MERIDIAN 218

今回は英国の老舗ブランドMERIDIANからの新製品をレポートいたします。

【プレーンなサウンド、モダンなスタイル。】

(まるでFAやトレードを繰り返すように)MERIDIANというブランドはその所属を転々としておりますが、英国のオーディオブランドとしては息が長く、その昔からデジタル系にも長けたメーカーです。
その時代時代に於いて最先端なプロダクトを投入してきている同社から、今回もお得意の新製品が登場しました。

なお、本機は「Zone Controller」と名付けられており、位置付けとしてはプリアンプということのようですが今回は単体DACとして使用した際の検証となっております。

MERIDIAN [218]
●基本的音質であるS/N感・解像度・レンジ感などは、いずれも上々でCP面に於いても申し分のない音質となっています。
●当店が呼ぶところの「ハイスピード・アグレッシブ」には属しませんが、鈍足ではなく、マイルド調でもなく、中速(~ややハイスピード寄り)で高精細なサウンド傾向にあります。
●全体的に「バランスが良い」「ニュートラル」「少しウェット」といった印象があり、モニター調ではないけれど“オーディオオーディオとした音作り”にも非ず、黒江的には“プレーン”というキーワードで述べさせていただくことにいたしました。
●音への“化粧感”をあまり感じさせず、癖の少ない傾向ではありますが、ストレート・スタンダードといった表現とはちょっと異なるイメージで、“素材の味がよく活かされている(味付けをしていないとは言っていない)”サウンドとなります。(なので、チョコ味でもストロベリー味でもなく、プレーン味だと。)
○広がりのあるサウンドではありますが、少し平面的であり奥行き感はあまり高くありません。
○(エッジ感・ソリッド感が無いため)全体的にやや穏やかに感じられる音調ではあります。

…といった感じですが、音に癖を付けたくないけれど、鮮明なエッジ感や、音の切れ、(聴いていて疲れるような)シャープさが強いのはちょっと…と思われる方にはかなりベストな選択肢になりそうです。

なお、本機は基本的にアプリ操作を前提に作られており、本体にはボタン等を設けず(見た目もプレーン)に旧来のオーディオとは一線を画します。
余計なものは付けずに、その分コンパクトに設計された思想には新たなユーザーへのメッセージが込められているような(…気がする)良プロダクトだと思います。

MQA再生も好印象であり、リップシンク機能やroonへの対応、他種のデジタル入力と“デジタル・マルチ・プラットフォーム”と言える多機能デバイスです。
音質面・機能面を総合したCPはかなりの高評価となる1台となっておりますので、ぜひご検討の1つに加えていただければと思います。

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