黒江流『PCオーディオ/USBオーディオ』のススメ report 6 【USBケーブル編】

大減速気味の連載ですが、今回からは総括として機材の方をご紹介させていただくことにしました。

…って、前回の最後で『黒江的に』絞り込んだラインナップはすでに察していただいたことと思いますが…。

【なぜ音が変わるのか、ハッキリ言って分かりませんが効果絶大のUSBケーブル!】

まずは[USB CABLE]です。
見出しの通りではありますが、電源ケーブルと同じくらいかそれ以上に「なぜ音質・音色(傾向)が変わるのか本当に不思議」です。
まず、USBケーブルはPC/MacからUSB-DACへ『データ』を送っているに過ぎません。

この際、送られているデータを「例えば0.1秒間分だけ取り出して並べてみた」とします。
すると…
『0010100011101010010101101101010110101111101010110111010111010101』
…このような感じでデジタルのデータが流れているわけです。
(実際はもっと多いですし、低ビットレートのMP3と高ビットレートのFLACであれば、同じ0.1秒間でも送られているデータの量が100倍くらいの差になることもあります。)

…で、みなさんは(例えば上記の様な)このデータだけで(それが必ず何らかの音楽(音声)データだとしても、)MP3なのかWAVなのかWMAなのかFLACなのか、ビットレートがどのくらいであるか分かりますでしょうか。(少なくとも僕には分かりません…。)

つまり、データとして送られている時点ではまだ“音”ではなく、ただのデータなのです。

踏まえて、話を元に戻します。

「なぜ音質・音色(傾向)が変わるのか本当に不思議」なのですが何よりも一番不思議なのはUSBケーブルによって低音の量感が上がったり、高音がより聴こえることがあることです。
アナログの音声信号を送っているのであれば、導体のインピーダンスやわずかな抵抗値、外来からのノイズや物質的な振動係数などで多少の変化が生じる可能性はまだあると思います。(それでも僕は理論的に、科学的には証明できませんが。)
しかし、USBケーブルは(まだ高域も低域もない)データを伝送しているだけなのに明らかに聴こえてくるサウンドのイコライジング(周波数帯域の山)がUSBケーブルによって違うのです。

これでは『USBケーブルは自分が流しているデータを解析・分析して、低域・高域に分けていることになる』わけです。(んなこと、あるわけないんですが…。)

…なので、ハッキリ言って「USBケーブルで音が変わるなんて、(特に低音や高音が強調されたり減衰するなんて)理論的にはありえません。」が、変えてみると音が違うので非科学的でも構わないという方だけこの先をお読みください。(笑)

(もう随分経っちゃいましたが、)聴いてみたのは…
FURUTECH・ortofon・Fostex・Zonotone・SAEC・ACOUSTIC REVIVE・WIRE WORLD・NORDOST・MONSTER CABLE・audioquest・KIMBER KABLE・etc….
…と、主要な国内外ブランドはほぼ全て(全モデル)です。

最初はFURUTECH [GT2]が(黒江的には)申し分のないサウンドでリファレンスに決定しかけていました(高価なモデルも色々と聴きましたが、好みと異なるものばかりで…)が、
audioquest [CINNAMON]を聴いたところから(黒江のベストセレクトは)一気に動き出すことになります。

気に入ったものだけ手短に書いてみますと…

FURUTECH [GT2]
いわゆるクリア系。サウンドが曇らず、立つところは立ち、キレが良いのが初期ベストの理由です。
やや高音がギラ付いてウェットな点、S/N・解像度・抜けといった基本的な音質の水準、低音の丸みが気になりますが比較的安価なので初めての1本には最もオススメしやすいです。

audioquest [CINNAMON]
こちらもクリアではありますが、クリア系を主張するような「白よりも白い」感じではなく、自然な透明感。バランスもきれいで癖が少なかったのでGT2と良い勝負になりました。
GT2に比べるとやや高域がさみしい点とスピード感やキレがもう少し欲しいところです。

…続きます。

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