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ONKYO DP-X1 vs Pioneer XDP-100R

木曜日, 2月 4th, 2016

今回は(話題沸騰中?の)Android型DAP(デジタル・オーディオ・プレーヤー)をご紹介いたします。

【優等生で何でもそつなくこなす兄(機)とちょっと尖っててスポーツ系の弟(機)。】
(何年も以前にどこか[当ブログ?連載等?]で書いたことのある様な見出しになっちゃいましたが。笑)

昨年に(大人の事情で)会社同士がくっついた関係で(腹違いの)兄弟となった両者から、それぞれのDAPが発表されましたが、(会社の統合に伴い)ほぼ同等の共通部品で作られた2機種を聴き比べてみました。
※(お約束)『vs』とは両者の「優劣」を決めることではありません。「比較・差異」を分析するレポートですので予めご理解ください。

■ONKYO [DP-X1] vs Pioneer [XDP-100R]
2機種に共通する点としては…
●S/N感・レンジ感・解像度などの基本的音質は(及第点以上にあることは間違いが無く、価格に見合った)合格点ラインに到達しているクオリティを持っています。
●CPU・メモリー・内蔵ストレージ量(32GB)などの(Android端末としての)ハードウェアスペックも十二分であり、操作性も良好です。(標準のプレーヤーアプリだとフリック時などにフェード効果が掛かるせいか、わずかにラグが生じるような操作感ですがアプリ次第ではないかと思います。)
○あくまで“ザ・ステレオ屋”的の結論ですが、当店では購入直後の初期状態ではなく、『DSPをオフ』にしたサウンドの方が評価が高くなる結果となっており、(むしろDSPを切らないと評価できないくらいでしたので)当店のユーザーさんにはぜひ「DSPオフ」でのご使用(試聴)をお勧めさせていただきます。(※初期状態はDSPがオンになっているので要注意です!)

そもそも『DSP』とは?
簡潔に言えばサウンド効果(サラウンド効果)のような文字通り“効果”(エフェクト)のことです。
音の世界でいう“お化粧”であり、素の音(録音された音)に様々な加工を施して「よりきれいに聴こえるように」調整等をしていますが、悪く言えば癖を付けられた音、余計なおせっかい…とも言えるものです。
更に言えば、お化粧(味付け)の好みが自分にピッタリと合えば素の音よりも気持ちよくなれますが、合わなければ“素のままでいいのに…”と感じてしまうことも…。
今回の両機種に於いては(おそらく)ソフトウェア側で処理しており、オンの時はハード(基盤・回路)から出力された音に後から(アプリのようなもので)2次加工をすることになり、オフにするとハードからの出力をそのまま聴くことができているはずです。

…といったところですが、ここからはそれぞれの印象を書き出していきます。
●DSPをオフにすると両者ともにすっきり感が増し、見通し、輪郭、粒立ちが(非常に)向上します。
●ザ・ステレオ屋的に言うところの『切れっ切れのハイスピード』『ゴリゴリのアグレッシブ』…というわけにはいきませんが、中庸なところを基準とすれば双方ともに、やや硬質気味・モニター調(解析的)・ややハイスピード・タイトな音像(1音1音)と言える傾向にあります。
●ハードの違いは(おそらく)ONKYOには2個ずつ載っているとある部分が、Pioneerは1個ずつとなっているだけで後はほぼ同じです。
●S/N感・解像度(解像感)・情報量はONKYOに軍配が挙がりますが、すっきり感(見通し≠S/N感)やキレ、スピード感はPioneerに軍配が挙がり、ザ・ステレオ屋的にはPioneerの方がより好みに近いサウンドと言えます。
黒江的好み度:A (ONKYO [DP-X1])
黒江的好み度:A+(~S-) (Pioneer [XDP-100R])

…ということで、
(最初は気が付かなかったので)DSPが掛かっている時は双方ともに“がっかり”といった感じでしたが、DSPを切れば満足のいくサウンドとなってくれました。

後はどちらを買うかが悩ましいところなのですが、1つ少しでもアドバイス?にでもなればいいかな…と思うところを述べさせていただきます。
★この製品は単なるDAPと思って買うのではなく、『携帯動画プレーヤー』&『そこそこ高スペックのAndroid端末』に高音質なDAPが搭載されていると思う方が自然です。(iPod touchのAndroid版の高音質モデルとも言えますね。)
(SDカードスロットがが2基ありますので200GB×2枚の最大400GBになり、HD画質の動画でも相当数を常に携帯することが可能です。加えて、現在最高峰とは言えないものの、かなりハイスペックであるためアプリなどがストレス無くスムーズに動作します。※カメラやGPSはありません。)
★部屋にCDプレーヤーなどのディスクプレーヤーが無い方も増えてきていると思いますが、“LINEアウトモード”が搭載されており(リファレンスのCDプレーヤーにはさすがに及ばないものの)、オーディオ用のプレーヤーの代用品にも(それなりにですが)なると思います。
(もちろん、CDは一度DAPに取り込んで…ということです。)

…これらを踏まえて。
☆色々なジャンルを均等に聴く方、基本的音質が少しでも高い方がいい方はONKYOの方をお勧めします。(バランスヘッドフォンに対応しています。※バランスヘッドフォンが=高音質ではありませんが…。)
☆アプリやゲームも楽しみたい方、メタルやロックがメインの方はPioneerの方をお勧めします。(ONKYOの方はスピーカーがありません。)

ただのDAP、ただのAndroid端末と思うと少々割高に感じますが、複合機であることを加味するとなかなかお値打ちの製品ではないかと思っております。

(デフォルトでDSPがオンだとは思わずに匙を投げかけましたが)ONKYO and Pioneerからの新製品、自信を持ってお勧めできるサウンドでした!

P.S.
DSPとかEQはデフォルトでオフにしてください…。^-^;

オーディオはじめました。- Prologue -

金曜日, 10月 9th, 2015

「黒江先生…!!    オーディオがしたいです……」

…と涙ながらに言ってきたかは、どうだったかよく覚えていませんが、2人の青年が“あくる日”にいよいよオーディオ導入の決意を固めてくれました。

(仔細は割愛しますが)2人とはプライベートでも仲が良く、僕の良き理解者でもあり、いつも応援してくれていますので(僕がザ・ステレオ屋の経営を支える)店長であることも、誌面等への執筆(内容など)もよく知っていてくれていることと思います。
なので、よく知っている仲だからこそ、(自分の商売である)オーディオを押し付けるわけにはいきません。
それでも、イベントや来店時には「やっぱちゃんとした音で聴くと違うなー」「欲しいんですけどね…」などと言ったり、こちらからも「そろそろ買ってみる?」なんて会話があったりして、「じゃあ次のボーナス出たら相談に来ます」みたいな“未遂”レベルまでは話が深まったりとしていました。(具体的に何機種か紹介してあげたりも…。)
そんなかんなを繰り返しながら月日は進み、前述の“あくる日”を迎えます。

『予算の壁と無駄買い(を避けるため)のジレンマ。』

ここからは会話方式で書き出していきます。(略記は黒江→黒・番場→DB・湯川→HY・番場&湯川→2人)
(くどいですが2人とは仲がいいので黒江が敬語ではないのですが、何卒ご理解ください。)

黒「とりあえず、具体的な予算はどのくらい?」
2人『10万円くらいは確実に出せますが、それだと足りませんか?』
黒「(年齢的にも)やっぱりそのくらいだよね…、(2人は)楽器とかも買うしね。 組み合わせによってはもう少し…ってなるかもね。」
2人『どんなのが候補ですか?』
黒「音の好みにも拠るけど2人は俺(黒江)のリファレンス的なサウンドの方向性でいいのかな?」
DB『自分は今までたくさん聴かせてもらってきて、それでOKです。』
HY『僕も大体OKで、もう少しだけ聴き比べたいです。』
黒「了解です。そしたら、次は大きさの制限かな。(いくつかのスピーカーを見せて)この大きさまでしか入らないってある?」
DB『自分のところは他に物が少ないこともあって大体置けそうです。』
HY『僕はできれば(かなり小さめのモニターを指して)このくらいがいいです。』
黒「PCとか置いてるデスク上の両脇に置きたいんだっけ?」
HY『そうですね。』
黒「了解、だいたい分かったので今日はとりあえずENTRY Siを聴いてもらっておこうかな。」

…と、2人の予算、HY君の大きさ制限に見合って、もっとも黒江がオススメしやすいALR/JORDAN [ENTRY Si]を(とりあえず)聴いてもらうことに。

(試聴後)
2人『音の方向性はいい感じだったので、ザ・ステレオ屋さんのお勧めから選んでもらえれば。』
DB『ただ、自分は結構前から何度も聴かせてもらってきたので、(どうせ買うなら)もう少し上のランクのスピーカーも捨てがたいかな…と思いました。』
HY『僕もENTRY Siは価格・大きさからしたら相当良いと思えたんですが、リファレンスのスピーカーと比べると…。』
2人『悩ましいところですね。』

…とと、ここで(見出しの通り)当初の予算と(本当に欲しいなと思える)実際の予算のジレンマが生じてきてしまいました。
焦って買うこともないですし、HY君は設置の工夫などができるかもあったので「どんどん上げていくつもりは無いけれど、予算に関しては今一度検討してもらうプランも提案させてもらうかも」…と(設置予定空間の採寸もお願いしつつ)2人には伝えて一旦お開きにいたしました。

一先ずは予算で買えるものを買って、後々(人によりますが数か月~数年)に入れ替えていくのもオーディオ購入のセオリーですが、(一先ず買ったものを下取りなどするにしても)買い替える回数が多くなるほど結果的な出費は大きくなるので時には予算を上乗せしてでも長く付き合えるものをセレクトする方が賢明な場合もあります。

2人はどんなプランを選ぶのでしょうか…。次回に続きます。

『DB君・HY君のオーディオはじめました。』(不定期)連載スタート!

金曜日, 9月 4th, 2015

(様々な理由から)しばらく更新の間が空いてしまいましたが、またポツポツと更新してゆこうと思っております。

なお、(↑様々な理由の一つですが)BURRN!誌での連載が9月5日発売(←土曜日になるので多くのところでは本日発売)の今月号より再開されています。
ちなみに、同誌に於いて先月号では同一タイトルのアナログとCDを聴き比べる特別企画を手掛けており、かなりの時間と労力を費やしてしまったのも“blogを留守”にしてしまった一因でございました…。(それだけ大変だった割には「校了で気が抜けてしまったりで」こちらでの告知もやらずじまいでしたが…。^-^;)
今後は連載も再開ということで、ブログが疎かにならないように努めたいと思っております。

…と、タイトルの通り、今までにはなかったタイプの不定期コンテンツをはじめます!

仲の良い(20代の)ユーザーさんお2人によるオーディオ機器(導入)実践編レポートとして、当店が手掛ける『プランニング(買い方)・コーディネート(組み合わせ指南)・テクニック(調整アドバイス/ノウハウ)』などをお届けできればと思っております。
具体的なやり取りなどが読んで取れる内容となっておりますので、このコンテンツを読み進めていただければ、なかなか当店に足を運べない遠方の方・ご多忙の方・スケジュールが合わない方でもバーチャルな(感じで当店との)やり取りを体験していただくことができます。

協力していただいているのは『番場 大輔さん(DB君)・湯川 秀人さん(HY君)』(コンテンツ中は堅苦しくなるので“君づけ”で呼ばせていただきます。)のお2人です。
比較的お住まいも近く、よく知る仲でありますので少々贔屓にした対応(主に機器類の貸し出し)が見受けられることもあるかと思いますが、“ガチな企画”となっていますのでお2人(のオーディオ・音楽ライフ)が成長していく様を楽しんで(少しでもの参考になれば)いただければ幸いです。

ASUS Essence One MKII MUSES Edition

水曜日, 5月 20th, 2015

今回は「思わぬ(メーカーから)伏兵が表れた。」…と、一聴した感想から書かせていただきたいほどにイチオシ…いえ、『激オシ』したくなったDACを紹介させていただきます。

【“音楽の女神”が奏でるハイスピードサウンド。】

まず先にメーカーである『ASUS』さんについて述べざるを得ません。
台湾に本社を構えるASUSは(おそらく)PCのマザーボードメーカーとして産声をあげたブランドであり、少なくともつい最近までは音響機器とは(ほぼほぼ)無縁のメーカーであったと思います。
故に(僕がASUSを知ってずいぶんと経ちますが)今日このような形でDACのレポートを書かせていただくことになるとは夢にも思っていませんでしたが、ASUS自体は「Nexusシリーズ」などでこの数年来、非常に有名になっていると思われますので「聞いたこともないメーカーだな…」といった未知な存在ではなく、(僕は)比較的あっさりと受け入れてしまえました。
(なお、台湾のメーカーであり、○国とは全然異なります。当DAC製品も品質管理やパッケージのきれいさなどは非常にしっかりしています。ので、変な拒絶反応はしなくてもよいのではないかな…と個人的には思っております。)
ちなみに、読みは「エイスース」が公式の読み方(呼び方)です。(黒江はエーサスって読んでいました。笑)

…と、前置きはこの辺にして、Xonar Essence One MKII MUSES Editionを聴かせていただいた経緯を(サラッと)述べておきますと、(いつもとは真逆で)スペック(仕様)や使用パーツをリリースで拝見したことがきっかけです。
前述の通り、今まではオーディオと無縁のメーカーさんであったわけですから交流も無く、細部の仕様を確認せずに“先に聴く”ということができません。
…ので、止む無く先にリリースを見ることになったのですが「この仕様(内容)ならどうみてもウチに合ったサウンドが出そうだな…」と、リリースを見てすぐに思いが過ぎり、取扱い先を探してみるも見つからず、その後(どうしても一度聴いて答え合わせ(確認)してみたかったので)色々、諸々を経て実機を聴けることになった…という流れです。

よって、いつもとは逆に「こんな音が出るんだろうな」…と期待し?思いながらの答え合わせでしたが、いつものようにレポートしたいと思います。
(試聴時の比較対象はAura neoの内蔵DACがメインでneoからの同軸デジタル出力をXonar Essence One MKII MUSES Editionに入力しています。)

■ASUS [(Xonar) Essence One MKII MUSES Edition] (EONE MKII MUSES)
●(過去最速?の)neoと比較してもほぼ互角のスピード感で、タイプは(ガツン・ドカンと来る)攻撃的・暴力的なタイプでは“なく”、スッコーン・スッカーンといった突き抜ける系のハイスピードです。(「ほぼ」と付けたのは極々わずかにneoの方が早い印象だった為ですが、曲によってはそのごく僅かな差も感じられず、極めて「=」の(超)ハイスピードサウンドです。)
●1音1音・音像・音場いずれもクリアネスであり、明瞭なサウンドです。(ただし、仕様(測定値?)ではS/N比が120dBとなっていますが、そこまでの印象はありませんでした。…と言っても十分すぎる高S/N感には間違いありません。)
●キレ・立ち上がり・アタック音も非常に良好で、シャープ・タイトで俊敏・鋭敏に音が立ち上がり、スパッと切れよく収束します。
●高音~低音のバランスもフラットで高音が走って(突っ込んで)ジャリついたりすること無く、低音ももたつきや緩みが無く、ボンついたりすることがありません。
●強いて言えば“わずかなウェット感”があり、極々わずかながら(余計なヴェール感ではなく、音の余韻を帯びたような)“エンハンス感”があります。(←このエンハンス感を上手く伝えるのが難しそうなので、全体の文章を読んで察していただけたら…と思います。^-^;)
●よって、ジャリジャリのシャウトがほんの少し生気を帯びていたり、スネアのアタック音に皮の張り感やインパクトの躍動感がよりリアルであったり、ガリッガリのディストーションサウンドを描きつつも音色が失われなかったり…とシャープさを出しつつも高い情報量も感じられるサウンドとなっています。
●エッジ感はしっかりとした線がくっきりと見える(輪郭強調)タイプではなく、エッジ線自体は極々細いがしっかりと輪郭を描いている(シャープで明瞭)タイプです。
黒江的好み度:S

…と言うことで、neoと比較して「極々わずかなエンハンス感(から来るウェット感)」を帯びている印象以外は(neoと)大きな違いを感じない印象で、ザ・ステレオ屋(黒江)的には大ヒットな結果となりました。
(双方黒江が好きなDACチップですが、neoとはDACチップが異なるのに似たような音に聴こえるのが不思議でした…。)

DSD対応ということもあり、最新機種への買い替えにもお勧めしやすいのでぜひぜひご検討いただければと思います!
(個人的にはnorth star design Intensoとどちらにするか悩ましいところですね。)

お値段や試聴等、気軽にお問い合わせください。

P.S.
レポートはすべて「UPSAMPLING」はオフを前提に書いております。(オンの音はエンハンス感が強烈に高まってしまい、あまり評価していません…。←歌モノにはよいと思います。)
紹介しているのは「MUSES Edition」です。MUSESでないモデルとはまったくサウンドが異なりますのでご注意ください。(ザ・ステレオ屋では(少しの差でもありますし)圧倒的に「MUSES Edition」をお勧めしています。)

Pro-Ject Elemental vs Essential II

水曜日, 3月 4th, 2015

今回は(安価なモデルながら)今現在もっとも評価しているアナログプレーヤーのEssential IIに、ちょっとエディションの異なる“腹違い”な兄弟機(兄機)が登場しましたので弟機と聴き比べてみました。

【○いElemental、■いEssential II。】

本国のPro-Jectメーカーページをご覧いただくと分かりますが、Elementalには(今回紹介する)透明なプラッター(レコード盤を載せる回転台)のアクリルバージョンと(おそらく)Essentialと同等のMDFバージョンがあるようです。

このうち、現在、国内(輸入元ナスペック経由)で入手できるのはアクリルタイプでありますが、兄弟機とは言えど音の質感や傾向の差異が大きい2モデルとなっておりますので、ぜひぜひこのレポートを参考にご検討いただければと思います。

まず、両機の違いは目で見て明らかです。
Elementalはとにかく丸い(○い)です。そして(マットを乗せないでいると)白っぽい透明なのでとっても○(白丸)な感じです。
○の両サイドにモーター部とアームベース部がポツンポツンとくっついているような感じで『非常に無駄のないエレガントなデザイン』といった印象です。

次にEssential IIに目をやると、とにかく四角い(■い)です。(当店のはBLACKです。)
『四角い板にプラッターとアームを必要最小限の設置面積で搭載した』だけのシンプルさで、悪く言えば無味乾燥なデザインといったところでしょうか。
また、(特に肉厚・重厚な造りのアナログプレーヤーが多い中、)Essential IIはプラッターやボディなど全体的に“薄い”といった印象も強く残します。

■Pro-Ject [Elemental] vs [Essential II]
●(以前のレポートの通り)Essentialは非常に癖の少ないサウンドであり、実に素直な出音を提供してくれます。
●(価格を感じさせないくらいに)S/N感が高く、(スー・サー・プチッというようなレコード特有の)トレースノイズ・スクラッチノイズも少なく、付帯音に感じられる要素がごくごく少ないため、(アナログっぽさはあまり感じられませんが、)クリアで明瞭、見通しの良いサウンドステージを展開します。
●かと言って、(情報量が欠如したような)スカスカした感じではなく、十分な音の濃さ、強さ(ダイナミクス)、レンジ感も出してくれていて、正にシンプル・イズ・ベストなサウンドとなっています。
○対するElementalは“しっとりと豊潤”さを感じさせる、滑らか、マイルド、ウェットな傾向にあり、(コテコテのアナログプレーヤーには及ばないものの)アナログらしい印象のサウンドを聴かせてくれます。
○S/N感やダイナミクス、レンジ感はEssentialと差異なく、(前述の通り)そこまでコテコテの音作りではないので、(プレーヤーの音癖を)押し付けられるような強引さがなく、色々なジャンルを気軽に楽しませてくれます。
○かっちりし(すぎて)いる(?)Essentialに比べて、やや先丸で伸びや余韻のある傾向となっていますので、歌モノなどは生々しさがより強調されてハマりやすいのではないかと思います。

なお、初見では『筐体以外はほぼEssentialの流用かな、でも筐体とターンテーブル(の素材)だけでも変わるだろうな…』と思っていたElementalですが、よくよく見るとアームも(作りはそっくりですが)太さが異なっていたり、板の代わりになる筐体ベース部の材質感が異なっていたり…と結構違うものなのだな…と気が付かされました。
(つまり、Essentialの■を○にしたのが=Elementalという簡単なものではなかったということです。)

勝手な推測・考察となるのですが、両機のサウンドが異なる理由はやはり筐体のシェイプとターンテーブルの材質の影響が強いと考えており、よりリジットなEssentialに対して、丸みを帯びていて且つ面積・体積の小さい筐体が、よりアクリルの柔らかさを引き立てている…といったことが非常によく表れていることと思っております。
(あえて近い価格でこの2機種を揃えてきたメーカーが「このサウンドの違いを楽しんでもらうため」であるとしたらすごくいいセンスだな…とも。)
(デザイン先行でElementalという方もいらっしゃるとは思いますが、音あってのプレーヤーです。できましたらちゃんと両機を試聴して選んでもらえれば…と思います。)

…ということで、(価格帯の並び方などから)兄弟機と述べさせていただいてはおりますが、実質的には従兄弟機といった感じの両機ですので、無機質モニター派はEssentialを、アナログらしい派ならElementalをお勧めしたいと思います。
(どちらもコストパフォーマンスに優れた良作であることには自信を持って太鼓判押させていただきます!)

そろそろアナログも聴きはじめてみませんか。

P.S.
当レポートは“USB対応フォノイコライザー【無し】”モデルのレポートとなりますのでご注意ください。
フォノイコライザー搭載モデルには(搭載のフォノイコの音でガラリと変わってしまうので)レポート内の一切の分析や感想が当てはまりません。
また、この製品を使用するにあたっては別途フォノイコライザーが必要になります。
(当レポートは当店リファレンスのTRIGON Vanguard IIを使用しております。)

Pioneer BDP-LX88 vs BDP-LX58

火曜日, 12月 2nd, 2014

このところ(新製品ラッシュということもあって)Pioneer製品ばかりがエントリーされていますが、間もなくnorth star designやその他のレポートも予定しておりますので今しばらくはご容赦くださいますようお願い申し上げます。(Pioneerから袖の下を貰ってるとか、優遇してもらってる…などなど、お好きに言ってやってください!笑)

…ということで、表題のブルーレイディスクプレーヤーをレポートさせていただくのですが、当店(ザ・“ステレオ”屋ですし)“画もの”には大して詳しくありません。
…が、OPPOの登場からネットワークプレーヤーであったりUSBメモリーの再生などに対応してきたこともあり、多くの方から「(CDなどを聴く)音質面ではどうなの?」といったお問い合わせも少なくなありません。
そこで、かつて(DVDが普及してきた頃)の“ユニバーサルプレイヤー”と同じく、音にクローズアップしてチェックして(レポートして)みるといった試みをしてみましたので、少しでも参考になれば幸いと思います。
(画もののプレーヤーでCDを聴くユニバーサルプレーヤーの先駆もPioneerのDV-AX10/DV-S10Aであったような記憶があります。「今また正に」といったところですね。)

【さすがの風格を感じさせるBDP-LX88にCPでは絶対的なBDP-LX58の存在感。】

いつものように「vs形式」ではありますが、「vs」とは「絶対的な優劣を決める」という意ではないので予めご理解ください。

試聴は基本的にすべて「DIRECT(ダイレクト)」モード、CDとNASのファイル、USBメモリーのWAVファイルを中心に聴いています。
(※映像の絡んだ音質面は“一切検証していない”ので予めご容赦ください。)

■Pioneer [BDP-LX88]
●同時季に(同様に兄弟機で)リリースされたN-70AとN-50Aでも同様の差別化が図られていましたが、筐体の作り、特に側面と天板部が圧倒的に上質な仕上げとなっており、質感や剛性による音質面への配慮が感じられます。(重量感もグッとあがっています。)
●情報量・S/N感・解像度・レンジ感はやはりLX88の方が圧倒的です。
●音の傾向はやや大人しく、ウェット感だったり、マイルド感だったり、ソフト感だったりといった印象も「ほんのり」持ち合わせていますが、基本的にはニュートラル系のサウンドであると言って差し支えないと思います。
●逆に、アグレッシブ・マッシブ・ハイスピードといったワードの印象もなく、言い換えれば特段に得意・不得意がないとも言え、Classicやボーカルものから何でも無難にこなしそうなユーティリティなサウンド傾向となっています。
●黒江の超個人的な見解では「大体14万円程度のCDプレーヤー」と匹敵する感じではないかと思っております。(※初回投稿時より訂正しています。)

■Pioneer [BDP-LX58]
●(前述の通り、兄機には及びませんが)基本的な音質面で顕著に不満を感じる(明らかに低音質と感じる)ことはありませんが、分解能・S/N感・レンジ感はもう少し欲しいかな…という印象です。(専用のCDプレーヤーと比べるとどうしても…。)
●音色はやや明るめのキャラクターですがドライではなく、どちらかと言えば、ほんのりウェット感がある印象でした。
●スピードは上々で、ほぼほぼハイスピードの部類に入れて問題はないと思います。
●切れ切れのスピード感ではなく、鳴りっぷりの良い、アグレッシブなスピード感を持っており、(当店で言うところのいわゆる)TEAC・プライマー(I21以前)路線の音傾向となっています。
●低域はタイトで、バシッと締まっています。量感も「ドンッ」と出せるけどボワつかず、ピタッと制動できている印象でした。
●黒江の超個人的な見解では「大体6万円強程度のCDプレーヤー」と匹敵する感じではないかと思っております。

…と思ったことをザッと書き出してみましたが、音色面において『LX88は大人しくて、LX58はアグレッシブ』と一目で捉えてしまう程には個性の差は大きくなく、ニュートラルなポジションからLX88は少しエレガント寄り、LX58はアグレッシブ寄りといった感じです。
ご推察の通り、黒江的にはBDP-LX58の方が好みですし、(CDなどを聴く上での)CP面でもLX58に軍配が挙がる感じですが、絶対的な音質はBDP-LX88がなかなか優秀で(おそらく映像も同様に基本面で1枚上手なので)なかなか悩ましいところではないかと思います。

「CDや音楽ファイルはたまにでいい」という方はぜひご検討いただければと思います。

P.S.
今回のようにユニバーサルプレーヤー(もとい、今だとマルチメディアプレーヤーでしょうか)で使用する上での難点は「アプリやリモコンだけでは思いのままに操作ができない」という点が挙げられます。
特にNASのファイル(DLNA)やUSBメモリーの再生は「ディスプレイ(テレビ)」にコントロール画面を映さないといけません。
(ダイレクトモードで音質を向上させたいけど、ディスプレイはオンにしなくてはいけない…みたいな矛盾は無い方が嬉しいです。)

本体のボタンも明らかに足りていないものが多く、黒江自身の考えですが『こういった機器類は基本的にすべて本体で操作できること、その上でアプリやリモコンがあると便利であったり、より直感的に操作できる』…といった考えがあるので、その点ではちょっとガッカリしてしまうような造りとなっていました…。
(Pioneerさん、ユーザーインタフェースの基本を今一度見つめ直してもらいたいな…と切に願っております!)

Pioneer N-50 vs N-50A vs N-70A

金曜日, 11月 21st, 2014

【速報】

昨日リリースされたPioneer新製品の2機種に旧型を加えた表題の3機種を早速スクランブルテスト(試聴)してみました。
個別のレポートが望ましいこととは思いますが、少しでも早く、端的・簡潔な感想をアウトプットした方が良さそうなのでエキスプレスでショートレポをしてみたいと思います!

■N-50
●「言わずもがな」の1台です。1つ前のレポートや、発売直後のレポートなどで網羅出来ていると思いますので、今一度ご覧いただけると幸いです。
●ザッとだけ書き出しますと、S/N感・分解能・切れ・スピード感に優れた(数10万円を凌駕する!…なんてことは言いませんが)ハイCPモデルであることには間違いがないと思います。
●特に同軸デジタル・USB経由(メモリー/iPhoneなど)・USB DACは非常に優秀な音質ですので、メインでもサブでも(DSD再生が不要であれば)活躍できるプレーヤーです。

新機種は「N-50」と比較した分析・考察をベースにレポートします。
■N-50A
●N-50と比べて、わずかに穏やかで上品な印象ではありますが、N-50と大きく異なった(まったく方向性・傾向を変えてきた)印象はなく、スピーディでバシッとした鳴り方です。
●N-50より情報量と広がりは向上しており、少しだけウェットな傾向に寄っています。

■N-70A
●さすがの(シリーズ中では)最上位機種といった印象で、S/N感や解像度が非常に向上しています。
●こちらもN-50と比べてわずかに上品なテイストですが、S/N感や解像度、レンジ感などの“基本的音質”の向上で見通しが良いため、アグレッシブなサウンドの再現も不得手にせず、スピード感もわずかにN-50に劣る程度といった印象です。
●強いて言えば、少しだけ“切れ”に欠けるところがありますが、逆を返せば「N-50がかなりのハイスピードで切れ切れサウンドだった」と言えるくらいのハイスピードさと切れは(N-70AもN-50Aも)持ち合わせています。

…と、あまり書いてしまうと後々書くことがなくなりそうなので(…^-^;)この辺りにしておきます。
(後日予定している)個別のレポートでも同じようなことを書きますので予めご容赦ください。

最後にパッと見で分かりやすい?『(超勝手)黒江的vsパラメーター』を掲載しておきますので、ご検討のわずかな足しにでもなれば幸いです。

□S/N感:N-70A >>> N-50 > N-50A
□スピード感:N-50 >> N-70A > N-50A
□解像度:N-70A >>> N-50A > N-50
□分解能:N-70A > N-50 = N-50A
□レンジ感(帯域の伸び):N-70A >> N-50 = N-50A
□ダイナミックレンジ:N-70A > N-50 = N-50A
□情報量:N-70A >= N-50A >> N-50
☆黒江的好み度:N-50(S(~A+)) >> N-70A(A+(~A)) > N-50A(A(~A-))
(※N-50は先日のレポートで付けたものです。)

P.S.
こうして見るとN-50Aがとても悪そうに見えますが、N-50とN-50Aは結構しっかりと比較試聴しないと(どっちがどっちか)分からないこともあったくらいですので、ご検討されている方は気にしないでいただいて大丈夫かと思います。(←DSDが必要だったら間違いなく買いです。)
ただ、黒江が(DSDが必要で)買うとしたら(がんばって)N-70Aを買ってしまうだろうな…とも思いました!

Pioneer N-50 『導入編』

水曜日, 11月 19th, 2014

kuroe_sys_n50
今回はちょっと趣向の異なるレポートです。
…と言いますのも、わたくし黒江が(買うよ買うよと言いながら)ようやくN-50を購入し(セッティングを終え)たので自宅での使用感や雑感などなど、思ったこと・感じたことを書いてみようかな…という程度なので、いつもに増してライトに読んでいただけたらと思っております。(って、導入したのは半年も前なんですが…。^-^;)

■導入の動機
兼ねてからのレポートの通り(基本的な)音質の良さはもちろんのこと、この数年ではおそらくベスト1に近い黒江の好みのサウンド傾向であることが何よりも大きいのですが、その実は「AirPlay(に対応したプレーヤー)が欲しかった」というものすごい単純な動機です。(笑)
(以前のレポートでは『黒江的好み度:A(~A-)』になっていますね…。結構シビアに採点していたからだとは思うのですが、今なら『黒江的好み度:S(~A+)』で間違いないと思います!)
ちなみに、自宅のリファレンスシステムへの導入ではなくリビングのサブシステムへの導入となりますので、この点も誤解の無きよう先に触れておきます。

■到着~開梱
普段から(嫌ってくらい?)扱っていますので梱包状態などには特別なことは感じません…。(意外と重いよな…くらいかな。)まずは普通に自宅にホイッと持って帰りました。
開梱と言いますか、開封です。これもそんなに特別なことは感じませんでしたが、昨年に購入したPanasonicのBDレコーダー(日本製)が異常にきれいな包装状態(埃ひとつ見当たらないといいますか、人の手が一切加わっていない?かのような不純物の無さ)があまりにもすごかったので、(N-50は中●製)まあ、こんなものかな…という印象を持ったような記憶があります。(中●製にしてはきれいだった…という意味です!)

■設置~音出し
当初の予定は(面倒なので)前述の「Panasonic製BDレコーダー(ラックの中で一番薄い)に(BDレコーダーを上にして)積み重ね置きしよう」「うん、それが一番手数が少なくて楽だ!」…なんて思っていたのですが、あと数mm足りずに収まりません…。 しかも、次に楽な位置を選ぶと(PCとの距離が遠くなるので背面から取りまわす)愛用しているUSBケーブルが(audioquest [Carbon])1.5mでもちょっと足りないかも…という始末です。 仕方なく、最小限の移動を検討しますが、結局はアンプ以外のすべてのコンポーネントを移動する羽目に…。

…と、こうなってしまうと逆に火が点いてしまい、各種ケーブルの見直しもついでにしてしまおうと意を決します。(これが後ほど結果オーライになるとは…。)

そもそも、このN-50は一口に言えばネットワークプレーヤーなのですが、ネットワーク関連では(僕の購入動機である)AirPlayやインターネットラジオに(言わずもがな)WindowsやMacとのUSB接続とiPhone/iPadのDOCKケーブル接続、そしてデジタル入力と多彩な入力を持ち合わせており、その実態は『デジタル・マルチ・ステーション(・プレーヤー)』とでも名付けたいくらいの豊富な入力(ソース)が魅力であるとも捉えてきましたし、(BURRN!や各方面でも述べてきたとおり)みなさんにはそう紹介してきました。

そして、前述の通り、位置の変更も配線もやり直さなくてはいけない現状…。なら、『デジタル・マルチ・ステーション(・プレーヤー)』として、その入力端子もできるだけ使ってしまおう!…と思い立ったのです。

当初はAirPlay(これは音源と本体を無線で繋ぐので接続無し)と背面のUSB接続によるPC/MacのUSB DAC用途で十分としておりましたが、配置・配線を見直すついでにBDレコーダーから光デジタル(OPTICAL)も接続、さらに当初は100%予定の無かったCDプレーヤーからN-50への同軸デジタル(COAXIAL[S/PDIF])接続を試みます。

■音出し~設置完了
…で、繋いでテスト再生も終わったので、ラックを元に戻して設置完了です。…とはいかないし、させないのが(一応)プロです。(笑)
もう、ここまで来ると色々と聴き比べたり、検証しないことには気が済みません。なので、早速まずはUSB DACから聴き比べてみることにしました。

『NuForce μDAC2 vs N-50』…μDACは初代と2代目を所有しており(リビング用なので)今まではこれで十分といった感じでしたが、せっかくなので両者(3者)を聴き比べて、もっとも高音質・好みの総合点が高かったものを採用することにしました。
μDAC2はさすがに今までの普段使いとあって、(特にCP面を加味すれば)十分すぎるサウンドです。クリアでシャープ、切れがあって、ハイスピードなので別段に(サブシステムなら)不満はありません。
そして、N-50です。さすがにクリア(S/N)感は1ベール、2ベール剥いだような透明感で、よりすっきりとした音場が広がります。 情報量はN-50の方がしっかりとしていますが、それでいて切れもあるしハイスピードなのでμDAC2を少しアップグレードした傾向です。(μDAC2は少ーし粗く聴こえます。) でも、「これだけのためにμDAC2から買い変えることなないかな」…といった感じであり、最終的にはμDAC2も聴けるように接続を残しておきました。

『CDプレーヤー(の内蔵DAC) vs N-50同軸デジタル』…次にオマケで聴いたのがCDでのDAC使用です。 …が(!)、これが予想外の結果になりました。
一言で言えば「CDプレーヤー買い変えたかな?!」というくらいに、メチャメチャ音質が上がったのです。 まず、S/N感がもっとも顕著で段違いに向上し、そのクリアさから音の見通しが飛躍的に良くなります。
分解能、1音1音の切れ、輪郭と定位感と基本的にどこを切り取ってもCDプレーヤーの内蔵DAC(←そんなに悪くない音質です。ので当初はそのままにするつもりだったので。)より、N-50経由の方が良くなりました。(←好みになりました。) これは嬉しい誤算と言いますか、「(配線苦があったおかげで)接続してみて良かった」…なんて、ちょっとお恥ずかしいくらいの結果です。
(その後は1人でキャーキャー言いながら、数少ない(メインから浮いていた)RCAケーブルや電源ケーブルで何とかギリギリ間に合うように配線をし、ようやくラックを元に戻しました。…疲れました。笑)

…と言うことで、結果的に僕の自宅ではCDプレーヤー/BDレコーダー/USB DAC/AirPlay/インターネットラジオ/(今はiTunesからのDLNA)NAS使用が接続または聴ける状態となり、N-50が正に『デジタル・マルチ・ステーション(・プレーヤー)』として活躍することになりました。←※つまりは、アンプとN-50だけを繋いでおけば良いので、RCAケーブルの温存(バーター)にも一役買ってくれました。

長くなってしまいましたが、黒江自宅でのドタバタ導入記でした。(&乱文にて恐縮です!)とにかく、同軸デジタルが予想以上に高音質だったので、お持ちの方、これから購入の方はぜひチェックしてください!
そして、まもなくN-50AとN-70Aがリリースされますが、DACの関係で初代N-50の方が黒江の好み度は高そうかな…と予想していますし、(DSD再生が不要なら)何よりお値段が半分程度となりますので、N-50をご検討されている方は急いだ方が良さそうです!

P.S.
■オートパワーオフ設定
以前から「30分放置でスタンバイモードになってしまい、アプリでは復帰できない!」(リモコン(使ってないので電池も入れていない)か、本体の電源を完全にオンオフして再起動(2分程度)させるのが)不便すぎる!と嘆いていましたが、『オートパワーオフ設定』でこの機能をオフにすることができると最近知りました…。パイオニアさんごめんなさい!^-^;

Pioneer U-05

火曜日, 9月 9th, 2014

結果的に、(my-musicstyleの関係で)ブログは長期間の休業状態となってしまいました…が、またポツポツと再開したいと思います。

再開第1弾はPioneerが放つ注目の新製品です。
(前評判も良く)すでに好調のスタートを切っている当製品ですが、ザ・ステレオ屋(黒江)流のレポートでご紹介したいと思います。

【ハイクオリティな“走攻守”と多彩なポジションをこなせるユーティリティープレイヤー。】

(黒江的には)N-50・A-70と立て続けに高評価させていただいているPioneerからの(しかも、かなり気合いを入れた)新製品ということで嫌でも期待は高まりますが、前評判や事前の情報からすると個人的には苦手なESS社のDACをメインに使用している模様なので、正直「今回はどうかな…」と思いつつの試聴となりました。

(余談:…そう言えばPioneerの音傾向を好んだのは(N-50以前に)X-Z9/7(←スピーカーを抜いたコアユニット部のみ)・PDX-Z10あたりからだったので、僕自身は結構長いことPioneerファンなんだな…なんて今さら気が付いております。…って、X-Z9(←スピーカーを抜いたコアユニット部のみ)は欧州でいい感じの賞を取ってるんですね!『コア部のみ』ですが…。^-^; …でも、僕と同じ感性の審査員がいらっしゃるみたいで大変光栄でした。)

閑話休題

■Pioneer [U-05]
●パッと聴きの第一印象は“ハイスピードで明快・明瞭”といったスピード系のサウンドです。
●メリハリの効いた傾向で1音1音がハッキリとしており、低音もタイト且つスピード感があって膨らみやブーミーさなどはありません。
●「スピード系」と前置きしながらも、音の粒が力強く飛んでくる“ドライブ感”も併せ持っており、“マッシブ”という言葉が合いそうな「アグレッシブ系」のテイストも持ち合わせています。
●音の輪郭は(黒江の最も好むEssensio・neo・N-50などに比べると)少し太めの線ですが、例えるなら、0.3mmの(シャープペン)芯が0.7mmになったくらいの差異であり、(この辺をかなり気にされる方以外は)そこまで気にする必要はないレベルだと思います。
●音の濃さも(ややあっさり、薄めのEssensio・neo・N-50などに比べると)やや色濃く、しっかりとした発色加減に感じられます。
●…と、良く言えば「ハイスピードを基調としたサウンドにアグレッシブ系が交ざっている」…正に“理想的なサウンド”とも言えそうなのですが…。
○悪く言えば「スピードもアグレッシブさも上々ではあるけど、(2つを両立しようとした代償で)1音1音が少しだけ粗め・雑」に感じられる印象もありました。「少し中途半端なところに着地してしまった感」がある傾向です。
具体的には…
○(Essensio・neo・N-50などと比較すると)もう少しS/N感が欲しいところで、少し音と音が被りあうような印象を受けるので、(音場内での)セパレーションが向上すると更に好印象です。
○加えて、分解能がもう少し高ければ全体の(音)抜けが格段に改善されていたように感じられます。(S/N感と分解能が上がることによって、「耳の中に音が残らない・溜まらない」でスッと消えてゆく→音が抜けるといったイメージです。)
☆ただし、これらはいずれも「強いて言えば」「欲を言えば」…といった要望であり、(価格がEssensio・neoの半分程度なわけですから)『欲を言わなくても十分なサウンド』であることは間違いないと思っております。

総括すると(黒江的には)、ギターの歪みはガリガリ過ぎず、ボヤけず、音痩せもなく良好。ベースはしっかりと出ていて、膨張・暴走することがなく癖が少ない傾向。シンバル(金物)は少し厚めのテイストながら力感(の再現)は上々。スネア・タムはもう少し抜けが欲しいけれどこちらも皮の厚みや力感(の再現)は良好。ボーカル(クリーン)は生々しさと厚み・温度感が程好いですが、シャウト系はもう少し分解が欲しいところ…といった感じでした。
全体的にやや硬質な傾向ではありますが硬すぎず、やや寒色傾向ですが同じくキンキン・カンカンし過ぎていないので、(特に若い方には)広く受け入れてもらえそうなサウンドだと考察します。 

黒江的好み度:A

なお、上記のレポートはすべて(1台3役の)U-05を「単体DAC(FIX出力)」として使用したケースとなりますが、「ヘッドフォンアンプ」「プリアンプ」での使用時も大きな変化はありません。

最後に(思いっきりセールストークになってしまいますが、笑)、少し製品のPRをして終わりたいと思います!

例えば…学生さんのうちは自室でヘッドフォンアンプとして使い、1人暮らしをはじめたら小型のアンプとスピーカーを買い足してDACとして使用し、その後のステップアップ(セパレートアンプ)の際にはプリアンプ(コントロールアンプ)として使用する…などなど、1台で長く多用に使えそうなのもU-05の大きな魅力の一つです。(この価格でこれだけ作り込まれていて、バランス出力までフォローしているのはこれまで類を見ません。)

(前述の前評判にはこの点も含まれており、コンセプト的にも非常に当たっていますので)『持っていて損はしない』と言い切れる製品はなかなか多くはありませんので、ビギナーから上級者まで幅広いリスナーに興味を持っていただけると幸いです。

P.S.
ご覧の通り、ESS社のDACを使用していた点は杞憂に終わりました。
(DACだけで音が鳴っているわけではないので)素材の調理の仕方かな…ということもありますが、どうやら僕があまり好まないのは同じESS社でも「ES9018」というDAC(チップ)のようです。
U-05は「ES9016」を使用しているそうなので、この辺の違いがあるのかもしれませんね。

Pro-Ject Essential II

金曜日, 5月 23rd, 2014

my-musicstyleの準備を進めつつも、少しでも製品レポートが書けるようにがんばりたいと思います。

【ロック・メタル系のアナログファンは必聴の秀逸機!】

(…って、“必聴”って書くと盤の話にしか見えないですね…。笑)

BURRN!誌をご覧いただいている方や黒江の読み物をマメにチェックしていただいている方にとっては、既にご周知のアイテムなのかもしれませんが、久しぶりに“ゴリ押し”したいくらいの黒江的オススメ機と出会いましたのでレポートさせていただきます。

■Pro-Ject [Essential II] (付属カートリッジ使用)
●第一印象は「ストレート」、非常に癖がなく、明快・軽快なサウンドです。
●S/N感も良好で、無駄・ムラの無いすっきりとした“クリア系”のアナログプレーヤーです。
●トレースノイズも目立つようなことはなく、(別途ストロボ使用での測定にて)回転もほぼほぼ完璧でした。
●高音の伸び、低音のピックアップも十分過ぎるほどに良好で、レンジの狭さを感じるような“廉価モデル”要素はありません。
●全体的に1音1音はシャープでやや細めのサウンド、濃さや重厚感を感じるタイプではないので、“よりアナログらしいアナログサウンド”をご所望される方には物足りないのではないかと思います。(フォノイコでカバーできる要素もあるかと思いますが。)
●分解能も良好ですが、雄大・広大な音場感は期待できません。
黒江的好み度:S

…と、“クリア系”のアナログプレーヤーとしては(黒江的には)文句の付けようがなく、実勢売価を考慮するとビギナーには「これ以上ないくらいの存在」になるのではないかと太鼓判を押したいくらいのモデルです。

そのサウンドの秘訣を黒江的に考察してみると…
★ショートストレートアーム…一般的なアナログプレーヤーは(ショートではない、またはロング)S字型アームがポピュラーですが、Essentialのアームは真っ直ぐで短い分、レコードの信号をよりフレッシュに出力できるのではないかと推測しています。
★薄めの筐体…一般的なアナログプレーヤーはかなり肉厚の筐体であるものが多く、自重も重めなのに対し、Essentialの筐体は薄めで(ギターなどと同じく、ボディが鳴らないので)音離れが良いのではないかと推測しています。
★薄めのプラッター(回転台)…こちらも一般的なアナログプレーヤーは厚めのものが多いのですが、Essentialのプラッターはやや薄めであり、筐体と同じようにレスポンスの早さに繋がっているのではないかと推測しています。
…と、要は一般的なアナログプレーヤーとは真逆の構成であることが、結果的に(黒江的に)は功を奏しているのではないかという考察です。

なので、“よりアナログらしいアナログサウンド”とは決して言えませんし、“クリア系”を求めていない方にとっては「これ以上ないくらいの駄作」にもなり得る気もしています。(実際にアナログマニアさんの中には“ショートアーム否定派”という方もいらっしゃるみたいです。)
ただし、決してEssentialがアナログらしくない、CDみたいなサウンド…ということではなく、音の質感やダイナミックレンジなどに代表されるアナログならではのサウンド感というものはしっかりと出せていると思います。

なお、初代EssentialとEssential IIの主な変更点はアームの改良(仔細は割愛しますがかなり改善されました。)とDCモーターに変更されたモータ部で、初代Essentialでは50Hz/60Hz(東日本/西日本)仕様が別々にラインナップされていましたが、50Hz/60Hzが共通となり、より使いやすくなったのも評価できる点だと思います。

…と、最後に2つ注意点があります。
1つ目は、Essential IIにはフォノイコ(USB)内蔵モデルが存在していますが、こちらの音質に関してはノーコメントということで、今回のレポートはEssential II(フォノイコ非搭載モデル)であることにご注意ください。(USBモデルは内蔵フォノイコをスキップできないんですよね…。)

なので、このEssential IIには必ずフォノイコライザーが必要になるのですが、もう1つの注意点は(オチでこんなことを言うのは気が引けますが)今回の高評価は、そのフォノイコライザーにTRIGON [Vanguard II]を用いた場合の評価であることにもご注意ください。
(つまり、TRIGON Vanguard IIがEssential IIと同じくらいに高評価ということです。…Vanguard IIって本当にすごいモデルだと思います。)
Essential IIとVanguard IIをセットでお求めいただくと10万円を超えてしまうのでビギナー向けとは軽く言いたくないのですが、1万円以下のフォノイコもありますし、アンプによってはフォノイコを装備しているものも少なくありませんので、まずはEssential IIを購入し、また予算が貯まったらVanguard IIを購入するのもよいプランだと思います。
(もちろんVanguard IIも“黒江的好み度:S”です!)

とにもかくにも、久しぶりに黒江がこれだけ“イチオシ”を全面的に出すくらいの製品ですので、ぜひご一聴いただけたら嬉しいです!