インターナショナルに行ってきました。
前回のA&Vフェスタ2004に続いて9月25日(土)に「2004東京インターナショナルオーディオショウ」に行ってきました。
今日はもちろん個人的に気になったロック・ポップスが聴けそうな製品を中心にピックアップしてご紹介させて頂きます。
(少々立て込んでおり、更新遅くなりましたが数回に分けてレポートしたいと思います。)

1.スキャンテックのブース・・・周囲のみなさんにはいつもお話している事なんですが僕は例年このブースが一番上手く(個人的に好みな追い込み方で)鳴らせていると思っていて、今年も当然のごとく「イイ感じだなあ」と思わせてくれる音でした。

今年はLYRA Connoisseurの新作スピーカーを軸としたコンポーネントで、当然昨年とは音の出口が違うのですが毎年のように感じる上手さ(巧さ)は何というか「まとまりのある自然音」という(好)印象で、音場の広さや音楽性(音数と厚みで躍動感と静寂感がバランス良く作られていてハイコントラスト、音楽が音楽らしく自然に鳴ってる印象)はオーディオという小難しく思われがちな物事をシンプルでハイクオリティながらも当たり前の様に鳴らしてくれてる感じです。

たまたま「KING CRIMSON」が掛かっている(ここのショウではこの事自体が珍しく嬉しい!)タイミングでブースにお邪魔しましたが、各機器がロックを鳴らすポテンシャルも持ち合わせている事を十分に感じさせてくれて今年も納得の音作りでした。

個人的には、奇抜なルックスと以外と頑丈だったトコロと手に届き安い価格が魅力的なfinite elementeのラック「SEGMENT X」(ネーミングもなかなか)とAMPHIONから登場予定の「AMPHION CD」が特に気になってます。
AMPHION CDは見た目もそんな感じには見えませんでしたし、audio physicもLYRAもAMPHIONも決して切れ切れのハイスピード系では無いので違うと思いますがキリッとした辛口な音だったら良いなあと。
Connect URL


2.JBL[4312D・4318]・・・特に4312Dですが、これは買いじゃないでしょうか。
従来の「芯はしっかりしてるが肉が分厚くバスバスといった感じの抜け切らないウーハー」といった感じが払拭されていて「芯がしっかりしていて重低域まで深く沈みこむ」といった傾向になっているように感じられます。
中高域は4312B MkII・4312MkII等の印象のままで3way特有の分解能や切れがあります。
4312Dはやや荒っぽさがあるもののアタック感・立ち上がりが鮮烈でギターのエッジもよく立っています。
一方の4318はS/Nがワンマーク高く感じられてやや音色のある感じです。
(4312D・4318双方を聴いた上で確認したところツイーターはやはり異なるそうで「大体その感じであってると思います」との事でした。)
メタル・コア・デスを含んだロックリスナーには4312D、ブルースやジャズとハードロック中心のリスナーには4318といったラインナップになるのでしょうか、いずれにしても(個人的には)JBL久しぶりの傑作ではないかと感じています。
(もう一度しっかり聴いてみたいと思います。)

4318→ Connect URL
4312D→ Connect URL


3.LINDEMANN・・・参考出品でしたがシンプルな青いフェイスパネルのミドルクラスアンプとCDプレーヤーが予定されているそうです。
もちろん、音は出ていませんでしたがシンプルながら好みなデザインで期待大です。
上級機は比較的明朗な音のタイプですし、派手だけど解像度があって抜けの良い感じといったトコロを期待しています。
Connect URL
↑CD1(SE)とAMP4に似た感じなのでこれらの後継機種でしょうか。


4.その他・雑感・・・今年の東京インターナショナルオーディオショウはESOTERICのP-01・D-01とSonus faberのStradivari Homage等がハイエンドの注目でしたが、昨年に比べると全体的に前評判としての盛り上がりには欠けていたようです。
ただ、avantgarde・JosephAudioも昨年とは生まれ変わったようにその真価を発揮した音が出ていた印象である種「玄人受け」のする年だったかもしれません。
avantgardeは当然、P-01・D-01と同社のアンプA-70に試作のプリアンプという構成でしたがこなれてきたせいでしょうか、はたまたプリアンプがavantgardeにリファレンスされているのでしょうか気になるところでした。
JosephAudioに至ってはnorth star designのミドルクラスで全て構成されて鳴っており、JosephAudio以上にnorth star designに関心してしまった事は言うまでもありません。
Stradivari Homageもバランスが良くとにかく高解像度で嫌味な音作りでも癖っぽい音作りでも無く、予想以上に(申し訳ございません^−^;)良い鳴りだと個人的には感じました。

最後に...毎年の事ですが、(60's〜70'sでも地味目でも良いので)もう少しロックを使用して欲しいなぁと。

次回は「ハイエンドショウ トウキョウ2004」の予定です。

2004/09/30  22:26

A&Vフェスタ2004に行ってきました。
昨日、「A&Vフェスタ2004」へ行ってきました。
例年同様に各社の新製品が並び、それぞれの製品とイベントコンパニオンのお姉さんと群がるカメラ小僧(小僧ってよりいい年した青年とおっさん)を見てきました。

それぞれの新製品案内は大手のニュースサイトにお任せするとして、やっぱり個人的に気になったロック・ポップスが聴けそうな製品をピックアップしてご紹介させて頂きます。

1.HERTZのインシュレータ・・・エンジニアの方は測定や解析・分析のプロ中のプロで(人生も)大ベテランの方ですが、このHERTZさんの最近特に有名(?)な空気ばね式ボード...ではなく、おまけのように置いてあったインシュレータに注目です。
HERTZさんは素晴らしい知識とノウハウをお持ちで(真剣に書くと長すぎるので割愛しますが)、特に防振に関して秀でている事はすでにオーディオ業界のみならず幅広く認識されています。
当然、インシュレータも2層・3層と異なる材質を組み合わせてこの防振というテーマに沿って開発されている様ですが、その理論や根拠の濃さ、深さがとても勉強になりました。
そして(当然、販売店として名乗ってお話を伺っていました為ですが)、若いのに「そんなにオーディオが好きなのは良い事だねえ、だったら特別に...」とサンプルを預かってまいりました。
ので、また後程にでも特別レビューを考えております。

2.Klipschのモニター・・・米国クリプシュのスタジオ系モニターがついに日本上陸といったトコロでしょうか。
元々知名度は高かったモニターなので「やっと来たんだ」といった感想の方も多くいらっしゃると思いますが、伝統のホーンツイーターは健在、「ハードロックカフェ御用達モニター」「THX認証」の肩書き通りに歯切れの良いサウンドでJBL(とはいっても一部のモデルのみ)等と並んでロックオーディオの登竜門的なモニターになりそうです。
当店でも展示導入を決めておりますので、ぜひ一度聴きに来て下さい。

3.Swans Speaker・・・初お目見えの米国スワンズスピーカー社です。
シアター用途を前提としたシステムプランでの製品群でしたが、そのコンセプトを満たす上で必要な定位や切れが良く、(あまのじゃくな?)当店ではむしろステレオでの展開を検討したいと考えたブランドです。
また、とても興味を持ったひとつの理由がシリーズ毎にデザイン・フォルムといった外観に加えてエンクロージャ(外箱)の材質や使用ユニットがまったく異なる事です。
通常、ほとんどのブランドが口径・グレードは異なっても同じようなユニットを使用して製品ラインナップを展開し、当然それぞれの音はある程度似通ったモノになるのですが、スワンズはユニットが異なったり、材質が異なったりしながらも統一のコンセプトカラーの音を出していました。
後日また、ゆっくりと試聴をさせて頂く予定となっておりますので続きは追加レポートで...。

4.番外編・・・まずは各社並んだリアプロジェクションテレビを見て...EPSONのリアプロ、ものすごいきれいでした。
明るさ・コントラスト・S/N・発色どれをとってもすごかったです。(激しい動きのシーンは見ていません。)
「さすがはドリームパネルの供給元」といったところでしょうか、全般的にも本体の小型化が進みプロジェクター部のスペース効率が良いためラック一体型プラズマディスプレイといった捕らえ方も出来そうですね。

そして、キャンギャル...例年より可愛い子が多かった気が!...と、そんな事はどうでもいいけど、ほんとにカメラマン多かったです。(オーディオ好き=オタクっぽいって思われそうで切なかったなあ。)

2004/09/24  19:09

ザ・ステレオ屋 用語集1
本日はBEGINNER'S内に収録されている用語集の続編第1回目です。

バイワイヤリング(端子)・・・スピーカーのケーブル接続方式の呼称で端子部分が高域側のスピーカー(ユニット)と低域側のスピーカー(ユニット)に分割されており、それぞれを別々のアンプで駆動する事によりドライブ力やダンピング、S/Nを向上させる効果があります。

高域側と低域側を別々のアンプで駆動する事を「バイアンプ(駆動)」と呼び、ツイーターは小型のアンプで鳴らしウーファーを大型アンプで駆動するパターンが定番のようですが、逆に大鳴りしてしまって緩みがちな低域をスピードの早いアンプでドライブし、ヒステリックに散らかりがちな高域を軟らかく艶のあるアンプで鳴らすといった手法もお勧めです。

また、ホーンツイーターとラージウーファー、非メタル材のツイーターとメタルウーファーといったような構造のスピーカーには高域用と低域用のケーブルに別々のケーブルを用いる手法があり、上記同様に各ユニットの特性・特徴を加味して「繋がりに重心を置いた中和作用」や「より個性をはっきりさせる相乗効果」を引き出す役割も可能です。
(音色の変化を好まない場合は同ブランドの同シリーズや異種口径の線材を使用することによって帯域のバランス調整としての使用方法があります。)


一般的なアンプ1台で接続時のバイワイヤリング端子の効果的な使用方法には、スピーカーケーブルのスピーカー側を+−共に高域側から低域側まで届く程度(スピーカーによりますが大体10cm〜20cm)に導体を長く剥き出し、端子を高域から低域に向かって貫通させて接続するケース(HH:ハイハイ)、反対に端子を低域から高域に向かって貫通するケース(LL:ローロー)、+側は高域から低域に向かって−側は低域から高域に貫通させるケース(HL:ハイロー)、+側は低域から高域に向かって−側は高域から低域に貫通させるケース(LH:ローハイ)と4通りの接続が可能で、HHはやや高域の量感が強めでハイスピードに、LLはやや低域の量感が強くパワフルにといった感じにニュアンスを変化させる事が可能です。

また、大抵の場合バイワイヤリング端子部をショートさせるための金具やケーブルは劣悪な物で上記のような結線をした場合には、この付属のジャンパーを取り外すためS/Nが飛躍的に改善されるといった例も少なくはありません。


また、ユーザー視点からしても「機能をフルに活かした感がある」事と、未だに「線は多いほうが良い・線は太いほうが良い」といった誤解からでしょうか、勘違いされやすい例として(2系統のスピーカー端子を搭載する様な)同一のアンプより同じケーブルを2組使用したバイワイヤリング(もどき)で非常に高い効果が得られると表現されている事があります。

この様な接続も決して間違いではありませんが、アンプ側でパラレル(並列)に接続しているかスピーカー側でパラレルに接続しているかの違いになり、フィードバック(スピーカーからアンプに戻ってしまう信号)等への若干の優位性はあっても、この状態ではバイワイヤリングの本質的な効果を得られている訳ではありませんのでご注意ください。

2004/09/22  21:23

Audio and Visual 各種ショウのご案内。
今日から週末にかけて各所でオーディオ・ビジュアル機器のショウが開催されます。

まずは、本日より開催の
「A&Vフェスタ2004」
入場料:無料
開催期間:9月22日(水)〜25日(土)
開催時間:10:00〜18:00(全日共通)
最寄駅:桜木町(みなとみらい21)
参考URL(出展メーカー・アクセス等):Connect URL

そして、最高峰のオーディオショウ
「2004東京インターナショナルオーディオショウ」
入場料:無料
開催期間:9月24日(金)〜26日(日)
開催時間:10:00〜19:00(最終日のみ17:00迄)
最寄駅:有楽町(東京国際フォーラム)
参考URL(出展メーカー・アクセス等):Connect URL

気軽に入りやすくフレンドリーな
「ハイエンドショウ トウキョウ2004」
入場料:無料
開催期間:9月24日(金)〜26日(日)
開催時間:10:00〜20:00(最終日のみ18:00迄)
最寄駅:有楽町(東京交通会館)
参考URL(出展メーカー・アクセス等):Connect URL

それぞれのショウがそれぞれに特色を持っており、もちろんマニアなお客様も多く訪れていますが若い人もたくさん来ていますし、初心者の方なら新型の携帯や車を見る感覚でも問題ないので気軽にデザインだけでも楽しんで頂ければ嬉しい限りです。

特にA&Vフェスタは「みなとみらい21」近くのパシフィコ横浜での開催なので、イケメン君もコギャルさんも(カーステもあるし、結構楽しめると思うので)みんなで「デートの合間にちょっと行ってみる」なんて感じで気楽に見に行って欲しいです。

2004/09/22  12:32

LUXMAN DU-7 Ver.UPのご案内。
LUXMANより、DU-7を後継機種のDU-7iとほぼ同等までにバージョンアップ可能なサービスが開始されています。

バージョンアップは映像と音声側(だけではなく全般に効果がある内容ですが分別しやすいように)として2種類用意されており、それぞれ必要な方だけでも対応可能なところが魅力的です。

映像はビデオDAC回路の変更(乗せ替え)で216MHz/14bitにバージョンアップされます。\42,000-

音声側と銘打たれた方は電源トランスを大容量トランスへ変更と、インシュレータをグラデーション鋳鉄製へ変更に加え、底板部分のチューンアップの3項目です。\31,500-

電源トランスはオーディオブランドに定評のある製造元の「Rコア」を使用、グラデーション鋳鉄はご存知「TAOC」系のOEMパーツですが、LUXMANが開発に携わっており完成度が高いインシュレータです。
底板もスチール・銅板・エポキシを使用し、オーディオボードと同様の構造とグレードに強化されます。

この事からも、特に音声側は映像にも高い効果が得られるためCPが高くお勧めです。
大多数を占めるであろう主にはオーディオプレーヤーとして使用されているユーザーは音声側のみに、プロジェクター等を使用されている方は併せてビデオDACもご検討されては如何でしょうか。

また、双方を同時にお申し込み頂いた場合はセット価格の\63,000-となるので大変お得です。

価格は税込み・送料は別途必要となりますがトータル金額はご相談ください。
お申し込みの際は手放す期間を最小限にするために一度LUXMANと調整の上、折り返しご連絡させて頂きますので、電話・メールでお問い合わせください。
また、当店以外でのご購入品も承ります。

下記サイトも参考にご覧ください。
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2004/09/21  19:17

ECLIPSE TD712z
昨日、TD512をベースに開発された新たなフラグシップモデルのTD712zを富士通TEN本社(兵庫)まで聴きに出かけてきました。
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当店はTD512発売直後より店頭デモを所有しタイムドメイン理論の作り出す音場やその音色傾向にも慣れ親しんでいましたが、当初よりレンジの狭さや抜けの悪さなど「もっとこうなれば良いのにねぇ」という要望も多く寄せていました。

そして、今回のTD712zは「スピードの向上とワイドレンジ化」という事で期待を膨らませて、いざ試聴会へ...。

まずは開発にあたっての理論や構造の説明と簡単な試聴を聴く為に各店舗のみなさまと大き目の試聴室(スタジオ)へ、座った席が後部端なので定位感などは分かりませんが第一印象は「確かにワイドレンジになってるな」といったトコロでした。

特に高域は鮮烈で且つよく伸びており、TD512の少し遠慮がちな出かたからするとシングルコーンとは思えないレンジ感です。
低域は深さや量感に物足りなさを感じるものの必要十分な存在を感じます。

説明会が終わるとフリーの試聴会です。
試聴室は全部で3室あり最初に入ったスタジオ兼務以外にも無響室など状況が異なり、それぞれの部屋でそれぞれの音が出ていた点にも注目でした。
いつもの如く僕のソースはデスメタル・ハードコア・パンクとロックばかりなので「みなさんがいない部屋・いない時に伺います。^−^;」という感じで3室すべてで試聴させていただきました。

念のため、聴かせて頂いたバンドは...
the used・SHADOWS FALL・Children of Bodom・FINCH・STATIC-X
などなど。
(みなさま、ご協力ありがとうございました。)

じっくりと聴いた上での印象は「まさにメーカーのPR文のとおり」であると思います。(TD512との比較として。)
S/N・解像度・スピード・抜け・切れ・立ち上がり、総じてクリアで鮮明な音像が得られています。
音色はややウェットな類でしょうか、高域はパサパサではなくキラキラと、声などの中域もほんのり艶を感じます。
低域は薄めですが広がる印象です。
...なるほど、大分ロックが(も)聴けるスピーカーになったようです。

個人的には高域の分解と中低域〜低域の輪郭がもうひとつ欲しいところですが、電源などのチューニングを殆どしていない状態での鳴りとしては十分に合格でした。

また、今回は専用スタンドが付属して実質トールボーイのスタイルとなりますが、スタンドが低いようで平均的な身長の方ではスピーカーの上端を眺めるような位置になります。(女性でもやや高い位置に耳が来ます。)
持ち味の定位感を味わうためには自分が低い位置に座るか、スタンドの下にボードやブロックなどを入れるなどで調整が必要になりそうです。

試聴の3室も床の硬度(絨毯の有無)や組み合わせだけでかなりの変化が見られましたのでアクセサリーへのレスポンスも良好。
高いポテンシャルを秘めており、鳴らしこみが楽しめそうです。

価格はペアで\600,000-程度との事ですが、TD512に物足りなさを感じていた方も一聴の価値はあると思います。
当店も展示やデモを予定しておりますので気軽にお問い合わせください。

P.S.
もちろん、音数が少ないソースも聴きましたがあっさりしていて癖の少ない感じです。
スタジオモニター的で個人的には好きでした。

2004/09/18  21:02

「良い音」とは?
前書き・・・
日頃からお店や電話・メールでのお問い合わせやご注文で「良い音」というフレーズを耳・目にします。
(例:「予算○○万円で一番音の良いアンプは何ですか?」等。)
大抵の場合は「音の良い」=「お勧め」という事に近いようですが、オーディオの機器を購入する事は居酒屋でおつまみを頼むような一瞬の事ではありません。

また、(特に最近は過少在庫化しているので)稀に各機器が販売終息の際に在庫処分として特別価格になる事があり、この時とばかりに機器を購入するような「バーゲンハンター」がオーディオユーザーに存在する事も「定価が高い」=「良い音」という間違った概念の生みだしたスタイルのひとつです。
(これは、特価品を在庫で買い込んだお店が早く売りたいが為に「猫にも杓子にも」「定価が高い方が良い音に決まってるからお買い得なんだ!」と趣向無視して売り込む事にも原因はあります。)

今回は、そんなちょっとおかしなオーディオ業界で(もっとも?)頻繁に使われている「良い音」という言葉についてです。
このテーマに関しては前述のとおり日頃から業界関係者(メーカー・商社・販売店・ユーザー・雑誌編集者・評論家)との会話や文章のやりとり、各雑誌の記事、洩れ伝わってくる話を聞いては「そもそもオーディオ(の存在意義)って何だろう。」と考え続けている(小難しく思われそうですがそんなに深い思考ではありません。^−^;)僕個人の思いが投影される事もあって、少々情緒的な表現を含んでしまうと思われますが、お店での屈託無い会話と同様に本音で話しているスタイルを投影して、より分かり易いオーディオにしたいという願望からですので、その点をご容赦・ご理解いただきながら読んでいただけると幸いです。


さてさて、どんな事からお話しようかと色々と悩みましたが、とりあえず最初に断っておきたいのは「良い音なんて無い!」という事です。
いや、正確に言えば「良い音」を定義することは出来ても実現はできない(だろう)という事です。


...と、今日はここまでです。
大まかな流れは完成していますが、(長くなりそうなので)じっくりと言葉を選びながら日頃感じている思いをメッセージにしたいと思います。
最終的には何回に分かれるかが想像できないレポートとなりますので、気長に続きを待っていてください。
(お店に来ていただければ、概要はいつでもお話いたしますよ。^−^;)

2004/09/16  19:05

RareBrand更新のお知らせ。
新ブランドとして、多面体スピーカー(サッカーボールみたいな形)で話題のSOLID ACOUSTICSと42・50・55・63インチパネル単体での購入も可能な点が魅力的な富士通ゼネラルを掲載いたしました。

各ブランドの代表的な製品のプチレビューを少々。

SOLID ACOUSTICS[SIKKIM]・・・「音が浮き出す。」と広告や雑誌等に書かれていますが、実際はそこまで立体的ではありません。
また、「あくまで無志向性です。」「スペック重視ではありません。」といった内容も記載されていますが、これも逆できちんとした定位を出すし、音的にもしっかりとした基本性能を持ち合わせています。
(むしろ下手に音質重視をうたった製品より、しっかりとした音が出ているように感じます。)

...あまのじゃくな表現ですが、あくまで誉めているつもりです。
ただ、個性やユニークさを強調して売りたいとメーカーさんが考えて打ち出したキャッチコピーだとは思いますが、そこまで変てこな鳴り方をしないので難しく考えないで頂けたらと...。
同社の専用イコライザーとアンプを使用した視聴では、音色は癖が無く素直です。

やはりシングルコーン(1way)特有のレンジ感ではありますが、無理なく鳴らしているので上下の伸びも自然で違和感がありません。
特徴を活かした設置をしたい場合は「部屋の中央付近で3分割〜4分割の交差点上」に設置すると、それぞれのスポットで定位も取れてどこからでも聴けると思います。
(ユニットの向きはしっかりと揃えます。)


富士通のパネルはALIS方式を採用、よく言われている事ですが大型家電メーカーの量販店で(のみ)見映えるような明るく過激な画作りとは異なり、深みや質感のある傾向の印象です。

また、現在は家庭用としては決してメジャーな方ではありませんが耐久性・節電性にも優れている為、すでに空港・病院等での導入はトップシェアクラスを誇り、この業務用販売のノウハウと自信がパネルのみの販売を展開している要因ともなっております。

今後は各社のDVDレコーダーにBSデジタル・地上派デジタルチューナーが搭載されるため、ディスプレイとチューナーを別々に購入するという考えは極めてCPの高い選択になりますのでPDP導入をご検討の際は選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

2004/09/14  19:32

marantz SA-11S1・PM-11S1
今日はタイトルの通り、marantzの新機種のプチレビューを。
Connect URL
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試聴自体は少々前にしており、その上で既に各数台ずつの実売をあげているのですが、おそらく今もっとも注目されている中級機となるのではないかと思います。

音の印象としては...
やや中域に張りと艶があり、高低にレンジが広いが最高域・最低域部を押し付けてくる感がなく自然に伸びていて、S/N・解像度ともに良好。
個人的には少々中低域(中域と低域の間)・中高域(中域と高域の間)に薄さを感じる点と、立ち上がりがもっと早ければといったトコロです。(もちろん、特にロックなソースを鳴らす場合です。)

と、うちでも個人差でひとつふたつの不満が出るものの、かなりの実力機だと意見が一致しています。(もちろんCPベースとして。)

そして、だからこそかえって気になっているのが「どのお店・評論家に聴かせても絶賛されている。」という点(marantz以外も他のメーカー、代理店さんに聞きましたが事実のようです。)、私的には正直言ってこれ以上は無い!とまで思うことはないのですが上記「個人差でひとつふたつ...」のとおりで、基本能力の高さだけは本物のようです。

今回はいかに基本能力(S/N・解像度≒分解能・情報量)が高いという事が大切であるかを再度認識すると共に、このような機種こそアクセサリー・ケーブルでの味付けや弱点のカバーが生きてくるとも実感しました。

そして\350,000と普及価格からすると少々高めとはいえ、ここまで評価を得ている機種がどれだけ売れるかが楽しみなのですが(特に当店では10万円台からのリプレースをお勧めいたします。)、よりお求めやすくなるように当店でのチューニングを実践編として両機のレポートを後日に掲載する予定です。(ある程度のチューニングはすでに実施済みです。)

また、店頭にて試聴機も用意する予定ですが、当面は品薄が続くそうなのでお値段・チューニング・その他、ご興味のある方はどしどしお問い合わせ下さい。

2004/09/10  20:20

FINCH LETTERS TO YOU
少々前の音源で恐縮ですが、今すごく好きな曲なのでFINCHのLETTERS TO YOU Connect URL を紹介したいのですが、冒頭から脱線した話を少々。

このLETTERS TO YOUはいわゆるパワーバラードなんですが、この曲の躍進もあってこの曲が収録されているアルバムは出世作となりました。

他にも有名どころとしてMr.BIGのTO BE WITH YOU・EXTREMEのMORE THAN WORDSも同じくロックバンドといった方向性とは関係無く素晴らしいバラードとしてヒットしていますが、僕はこのバラードもロックが好きな要因になっていて自身の音作りの指標にもなっています。

ロックの追い込みと言えば、切れ切れのギター(ソロ)とか攻撃的なスピードナンバーの分解・粒立ちとか、それぞれにロックらしいテーマがあることと思いますが、このFINCH[WHAT IT IS TO BURN]も多くはハードコア系の楽曲で占められています。

いつもの様にちょいちょいとインシュレータなどを調整...ロックナンバーが一通りらしく鳴ってくれたと思ったら、2曲目のLETTERS TO YOUを聴く。
...ロック調とはいえ、すごくメロディとリリック(歌詞)が良い曲なので、ちょっとニュアンスが違ったり、無機質だったり、ちょっとヴォーカルが遠かったり。
全部を理想的に鳴らすのは、なかなか難しかったりします。
(同じ1枚のCDでこんなメリハリも楽しめるのはロックならではの楽しみです。)

と、そんなわけで聴くのも、追い込むのもLETTERS TO YOUをリファレンスにしています。(これだけでなく他もたくさんあるのですが。)
このFINCH[WHAT IT IS TO BURN]はロックの中では音質もそんなに悪い方ではないので、ぜひ一度聴いてみて下さい。
ロックを毛嫌いしている方は「ロックバンドも悪くないなあ」と思うかも。^−^;

2004/09/09  19:12

the j1 project PT-4
昨日に引き続き電源タップの紹介です。

the j1 project[PT-4] Connect URL \63,000・・・j1の代名詞・シンボルである黒いプラスチックのような素材(ハイポリマー)とアルミで構成されたケースが特徴のタップ。
ケース底面には同社のコーンスパイク等のインシュレータがネジ止め出来る8mmのスタッド用ホールがあるので、ネジ止める事によって安定感のあるマウントが可能です。
(細長いタップにインシュレータを入れるとやや座りが悪いので...。)

昨日のe-TP80同様コンセント部(インレット部)にはFURUTECHの金メッキモデルを使用。
e-TP80と比べても元々の定価も高く、口数やフィルター部の有無を加味するとワンマーク上位の価格帯(機種)となりますが良い比較対象となりました。
やはり、前回同様にFURUTECHの金メッキらしい感じはありますが、こちらの方がS/N・解像度・レンジ感が高く感じられます。

帯域バランスも良好、やや滲みっぽく感じやすいポイントでも細かさがある分か、くどくないので悪い印象がありません。
欲を言えば更に最高域・最低域がもう一伸び欲しいトコロですが、まずまずのパフォーマンスであると思います。

また、引き続きインレット部をFURUTECH[FI-10 R]に、コンセントを1箇所Fim[Model 880]に入れ替えても試聴。
帯域が広ろがりS/Nが向上し、クリアでシャープになりギターの切れ、エッジの鮮明さが良好になりました。

他にも内部の電磁波防止対策や同社コーンスパイクのSP35HB DLC・BA35HB DLCによる足元の強化にも都度、高いレスポンスを発揮。
電源タップとしては少々高価な部類になりますが、どちらかといえば上記のような使いこなしの出来る中級者〜上級者に向いた高いポテンシャルを持ったケースが魅力的なツールのようです。

2004/09/07  19:04

FURUTECH e-TP80

今日は電源タップを紹介いたします。

FURUTECH[e-TP80]\52,290・・・コンセント4個(計8口)をフィルターによってセパレート(的に)しているそうで各コンセント毎の干渉が低減されているというタップです。

ボディは比較的簡素で黒いフィルター基盤部は一体に繋がっています。
FURUTECHの金メッキらしい音で厚みや情報量を感じますが、ややレンジが狭く僅かににじみっぽい癖があります。
帯域バランスは良好、もう少し分解が欲しいところです。

フィルターがかかっているデジタル機器用とプリアンプ等の信号系用コンセントとフィルターレスのパワー(増幅)用コンセントをプレーヤーにて聴き比べたところ、フィルター側はS/N感(特にざらつき)が高まりますがその分やや弱めの音になるようです。
フィルターとしては(音への影響があるくらいですので)間違い無く一定の効果があり、複数のAV機器を接続されている方にはCPが良く重宝される事と思います。

音に関しても全体的には価格相応に出ていると思いますが、ピュアオーディオ用途であればコンセントの交換や(空洞になっているので)内部の強化などが面白そうです。
(もちろん、改造は自己責任でお願いします。)

明日は写真下のthe j1 project[PT-4]のレビューを予定しています。

2004/09/06  18:56

ザ・ステレオ屋からのメッセージ。
本日は少々趣向を変えて、当店のショーウィンドウに貼られているご案内をお披露目いたします。
これをきっかけにお店に来られる方、遠方のみなさまからのメール・お電話が増えてくれると嬉しい限りです。

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当店は全国的にも珍しい、(比較的)若年層向きのオーディオショップです。
(とは言っても近年は全国的にオーディオショップが少ないので当店の希有さはなかなか分からないと思いますが。)

看板にも出している通り、ROCKやPOPS・HOUSE・HIPHOP・SOUL・CLUB/DJ系...とジャンルは何でも受け付けています。
(普通は↑のジャンルを持っていくと断られるか嫌な顔されるので。)
(DEATH・CORE・METALのようなゴリゴリのジャンルでも大音量で試聴可能です。)

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そんな「ちょっと変わったオーディオショップ ザ・ステレオ屋」の店員から、もちろん(商売上)お店としてでもありますが、音楽(やるのも聴くのも)好きな一個人として、(今これを読んで頂いている)ミニコンポ・ポータブル・パソコンで音楽を楽しんでいる若年(といっても10代〜30代と広く)の方に少しだけメッセージを...

多分、オーディオは「高い・おやじの趣味・詳しくないと出来なそう・オタクっぽい・違いが分からなそう・JAZZかCLASSICを聴く為のモノ」と思ってる方が多いと思いますが、それは(少なくともうちでは)誤解です。

そもそもオーディオって何?どこが違うの?オーディオで音楽を聴いたことがないよ。
という方も多いことと思います。
確かにオーディオ自体はここ10数年、色んな理由で衰退(上記のイメージ以外にも小型・軽量・安価)したこともあってなかなか聴く機会がなくなっています。

オーディオなんてたいそうに呼んでるだけで要はアンプ・プレーヤー・スピーカーをバラバラに購入して接続するだけなのですが、ミニコンポに比べればちょっと場所も取るし、ちょっと高いし、何よりとっつきにくいかもしれません。
でも、逆に言えばたったそれだけで(安易に使いたくない言葉ですが)「良い音」で聴くことができるツールです。
(どちらかと言えばみなさんの身近にある音楽装置が「むごい・ひどい・変な・こもった・バランスの悪い」といった「悪い音」なのですが...。)

そして「オーディオを知らない人」から徐々に「音の違いを知らない(感じようとしない)人」が増えただけです。
(ちなみにコツさえ分かれば、たとえMP3・MD・CD-Rでも音の違いは明確に分かりますよ。)
本当はすごく分かりやすくて簡単なモノで身近なモノなのに。

ザ・ステレオ屋は少なくともこの音の違いが分かる(感じる)人を増やしたいと思っています。
結果、価値を感じて買う人もいれば、価値を感じないので買わない人に分かれるだけです。
(マイナス思考かもしれませんが「分かっても買わない人」が断然多い事も知っています。^-^;)

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また、オーディオはファッションに近い感覚を持っているモノでもあり、例えば同じジーンズ(スピーカー)をベースにしても色々なデザイン(音色)のモノを組み合わせる事によって様々なコーディネイト(異なった方向の音)が楽しめます。
シャツだってスカートだって色・丈・シルエット・柄と様々あって、更にアクセや下着、履き物、もちろん髪型(女性ならメイクも)まで全部があって作られるところも同じです。
そして、根本は持って生まれた自分の顔やスタイル(価値観や感性)を頼りに自分に合うもの(好み)を探し身に付けるからこそ楽しめるのです。

(ある意味「良い音」なんて無いので安易に使いたくない言葉ですが)「高いの買って良い音で聴け!」とは言いません。
でも、せめて「自分にあった音」で好きな音楽を聴いて欲しい。
今までもたくさんの音楽を聴いてきたと思うし、これからもたくさんの音楽を聴いていくと思うけど、「もっと早くちゃんとした音で聴き始めればよかった。」と後悔するくらいに作り手の思いや感性が、楽器の質感やプレイのニュアンスが、歌い手の表情や言葉が、そして何より音楽から得られる感動が違うから。

同じ時間を費やして、これからもたくさんの音楽を聴いていくなら、少しでも早く自分にあったちゃんとした音で聴いた方がいいじゃないですか。

...という事で、男性なら車の買い替え、女性なら衝動買いの服とかブランド品、共通して飲み代・食い代・遊び代をちょっと控えてもらって、ぜひオーディオを少々導入してあげて下さい。

もちろん、音の聴き比べ方〜自分に合ったモノ選びはザ・ステレオ屋にてお願いします。
続きはお気に入りのCD持って遊びに来て頂いた時にでも...。

2004/09/03  19:09

CHT-8最終在庫のご案内。
サブウーファーの専門ブランドVelodyne社のエントリーモデル[CHT-8]Connect URL

切れ・抜けが良く、量感よりも瞬発力の高い傾向として発売当初より雑誌等の広告は皆無だったにも拘らず好評を頂いておりました。
当店らしい隠れた銘機のサブウーファーです。

当店は輸入元エレクトリも公認のCHT-8の火付け店となり、この度最終輸入在庫を全数確保しております。
(後継機種の予定もあるようですが、価格・音色ともに変更される可能性が高く現機種と安に比較される物ではないと思われます。)

購入をご検討されている方は、お早めにお問い合わせ頂けますようにお願い申し上げます。

2004/09/01  10:52

blogスタートのご案内。
いつもDigital side「ザ・ステレオ屋」をご利用いただきましてありがとうございます。

おかげ様でHP内にあるような(数少なくなっている本当の専門店らしい)コンテンツなどにも好評を頂いておりますが、日頃の忙しさに追われてしまい、なかなか新たなコンテンツをお披露目できないという悩みも抱え続けております。

中でも、ご利用いただいている方々や業界関係者から多く寄せられる意見として
「製品のプチレビューだけでも出して欲しい。」
「当店ならではのお買い得情報を教えて欲しい。」
「ザ・ステレオ屋は他のお店とはちょっと違うのでもっと読み物が見たい。」
「若いユーザー向けの製品紹介をして欲しい。」
「自作について書いて欲しい。」
等が以前よりありました。

そこで...何かご要望にお応えできる方法はないかと思い、少々流行にも乗ってBlog(ネット上に公開する日記のようなもの)という形式にチャレンジしてみる事に致しました。

「オーディオ・ビジュアル機器・アクセサリーの特価情報」
「展示品やイベントのご案内」
「気に入ったCD等のご紹介」
良い悪いではなく、どんな方に向くか・どんな傾向の音かの分析をベースにした
「機器のプチレビュー」
既にある用語の説明や業界・製品への関心事など
「好き勝手で分かり易さと少々毒舌がウリの読み物」などなどです。

一度に書けない場合は連載形式をとって公開していきますので、
タイトル後に数字が続く場合はバックナンバー等も読んでみて下さい。
(バックナンバーは1ヶ月単位の予定です。)
また、コンテンツはまとまり次第←の各メニュー内に従来通り移動いたします。

それでは、今後ともお楽しみに。

2004/08/31  17:23