north star design Intenso

2015年最初のレポートです。今年もよろしくお願い申し上げます。

【Essensioの正統後継機と謳わせてもらいたい隔世遺伝の末弟機!】

http://www.digitalside.net/?p=444
http://www.digitalside.net/?p=779

↑以前のレポートをご覧いただければ手っ取り早いのですが、メーカー公称(?)的にEssensioの後継とされていた“Impulso”は(当店の検証では)あまり純血感を感じられない結果となっておりました。
「やはりESS社のDAC(チップ)では難しいかな…」とほぼ諦め状態でいたのですが、(Impulsoが最下位エントリー機と伺っていたので)不意打ちで登場した“Intenso”が見事に良い意味で期待を裏切ってくれることに。(!)

久しぶりの(黒江的)大ヒット機なのでちょっと褒めちぎりなレポートになるかと思いますが、いつものように色々と述べさせていただこうと思います。

■north star design [Intenso]
●north star design社製品の音質や傾向ではもはや鉄板的なS/N感の良さ、音場のクリアさ、1音1音の淀み無さ…などなどは本機でも健在です。余計な音、ザワつき、付帯音などが感じられないすっきりとしたサウンド傾向です。
●目…ならぬ耳を惹くのが(黒江の大好きな)、かなりのハイスピードサウンドで、Essensioと同等のスピード感を誇ります。(おそらく現行機種の中では最上位を争うレベルではないかと…。)
●加えて(これまた大好きな)、高分解能なサウンドであり、ディストーションの歪み、シンバルのクラッシュ音、シャウトの擦れなどなど、音の粒の細かさと粒の量が精密且つピーキーに刺激的な音を正確に再現しています。
●低域はタイトでやや硬め、全体的(全帯域的)にも音像感の強い引き締まった傾向にあります。
●輪郭はEssensioに比べるとほんの少しくっきりしていますが、Essensioがかなりシャープなエッジ感でしたので「これくらいで丁度よくなった」と取れる感もあります。
●「完璧!」などと言うつもりはさらさらありませんが、ハイスピード傾向のEssensioに『アグレッシブさを持たせた』ような正に理想的な傾向となっており、この数年来のモデル中ではザ・ステレオ屋リファレンスの上位を争えるようなサウンドです。
○(やはりEssensioなどと同じく)音場は狭いタイプで、左右のスピーカーの間から正面にフィールド形成してくるイメージの鳴り方をします。
○前に向かってくるタイプのサウンドですので、あまり奥行き感を感じさせる傾向にはありません。
○低域も一般的なものよりはやや薄めであり、量感のあるタイプではありません。
○(後述しますが)ESS社のDACであるからなのか、(ロックやメタルを聴く上では)ほんのりしっとりで(自然ではありますが)ほんのり伸びのある印象です。(かえって好ましく思われる方も多いかもしれませんが…。)
(「ほんのり」というのは「ほぼほぼ気にしなくてもいいレベル」と言っても良いくらいですし、他のDACに比べれば全然しっとりもしていないし、伸びもないと思います。あくまでEssensioなどと比べると…という意です。)
黒江的好み度:S(~A+)

…といったところです。
黒江的には「久しぶりの大当たり!」といった会心作であり、当店で第1号であろう「DSD対応のイチオシモデル」がやっと登場してくれました。(^-^;)

…と、少し考察してみます。こちらの[Intenso]も(黒江が苦手な)ESS社のDAC(チップ)なのですが、これだけ印象の異なるサウンドを出してくれた理由が気になるところです。
もちろんDAC(チップ)なんて所詮デジタル信号をアナログ信号に変えるだけの作業(持ち場・役割)なので、その「取り出したアナログ信号を増幅する」アナログステージと呼ばれるところの影響(黒江にとっては恩恵)が大きいのだとは思います。

(特にnorth star design社のアナログステージは出来るだけ余計なことをせずにストレートに、原音(録音)に忠実な出力を心がけているそうです。)
(逆に言えばnorth star designでは「ESS社のDACに少し癖がある」と判断し、「今回のIntensoでは」その癖をキャンセルさせるアナログステージ作りをされたのでは…と勝手に思い込むことにしましたが。)
(ただし、その癖をキャンセルする中でほんのりESS風味が残っているような印象を受けることも…。↑の補足です。)

それと、以前のPioneer [U-05]のレポート「http://www.digitalside.net/?p=829」でも触れたように、IntensoではESSチップでもES9016を採用しているのが大きいようです。
ですので、黒江が苦手なESSチップは(巷ではもっとも高音質とされている…^-^;)「ES9018」に限られるようで、「ES9018」以下のチップであれば(料理の仕方によって)好みのサウンドに近くなることが分かりました。
(Pioneer N-70AもN-50Aも「ES9018」以下のチップですしね。)

ネットワークにこそ対応していませんがUSB DACが直接繋げるNASも今後増えてきそうですので(後日DELAもレポート予定)これからの購入で“ネットワークレスDAC”はまた熱いジャンルになるのではないかと思います。
ぜひご購入の参考にしていただければ幸いです。

お値段や試聴等、気軽にお問い合わせください。

P.S.
ちなみにEssensioは(Intensoがアグレッシブさを備えた分、わずかに厚め・濃いめにシフトしているので)すっきり感・シャープさ・切れ・細かさなどは少し優勢でした。
DSD対応や、よりハイレゾリューション化を進めたい方はEssensioからIntensoへのリプレースで失敗はないかと思います。
(ちなみにちなみにEssensioは虎の子の最後の1台を在庫しております!)

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