Pioneer N-70AE

今回は(初代)N-50世代、N-70A世代を経て、3世代目となるPioneerの新製品N-70AEをレポートいたします。

【三代目で完成形を迎えた、ジェット系のスピード感と絶妙なバランス感。】

言わずもがな、N-50は(全国{≒全世界}でトップの販売台数となったくらい)当店のイチオシモデルとしてベストセラーし、続くN-70Aにも高い評価(高好み度)を付けさせていただき、引き続きのヒットとなりました。

N-70Aもなかなかの完成度であり、「3代目にしてさらに磨きを掛けて(ブラッシュアップして)くるだろうか、それとも音傾向を変えてくるだろうか…」と、いつものように様々な思いを巡らせながらの試聴となったのですが、果たして結末は…。
(N-70とのvs形式にてレポートします。)

■Pioneer [N-70AE]
●N-70Aと比べると、S/N感や解像度など、基本的音質が1ランク向上しています。
●特にS/N感の向上が顕著であり、クリアさが上がることで音の切れ、抜け、粒立ち(分解能)などが(相乗効果で)かなり向上しています。
●音の傾向はN-50・N-70Aと同様傾向のクリア系ハイスピード(やや寒色の硬質モニター調)でありますが、N-70AEは前2機種と比べて低域の量感がそこそこ(これ以上出過ぎると黒江的にはNGになるギリギリ)に出ていて、絶妙な帯域バランスとなっています。(黒江的分析だと“きれいなフラットバランス”よりは、わずかに低域強め。)
●音場は決して広大とは言えないものの、(左右のスピーカーから、もう少し外側までは広がりの出る)適度な広さを持ち、奥行きや高さ方向(天地)も十分です。
●“超”ではありませんが、かなりのスピード感(ハイスピード)であり、音像定位も良好です。
●高域~低域のレンジ感も問題ありません。
●スピード感や、エッジ感は「切り裂くような」というタイプではなく、体を突き抜けるような「風を切って(飛んで)る感」であり、ハイスピードに体を通り抜けてゆくような疾走感を持っています。(輪郭はシャープ過ぎず、細め。強調感もないですが、ちゃんとエッジが見える感じです。)
黒江的好み度:S

…と、(黒江にとっては)これと言って悪さを挙げるような点がないくらいになかなかの完成度であると言える1台でした。
低域が(本当に黒江が許せる)ギリギリの量感でありつつも、タイトで緩みやボワつき、モヤつきが一切なかった点が大きな勝因となっていて(音の抜けが悪くなったり、切れ、スピードの悪化・劣化に繋がったりするので)いつもは低音が少し抑え目の音を高評価(高好み)にするのですが、今回は久しぶりに十分な量感を持つモデルを推せる結果となりました。

DAC系では久しぶりの“イチオシ”ですので、みなさんに聴いていただければ幸いです!
(N-50からの買い替えはちょうどいいタイミングかと思います。DSDや新規格に対応していますしね。)

P.S.
以前のモデルのレポートも合わせてチェックしてみてください。
N-50
http://www.digitalside.net/?p=629
http://www.digitalside.net/?p=637
http://www.digitalside.net/?p=844
N-70A
http://www.digitalside.net/?p=861

Comments are closed.