NuForce P-8S

年末年始はさすがに忙しく、数々の原稿などもあってご無沙汰になってしまいました。

まずは「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。」からですね。

新年一発目は昨年からの続編「NuForceの第3世代コンポーネント」です。

まずは…
P-8S
【広大な音の広がりと、エアリーなサウンド。】
正直言うと、(黒江的には)以前のP-8(S無し)の方が好きです。
よりS/N感は上がっているし、解像度も向上しているのですが、なんだか取っても真面目くん・優等生になってしまった気がします。
「個性がどうの」ということではなく、お堅いと言うか、お役所仕事…という印象のサウンドなのです。
それでいて結構作業はあっさりとしていて、かなり「自分の方程式に当てはめてくるタイプ」という感じです。
具体的には…
●音を床からフローティングさせる。(例えばこのプリを入れるだけで、地べたを這うようなサウンドが一変してふわっと浮くような。)
●上下左右&前方に音を広げて聴かせてくる。(P-8にあった奥からスッと抜けてくる感じではないのです。)
●サラサラときめ細かいが、迫力に欠けるとも言える音。(解像度は非常に高いと思いますが…。)
…と、なんだか初期のNuForceにあった「クールさの中の荒っぽさ」みたいなものが失われている気がしました。
…と、ここで色々とお話を伺うと、やはりその裏付けとなることがあるようです。(公には出来ませんので、ぼやっとしたことだけですみません。)

なお、前回のIA-7 V3のレポートでも触れましたが、僕は(すぐにV2になる予定だったので)日本では発売されなかった、第1世代(V1)からずっとNuForce(特にIA-7)を聴いてきております。
そのことで(日本未発売ということを混同しており)、少し自分でも整理しきれていない表現があるのですが、NuForceのコンポーネント(IA-7・P-8・Reference 9・Stereo 8.5など)はお互いに相互関係を持っており、(P-8がP-8SになったらIA-7のプリ部もやがて変更されるなど)フェイシアの変更~現在のV3と、それは続いています。

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ここで一旦整理させてください。
V1~V3というのは、実はパワー部の回路のこと「のみ」を指している言葉で、プリに関してはまだ2世代目「S有りか、S無し」 しかないという点です。
根本的には書き直しませんが、前回のIA-7 V3のレポートはそこら辺が少し混同気味になっています…。(すみません。)
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なので、先日のIA-7 V3にはこの新しいプリ部が使用されているのだと思うのですが、このP-8S1台分の体積に向こうはパワー部まで積んでいるのですから(特に体積の小さいNuForceでは)まったく同じものを積めるワケがありません。
その事からもおそらくですが、IA-7 V3とP-8Sのプリ部は「基本的な回路構成は同じでも少し違ったもの」であると推測しています。
これを裏付ける理由がもう1つあります。
それは、以前に当店では当時のP-8(S無し=プリ部に関しては第1世代)ではなく、あえてIA-7E(V2)のプリ部をプリアンプとして使用していたのです。
これは「単純に聴き比べたらそっち(IA-7Eのプリ部)の方が僕としては良かった。好きだったからです。」
プリの第1世代の時から、より簡素化・小型化されたIA-7Eのプリ部とP-8とでは明らかに異なるサウンドだったということです。

ちなみに、実はそんなに大袈裟に書くほどは異なっていませんでした。
P-8はIA-7Eのプリ部と比べると…
●明らかにS/Nが良かった。
●1周り~2周り音に広がりがあった。
●解像度が高かった。
逆にIA-7EはP-8のプリ部と比べると…
●スピード感が1枚上手だった。
●鋭角と言いますか、幾分シャープだった。
…という程度で、ベースとなるキャラクターはまったく同じでしたから「一卵性双生児」とでも言いましょうか、そんな感じであったわけです。

ちょっと旧モデルの話がくどくなりましたが、今回のP-8SとIA-7 V3も共通性の高い「プリ部」を使われている点は間違いなく同じ様です。が、僕の予想では「P-8とIA-7Eのプリ部に感じられた差異」よりも、「P-8SとIA-7 V3のプリ部に感じられる差異」の方が大きいと予測しているということなのです。(もしくは新フェイシア移行にあたって更に変更があった…?)

その辺も含めて、次回は「Stereo 8.5 V3」を解説しつつ、僕なりのまとめを書きたいと思います。

http://www.nuforce.jp/products/p8s_01.html

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