Customer01 Drummer's AUDIO

名前の通りですが、当店のお客様(オーディオ仲間)の機材紹介コーナーです。
第1回目はうちのお客様らしく(当然?)ロックのドラマーであるS君の
コンセプトとセッティングをご紹介させて頂きます。
   
LineUP
Apparatus
○SPEAKER・・・LB1 Signature [PMC]
○PreAmplifier・・・SA-1 Alpha [Ex-pro]
○PowerAmplifier・・・Model 150 [RED ROSE MUSIC]
○CD Player・・・DCD-1650AZ [DENON]

Accessory
○SpeakerStand・・・RSS-502 [ACOUSTIC REVIVE]
○RACK・・・GS-611 [HAMILEX]
○FloorBoard・・・U1LOW-III [RASK]×2

○AC TAP・・・WrinkleKit×2 [Assistance Design]
 with Model 880 [Fim]
○Wall Outlet1・・・Model 880 [Fim]
 with CB-1 [ACOUSTIC REVIVE] & ACP-01U [Assistance Design]
○Wall Outlet2・・・Model 880 [Fim]
 with 75WCP-301 [Chikuma] & ACP-01U [Assistance Design]

○Insulator・・・DIAMOND COATING SERIES [the j1 project]
○Insulator・・・RF-900 & TU-303EX [Harmonix]
○Insulator・・・TITE SERIES [TAOC]
○Insulator・・・ULTISTYLE SERIES [Assistance Design]
○Insulator・・・PF-1 [ESOTERIC]

○SP Cable・・・SingleCoreCable
○RCA Cable・・・KIMBER KABEL 4TC Original & SingleCore Original
○AC Cable・・・Harmonix Original & SingleCore Original

コンセプトは言うまでも無く「ドラムをリアルに鳴らす。」
機材だけではなく、
電源・インシュレータ・
重り・スタビライザー・
重り用インシュレータと
入れ替えては聴き、
試行錯誤と工夫をし
スタジオの直接音を
思い出しながら聴感上で
追い込んでいく。

元はと言えば店頭試聴にてConcept01でも取り上げているLB1に惚れ込み、
思い切って購入して頂いた事が始まりです。
バンドキャリア5年、ドラムスクールにも3年以上通い続けており、
なかなかのプレイヤーでもある彼が、(まだ学生さんです。)
(主に)シンバルの分解・スネアのアタック感・バスドラの芯、
そして各パートの定位にこだわって育て続けているシステムです。


電源は当たり前「基本中の基本。」
実にザ・ステレオ屋のお客さんらしくまずは電源です。
しかも、更にザ・ステレオ屋らしく自作タップ(更に改)です。
当初は壁コン1系統からタップ1個での給電でしたが、左右対象にコンセントがあったので(完全では無いのですが)デジアナ分離に拡張しています。

前述の通り、当初はベースレスで1系統でしたが
左側のFim Model 880 + Assistance Design ULTISTYLE UL PLATE
  ↓
Model 880 + ULTISTYLE UL PLATE + ACOUSTIC REVIVE CB-1
(向かって左側の写真)
  ↓
これに加えて
右側にModel 880 + ULTISTYLE UL PLATE + Chikuma 75WCP-301
(向かって右側の写真・見にくいですがベースにChikumaが入っています。)
と増設されています。

 

コンセントタップ(ボックス)を乗せている台座のカットです。

タップは左右共に当方(ザ・ステレオ屋)が個人的に所有していたオヤイデ ・
チクマのケースとの同一配線での鳴り比べの末、S/N・スピード・分解に
優れていたAssistance Designの自作用ケースWrinkleKitを使用しています。
(ファーストモデルは完売しておりますが、更にブラッシュアップを図った
第2モデルを鋭意製作中のようですので、お楽しみに。)

更にケース内には鉛玉を半分程度補充し、ややハイ上がりなWrinkleKit
をノーマルより低重心にシフト。
更に更に低域補強とケースのぐらつき、転倒防止用にTAOCのTITE-47R
(じつに1個あたりの重量950g)を付属のフットより換装しています。
また、付属のビスから殆どのビスをステンレスの皿ネジに交換。
接触面積を少なくしながらも高域の分解と低域の締りを稼いでいます。

極めつけは低域の芯と厚みを両立させる天然石ブロック。
これを最小限の振動に抑えるためthe j1 projectのスタッドコーンで
3点支持にしています。

インシュレータ等は、機器用に買い替えたり、サイズ変更のため
浮いてしまったものを流用しているため若干ブランドに偏りが
ありますが、その辺はご愛嬌で...。^−^

ちなみに、ケースやケーブルはすべて自作品です。
当然各種ケーブルは既製品に始まり、相当な数を聴いてきていますが
市販品はROCKな音を出すものがホントに少なく、仮に少しはイケてても
CP・サウンド共にとうとく自作には及びません。

という事で、S君にも当然のように作った事も無いケーブル作りを始めて
頂きましたが、最初は上手く出来なかったので半分が当方の製作品です。

最近では当店のレクチャーでだいぶ上手になりましたが、現在の製作精度は
中の上ってトコロでしょうか。
写真では分かり辛いですが上手に出来ているのが当方の作品です。^−^;

P.S.
当然、自作ケーブルも当方(ザ・ステレオ屋)を筆頭に当店のお客様方と
相当数の切り売りケーブル・プラグを調達し組み合わせては聴き、
組み合わせては聴きとあれこれ比べています。
(プラグは国内入手可能なものはほぼ全て。)

その上でケーブルは単線(φ1.6mm)やKIMBER KABEL・Harmonix等、
プラグはFURUTECH FI-25 Rのセット(S/N最強)が今現在のロック系で
使える極少数のアイテムとなっています。

 
 
試聴アルバム・曲
とりあえず、最近のヘビーローテーションらしいです。
Children of Bodom(チルボド)・the used(ユーズド)・
NICKELBACK(ニッケルバック)・MUDVAYNE(マッドベイン)・
SHADOWS FALL(シャドウズフォール)・Firehouse(ファイアハウス)
あたりが特に中心です。
(ちなみにFirehouseはgood acousticsのみ。)

ソース(主にCD)は1,000枚くらいありますが80%はROCKで、
70's〜現在まで相当広く所有されていますが、モダン・デス・コア・プログレ
の1990年以降が多めにあります。
が、歳の割には音楽の趣味は老けてるかも。^−^
同サイズのCDラックが3本あります。

まだ、未開封のCDや国内盤・海外盤の
両方があるもの、整理中のため床に
積み上げられているものも多く、
全部を撮りきれませんでしたが
これだけ多くのソースを見てると

「よりリアルな音で色々なプレイを
聴くのもドラムの練習の内です。」

との言葉にも説得力を感じます。

音の印象と分析

さて、音出しの印象ですが...
こだわりの通りドラム、特にスネアがいい感じです。
「スタンスタン」なんて甘ったれた音は出しません。
「ッパァン!ッパァン!」何か、物が壊れているような音にすら聴こえますが
彼のプレイと同様、オーディオでもハードヒッターぶりが発揮されています。
^−^;

かと言って、決して原音から遠い音ではなく、
立ち上がり・芯・分解とすべてが揃い、且つ弾けんばかり。
ソース(ドラマー)によっての皮の張り具合やスティックの材質の
組み合わせを感じられ、高レスポンスです。

コーンスタッドやスパイク・金属系のインシュレータが目立ちますが
単線の多用も併せ、LB1の高域のレベルを引き上げるためです。

これは、元々所有していたアコリバのスタンドやハヤミの重厚な木製ラック
が分厚い音を形成しており、高域が乏しく、噴出すようなシンバルを
出すために徐々に分解を上げていった経緯があるためです。
ドラムは音の芯が必要となるため「やや硬質」をあえて狙った結果です。

シンバルは高分解を軸に適度に余韻を持たせる方向性で詰めています。
金属を叩いているのですからある程度の硬質感は必要ですが
「カーン」「キーン」「ジャーン」とシンプルに硬いでだけでは
ありません。

「カーン」は「ツィキァーン」(ちょっと表現難しいですね。)
「ジャーン」は「ズィワーン」(これも表現難しいです。)のように、

スティックが当たる瞬間のインパクト音(この後に押し込む音)
  ↓
シンバルが揺れ始める時の金属音(この時点では音の揺れは少ない)
  ↓
シンバルが揺れ動きながら内部共振によって出される音
  ↓
揺れが納まり始めて内部共振が残響する音

と、様々な連続音を細かさ・強さ・響きをコントロールして
上手く出してあげる事が大切です。
「ィィィィン」とかすれながら残る余韻も忘れてはいけません。

ちょっと一言。
オーディオ全般的に言えることですが、「たいした音じゃないな〜」と
感じるシステムはレベルの高い音(強音)だけが際立ち、弱音や微弱音が
しっかりと鳴っていない、言い換えれば出ているが分解・解像度・情報量、
に加え特に音の収束がなく、量感だけのサウンドをよく耳にします。
(ある種、「可哀想だな」と思ってしまいます。)
これでは数百〜数千、数億をかけてもミニコンポの大音量モノにしか
感じられません。

が、このロックドラムなオーディオシステムは決して
モニターや部屋の関係で広々とスケールのある鳴り方では無いものの、
よく分解されて非常に繊細かつ激しく鳴っていました。
他人に振り回されず自分の音を追求されている好例ですね。

   
セッティング

さて、セッティングのこだわりについてですが、「何やコイツ」と思われる
方もおられると簡単に想像できるくらい単線と針モノが目立ちます。
(その他、鉄系の使い過ぎ、同じものが多いなどの感想も考えられますが、
あくまでロックサウンドの追求ですから、ご容赦ください。^−^;)

これは再三、前述の通りで当然S/Nや分解を稼ぐためですが、
(もとより、コーン・スタッド・スパイクなどの点支持モノは床やラック
からの振動を極限まで低くする為の形状です。
これにより、特に低い周波数の逆流をブロックして中域〜低域の
濁り・ダブつき・太りを抑制します。)
使用箇所を増やせば増やすほど、他所からの振動影響を受けなくなる為です。

もちろん、ケーブルのシールドと同様にやり過ぎは禁物です。
このシステムでも一時的に低域が不足してしまい、対策としてHarmonixの
桜材を使用したインシュレータをラックの下に入れています。
これにより低域の量感を引き出し、(特に低域の)解像度・定位感が
更に良好になっています。

トレーや電源ボタン上の張り物
はあまり気にしないで下さい。
(実験中のカットです。)

ラックに木ネジの変換スタッドを
使用してthe j1 projectの
SP50HB DLCを取り付けています。

これをHarmonix RF-900(傷防止用
のフエルトは剥がしています。)
で受け、前述のように更に
Harmonix TU-303EXで受けています。

ここまで殆ど触れてきませんでし
たが、気になる重りの解説です。

端的に言えば「気合いを入れる」
って事で、重りを載せる事により
箱・筐体の振動を強制的に抑え、
ユニットやメカをビシビシと
働かせる狙いです。

重りの効果の1例として低域の輪郭
と深さを両立させるのに効果的で、
スピーカーの上、CDプレーヤーの
メカ部の上(トランスポート)が
より変化しやすい傾向です。

また、重りとして載せる物の材質や重量等でも効き方は大きく変化します。
更にここでもインシュレータ使用の効果は顕著で、ベタ置きにするよりは
アタック感や切れ・スピードとタイトさ等に優位であり、この間に入れる
インシュレータの組み合わせによっても、無限大のサウンドカラーを
引き出しています。
(重り用インシュレータはページの上から2枚目のカットが見やすいです。)

自作RCAケーブルのプラグには一切はんだ付け不要のネジ止め方式に
コネクタとの強力接続を約束するコレクトチャックを採用しているWBTの
最高級品WBT-0108を使用しています。
高S/Nは当然のこと、情報量が豊富でプラグ部分には金メッキを採用して
いますが音に癖が少なく、何度も組み立て直せるトコロもいい感じです。



考察・感想
 

1枚目のカットは撮影しやすいように少し距離を詰めておりますが、その後
の調整で最初の試聴よりも5〜10cmほど左右のスピーカーを離し、リスニング
ポイントも離しています。
これによって、より明確な音像定位と音場感の向上がありました。
(少しニアフィールド過ぎたようですね。)

また、今後もDACの導入、CDプレイヤー(出来ればトランスポート)の入れ替え
を予定しており、このシステムでの完成度はチューニングも含めて
まだ50%といったトコロです。

取材後も順調にインシュレータやケーブルを買っては入れ替えや調整を
繰り返してもらっています。

念の為、いかにもドラムだけ良く鳴ってそうな感じになってしまいましたが、
ここではクローズアップしていないだけで、ヴォーカル・ギター・ベースも
もちろんキマってましたからご安心ください。^−^

愛用のドラムスツールとツインペダル
にスネアです。

スツールにはオーディオを聴く時もチラッ
と写ってるエレドラ(電子ドラム)を叩く
時にも座っています。

削げたスティックと折れたスティックが
ドラマーな雰囲気を出してました。


P.S.
当店のお近くの方ですのでご本人様か
当方とお話して頂いて同意を得られれば、
こちらのお部屋へのご案内も可能です。
ご興味のある方は一度ご来店ください。

また、個人的な交友も深い方なので、
(今後も殆どそうでしょうけど)
いつもの会話から文章を構成しており、
ややフレンドリーな文体にて書かせて
頂きました。


15/01/2004