Nmode : X-DP1-HF

ご挨拶が遅くなりましたが、2013年も元気に始動しております。
本年もよろしくお願い申し上げます。

【醤油顔でちょっとおっとりタイプの肉食系細身イケメン?】

…年明け早々、なにやらワケの分からない見出しになってしまいましたが、遅ればせながら『Nmode : X-DP1-HF』をプチレポートしたいと思います。

まず、見出しから察していただける通り『か弱い乙女サウンド(…ってどんなサウンドでしょう…。)』ではありません。
滑らかにフワーッと流れてくるようなサウンドではなく、ビシッと鳴ってくるサウンドの傾向であり、このことから(どちらかと言えば)男性的な印象を持つ音が基調になっています。(本体の見た目も男性的ですしね。)

ザ・ステレオ屋らしく表現すると、いわゆる『シャープ&アグレッシブ系』に分類することができ、全体的に音の分解能が高く、低音もタイトで輪郭の甘さがありません。(このことから肉食系と付けました。)

ただし、“アグレッシブ”と言っても「鈍器で殴打するような」「音(のつぶて)をものすごい勢いでぶつけられるような」…といった暴力的でパンチ力の高い傾向ではなく、「平手で何往復もビンタされているような」“ピシピシ・ビシビシ”といった鋭い(痛みの)傾向に分類されると思います。
(このことから無骨で隆々という感じではなく、細身と付けました。)

サウンド自体は非常にS/N感が高く、きわめてクリア・明瞭です。音に雑味が無く、細かさが高いので音のディテールがよく見え、音像定位も良好です。
加えて、“シャープ・タイト”と挙げていますが、ガチガチの硬質サウンドには聴こえず、“ほぐれている”という形容も当てはまりそうですが、これは1音1音の分解能が高いので「音の線が見え、(絡まっていないので)ほぐれている」ように感じられるといった印象を持ちます。(端整だけどさっぱりしているので醤油顔と付けました。)

悪く言えば、淡々としていて無表情・無機質に感じられる面もありますが、実は最後に1スパイスあります。
(特にミッドレンジに)ほのかに、うっすらとウェット感を帯びているサウンドであることです。
(この“わずかなウェット感”が絶妙であり、好みが分かれるところだと思います。)

そして、どうやらこのウェット感によって、ややスピード感には劣るサウンドになってしまっており(決して鈍足ではありませんが)お世辞にも“ハイスピード”とは形容しがたいサウンドになっています。
(※最初に「シンバルとバスドラがリードしていくようなイントロの曲」を聴いていたときにはこの減速感が感じられませんでしたが、ギターリフがメインのスピードナンバーなどを聴き比べると明らかな違いを感じることが出来ました。)
(この点にちょっとおっとりと付けました。)

…と、基本的な能力は上々、特にこれといった欠点も無し、…なんですが、どっちにも寄りきれていないとも言えるタイプであり、相反する特性を併せ持っているとも言え、なかなか評価や表現が難しいサウンド傾向の製品であると思います。(こういったニュートラル系は昨今多いですが。)
(個人的にはもっとウェットでも良いし、逆にウェット感を限りなく抑えてスピード感を上げてもらえたら“どストライク”だったかと。)
総評としては【黒江的評価:◎/黒江的好み度:B-】といったところですが、みなさんはいかがに感じられますでしょうか。

P.S.
見出しはこれでもだいぶ短縮いたしました。(笑)
「(醤油顔でちょっとおっとりタイプの肉食系細身イケメンが)いつもは無表情だけど、時々ウェットな癒し系の顔を見せてくれる」でも良かったんですが…。

今年の一発目にこんな縦ノリのレポートで恐縮です…。(でもせっかく書いたのでアップします。)

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