Pioneer N-50

先日の「LUXMAN DA-100」に引き続き、2011年秋冬モデルのUSB/ネットワーク系のDAC(D/Aコンバーター)を数機種ご紹介したいと思います。

【現時点でのネットワークオーディオ(エントリーモデル)大本命!】

もちろん『黒江的』にですが、見出しの通り現時点でのラインナップの中では非常に僕の好みのサウンドとなっています。

●音質面に関しては解像度とS/N感に加えてもう一抜け欲しいところなので、「(価格が)倍以上もするような機種をも凌駕する」といったような圧倒的なクオリティではありません。
●…が、『こもってる・にごってる』などといった『ちょっと聴けたものじゃないサウンド』ではなく、最低限のS/N感や解像度を持っており、価格よりは高いクオリティの印象です。
●サウンドはとってもストレート(素直)な印象で味付けや癖が非常に少なく、どんなジャンルも録音に逆らわず、違和感を感じさせないサウンドです。
●比較的モニター調であり、低音はタイトにくっきりと鮮明、高音はやや抑え気味ではあるものの、プレゼンス(高音の強調)を効かせたような“いやらしさの感じられるサウンド”ではないので、いかにも「いい音でしょう?」なんて感じのサウンドがお好きでない方には好印象だと思われます。
●自然な中にもメリハリがあって、ちょっと元気な感じ。
●(黒江の大好きな)スピード感は“やや速め”といったところで(これまたお好きな)“キレッキレ”といったタイプではなく、“ビシビシッ”とクッキリ・しっかり・ハッキリと畳み掛けてくるタイプです。
●音の繊細さ、分解能・解像度はもう少し欲しいところです。(…が、この価格なら十分です。)
●繰り返しになりますが、強いて言えば解像度とS/N感、総じて抜けがもう少し良ければ…といったところでした。

なお、この「N-50」は豊富な入出力を持っておりますが、メディアファイルを再生した場合は(前面の)USBメモリーが最も音質が良好で、PCやMacとのUSB接続とNAS経由に関しては環境次第といった感じです。

操作のレスポンスは上々で、(※一足先にレポートをUPした弟分のblogでサンプル機の操作レスポンスを量産機と誤解して「非常にレスポンスが悪い」と書いてしまいました。この場を借りて訂正・お詫びいたします。)評価の高かった「marantz NA7004」とも双璧をなすレベルですが、肝心の選曲メニュー時の操作性・操作感が今一つなので紹介しておきます。
この「N-50(N-30も)」は本体のディスプレイは“リスト部が”4行表示となっているのですが、例えば曲名を表示させた場合に…
1.AAAAAAAA
2.BBBBBBBB
3.CCCCCCCC
4.DDDDDDDD
…と表示され、4曲目から下のリストにアクセスすると…
5.EEEEEEEE
6.FFFFFFFF
7.GGGGGGGG
8.HHHHHHHH
…と、ページ送りになってしまうのです。
つまり、
3.CCCCCCCC
4.DDDDDDDD
5.EEEEEEEE
6.FFFFFFFF
といった、好きなところでリストを止められないので、感覚的な操作が出来ません。

なお、iPhone/iPad/iPod touch用のアプリでも同様の操作感であり、iPhone/iPad/iPod touchのディスプレイにはまだ余白があるものの4曲(4アルバム・4アーティスト)ずつしか表示されません。
(※最初は「なんでこんな仕様に…?」と思ったのですが、このアプリは本体とシンクロさせて本体の表示をアプリに送っている仕様であると気が付きました。)
修正の余地および可能性は高いと思われますが、本体のファームウェアとアプリを連動してアップグレードさせなくてはいけないので少し時間が必要かもしれません。
(Pioneerさんに期待しておきましょう。)

もう一つ言うならば、この機種には(テレビと同様に)主電源とスタンバイ(スリープ)機能があり、リモコンや一定時間の無操作でスタンバイ状態に切り替わるようになっていますが、スタンバイ状態から「本体のどのボタンを押しても復帰できない!&アプリからも復帰できない!」という残念なところがあるので、こちらもアップデートに期待したいところです。

総括としては、音質・操作性などには一定の不評があるものの、価格を考えれば満足のゆく仕上がりです。(特に音の傾向が好みなので。)
黒江的にはNASやPC経由ではそこまで音質にはこだわらず、(リビングなどで)気軽に聴ける方が良いと思っているので一気に購入意欲が湧いてきてしまいました。
ネットワークはもちろん、USB DACとしても使えるし、DVD/BDレコーダーなどからデジタル入力も出来るしなのでマルチな活躍をしてくれると思います!
みなさんも、ぜひ要チェックでお願いします!

N-50/30用アプリの表示例1:下の余白がもったいない…。

N-50/30用アプリの表示例1:下の余白がもったいない…。

N-50/30用アプリの表示例2

N-50/30用アプリの表示例2

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