Music3 vs Haydn Grand Special Edition

僕が今まで聴いてきたモニターの中でもっとも“ビリビリ”っと来たモニターであり、長らくリファレンスとして採用してきたPMC [LB1 (Signature&Classic)]が入手困難になってから久しいですが、4年の歳月を経てようやく新しいリファレンス(ラインナップ)が出揃ってきました!

今日は先日紹介したVienna acoustics(ビエナ・アコースティックス)の「Haydn Grand Special Edition」と、こちらも以前に紹介した当店専売のrevolver(レボルバー)の「Music 3」をvs形式でレポートしたいと思います。

【青・陰のHaydn Grand Special Edition、赤・陽のMusic 3。】

…と、見出しは「かなり大袈裟に対極的に」書いてはいますが、両者の傾向はウリ2つといっても過言ではありません。
(マンガの「タッチ」の達也と和也のように、顔立ちも、性根(2人とも南が好きで、優しくて、野球好き?とか)もそっくりなんだけど、個性が違うみたいな…。)
なので、そのことをご理解いただいた上でこの「vsレポート」を読んで頂けると幸いです。

共通して言えることは…、

●音の輪郭がしっかりしていて、音像がしっかりと定位する「シャープ&ソリッド系」であるということ。
 音の塊を体ごと受け止めたり、熱気あるエネルギーを感じたり、重厚で圧倒的な情報量が魅力というタイプではありません。

●ハイスピード。
 音におけるハイスピードとは…音の立ち上がりが明確で、(実際に出ている)ピーク(音の棘)を丸めず、不自然な余韻(元の音をより響かせたり、滑らかにしたり)などがない状態を示しています。

●高い分解能。
 時に「薄味≒優しい味」「デジタルな画像や音よりも、アナログな写真や音」「ハッキリとした意見よりオブラートに包んだ表現」が心地良い(≒疲れない)ように、音を軟らかく聴かせようとすると高分解能で神経質なサウンドではなく適度にぼやかす様なサウンドとなることがありますが、両機は「あくまでモニターであることを前提」に製作されています。

●高いS/N感。
 ハイスピードに、ハイレゾリューションに音を出そうとすると丁寧さに欠けて荒っぽくなってしまいS/N感を損なってしまう印象を持ちますが、高価なスピーカーにも引けを取らない明瞭でクリアなサウンドです。
 両者は「無理やりハイスピード・ハイレゾリューションにして音を出す」というよりも「素直に自然に音を出す」という素性を持っていて、モニター側で何か仕事をしようという概念がなく、結果「鮮度感の高い透明なサウンド」を出力できているのと考えています。

…次に、Vienna acoustics「Haydn Grand Special Edition」の持ち味は…

◆「Music3」と比べてやや艶のあるサウンド。
 同社特有の味付けと言えると思いますが、「乾いた音までもが湿っぽく聴こえる」ようなことはありません。

◆極々細い針状(線状)の音の粒が数千~数万というくらい無数の数となってこちら(耳)に向かって来て体(耳)を通り抜けていくイメージ。
 大太鼓だろうが、コントラバスだろうが、どんな野太い音でも細かな音の集合体です。その音を形成する音の粒が本当に細かく聴き(感じ)取れます。

◆(僕の理想からすれば)ほんのわずかだけ、少し緩めの低音。
 十分に締まっていて、タイトな低音であることには変わりありませんが…。

◆高音はちょっとキンキン気味。
 これも同社特有かと思いますが、「ちょっと冷たくて、ちょっと硬めで、氷のようなイメージ(なので青)」。
 …なんですが、総じて音に派手さや華やかさ、明るさはなく、淡々と鳴っている印象(なので陰)です。

…続いて、revlover「Music3」の持ち味は…

◇「HAYDN LIMITED」と比べるとパンッと張りのあるサウンド。
 細かさもあるし、レーザー(光線)的なピンポイント感もあるのですが、加えて「弾け飛ぶ・切り刻む」といった鋭利なイメージも抱かせます。
 「HAYDN LIMITED」の針状に対して、こちらは無数の鎌鼬(カマイタチ)が耳に向かって放たれて(体を通り抜けて)いくイメージでしょうか。

◇「HAYDN LIMITED」と比べるとやや明るく、ちょっと厚めで、ちょっとドライなサウンド。
 こちらも「艶のある音が乾いて聴こえる」ようなことではありません。
 決して派手ではありませんが、比較すると「少し元気(なので陽)に、少し能動的に」聴こえます。

◇(僕の理想からすれば)ほんのわずか、ちょっとだけ粗っぽいかと…。
 「HAYDN LIMITED」がクールだったり、「Music3」の方が厚みがある分だと思われますが、ちょっとザワつく感じがあります。
 ただし、その分「力強さやドライブ感(なので赤)」には軍配が上がります。

…と、こんなところでしょうか。

赤とか、青とか、陰とか、陽とか、ちょっと無理矢理にも思えるかもしれませんが、「同じような傾向のものでも、明らかなキャラの違いが出ることを表現したいだけなので」あまり思い込みすぎないようにお願いします。

Vienna acoustics「Haydn Grand Special Edition」はシャープ
revlover「Music3」はソリッド
って書いた方が手っ取り早かったかもしれませんが…。(笑)

またATC SCM7などとも「vsレポート」書きたいと思います!

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