップサンプリングOFFのサウンドはアグレッシブさなどが無くなって印象はかなり異なります。
アップサンプリングのON/OFFでこれだけ音が変わってしまうのも、どうなのかな?(構造が)どうなっているのかな?と思えるところもありますが、逆に言えば2つのサウンドを1台で楽しめるとも言えるので決して悪いことでもないと思います。
試聴の際は、ぜひON/OFFで試聴していただければと思います。

Pioneer UDP-LX500

火曜日, 10月 23rd, 2018

今回は(大した謎ではなかったけど…)謎のティーザー広告を経て登場した、PioneerからのUltra HD Blu-ray対応プレーヤーをレポートします。
…ですが!いつぞやと同様に当ブログではあくまでも(DIRECTモードにしての)SACD/CDプレーヤーとして“のみ”のレポートになりますので予めご理解の上ご覧ください。

【画に(も)なるユーティリティプレーヤー。】

まずは(一番気になるところだと思いますので)結論を先に述べさせていただこうかと思いますが、CDプレーヤーとしての実力(価値)は大体10万円くらいの専用機に匹敵すると考察いたしました。
(シビアに言えば8万円半ば~9万円くらいかな…という感じですが、(機械物は相場変動もありますので)大体ということで。)

結論だけで言いますと、画の再生ができるプレーヤーとしてはかなりの高水準であり、「画ものも観たいけど普段使いは音だけ、でもスペースも無いからプレーヤーは1台にしたい」といったユーザーには朗報ではないかと思われます。
(↑補足しますと、この手のユニバーサルプレーヤーのCD再生音質は価格の半分以下くらいのものが多いので、目減りが少なくてお買い得ということです。)
(考察を述べますと、パネル正面の好位置にDIRECTモード用のボタンを設けるあたりからしてもCD再生のクオリティに関しては高い意識があったのかな…と。)

■Pioneer [UDP-LX500]
●S/N感を筆頭に各種の音質が上々にまとめられており、どんなジャンルでも無難に鳴らせそうな感じです。
●かなりのハイスピード!とは言えませんが、上々のスピード感があり、音のキレ、帯域バランス、音像定位などなどがそつなく揃っています。
●低音のぼやつき、膨らみなどが無く、全帯域に渡って緩みのない、しっかりタイトなサウンドとなっております。
●基本はモニター調でありながら、わずかに寒色より、硬質よりのポジショニングに在りますが、ストレート・ニュートラルといった形容で問題の無いサウンドです。
●比較的バシッと鳴ってくるので、当店的に言うと少しアグレッシブ系になるのかな…というイメージです。
○無難にまとめられた印象の一方で、レンジ感は少し控えめ、特に高音の伸びはあまりなく、無理をさせていない感じです。(Pioneerのサウンドはやや明るいイメージがありましたが、高音が抑えられているので派手めの音ではありません。)
○上々の解像度、分解能はありますが、高解像度、高分解能とは言えず、少し目の粗さを感じるところも。
○非常に悪い点として、動作反応・操作反応がとても遅いことが挙げられます。

…といった感じで『モニター調でアグレッシブながら、上々のスピード感(キレ)を感じさせる。けど、癖の少ないバランス型』といったところでしょうか。
軟らかさ、しなやかさ、ウェット感など、音楽的な個性は感じられないので色付けや味付けを求める方には不向きですが、“ソースの音をそのままに”といった方には悪くない選択肢だと思います。
『映画も観たい、ライブビデオも観たい、アニメも観たい、でもやっぱりCDを手軽に気軽に高音質で聴きたい。』そんな方へはぜひご検討をお勧めさせていただきます。

SOULNOTE D-2

月曜日, 8月 6th, 2018

今回はSOULNOTE社の新DACをレポートさせていただきます。

【大和魂を籠めた旗艦の名にふさわしい本格派!】

珍しくスペック的なところから触れていきますが、このD-2はESS社の最高峰DACチップ『ES9038PRO』を左右で2基ずつ、合計4基を搭載するというモンスター級の仕様となっております。
これが一体どういうこと?かと言いますと「パソコンやスマホに(本来1基あればよいはずの)CPUが4基ついている」ことと同様であり、端的に言えば「高速(処理)・高精度・(4基同時に稼働することで)複数同時処理」が実現できるようになっているのです。
1つでも十分高音質を得られるという『ES9038PRO』を4基ということで、嫌でもそのすごさが伝わってくるようです。(黒江は高性能DAC=高音質とは思っていない派ですが。)

音の(データの)処理はDACチップによって演算処理されるのですが、これはCPU(の役割)と何ら変わりのないことであるため、DACの数が多ければより高度で高精度な処理を高速かつ同時に複数処理することができるということになります。

しかしながら、(パソコンやスマホが熱くなることがあるように)CPUやDACは処理が多くなる“高負荷状態”になると発熱し、排熱・放熱が間に合わないと処理能力が落ちたり、最悪は熱暴走することになってしまいます。
そのため、DACを4基搭載して安定した動作を得るのはそう簡単なことではないのです。
このD-2ではその難業を見事にクリアしての製品化ということになるのですが、十分な排熱・放熱を可能とさせるために「まるでアンプ」のような作りになったということは先に述べておきたいと思います。

■SOULNOTE [D-2]
●一聴して感じられるのが「高い情報量」であり、1音1音が非常に高密度かつ高分解に感じられます。高密度と高分解は両立しづらい(相反しやすい)要素であると思いますが、簡単に言うと高解像度のスマホを1音(1パート・1楽器)とすると、そのスマホを一面にびっしりと敷き詰めたような印象であり、どの音に注力しても高密度かつ高分解に聴こえるようなサウンドです。
●高精細な情報量タイプは(高解像度のディスプレイに静止画を描くのは容易く、高解像度の動画を滑らかに動かすのは難しいように)スピード感に難があるものも少なくない印象ですが、このD-2はハイスピードの部類に入るくらいのスピード感を保持しています。(ハイスピードの部類に於いては中の中~中の下くらいでしょうか。)
●…と、一見デリケートなイメージに思われるかもしれませんが、(ロックやメタル系を聴く上では)アグレッシブ系に属するサウンドであり、ビシビシとした立ち上がりや(超ではないけれど)高いキレ味を持ち合わせており、熱く(ホットに)畳み掛けてくるようなドライブ力を感じさせてくれます。
●帯域バランスも良好で、各帯域のスピード感も揃い、高い定位感・音像感となっております。
●S/N感ももちろん良好で1音1音がアグレッシブに飛び込んでくるものの耳に残るようなことなく、スッと次の音が飛び込んでくる(濃厚なんだけど後味すっきり、さっぱりのような)印象です。
○音場は少し狭く、左右や天地に広大に拡がるような、いわゆる“音場型”ではありません。
○(狙いのサウンドであると思いますが)少しだけ低重心のサウンド傾向となり、高域~超高域の派手さ、華やかさを求める方には少し物足りないかと思われます。
黒江的好み度:S-

…ということで、最近では(めちゃめちゃ高評価だった)CHORDのDAVEと同様に高く評価させていただきたいサウンドでありました。(DAVEとは傾向・キャラクターが反対に近い面もあるので、正に“双璧をなす”状態です。)
個人的な感想としては一聴してすぐに「A級アンプみたい」と思うほどに、厚み(熱さ)と激しさを感じましたが、とにかく(音の)収束が早くてすっきりしているので、(胃で言うところの胸焼けをおこすような)くどさやしつこさが無く、A級の良い点だけを上手く取り入れられたアグレッシブ系の好例であると考察しています。

同じ非常に高い情報量でもファーっと広がるようなDAVEに対して、バーンと音を浴びさせられるようなD-2となっていて、やはり音作り・音決めは面白くて奥深いものなのだな…と関心させられました。

文字通りSOULNOTE社のフラグシップ機と言えるサウンド、ぜひチェックしていただければと思います。

DELA D10 vs D100 リッピング対決

水曜日, 5月 30th, 2018

今回は少々マニアックな製品のレポートになりますが、CDから曲のファイル(データ)をパソコンや各種ストレージに取り込む、いわゆる『リッピングドライブ』をレポートいたします。

【普及モデルは最強クラスの限定モデルに近づけるか?】

概要としては、限定品(※既に完売)として発売されたモデルD10と、その普及モデル的位置付けのD100でリッピングしたファイル(データ)に、(以前から取り込んでいた)PCを用いたファイルを加えた3種で聴き比べてみております。

まず先に大体の環境や注意点を述べておきます。
D10/D100共に、主なリッピング方法はDELA(HA-N1AH20/2)とのUSB接続がメインであり、PCとの接続時はCORE i5(Windows 10)のPCを使用しています。
なお、取り込むCDは44.1kHz/16bitの一般的なCDで、取り込みは主にWAV形式のみとなっております。

※また、DELAとの接続時は(ストレージ側に依存している?)のリッピングソフト(使用アルゴリズム)が不明なこともあり、「バイナリィの一致」「C2エラー等」「ビットパーフェクト」などのテクニカルな検証は行っておりません。
(そのため、ビットパーフェクト環境を構築された自負のある先人の所持データと、今環境のリッピングデータが一致する保証はありませんので予めご理解の上、ご容赦ください。)

…ということで、「D10 with DELA」「D100 with DELA」「PCドライブでのリッピング(以前にリッピングしていた既存ファイル)」と(同一CDの同一曲をリッピングした)主に3つの同じ曲(音楽ファイル)を1台のNAS(DELA)にフォルダ分けをして保存したものをUSB DAC経由で聴き比べてみました。

■D10 vs D100 vs PC Ripping
●結論としては価格通りの評価(D10・D100・PCの順)となりました。(仔細は考慮しないとして)音質感の印象を表すと「D10 >>>> D100 >> PC」くらいのイメージであり、D10はさすがの音質であると感じられました。
●違いを感じられるのは、D10はその他の2つに比べ、やはりS/N感(クリアさ)を筆頭に、歪みっぽさの極小感、1音1音がよく見える解像感などが挙がります。
●D10を基準にすると、D100はやや見通しや抜けが悪く、PCはD100よりも更に見通しや抜けに劣化(感)を感じます。
●…となると「PCでのリッピング(データ)は相当なポンコツなのでは…」と思われるかもしれませんが、(今までこれで不満はなかったわけですし)元のCD再生と比べても(多少の違いはありますが)著しく粗悪なものではなく、(S/N感・情報量・1音1音の聴感に)違和感のない“ちゃんと聴ける音”となっています。

端的に述べますと、限定品のD10(※既に完売)は“非常にすっきりしている”印象でありますが、逆に言えば(CD再生時より)“すっきりし過ぎ?”といった印象も同時に抱きます。
しかしながら、次点のD100とPCになると見通しが悪くなるため、どちらが正解かは分かりません。(CDプレーヤーがすべてのbitデータを読み取って再生できているという限りもないため、CD再生がもっとも正しいとも言えず。)

間違いがないことは、この3種の同一?曲ファイルは明らかに音が異なって聴こえることであるのですが、ここで1つの疑問が浮かんできました。「そもそも、同じCDからリッピングしたものなのに音の違いがあっていいのだろうか?」…と。
そこで前述のような「バイナリィの一致」「C2エラー等」「ビットパーフェクト」などのテクニカルな検証が出てくるのですが、今回はそこまで掘り下げることは(時間的にも)できておりません。(ので、↑“3種で音が違う”ことが「おかしい」と思われる方は本製品をスルーしていただければと…。)

…ということで、あくまでも“聴感上”での検証・考察・感想ということになりますが、ここで今回もっとも重要な発表をさせていただきます。

『DELA D100にifi Audio社のiPowerを組み合わせるとD10クラスのクオリティに。』
http://ifi-audio.jp/ipower.html

D10のクリアさに驚いていた(&もう手に入らないことを残念に思っていた)ところ、(普段は人の意見に流されない派の黒江ですが)某所からの情報が舞い込んできました。
何でも、D100にifiのiPower(ACアダプター)を用いることでかなりの効果を得られたということ。
それではと、早速トライしてみたところ…「おっ!えっ!確かに良くなってるね。」とこぼすほどに、明らかに明瞭になっています。

これによって先ほどの関係性は「D10 > D100 >> PC」くらいになりました。(D10とD100の間は[>]1.5個分くらいかな…。)
改善点はやはり“すっきりさ”でして、D10には及ばないものの、非常に見通しが良くなりました。
もう1つ(繰り返しになりますが、何が正確かは別として)、D10のリッピングよりも『D100 with iPower』の方がD10にあった“すっきりし過ぎ?”感はなく、ちょうどいいところに収まっている、着地している感じがします。

※ifi AudioのiPowerの出力はD100付属のACアダプターよりも低出力となりますので動作を保証するものではありません。また動作時も正常動作と連続稼働は保証できませんこと予めご容赦ください。

…ということで、ザ・ステレオ屋(黒江)的には『D100 with iPower』非常に気に入りました。(情報ありがとうございます!笑)
そろそろCDのデータ化をしようかな…とお考えの方、ぜひご検討いただけますと幸いです。

P.S.
データの仔細な検証はいずれ取り組むかも?…かもですが。
リッピングも奥が深いですね…。

CHORD Qutest

土曜日, 4月 14th, 2018

オンラインショップBASE店もよろしくお願いします。
https://digitalside.thebase.in/

今回はCHORD社からの新製品Qutestをレポートいたします。

【機動力は兄弟似、サウンドは母親の面影を残すスマートなデバイス。】

結論から述べますと、DAVE・Hugo2(Hugo)と昨今、非常にハイクオリティのリリースが続く同社だけあってさすがのクオリティでございました。

本作のベースは2Qute・Hugo2となっておりますが、超会心作のDAVEで培った技術も取り込んでいるということで、嫌でも期待は膨らみます。
その実力やいかに…。

■CHORD [Qutest]
●第一印象はやはりHugo 2に似ているかな…という印象なので、下記も参考にしていただければと思います。
http://www.digitalside.net/?p=989
●S/N感や情報量はHugo2よりも向上しており、より見通しや抜けが良くなっています。
●キレキレという感じではありませんが、すっきりとした立ち上がりで、音場が広がってスッと消えていくサウンド傾向です。
●スピード感は“上の下”くらいで、ハイスピードの部類ではありませんが、上々のスピード感が感じられます。
●(黒江的に好印象だったのは)高い情報量ながらも濃厚・濃密感を感じさせず、(高い情報量が悪い方に行ったときのコテコテの)油絵的ではなく、パステル調に近い、「しつこさ」や「くどさ」の無い(爽やかな)サウンドです。(「パステル調に近い」だけでスカキンや薄いわけではありません。)
●(兄弟機同様)やはり全体的に少しウェット感が感じられます。
黒江的好み度:A+ (切れやスピードを求めない場合。)

端的に捉えると『Hugo 2のブラッシュアップ版』というまとめになりそうですが、個人的にはS/N感・情報量・解像度などに(親にあたる)DAVEからの血筋も感じ取れるサウンドであったと思います。
しかしながら、やはりDAVE(の主にスケール感・解像度・情報量・S/N感)が凄すぎてしまって、さすがに“DAVEに匹敵”“DAVEを彷彿”とは述べられないところではあります。(価格差的に当たり前ですが。笑)
ただし、“彷彿”まではいかないにしろ、DAVEの“面影”は十分に感じさせてくれるのでCP面から見ても非常に好印象でした。

加えて、なかなかの機能性も着目すべき点が多く、主眼のオーディオには同軸デジタル(BNC端子ですが、付属の変換端子でCOXCIALとなります。)、テレビやレコーダーなどとは光デジタル、そしてPCオーディオ用のUSBと1台で何かと使い回しが出来る点も良作と感じています。

超高級機(DAVE)もほんのり感じさせてくれる『コンパクトスマート』日々の音楽ライフのお供にいかがでしょうか。

黒江的 2017 – 2018 Summary Report.

水曜日, 1月 31st, 2018

遅めになりましたが、2018年最初の投稿です。

今回は表題の通り2017~2018年をサマリー(総括)して、現在の『ザ・ステレオ屋』的な状況を整理してみようと思います。
(半年に1回、少なくとも年に1回くらいはしておきたいことなのですが、これまではなかなか実践・実行できておらず初の試みです!)

とりあえずは現在のお勧め(売れ筋)を一覧させていただきます。
◎=黒江的お勧め(主に好み度がA+以上)
○=次点(イチオシには予算が足りない方など)
□=売れ筋(お勧めには入らないけれどよく売れているもの)
◇=その他(スペシャルな存在)

SPEAKER
◎Vienna acoustics [HAYDN GRAND SYMPHONY EDITION]
◎PMC [DB1 Gold]
◎ATC [SCM11](2014年4月~現在のシリーズ)
○DALI [OPTICON 1]

AMPLIFIER
◎LUXMAN [L-550AXII]
◎TEAC [AI-503]
◎ELAC [EA101EQ-G]
○Pioneer [A-50DA]

DISC PLAYER
◎LUXMAN [D-06u]
◇LUXMAN [D-08u]
◎Pioneer [PD-70AE]

D/A CONVERTER
◇CHORD [Hugo 2]
◎Pioneer [N-70AE]
◎TEAC [UD-503]
◇CHORD [DAVE]
◎LUXMAN [DA-250]

CABLE
◎KIMBER KABLE [4TC]
◎TIGLON feet.ザ・ステレオ屋 [MS-DF12A TS]
◎audioquest [CARBON]
◎KIMBER KABLE [silver USB (B BUS Ag)]
◎KIMBER KABLE [RCA all Lineup]

…と各種へのコメントは再度の投稿にて書かせていただきます。

P.S.
PMC [DB1 Gold]がかなりお求めやすくなっております!
入荷数に限りがございますので、ご予約などお早めにお問い合わせください。

CHORD Hugo 2

金曜日, 9月 22nd, 2017

今回は(ちょっと高額になりますが)、目下ヒット中の注目アイテムをレポートしたいと思います。

【持ち運べるハイエンドオーディオ、機知縦横のHQサウンドデバイス。】

以前にレポートいたしました(参照URLは後述)同ブランドの据え置き型ハイエンドモデル“DAVE”は(好みうんぬんを超えたところで)非常に高く評価できるサウンドであったため、珍しく高額なモデルに触れさせていただいたわけでありますが、この“Hugo2”はそのDAVEを「可能な限り小さく、そして省電力化して小さな筐体に詰め込んだ」(と、メーカーも述べているような)モデルとなっております。

…と、結論から先に述べますとDAVEと同様に(黒江の好みのどストライクではありませんが)“非常に高く評価したい”製品となっており、(中々の高額であるため特別ではありますが)ぜひ紹介させていただけたらと思っております。

なお、前述の通り、「DAVEのノウハウをふんだんに詰め込んでいる」こともあって、サウンドの傾向・印象にも共通点が多いため、まずは“DAVE”のレポートもご一読いただけますようお願いいたします。
『CHORD DAVE』
http://www.digitalside.net/?p=934

その上で、あらためて「CHORD Hugo 2」をいつものようにレポートさせていただきますと…

■CHORD [Hugo 2]
●一聴してすぐに「おっ」っと思わせてくれるのがサウンドステージ、1音1音と、共に高いS/N感であり、音の雑味や背景ノイズが非常に少なくクリアなサウンドであることです。
●帯域バランスも良好で高音域~低音域まで、どこかの帯域の量感が出ることもなく、引っ込むこともなくきれいに揃っています。
●高域の硬さ、低音の緩みなどもなく、高い分解能と解像度を両立、ややウェット感のある傾向ですが、主張の激しい“芸術的”な癖や味付けは無く、比較的“分析的”(モニター調)で元の音を変化させていない分類であると言えます。
●「透き通る」感もありつつ、しっとりさ、スムーズさを併せ持っていて、きつめのピーク感は感じられないことから“やや上品な音”に感じられる印象です。
○強いて言えば(広大であったDAVEと比較してしまうと)サウンドステージは広めとは言えず、適度な広がりとなっております。(決して「狭い」ワケではなく、並程度かと思います。)
○スピード感も鈍足ではないものの、「中速~やや速め」といったところであり、シャープさやキレ、ハイスピードを好む(音の条件の上位にされている)方には少し物足りなさがあるかもしれません。
黒江的好み度:採点不能

…といった感じで、「これ、本当にポータブル系?」と思わず口にしてしまったくらい、バスパワー駆動の(バッテリー内蔵の電源不要タイプ)ポータブルデバイスとは思えないほどの比類なき実力を持っていることは確かなようです。
バッテリー駆動もでき(充電しながらでも使用可)、LINE OUTで聴いても良し、ヘッドホンで聴いても良し、USB入力・光デジタルなどの豊富な入力群となかなか隙のないプロダクトとなっておりますが、少々疑問が残ったのは同軸デジタル(COAX)はミニコアキシャル端子となっており、同軸デジタルケーブルを接続の際はRCA→ミニプラグ変換(普通のラインケーブル用でOK)が必要となる点でしょうか。(このミニCOAXはDUAL仕様ということで、何か将来的な拡張に繋がるのかもしれませんが…。)

据え置き機として(リリースされていて)も実力十分であるに関わらず、手軽に持ち運べてどこでも使えるとあれば(少々お高いですが、使用頻度・回数で元が取りやすく)CPは決して悪くないアイテムだと思います。
そろそろ“決定版”の1台が欲しいな…と思われている方はぜひご検討をお願いいたします。

P.S.
スピード感は決して「ハイ」ではありませんし、「キレッキレ」というワケでもありませんが、決して鈍足でないスピード感がありますし、S/N感の高さと抜けの良さなどで見通し良く聴くことができるため(黒江的には)メタルはギリギリセーフで聴けます。
色々なジャンルを聴かれる方であれば必ず良い選択になるかと思いますので要チェックです!

Pioneer N-70AE

金曜日, 7月 14th, 2017

今回は(初代)N-50世代、N-70A世代を経て、3世代目となるPioneerの新製品N-70AEをレポートいたします。

【三代目で完成形を迎えた、ジェット系のスピード感と絶妙なバランス感。】

言わずもがな、N-50は(全国{≒全世界}でトップの販売台数となったくらい)当店のイチオシモデルとしてベストセラーし、続くN-70Aにも高い評価(高好み度)を付けさせていただき、引き続きのヒットとなりました。

N-70Aもなかなかの完成度であり、「3代目にしてさらに磨きを掛けて(ブラッシュアップして)くるだろうか、それとも音傾向を変えてくるだろうか…」と、いつものように様々な思いを巡らせながらの試聴となったのですが、果たして結末は…。
(N-70とのvs形式にてレポートします。)

■Pioneer [N-70AE]
●N-70Aと比べると、S/N感や解像度など、基本的音質が1ランク向上しています。
●特にS/N感の向上が顕著であり、クリアさが上がることで音の切れ、抜け、粒立ち(分解能)などが(相乗効果で)かなり向上しています。
●音の傾向はN-50・N-70Aと同様傾向のクリア系ハイスピード(やや寒色の硬質モニター調)でありますが、N-70AEは前2機種と比べて低域の量感がそこそこ(これ以上出過ぎると黒江的にはNGになるギリギリ)に出ていて、絶妙な帯域バランスとなっています。(黒江的分析だと“きれいなフラットバランス”よりは、わずかに低域強め。)
●音場は決して広大とは言えないものの、(左右のスピーカーから、もう少し外側までは広がりの出る)適度な広さを持ち、奥行きや高さ方向(天地)も十分です。
●“超”ではありませんが、かなりのスピード感(ハイスピード)であり、音像定位も良好です。
●高域~低域のレンジ感も問題ありません。
●スピード感や、エッジ感は「切り裂くような」というタイプではなく、体を突き抜けるような「風を切って(飛んで)る感」であり、ハイスピードに体を通り抜けてゆくような疾走感を持っています。(輪郭はシャープ過ぎず、細め。強調感もないですが、ちゃんとエッジが見える感じです。)
黒江的好み度:S

…と、(黒江にとっては)これと言って悪さを挙げるような点がないくらいになかなかの完成度であると言える1台でした。
低域が(本当に黒江が許せる)ギリギリの量感でありつつも、タイトで緩みやボワつき、モヤつきが一切なかった点が大きな勝因となっていて(音の抜けが悪くなったり、切れ、スピードの悪化・劣化に繋がったりするので)いつもは低音が少し抑え目の音を高評価(高好み)にするのですが、今回は久しぶりに十分な量感を持つモデルを推せる結果となりました。

DAC系では久しぶりの“イチオシ”ですので、みなさんに聴いていただければ幸いです!
(N-50からの買い替えはちょうどいいタイミングかと思います。DSDや新規格に対応していますしね。)

P.S.
以前のモデルのレポートも合わせてチェックしてみてください。
N-50
http://www.digitalside.net/?p=629
http://www.digitalside.net/?p=637
http://www.digitalside.net/?p=844
N-70A
http://www.digitalside.net/?p=861

ELAC EA101EQ-G

月曜日, 5月 1st, 2017

今回は(スピーカーで有名な)ドイツのオーディオメーカーELACから発売されたアンプをレポートいたします。
ELACと言えば“スピーカーの専業メーカー”という印象が強い(しか無い)方も多いと思いますが、あのELACが独自開発したアンプということに間違いはないようです。
果たしてどんなサウンドを奏でてくれるのでしょうか。

【旧PRIMARE・旧TEAC・Aura groove系統の正統派アグレッシブ。】

結論から述べますと(前回のTEAC AI-503に続いて、黒江的には)“もう1つのリファレンス機”となれる高評価(高好み度)のアンプとなりました。
(価格も突出して高額ではなく、お勧めできるアンプがAI-503と一気に2台増えました!…と、LUXMAN L-550AXIIもお忘れなく。続くときは続くものですね。)

いつものようにレポートしていきます。(レポートはAI-503やA-70との比較レポート「気味」に述べていきます。)
■ELAC [EA101EQ-G]
●S/N感、クリア感は(黒江が好む最低条件の1つでもありますし)もちろん上々ではありますが、A-70の“非常に高かった”クリア感には一歩及ばずといった印象です。(※考察後述)
●サウンドステージはタイトめ(広くない)で音のエッジは(A-70のような超シャープではなく)A-70よりもややしっかり(見える)タイプです。
●音像はA-70・AI-503に比べるとわずかに大きく、しっかりめ、定位は良好で前方に定位する(後ろに広がらない)タイプです。
●低域は(A-70・AI-503よりも)深さと量感がありますが、タイトで緩みやブーミーさがないため好印象です。(黒江的には「しっかりめの低音が出るアンプ」ではかなりの高評価です。)
●アグレッシブ(畳み掛けてくる)系の通り、切り裂くような…ではなく、つぶてを投げつけられるような、前に向かってくる(飛んでくる)サウンドです。
●良くも悪くも派手さはない傾向で、(A-70やAI-503に比べると)1音1音の重みや濃さがほんの少し高い印象です。
○レンジ感は十二分にありますが、前述の通りわずかに地味に聴こえるのは高音域がわずかに大人しいためです。(良く言えばA-70のようなキンキンさがない。よってクリア感も少し落ちているように聴こえてしまう。)
○音のつぶて(塊)と称したように、粒立ちや分解能などの音の細かさは少し及ばずといった印象です。(その分、他にはないパワー感・ドライブ感がありますが。)
黒江的好み度:S

…といった感じでした。
見出しの通り、旧モデルのTEACやPRIMAREに近い感じのサウンドで正に“ザ・アグレッシブ”といったイメージの良質・上質サウンドとなっております。
(前回のレポートで書き忘れましたが、見出しの【ハイスピード&アグレッシブの血統健在!】は「旧モデルのアグレッシブさを受け継ぎつつ、ハイスピードさも加わっています。」という意でした。)
AI-503は旧モデルのTEACサウンドを少しモディファイしたような印象でしたが、どちらかと言えばこのEA101EQ-Gの方が音的には旧TEACサウンドに近い気がしています。

(例えば)HAYDNをシャープに鳴らしすぎると「ちょっと線が細く感じる」「もう少し雄々しく鳴らしたい」のような感想をお持ちの方などには最適なアンプになりそうです。
ぜひ一度ご試聴をお試しいただければと思います。

P.S.
最後に『ELAC EA101EQ-G vs TEAC AI-503 vs Pioneer A-70(完了品)』を簡潔な相関・相対比較しておきます。

見方は…
=:ほぼ互角
>=:わずかに、ほんの少しだけ(左側が)上回る
>:やや、少し(左側が)上回る
>>:(左側が)上回る
…ですが、(相関関係の序列が後ろになっていても)3機種はいずれにしても、高S/N・ハイスピード・硬質より・シャープ系の(黒江が好む)サウンド傾向であることを予め述べておきます。

クリア感:A-70 > AI-503 >= EA101EQ-G
スピード感:A-70 = AI-503 >= EA101EQ-G
ドライブ感:EA101EQ-G >= AI-503 > A-70
アグレッシブ感:EA101EQ-G > AI-503 > A-70
エッジのシャープさ:A-70 >= AI-503 > EA101EQ-G
音のキレ・立ち上がり:AI-503 >= A-70 >= EA101EQ-G

キリがないのでこの辺にしておきますが、A-70(低音絞り)がクリア・ハイスピード系、EA101EQ-Gがマッシブなアグレッシブ系、その中間が(前回レポートした)AI-503といった傾向です。

スピードやキレを重視するとA-70がよく映るかもしれませんが、(前述の通り)3機種はそれぞれが(数多あるその他のアンプの中では)いずれも「ハイスピードかつアグレッシブ」ですので、この辺りのサウンドを好まれるなら(今さらながら生産完了したA-70が欲しいなどといったことはせずに)AI-503またはEA101EQ-G(またはL-550AXII)からセレクトしていただいて問題ありません。